空想科学読本

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空想科学読本』(くうそうかがくどくほん)とは、柳田理科雄の「SF科学」考察本である。2009年現在までに8冊(1~7と6.5が存在)が刊行されている。

アニメ漫画特撮で描かれてきた様々なSFヒーロー・怪獣・各種キャラクターの荒唐無稽なSF設定を「科学的」に検証したもので、マニアに限らず一般読者にも受け入れられてベストセラーとなり、シリーズ化している。しかし、文庫化をめぐって当初の発行所である宝島社と決裂し、メディアファクトリーから改訂版・文庫版・新装版が発行されている。過去にはテレビ放映もされた。

近藤ゆたかが挿絵を担当しており、2までは木原浩勝が企画監修していた。

元々は著者の経営する学習塾の赤字を少しでも減らす目的で執筆された。

目次

[編集] 内容

本書のコンセプトは、基本的には、「怪獣映画やSFマンガなどの空想科学作品で描写されている事象を実際の現代科学で再現すればどうなるか」を現実の物理法則にあてはめてシミュレーションをすることである。ユーモアあふれる文と科学的な検証が好評を博してベストセラーになり、続編、関連書も次々と出版されるようになった。

本書の元になる企画は1995年の『帰ってきた怪獣VOW』における同様の企画で、検証したのも本書と同じ柳田理科雄が担当した。

なお、本書で描かれているキャラクターのイラストにおいては著作権上の配慮からか、オリジナルに似ないように描かれている。近藤ゆたかのイラストでは、最初の「タケコプター」や「どこでもドア」の検証でドラえもんの顔を描いておらず、「ドラえもんの体形と野比家の構造」についての検証でやっとドラえもんの顔が描かれた。

また、『空想科学読本』の初版(宝島社刊)ではウルトラマンゾフィー、初代、ジャック)の頭から顔の中央にかかる鶏冠(とさか)状の物や体の模様など、テレビのとおりであったが、新刊(メディアファクトリー刊)以降では姿が実際と違う様子に描きかえられ、鶏冠も実際とは違うウルトラセブンのアイスラッガー状の形になった。さらに、ウルトラマンの赤い部分を表す黒っぽい着色も、初版では実際どおりに腰と膝だけ着色していたが、新刊では腰から足首まで両脚のほぼ全体が着色されている。

イラスト下の解説文でも本文とは違ってキャラクターの名前は意図的に書かず、「猫型ロボット(ドラえもん)」「正義のヒーロー(ウルトラマン・ウルトラセブンなど)」「カメ怪獣(ガメラ)」などという風に、あやふやで半端な表現を用いている(実名を書くことで、版元からクレームが来るのを避けるためだと思われる)。さらに、イラスト中では猫型ロボットを丸形ロボットと表現するなど、著作権上の配慮を茶化して描く表現があることも本書の特徴といえる。

なお、『3』および『4』はSPA!に連載された原稿を元にして、大幅な改稿や書下ろしが加えられたもの、『6』と『7』は全国の高校・高専の図書館向けのFAX空想科学 図書館通信の原稿を大幅に加筆・修正したものとなっている。

[編集] 賛否両論

ベストセラーになっている本書だが、一部に否定派も存在し、様々な賛否両論がある。

[編集] 本書について

例えば、タケコプターを研究する上において、タケコプターは反重力を用いて飛行するという公式設定を無視したり、公式設定で129.3kgとされるドラえもんの体重を、最初は80kgと仮定して計算したり、『科学忍者隊ガッチャマン』の変身のメカニズムについてでは、「服やヘルメットが圧縮されてブレスレットに収納されている」とあるが、これについてはガッチャマンのファンから「本当はブレスレットの変身ジェネレーターが出す高周波によって服が変化する」という異論があり、漫画アニメ特撮など各作品に対する基本的な知識・設定の無知や初歩的な計算ミスが多い点がある(重版時にいくつかは改訂されている―ドラえもんの体重は計算しやすいよう、ほど近い130kgに改められた)。

また、その他の研究においても、自説に都合の良い設定のみを生かした恣意的な仮説の立て方、登場するキャラクターへの愛情が感じられないなど、非難する声もある。

さらに、ゴジラの圧壊の件は一巻初版の帯に書かれ表紙のモチーフにもなっていた事が間違いであったため、重版分から丸々修正されており、間違いが存在する点は柳田自身も『空想科学読本4』の後書きなどで認めている。

ただし、この本の本当の見所は柳田の文章の表現力とそれを上手く具現化した近藤ゆたかの挿絵であり、そもそもこの本は空想科学世界を1歩引いて眺めた壮大な「ネタ」と捉えるべきものであり、その矛盾点・ナンセンス等に対して本気で批判しようとするこそがナンセンスであると言う意見もある。この観点からは、些細な間違いは突っ込んで楽しむための「ネタ」とみなされ得る。

また、ネタにされた作品のコアなファンには強い反感を買った本書だが、作品の制作サイドにおいてはそれだけでもなかったようで、例えば『機動戦士ガンダム』のシャア・アズナブルのヘルメットが無重力下では危険だという指摘に対して、それをネタにしたイラストを描いた安彦良和の例がある

「ゴジラVS柳田理科雄」の出版においては、東宝がゴジラシリーズの映画で用いられたポスターや写真の提供も行うなどで積極的に協力しているほか、空想科学漫画読本シリーズの際には出版社や漫画家の協力で検証用のコマの絵も多数掲載され、『侍ジャイアンツ』の再放送の際に柳田が同番組の空想科学読本的分析を行うミニコーナーが設けられた例もある。

これらは本書をネタとして認識した上での対応と言える。

[編集] 批判書について

本書に対する批判書として、山本弘による『こんなにヘンだぞ! 空想科学読本』(略称、『こんヘン』)があり、『空想科学読本1』の文庫版ではそれらの批判も含めた改訂が行われた。

空想科学読本に批判的な読者には好評をもって迎えられた『こんヘン』だが、同書にも間違いや矛盾が多く見られる。それらは山本弘の公式サイトで「初版正誤表」としてまとめられているが、全てのミスは網羅されていない。例えばゴジラの適正体重を算出する際、撮影で使用する着ぐるみと中に入るスーツアクターの重さを基にしているのは「科学的」な計測法とは言い難い(実在する恐竜は後の柳田のように模型から体積を割り出し、それに肉の密度を割り当てて体重を算出する)。しかし、そこまで厳密に求める必要はない(着ぐるみと人間の重さ密度体積から算出した着ぐるみ全体の体積からゴジラの適正体重を算出した)、とする意見もある。事実、文章の中においても「着ぐるみは空洞やウレタンが詰まっている部分があり、本物の生物より密度が小さい」「身長220cmでゴジラと同じ体型の生物が実在したなら、300~400kgぐらいあってもおかしくない」と記述されている。

こうしたことから『こんヘン』への反発を覚える読者も少なくなく、と学会ファンの中にも『こんヘン』での柳田や『空想科学読本』シリーズへの中傷や人格否定による批判のしかたや態度を問題視する人や、「空想科学読本の人気に便乗しようとして作られた本」という意見も少なくない。

なお、山本以外でも、当時のと学会副会長である藤倉珊などが「と学会とはスタンスがまったく違う」「嘘とわかっている設定を否定する意図が理解できない」と批判している(『トンデモ世紀末の大暴露』)。

[編集] 今までに登場した作品

など。

[編集] 関連書籍

[編集] 空想科学読本シリーズ

1999年の論争!までは木原浩勝が企画監修している。

[編集] その他

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

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