「持続可能な開発目標」の版間の差分

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== 批判 ==
== 批判 ==

*生物学者の[[池田清彦]]やライターの[[窪田順生]]は、アメリカ、中国、ロシア、中東と比べて、石油や天然ガスといったエネルギーの資源を持たない欧州が「自らの劣勢を挽回しよう」という意味合いが強く、誰も反対できないような美しい言葉を並べているが、その恩恵があるのは一部の国だけとなっているという実に巧妙な仕掛けになっているとSGDsを批判している<ref name=":1" />。窪田によると、欧州は脱石炭や脱石油で、天然ガスやメガソーラーを含む太陽光発電を推進しているが、ハイブリッド車で世界一の技術を誇る日本がSDGsなんて進めたところでなんのメリットもなく、むしろメガソーラーによる災害など損をすることの方が多い事態になっているという<ref name=":1" />。その上で、日本の大手マスメディアは「世界中の報道機関とエンターテインメント企業に対し、その資源と創造的才能をSDGs達成のために活用するよう促す」ことを目的とした「SDGメディア・コンパクト」に参加しているため、国民や日本企業の99.7%を占める中小企業の関心の実態に合わないメディアによるゴリ押しが凄いことになっていると述べている<ref name=":1">{{Cite web |title=SDGsを発明した人は本当に頭がいい、皮肉な理由 |url=https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2205/31/news056.html |website=ITmedia ビジネスオンライン |date=2022-05-31 |access-date=2022-08-24 |language=ja}}</ref>。
=== 競合する多すぎる達成基準 ===
*ある在京民放の情報番組ディレクターは、SDGs関連の視聴率は悪いが「実態がなくても取り上げなければいけない。上司の機嫌取りのため、実績作りのために無理やり企画をねじ込む」と自論を展開している<ref name=":2" />。そのため、「SDGs関連を一生懸命やってるのは、大社員様ばかり。」「少数者、弱者の立場や権利向上をというのなら、俺たち外部スタッフの給与を少しでも上げてくれといいたいね」と皮肉を述べた。NEWSポストセブンは、SDGsに関する放送に関わっているスタッフが「持続可能」と言えない過酷な労働の負担になっていると述べ、結局救われるべき弱者が置いてけぼりにされるのではないかと懸念を表明した<ref name=":2">{{Cite web |title=SDGsに忙殺されるテレビ局スタッフ「どこが持続可能なのか」とぼやく |url=https://www.news-postseven.com/archives/20220124_1721250.html?DETAIL |website=NEWSポストセブン |access-date=2022-08-24 |language=ja}}</ref>。
2015年の[[エコノミスト|エコノミスト]]による解説では、SDGsの169の達成基準は多すぎると主張し、[[ミレニアム開発目標|8つのミレニアム開発目標]](MDGs)と比較して、「無秩序で、誤った考え」で「乱雑」だと述べている<ref name=":5">{{Cite news|title=The 169 commandments|newspaper=The Economist|url=https://www.economist.com/news/leaders/21647286-proposed-sustainable-development-goals-would-be-worse-useless-169-commandments|url-status=live|access-date=2016-02-19|archive-url=https://web.archive.org/web/20171018114345/https://www.economist.com/news/leaders/21647286-proposed-sustainable-development-goals-would-be-worse-useless-169-commandments|archive-date=18 October 2017}}</ref>。 そしてこうした達成基準は地域の文脈を無視しているとした。他の16の目標はすべてSDG1「貧困を終わらせる」の達成を条件としている可能性があり、これは非常に短い目標リストのトップにあるべきものであったという。
*アナリストの松岡真宏によると、日本のSDGs検索数は世界で突出して多く、2位のジンバブエとの比較でも3.6倍、9位の韓国の20倍、34位のアメリカ合衆国の100倍となっている<ref>{{Cite web |title=「SDGs」に関心を寄せているのは日本企業だけ? 欧米企業との違いを考える {{!}} Frontier Eyes Online by フロンティア・マネジメント |url=https://frontier-eyes.online/sdgs_japanese-companies/ |date=2022-07-29 |access-date=2022-09-17 |language=ja}}</ref>。デイリー新潮は、行き過ぎたSDGs教育で子供が人間不要論を唱えだしたり、テレビ「SDGsのうた」、書店の「SDGsコーナー」には関連書籍が乱立している「SDGs祭り」の様相を呈しているとし、お祭り騒ぎをしているのは日本だけと指摘している<ref>{{Cite web |title=行き過ぎた「SDGs教育」で子どもが「人間はいらない」 お祭り騒ぎをしているのは日本だけ? (デイリー新潮) |url=https://news.yahoo.co.jp/articles/e63b4c9a20fa498f0c7cd5c7ea35d80fc5485687 |website=Yahoo!ニュース |access-date=2022-09-17 |language=ja}}</ref>。

