フジ属

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フジ属
Wisteria floribunda6.jpg
ノダフジ(5月初旬、大阪
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
: マメ目 Fabales
: マメ科 Fabaceae
亜科 : マメ亜科 Faboideae
: フジ連 Millettieae
: フジ属 Wisteria
学名
Wisteria Nutt.

フジ属 (Wisteria) は、マメ科つる性落葉木本である。フジ)と総称する。ただし、フジはフジ属の一種ノダフジ Wisteria floribunda の別名でもある。

異名に「さのかたのはな」、「むらさきぐさ」、「まつみぐさ」、「ふたきぐさ」、「まつなぐさ」などがある。

目次

[編集] 特徴

4月から5月に淡紫色または白色の花を房状に垂れ下げて咲かせる。

[編集] 種類

フジ属には8種前後のが属する。

フジ属は、日本、北アメリカ、東アジアに自生し、フジ(ノダフジ)とヤマフジの2種が日本固有種である。このほか、中国でシナフジ、欧米でアメリカフジなども栽培されている。

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[編集] フジ(ノダフジ)

日本においてフジといわれるものはノダフジである。本州四国九州の温帯から暖帯に分布する。

山野に普通。木に巻きついて登り、樹冠に広がる。かなり太くなるツル性の木本である。花序は長くしだれて20センチメートルから80センチメートルに達する。花は紫色

蔓の巻き方は、右巻き(上から見て中心から外側へ時計回りに見える巻き方)である。(詳しくは、右巻き、左巻きも参照。

ノダフジ(野田藤)の名は、このが植物学者の牧野富太郎により命名されるきっかけとなった、フジの名所であった大阪市福島区野田にちなんでいる。(同区玉川の春日神社には、野田の藤跡碑が建立されている)

一才藤(いっさいふぢ)として園芸用に流通する鉢がある。樹高50センチメートルくらいの、鉢植えや盆栽にして愉しむための一才物のフジ。花枝はしだれるが、支柱などは不要。

[編集] ヤマフジ

他の木に巻きついて大きく成長する。花は淡紫。花序はフジに比較して短く、蔓は上から見ると左回り。本州西部・四国・九州(暖帯)の山地に自生する。鑑賞用に栽培することもある。

[編集] 利用

[編集] 食用・薬用

藤の成分には、ポリフェノールが含まれ、花粉症動脈硬化糖尿病メタボリックシンドロームなど、現代の生活習慣病の改善や体質改善に有効な働きをする。

  • つる:ポリフェノールが含まれ、攪拌した粉をクッキーせんべいにする。
  • 若芽:ゆでて和え物や炒め物
  • 花:湯がいて三杯酢天ぷら塩漬けして「花茶」に用いる。
  • 種子:ポリフェノールが含まれ、以前は食用にしていたが、花後に剪定すると、実にならないので、現在では入手が困難になりつつある。

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  • 家具(いすや籠など)
  • 藤布(繊維から)
  • 藤紙(茎皮の繊維から)

[編集] 日本のフジ

迫間のフジ(はさまのふじ)」(栃木県足利市あしかがフラワーパーク。2006年5月撮影)
樹齢140年とされ、2008年5月現在、枝は1,200枚分の日本最大の面積に広がる
千葉県成東町・ヤマフジの大群落

園芸植物としては、日本では藤棚に仕立てられることが多い。白い品種もある。つる性であるため、樹木の上部を覆って光合成を妨げるほか、幹を変形させ木材の商品価値を損ねる。このため、植林地など手入れの行き届いた人工林では、フジのツルは刈り取られる。これは、逆にいえば、手入れのされていない山林で多く見られるということである。近年、日本の山林でフジの花が咲いている風景が増えてきた要因としては、木材の価格が下落したことによる管理放棄や、藤蔓を使った細工など)を作れる人が減少したことが挙げられる。

[編集] フジと名のつく植物

つる性、花序が穂状、あるいは小さな花が寄り集まっているなど、形状がフジと似ているところから名づけられたものと考えられる場合が多い。

[編集] 文化

日本では古来より、花の鑑賞や籠などの道具の材料などに用いられてきたため、各所でフジに因んだ名称や意匠を目にすることができる。

[編集] 人名

藤原氏を出自としてその流れを汲む十六藤 - 佐藤伊藤斎藤加藤後藤などの(名字)がある。

「藤」から始まる姓としては藤井藤田藤原藤本藤村藤沢などがある。

平安時代の貴族であった藤原氏の「藤原」は本姓であり、その子孫は現在それぞれ家名(九条・冷泉など)を名字としているため、貴族の家系においての「藤原さん」は存在しない。詳しくは、藤原氏を参照。

[編集] 市町村の花

唐津城のフジ(佐賀県唐津市)
消滅した自治体

[編集] 文学・芸術

古事記
  • 藤衣(ふじごろも)
万葉集
  • 「藤浪の花は盛になりにけり ならのみやこを思ほすや君」 防人司佑(さきもりのつかさのすけ)大伴四綱(よつな)の歌
枕草子
  • 木の花は:「藤の花は、しなひ長く、色濃く咲きたる、いとめでたし」
  • あてなるもの:「薄色に白襲の汗衫。かりのこ。削り氷にあまづら入れて 新しき金まりに入れたる。水晶の数珠。藤の花・・・」
源氏物語
俳諧
  • 「くたびれて宿かるころや藤の花」(芭蕉
  • 「昔絵の春や辨慶藤娘」 (子規

[編集] 絵画・工芸


大津絵十種の画題の一つ。日本舞踊の「藤娘」では、藤娘(藤の精)がフジの花枝を持って舞う

[編集] 家紋

藤紋 下り藤

藤紋(ふじもん)は日本の家紋の一種。ヤマフジのぶら下がって咲く花と葉を「藤の丸」として図案化したもので、元来は「下り藤」である。

家紋として文献に載ったのは、15世紀ごろに書かれた『見聞諸家紋』などである。『吾妻鏡』や『太平記』には登場しないことを根拠として武家の間では14世紀後半の室町時代末期に流行したと考えられており[1]、また江戸時代には武士における使用家が170家におよび[2]五大紋の一つに数えられている。

図案

図案には、上り藤、下り藤、一つ藤巴、藤輪、利久藤、遠藤、三追い藤などがある。

使用家

藤紋を用いたのは藤原氏であるかのようにいわれてきているが藤原氏流の97家での使用は7家のみであった。公家では、九条家(九条藤)や二条家などが用いている。武家では、黒田氏(黒田藤巴)、大久保氏(大久保藤)などが用いた。

[編集] 衣装

  • 藤布(ふじぬの):庶民用布、ござの縁布
    • 藤衣 (ふじごろも):公家の喪服にもちいられた
  • 染色:
  • 襲色目 藤(ふじ)[1]
    淡紫から白のグラデーション:毎年3月から4月に着用
  • 着物の文様
  • 花簪(かんざし):フジの花序をかたどったものがある[2][3]

[編集] その他

  • 天道花・花折節供
  • 自然暦・勧農鳥の止まる木
  • 朝藤夕縄

[編集] 名木

国の特別天然記念物
国の天然記念物
その他名所

[編集] 脚注

  1. ^ 高澤等著『家紋の事典』東京堂出版 2008年
  2. ^ 新人物往来社編『索引で自由に探せる 家紋大図鑑』新人物往来社 1999年

[編集] 外部リンク

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