フジ属

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フジ属
Wisteria floribunda
フジ大阪府、2006年5月3日)
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : コア真正双子葉類 core eudicots
階級なし : バラ類 rosids
階級なし : 真正バラ類I eurosids I
: マメ目 Fabales
: マメ科 Fabaceae
亜科 : マメ亜科 Faboideae
: フジ連 Millettieae
: フジ属 Wisteria
学名
Wisteria Nutt.
和名
フジ属

フジ属(フジぞく、学名: Wisteria)は、マメ科の一つで、フジ(藤)と総称する。ただし、「フジ」は Wisteria floribunda和名でもある(別名ノダフジ)。

異名に「さのかたのはな」、「むらさきぐさ」、「まつみぐさ」、「ふたきぐさ」、「まつなぐさ」などがある。

目次

特徴 [編集]

つる性落葉木本である。

毎年4月から5月にかけて淡紫色または白色状に垂れ下げて咲かせる。

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フジ属には8前後が属する。

北アメリカ東アジア日本に自生する。フジ(ノダフジ)とヤマフジの2種が日本固有種で、中国シナフジ欧米アメリカフジなどが栽培されている。

利用 [編集]

食用・薬用 [編集]

  • 藤根:古い文献によると、飢きんになると根を食べたというほど、やせた土地でも成長できる。
  • 藤瘤:胃癌薬
  • 若芽:ゆでて和え物や炒め物
  • 花:湯がいて三杯酢天ぷら塩漬けして「花茶」に用いる。
  • 種子:花後に剪定すると、実がならない。入手が困難でもちもちした食感は珍味となっている。江戸時代には貴重な糖質として重宝された。

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  • 家具(いすや籠など)
  • 藤布(繊維から)
  • 藤紙(茎皮の繊維から)

日本のフジ [編集]

「迫間のフジ(はさまのふじ)」(栃木県足利市あしかがフラワーパーク。2006年5月)
樹齢140年とされ、2008年5月現在、枝は1,200枚分の日本最大の面積に広がる
千葉県成東町・ヤマフジの大群落
盆栽

日本では園芸植物として藤棚や盆栽に仕立てられることが多い。

山林に自生するフジは、つる性であるため、樹木の上部を覆って光合成を妨げるほか、幹を変形させ木材の商品価値を損ねる。このため、植林地など手入れの行き届いた人工林では、フジのツルは刈り取られる。これは、逆にいえば、手入れのされていない山林で多く見られるということである。近年、日本の山林でフジの花が咲いている風景が増えてきた要因としては、木材の価格が下落したことによる管理放棄や、藤蔓を使った細工など)を作れる人が減少したことが挙げられる。

名木 [編集]

牛島の藤
国の特別天然記念物
国の天然記念物
県の天然記念物
その他名所
あしかがフラワーパーク内に存在する迫間のフジ(はさまのふじ)は樹齢約140年、枝の広がりは1000m²にも及ぶ。
デザインされた10種の藤棚「9画3段円柱の藤棚」「扇の藤棚」「階段の藤棚」「通路の藤棚」に1800本以上の藤が咲き乱れる。

市町村の花 [編集]

唐津城のフジ(佐賀県唐津市)
消滅した自治体

文化 [編集]

日本では古来より、花の鑑賞や籠などの道具の材料などに用いられてきたため、各所でフジに因んだ名称や意匠を目にすることができる。

人名 [編集]

日本人の

名字ランキング100番目以内に多い順から佐藤伊藤斎藤加藤後藤近藤藤田遠藤藤井藤原工藤安藤藤本の13種類の名字がランクインしている

藤原氏を出自としてその流れを汲む十六藤(じゅうろくとう) - 佐藤、伊藤、斎藤、加藤、後藤、近藤、遠藤、工藤、安藤、内藤須藤武藤進藤新藤神藤春藤の名字(読みは音読みで「とう」または「どう」、人口の多い順)。 多くは旧国名・役職名+藤と言うパターンが多い。(例:佐藤は「佐渡」または「佐野」の藤原の意)この、十六藤以外にも江藤衛藤斉藤首藤権藤尾藤などの名字も存在する。