17のSDGsの間の[[トレードオフ|トレードオフ]]は、[[持続可能性]]のための難しい障壁であり、その実現を妨げる可能性がある<ref name=":102">{{Cite book|last=Berg|first=Christian|url=https://www.worldcat.org/oclc/1124780147|title=Sustainable action : overcoming the barriers|date=2020|isbn=978-0-429-57873-1|location=Abingdon, Oxon|oclc=1124780147}}</ref>{{rp|66}} 。例えば、次に示すものはトレードオフを考える上で難しいものである。「飢餓の撲滅は、環境の持続可能性とどのように調和させることができるのか?(SDGsターゲット2.3、15.2) 経済成長はどのように環境の持続可能性と両立させることができるのか?(SDGsターゲット9.2、9.4) 所得の不平等と経済成長はどのように折り合いをつけることができるのか?(SDGsターゲット10.1、8.1)」<ref name=":30">{{Cite web |last=Machingura |first=Fortunate |date=2017-02-27 |title=The Sustainable Development Goals and their trade-offs |url=https://odi.org/en/publications/the-sustainable-development-goals-and-their-trade-offs/ |access-date=2022-04-25 |website=ODI: Think change |language=en-gb}}</ref>。

=== 環境の持続可能性に弱い ===
[[ファイル:SDG wedding cake.jpg|サムネイル|SDGウエディングケーキモデル。持続可能な開発目標(SDGs)の経済、社会、環境保護の側面からの捉え方<ref name=":26">{{Cite web |title=The SDGs wedding cake |url=https://www.stockholmresilience.org/research/research-news/2016-06-14-the-sdgs-wedding-cake.html |access-date=2022-07-12 |website=www.stockholmresilience.org |language=en}}</ref>。]]
学者たちは、持続可能な開発目標について、惑星、人々、繁栄の問題はすべて一つの地球システムの一部であり、[[プラネタリー・バウンダリー]]を保護することは手段であってはならず、それ自体が目的であるべきだと認識されていないと批判している<ref name=":31">{{Citation|title=Planetary Integrity|last=Kotzé|first=Louis J.|last2=Kim|first2=Rakhyun E.|last3=Burdon|first3=Peter|last4=du Toit|first4=Louise|last5=Glass|first5=Lisa-Maria|last6=Kashwan|first6=Prakash|last7=Liverman|first7=Diana|last8=Montesano|first8=Francesco S.|last9=Rantala|first9=Salla|date=2022|url=https://www.cambridge.org/core/books/political-impact-of-the-sustainable-development-goals/planetary-integrity/147A3264C1C585FF83CA3E27FB0550B3|work=The Political Impact of the Sustainable Development Goals: Transforming Governance Through Global Goals?|publisher=Cambridge University Press|editor-last=Sénit|editor-first=Carole-Anne|pages=140–171|place=Cambridge|isbn=978-1-316-51429-0|editor2-last=Biermann|editor2-first=Frank|editor3-last=Hickmann|editor3-first=Thomas|doi=10.1017/9781009082945.007|access-date=2022-09-27|doi-access=free}}[[File:CC-BY_icon.svg|50x50ピクセル]] Text was copied from this source, which is available under a [[creativecommons:by/4.0/|Creative Commons Attribution 4.0 International License]]</ref>{{rp|147}}。SDGsの主要な懸念は、経済成長が持続可能な開発のすべての柱を達成するための基盤であるという考えに固執したままであることである<ref name=":31" />{{rp|147}}。こうしたSDGsの環境保護への舵取りに対する疑念は、その舵取り能力からだけでなく、そもそも環境保護を優先していないように見えることから生じている<ref name=":31" />{{rp|144}}。

包括的な環境目標や「惑星的」目標は存在せず、その代わりに環境保護は、目標13、14、15にある環境に焦点を当てたSDGs群に委ねられている。これらの明確な環境目標を含めることで環境保護が進むかもしれないが、目標13、14、15は環境問題(気候、土地、海洋)を区分けする可能性があるという意見もある。これらの目標は、[[プラネタリー・バウンダリー]]を追求するものではないが、気候、陸地、海洋などの環境面を保護することについて、その重要性は認識されている<ref name=":31" />{{rp|144}}。 

