ジギタリス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
ジギタリス
Digitalis purpurea2.jpg
Digitalis purpurea
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : キク類 asterids
階級なし : シソ類 lamiids
: シソ目 Lamiales
: オオバコ科 Plantaginaceae
: ジギタリス属 Digitalis
学名
Digitalis L.
和名
キツネノテブクロ(狐の手袋)
英名
Digitalis

ジギタリス (Digitalis) は、オオバコ科の属の一つ。地中海沿岸を中心に中央アジアから北アフリカ、ヨーロッパに20種あまりが分布する。二年草多年草のほか、低木もある。園芸用に数種が栽培されているが、一般にジギタリスとして薬用または観賞用に栽培されているのは、D. purpurea種である。

目次

学名の由来 [編集]

ギリシャ語で「ゆび」を表すdigitalに由来する。これは花の形が指サックに似ているためである。コンピューター用語のデジタル(ディジタル、digital)と起源は全く同じである。種名のpurpureaは「紫」の意味。園芸種には白やピンクの花色のものがある。

解説 [編集]

ジギタリスは別名をキツネノテブクロ(英名のfoxgloveの直訳である)という。ヨーロッパ原産であるが、観賞用あるいは薬用に世界中で広く栽培される。高さ1メートル前後で分枝しない。

西洋では暗く寂れた場所に繁茂し不吉な植物としてのイメージがある植物とされる。いけにえの儀式が行われる夏に花を咲かせることからドルイド達に好まれると言われる。「魔女の指抜き」「血の付いた男の指」などと呼ばれていた地域もある。メーテルリンクは、「憂鬱なロケットのように空に突き出ている」と形容している。

毒性と薬効 [編集]

ジギタリスには全草に猛毒があり観賞用に栽培する際には取り扱いに注意が必要である。ジギタリスの葉を温風乾燥したものを原料としてジギトキシンジゴキシンラナトシドCなどの強心配糖体を抽出していたが、今日では化学的に合成される。古代から切り傷や打ち身に対して薬として使われていた。1776年、英国のウィリアム・ウィザリング強心剤としての薬効を発表して以来、うっ血性心不全の特効薬として不動の座を得るに至っている。ただし猛毒があるため、素人が処方すべきではない。日本薬局方ではジギタリスの一種 Digitalis purpurea が医薬品として収録されている。これはハトを使って効力を定量した「ジギタリス単位」という単位で効力を表示する。詳細な定量方法は、日本薬局方を参照のこと。 ほかに視覚異常の副作用もある。

栽培 [編集]

花の形がユニークで美しいので、花壇用に栽培されている。五月から六月に播くと、ほぼ一年後に開花する。タネはかなり細かいので、浅い鉢に播き、受け皿で吸水させて発芽させる。水はけのよい土地を好むが、高温多湿にやや弱く、日本の暖地では栽培しにくい。

1960年代に「長寿のハーブ」として流行したコンフリー(ヒレハリソウ)に葉の形などが似ているため、誤食して中毒を起こした人がいるので、注意すること。

ギャラリー [編集]

参考文献 [編集]

  • A・レウィントン「暮らしを支える植物の事典」(八坂書房
  • アリス・M・コーツ「花の西洋史事典」(八坂書房

外部リンク [編集]