「○藤」系は北日本東日本東海地方に多く分布しており、「藤○」系は西日本近畿地方中国地方瀬戸内海側を中心に多く分布している。ただし、徳島県大分県では例外で、前者は佐藤・近藤、後者は佐藤・後藤・工藤が多く集中しており、大分県独特の名字に江藤・衛藤・首藤姓がある。

平安時代の貴族であった藤原氏の「藤原」は本姓であり、その子孫は現在それぞれ家名(九条・冷泉など)を名字としているため、貴族の家系においての「藤原さん」は存在しない。詳しくは、藤原氏を参照。

日本人の

「藤雄」、「藤子」、「藤枝」、「藤美」など「藤」の付く個人名もある。 人物としては藤子・F・不二雄が著名である

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文学・芸術 [編集]

古事記
  • 藤衣(ふじごろも)
万葉集
  • 「藤浪の花は盛になりにけり ならのみやこを思ほすや君」 防人司佑(さきもりのつかさのすけ)大伴四綱(よつな)の歌
枕草子
  • 木の花は:「藤の花は、しなひ長く、色濃く咲きたる、いとめでたし」
  • あてなるもの:「薄色に白襲の汗衫。かりのこ。削り氷にあまづら入れて 新しき金まりに入れたる。水晶の数珠。藤の花・・・」
源氏物語
俳諧
  • 「くたびれて宿かるころや藤の花」(芭蕉
  • 「昔絵の春や辨慶藤娘」 (子規

絵画・工芸 [編集]

「色絵藤花文茶壺」 野々村仁清
大津絵十種の画題の一つ。日本舞踊の「藤娘」では、藤娘(藤の精)がフジの花枝を持って舞う

衣装 [編集]

  • 藤布(ふじぬの):庶民用布、ござの縁布
    • 藤衣 (ふじごろも):公家の喪服にもちいられた
  • 染色:
  • 襲色目 藤(ふじ)[13]
    淡紫から白のグラデーション:毎年3月から4月にかけての春に着用
  • 着物の文様
  • 花簪(かんざし):フジの花序をかたどったものがある[14][15]

家紋 [編集]

藤紋(ふじもん)は日本の家紋の一種。ヤマフジのぶら下がって咲く花と葉を「藤の丸」として図案化したもので、元来は「下り藤」である。

家紋として文献に載ったのは、15世紀ごろに書かれた『見聞諸家紋』などである。『吾妻鏡』や『太平記』には登場しないことを根拠として武家の間では14世紀後半の室町時代末期に流行したと考えられており[1]、また江戸時代には武士における使用家が170家におよび[2]五大紋の一つに数えられている。

図案には、上り藤、下り藤、一つ藤巴、藤輪、利久藤、三追い藤、黒田藤などがある。

その他 [編集]

  • 天道花・花折節供
  • 自然暦・勧農鳥の止まる木
  • 朝藤夕縄

フジと名のつく植物 [編集]

つる性、花序が穂状、あるいは小さな花が寄り集まっているなど、形状がフジと似ているところから名づけられたものと考えられる場合が多い。

脚注 [編集]

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  1. ^ 高澤等 『家紋の事典』 千鹿野茂監修、東京堂出版2008年ISBN 978-4-490-10738-8
  2. ^ 『索引で自由に探せる家紋大図鑑』 新人物往来社〈別冊歴史読本〉、1999年ISBN 4-404-02728-1

参考文献 [編集]

  • 茂木透写真 「フジ属 Wisteria」『樹に咲く花 離弁花2』 高橋秀男・勝山輝男監修、山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑〉、2000年、94-99頁。ISBN 4-635-07004-2

関連項目 [編集]

外部リンク [編集]