SDGsは、単に現状を維持するだけで、野心的な開発アジェンダを実現するには至らない可能性がある。現在の現状は、「人間の福利と環境の持続可能性を切り離し、ガバナンスを変え、トレードオフ、貧困と環境悪化の根本原因、社会正義の問題に注意を払うことに失敗している」と言われている<ref name=":18">{{Cite journal|last1=Schleicher|first1=Judith|last2=Schaafsma|first2=Marije|last3=Vira|first3=Bhaskar|date=2018|title=Will the Sustainable Development Goals address the links between poverty and the natural environment?|journal=Current Opinion in Environmental Sustainability|volume=34|pages=43–47|language=en|doi=10.1016/j.cosust.2018.09.004|doi-access=free}}</ref>。

3%の世界経済成長の継続(目標8)は、生態系の持続可能性の目標とは両立しない可能性がある。なぜなら、世界の生態系経済の絶対的なデカップリングの必要率は、過去にどの国も達成したことがないほど高いからである<ref name=":15">{{cite journal|last1=Hickel|first1=Jason|date=September 2019|title=The contradiction of the sustainable development goals: Growth versus ecology on a finite planet|journal=Sustainable Development|volume=27|issue=5|pages=873–884|doi=10.1002/sd.1947|s2cid=159060032}}</ref>。人類学者は、GDPの総成長を目標とする代わりに、目標は一人当たりの資源使用量を目標とし、「高所得国での大幅な削減」を提案した<ref name=":15" />。

SDGsの中では、環境制約や惑星の境界線が十分に表現されていない。例えば、現在のSDGsの構成は、環境の持続可能性とSDGsの間に負の相関関係をもたらしている<ref>{{cite journal|last1=Wackernagel|first1=Mathis|last2=Hanscom|first2=Laurel|last3=Lin|first3=David|date=11 July 2017|title=Making the Sustainable Development Goals Consistent with Sustainability|journal=Frontiers in Energy Research|volume=5|pages=18|doi=10.3389/fenrg.2017.00018|doi-access=free}}</ref>。つまり、SDGsの環境持続可能性の側面が過小評価されているため、すべての人、特に低所得者層の資源確保が危険にさらされている。これは、SDGsそのものを批判しているのではなく、その環境条件がまだ弱いという認識に基づいた批判である<ref name=":15" />。

SDGsは、生物多様性を保護することができないという批判がある。持続可能な開発の名の下に、意図せずして環境破壊を促進しかねない可能性がある<ref>{{Cite web |last=The University of Queensland |date=6 July 2020 |title=Latest U.N. sustainability goals pose more harm than good for environment, scientists warn |url=https://phys.org/news/2020-07-latest-sustainability-goals-pose-good.html |url-status=live |archive-url=https://web.archive.org/web/20200706163936/https://phys.org/news/2020-07-latest-sustainability-goals-pose-good.html |archive-date=6 July 2020 |access-date=27 August 2020 |website=phys.org}}</ref><ref>{{cite journal|last1=Zeng|first1=Yiwen|last2=Maxwell|first2=Sean|last3=Runting|first3=Rebecca K.|last4=Venter|first4=Oscar|last5=Watson|first5=James E. M.|last6=Carrasco|first6=L. Roman|date=October 2020|title=Environmental destruction not avoided with the Sustainable Development Goals|journal=Nature Sustainability|volume=3|issue=10|pages=795–798|doi=10.1038/s41893-020-0555-0|s2cid=220260626}}</ref>。

科学者たちは、SDGsにおける環境の持続可能性に関する弱点に対処する方法をいくつか提案している。

* 持続可能な開発を支える環境と社会の結合システムの本質をよりよく捉え、調整とシステム変換の指針とするために、必要不可欠な変数のモニタリングをする<ref>{{cite journal|last1=Reyers|first1=Belinda|last2=Stafford-Smith|first2=Mark|last3=Erb|first3=Karl-Heinz|last4=Scholes|first4=Robert J|last5=Selomane|first5=Odirilwe|date=June 2017|title=Essential Variables help to focus Sustainable Development Goals monitoring|journal=Current Opinion in Environmental Sustainability|volume=26-27|pages=97–105|doi=10.1016/j.cosust.2017.05.003|hdl-access=free|hdl=11858/00-001M-0000-002E-1851-0}}</ref>。
* 様々な場所(例:沿岸の河川デルタ、山岳地帯)における生物物理システムの背景にもっと注意を払う<ref>{{cite journal|last1=Scown|first1=Murray W.|date=November 2020|title=The Sustainable Development Goals need geoscience|journal=Nature Geoscience|volume=13|issue=11|pages=714–715|bibcode=2020NatGe..13..714S|doi=10.1038/s41561-020-00652-6|s2cid=225071652}}</ref><ref>{{cite journal|last1=Kulonen|first1=Aino|last2=Adler|first2=Carolina|last3=Bracher|first3=Christoph|last4=Dach|first4=Susanne Wymann von|date=2019|title=Spatial context matters in monitoring and reporting on Sustainable Development Goals : Reflections based on research in mountain regions|journal=GAIA - Ecological Perspectives for Science and Society|volume=28|issue=2|pages=90–94|doi=10.14512/gaia.28.2.5|s2cid=197775743}}</ref>。
* 最終的にSDGsの成否を左右しうる、空間(例:グローバル化を通じて)と時間(例:将来の世代に影響を与える)のスケールを超えたフィードバックのより良い理解をする<ref>{{cite journal|last1=Reyers|first1=Belinda|last2=Selig|first2=Elizabeth R.|date=August 2020|title=Global targets that reveal the social–ecological interdependencies of sustainable development|journal=Nature Ecology & Evolution|volume=4|issue=8|pages=1011–1019|doi=10.1038/s41559-020-1230-6|pmid=32690904|s2cid=220656353}}</ref>。

=== 倫理的な方向性 ===
SDGsの倫理的方向性には懸念がある。SDGsの焦点は依然として「資源の成長と利用......そして(それは)集団的視点ではなく個人的視点から出発する」ようであり、「開発に関する(西洋)近代に見られた強い概念、つまり、環境に対する人間の主権([[人間中心主義|人間中心主義]])、[[個人主義|個人主義]]、競争、自由(義務ではなく権利)、自己利益、集団的福祉につながる市場への信頼、(法制度によって保護される)[[私的所有権|私有財産]]、能力に基づく報酬、[[物質主義|物質主義]]、価値の数量化、労働の道具化といった概念に支えられている」ものであると言える<ref name=":31" />{{rp|146}}。

=== 質的な指標の追跡の難しさ ===
SDGsの目標に関して、一般的に「実施手段」と成果を結びつける根拠が弱い<ref name=":22">{{cite journal|last1=Bartram|first1=Jamie|last2=Brocklehurst|first2=Clarissa|last3=Bradley|first3=David|last4=Muller|first4=Mike|last5=Evans|first5=Barbara|date=December 2018|title=Policy review of the means of implementation targets and indicators for the sustainable development goal for water and sanitation|journal=NPJ Clean Water|volume=1|issue=1|pages=3|doi=10.1038/s41545-018-0003-0|s2cid=169226066}}</ref>。 「実施手段」に関する目標(例えば、ターゲット6.aのように文字で示されるもの)は、概念化が不完全で、策定が一貫しておらず、その大部分が定性的な指標の追跡は困難であると考えられている<ref name=":22" />。

=== インパクトの達成の難しさ ===
これまでのSDGsのインパクト、特に惑星の完全性を守るというアレーに欠けているところがある<ref name=":31" />{{rp|161}} 。目標の数,目標の枠組みの構造(例えば非階層的構造)、目標間の一貫性、目標の具体性あるいは測定可能性、本文で使用されている言語、そして、その中核的な方向性として[[新自由主義|新自由主義]][[経済開発|経済開発]]指向の[[持続可能な開発|持続可能な開発]]への依存など、いくつかの設計要素は当初から欠陥があったかもしれない<ref name=":31" />{{rp|161}}。

SDGsが持続可能な経済発展を重視していることは、経済成長の限界と貧富の差の「発展的」な除去の両方を必要とする、惑星の完全性と正義にとって必然的に有害であると主張する者もいる<ref name=":31" />{{rp|145}}。

=== 日本のマスメディアによるゴリ押し ===
生物学者の[[池田清彦]]やライターの[[窪田順生]]は、アメリカ、中国、ロシア、中東と比べて、石油や天然ガスといったエネルギーの資源を持たない欧州が「自らの劣勢を挽回しよう」という意味合いが強く、誰も反対できないような美しい言葉を並べているが、その恩恵があるのは一部の国だけとなっているという実に巧妙な仕掛けになっているとSGDsを批判している<ref name=":1" />。窪田によると、欧州は脱石炭や脱石油で、天然ガスやメガソーラーを含む太陽光発電を推進しているが、ハイブリッド車で世界一の技術を誇る日本がSDGsなんて進めたところでなんのメリットもなく、むしろメガソーラーによる災害など損をすることの方が多い事態になっているという<ref name=":1" />。その上で、日本の大手マスメディアは「世界中の報道機関とエンターテインメント企業に対し、その資源と創造的才能をSDGs達成のために活用するよう促す」ことを目的とした「SDGメディア・コンパクト」に参加しているため、国民や日本企業の99.7%を占める中小企業の関心の実態に合わないメディアによるゴリ押しが凄いことになっていると述べている<ref name=":1">{{Cite web |title=SDGsを発明した人は本当に頭がいい、皮肉な理由 |url=https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2205/31/news056.html |website=ITmedia ビジネスオンライン |date=2022-05-31 |access-date=2022-08-24 |language=ja}}</ref>。

ある在京民放の情報番組ディレクターは、SDGs関連の視聴率は悪いが「実態がなくても取り上げなければいけない。上司の機嫌取りのため、実績作りのために無理やり企画をねじ込む」と自論を展開している<ref name=":2" />。そのため、「SDGs関連を一生懸命やってるのは、大社員様ばかり。」「少数者、弱者の立場や権利向上をというのなら、俺たち外部スタッフの給与を少しでも上げてくれといいたいね」と皮肉を述べた。NEWSポストセブンは、SDGsに関する放送に関わっているスタッフが「持続可能」と言えない過酷な労働の負担になっていると述べ、結局救われるべき弱者が置いてけぼりにされるのではないかと懸念を表明した<ref name=":2">{{Cite web |title=SDGsに忙殺されるテレビ局スタッフ「どこが持続可能なのか」とぼやく |url=https://www.news-postseven.com/archives/20220124_1721250.html?DETAIL |website=NEWSポストセブン |access-date=2022-08-24 |language=ja}}</ref>。

アナリストの松岡真宏によると、日本のSDGs検索数は世界で突出して多く、2位のジンバブエとの比較でも3.6倍、9位の韓国の20倍、34位のアメリカ合衆国の100倍となっている<ref>{{Cite web |title=「SDGs」に関心を寄せているのは日本企業だけ? 欧米企業との違いを考える {{!}} Frontier Eyes Online by フロンティア・マネジメント |url=https://frontier-eyes.online/sdgs_japanese-companies/ |date=2022-07-29 |access-date=2022-09-17 |language=ja}}</ref>。デイリー新潮は、行き過ぎたSDGs教育で子供が人間不要論を唱えだしたり、テレビ「SDGsのうた」、書店の「SDGsコーナー」には関連書籍が乱立している「SDGs祭り」の様相を呈しているとし、お祭り騒ぎをしているのは日本だけと指摘している<ref>{{Cite web |title=行き過ぎた「SDGs教育」で子どもが「人間はいらない」 お祭り騒ぎをしているのは日本だけ? (デイリー新潮) |url=https://news.yahoo.co.jp/articles/e63b4c9a20fa498f0c7cd5c7ea35d80fc5485687 |website=Yahoo!ニュース |access-date=2022-09-17 |language=ja}}</ref>。


=== SDGsウォッシング ===
=== SDGsウォッシング ===

2022年10月1日 (土) 03:20時点における版

17の持続可能な開発目標の一覧
SDGsカラーホイール

(じぞくかのうなかいはつもくひょう、英語: Sustainable Development Goals、略称: (エスディージーズ))は、2015年9月25日国連総会で採択された、持続可能な開発のための17の国際目標である[1]。その下に、169の達成基準と232の指標が決められている[2][3]

持続可能な開発目標は国連主導のイニシアティブ活動である。
SDGs ピンバッジ
17色の色調でゴールを意味している。
国連で2015年9月に採択された持続可能な開発目標 (SDGs) について語るパネルトーク。中央はストックホルム大学教授のヨハン・ロックストローム。2015年11月11日、日本科学未来館において。

ミレニアム開発目標 (MDGs: Millennium Development Goals) が2015年に終了することに伴い、2015年9月25日の国連総会で、『我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ』(Transforming our world: the 2030 Agenda for Sustainable Development、または単に2030 Agendaとも)が採択された。これは、持続可能な開発のために必要不可欠な、向こう15年間の新たな行動計画である。その中で、2030年までに達成するべき持続可能な開発目標 (SDGs) として17の世界的目標と169の達成基準が示された[1][4]

17の目標

持続可能な開発目標の基本構造を説明するヨハン・ロックストローム教授。右下の女性が国連SDGアドボケートとして出席したスウェーデン王国ヴィクトリア皇太子[5]、中央下の桃色の服の後ろ姿の人物が高円宮妃久子。2017年04月19日に東京都渋谷区の国際連合大学での国連シンポジウム「持続可能な開発目標 SDGs への取り組み-海洋のサステイナビリティを中心に」で撮影。
国連MDGsとSDGsの違いを説明する外務省相星孝一審議官 (2017-06-01)
SDGsの背景:地球システムの限界=プラネタリー・バウンダリー (2017-06-01)

SDGsは、以下の17の目標から構成されている[6][7][8][9]。その他、169項目など全文はウィキソースの「持続可能な開発のための2030アジェンダ」を参照。

  1. 貧困をなくそう (: No Poverty)
    • 「あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる」
  2. 飢餓をゼロに (: Zero Hunger)
  3. すべての人に健康と福祉を (: Good Health and Well-Being)
    • 「あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する」
  4. 質の高い教育をみんなに (: Quality Education)
    • 「すべての人々へ包摂的かつ公正な質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する」
  5. ジェンダー平等を実現しよう (: Gender Equality)
  6. 安全な水とトイレを世界中に (: Clean Water and Sanitation)
    • 「すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する」
  7. エネルギーをみんなに、そしてクリーンに (: Affordable and Clean Energy)
    • 「すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する」
  8. 働きがいも経済成長も (: Decent Work and Economic Growth)
    • 「包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用を促進する」
  9. 産業と技術革新の基盤をつくろう (: Industry, Innovation and Infrastructure)
    • 「強靱なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及び技術革新の推進を図る」
  10. 人や国の不平等をなくそう (: Reduced Inequalities)
    • 「各国内及び各国間の不平等を是正する」
  11. 住み続けられるまちづくりを (: Sustainable Cities and Communities)
    • 「包摂的で安全かつ強靱で持続可能な都市及び人間居住を実現する」
  12. つくる責任 つかう責任 (: Responsible Consumption and Production)
  13. 気候変動に具体的な対策を (: Climate Action)
  14. 海の豊かさを守ろう (: Life Below Water)
    • 「持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する」
  15. 陸の豊かさも守ろう (: Life on Land)
    • 「陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する」
  16. 平和と公正をすべての人に (: Peace, Justice and Strong Institutions)
    • 「持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する」
  17. パートナーシップで目標を達成しよう (: Partnerships for the Goals)
    • 「持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する」

進捗状況

  • 2017年7月 - 国際連合の事務総長であるアントニオ・グテーレスは、SDGsに掲げられている多くの分野の前進が2030年までに達成できるペースをはるかに下回っているとし、前進を加速すべく取り組みを強化する必要があるとする国連報告書を発表した[10]
  • 2019年5月 - 国際連合事務総長のアントニオ・グテーレスは、経済社会理事会ECOSOCに提出する「国連持続可能な開発目標SDGs進捗報告書」を公表する。首脳レベルのSDGs進捗状況は4年に1度の発表であるため、2015年に採択されてから初の報告として注目を集める。目標1から17まで各々の課題が発表されたが、全体的に目標達成に至らず、掲げる目標の達成までに課題が山積みしている[11]
  • 2020年9月 - 国際連合副事務総長アミナ・モハメドは、新型コロナウイルス感染症の世界的流行が原因で、貧困撲滅を目指す目標1の取り組みが大幅に減退している、と危機感を表明した[12]国際連合開発計画(UNDP)は、SDGsの根幹をなす目標1の達成はますます困難になったと認識を示している[13]

日本の状況

阪急電鉄「SDGs 未来のゆめ・まち号」(2代目)
阪神電気鉄道「SDGs 未来のゆめ・まち号」(初代)

2015年のSDGs採択以降、日本は企業が積極的に経営に導入するなど[14]、多様な主体で取り組んでいる。政府も実施に向けて国内の基盤整備を推進してきた。

日本政府は、SDGsに係る施策の実施について、全国務大臣を構成員とする「持続可能な開発目標 (SDGs) 推進本部」を設置した。本部は2016年12月22日に「持続可能な開発目標 (SDGs) 実施指針」を決定し、優先課題として、2030アジェンダが掲げる5つのPである、People(人間)、Planet(地球)、Prosperity(繁栄)、Peace(平和)、Partnership(パートナーシップ)に対応した8項目が示している。2019年12月の第8回推進本部会合で、2020年のSDGs推進のための具体的対策法を取りまとめた「SDGsアクションプラン2020」を決定した。

People(人間)
1. あらゆる人々の活躍の推進
関連する目標:1(貧困)、4(教育) 、5(ジェンダー)、8(経済成長と雇用)、10(格差) 、12(持続可能な生産と消費)
2. 健康・長寿の達成
関連する目標:3(保健)等
Prosperity(繁栄)
3. 成長市場の創出、地域活性化、科学技術革新
4. 持続可能で強靱な国土と質の高いインフラの整備
関連する目標:2(食料)、6(水と衛生)、9(インフラ、産業化、技術革新)、11(持続可能な都市、人間居住)
Planet(地球)
5. 省・再生可能エネルギー、気候変動対策、循環型社会
関連する目標:7(エネルギー)、12(持続可能な生産と消費)、13(気候変動)
6. 生物多様性、森林、海洋等の環境の保全
関連する目標:2(食料)、3(保健)、14(海洋)、15(生物多様性)
Peace(平和)
7. 平和と安全・安心社会の実現
関連する目標:16(平和)
Partnership(パートナーシップ)
8. SDGs実施推進の体制と手段
関連する目標:17(実施手段)

2020年7月9日、SDGsのより一層の認知拡大・行動の促進を行うため、ジャパンSDGsアクション推進協議会[15]が発足し、外務省、環境省経産省神奈川県など官公庁のほか経団連、慶應義塾大学SFC研究所 X.SDG Lab.など官民一体の15団体が参加した。SDGsアクションに取り組む人を「SDGs People」とし、女優で創作アーティストののんが第一号となった。今後、他のメンバーとともに、SNSなどを通じてSDGs活動の発信に取り組んでいく。会長を務める慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科 教授の蟹江憲史氏。

SDGs未来都市

SDGs未来都市とは、自治体がSDGsの達成に向けた取り組み・提案を行い、国に選定されたものである。SDGs未来都市の取り組みについて、国の支援を得ながらモデルとして普及展開を図り、「持続可能なまちづくり」の実現を図っていくことを目的とする。

SDGs先進都市

SDGs先進都市とは、SDGsにある17の目標すべてに関わる市民活動が活発であることを指している。代表例として、ドイツのフライブルク市がある[16]

2018年6月15日に、当時の内閣総理大臣の安倍晋三のSDGs推進本部会合における指示を踏まえ公募した結果地方創世分野における日本の「SDGsモデル」を構築していくため、自治体によるSDGsの達成に向けた優れた取り組みを提案する29都市を「SDGs未来都市」として選定した[17]

自治体SDGsモデル事業

SDGs未来都市のうち、先導的な取組を自治体SDGsモデル事業として選定している。自治体SDGsモデル事業は、以下の3点を満たすものである[17]

  1. 経済・社会・環境の三側面の統合的取組による相乗効果の創出
  2. 自律的好循環の構築
  3. 多様なステークホルダーとの連携

SDGsに向けた取組

省庁 取り組み
外務省など
消費者庁
  • 消費者教育推進課が「倫理的消費(エシカル消費)」の促進を行っている[21]
農林水産省
  • 持続可能な食料システムの構築のための「みどりの食料システム戦略」を策定・推進[22]
地方自治体 取り組み
神奈川県
  • かながわSDGsパートナー[23] - SDGsの推進に資する事業を展開している企業・団体等の取組事例を県が募集・登録・発信するとともに、県と企業・団体等が連携してSDGsの普及促進活動に取り組む。
埼玉県
  • 埼玉県SDGsパートナー[24]。SDGsの取組を自ら実施、公表する県内企業・団体等を「埼玉県SDGsパートナー」として県が登録。これにより県内企業・団体等が行う活動とSDGsとの関連性を明確にし、SDGs達成に向けた具体的な取組を促進し、県が進める「埼玉版SDGs」を共に推進することを目的としている。
富山市
  • 2018年6月15日、富山市SDGs未来都市計画を策定
  • 富山型コンパクトなまちづくりプロジェクト - LRTを取り入れた公共交通を整備し、その沿線に居住、商業、業務、文化等の都市機能を集積させる[25]
  • SDGs推進コミュニケーターを養成している[26]
団体 取り組み
運輸デジタルビジネス協議会
岡山大学
  • SDGsを大学の研究・教育・社会貢献活動の中心に置いている。その中で、大学・研究機関におけるSDGsへの取組について、The SDSN (Sustainable Development Solutions Network) Australia/Pacificが2017年8月に取りまとめた、大学でSDGsに取り組むためのガイド「Getting started with the SDGs in Universities」の翻訳を実施。「大学でSDGsに取り組む 大学、高等教育機関、アカデミアセクターへのガイド」(日本語翻訳版)として、岡山大学SDGs専用HPで公開している[28]。 2020年度から2022年度にかけて株式会社ベネッセホールディングスと共同研究を始めた。 地域の持続可能性と「well-being:ウェルビーイング」の学術的研究を進める[29]
関西SDGsプラットフォーム
  • 関西の民間企業、市民社会・特定非営利活動法人 (NPO)・非政府組織 (NGO)、大学・研究機関、自治体・政府機関といった、多様な人々が参加するプラットフォームとして設立された[30]
千葉大学京葉銀行
  • 「ecoプロジェクト」を実施し、17の達成目標のうち10項目で成果を出した[31]
東京オリンピックパラリンピック組織委員会
  • 大会の持続可能性コンセプト「Be better, together /より良い未来へ、ともに進もう。」を掲げ、大会を通じたSDGsへの貢献を目指している[32]
日本科学未来館
  • 3階「未来をつくる」常設展示の中で「未来逆算思考」としてゲーム形式で体験する展示を行っている。50年後に暮らす子孫たちに、どんな地球を贈ることができるのか、8つの選択肢から選び、フォアキャスティングとバックキャスティングの2つの視点を体験する[33]
日本経団連
日本ユネスコ協会連盟
  • SDGsのための教育ESD
    • 世界寺子屋運動
    • 減災教育と自然災害発生後の教育支援
    • SDGs達成に向けた次世代育成
    • 未来遺産運動・世界遺産活動
  • ユネスコスクールSDGsアシストプロジェクト[34] - 持続可能な開発のための教育 (ESD)の活動費用の助成を行う。
企業 取り組み
アルビス株式会社[35]
  • 多様性を生かした職場づくり - パート社員の正社員登用。障害を持つ従業員を特例子会社で雇用。
  • 環境 - 納品期限の「1/2ルール」へ変更、食品の廃棄ロスの削減、廃油・魚残渣・肉油等廃棄物のリサイクル率50.6%といった、廃棄物の削減。長年にわたるマイバッグ持参キャンペーン。物流で使用するトラックの台数や空車状態で走行する距離・時間の削減。
  • 店舗の社会貢献活動 - 「緑の募金」「WFP募金」「エンゼル募金」の3つの募金を実施。小学校の社会見学や、中学生の職場体験の受け入れ。
共同ピーアール総合研究所
  • 3月17日を「みんなで考えるSDGsの日」と制定[36]し、生活者に対するSDGsの認知および問題意識向上のための活動を実施[37]
スターバックスコーヒー
  • 「Glocally Responsible」として、サステナブルな未来をつくる活動をしている[38]
    • エシカルな調達-環境・社会・経済・品質について責任を持って育てられ、エシカルに取引されたコーヒー豆を買い付ける。
    • 環境面のリーダーシップ - コーヒー豆かすをリサイクルし、牛の乳酸発酵飼料や野菜を育てるたい肥を作る。又、ミルクパックをリサイクルし、市販されるトイレットペーパーやスターバックス店舗で使われるペーパーナプキンを作っている。
    • 未来につなぐ日本の文化 - 地域の食材を生かした、ほうじ茶やフラペチーノを商品化。地域の産業を生かしたアイテムを地元の職人とつくり、店頭で販売。
    • コミュニティとのつながり - 従業員や地域コミュニティをより良くしたいと思っている人たちをつなぐイベントを行う。災害支援。
電通
  • 2021年12月、電通TEAM SDGsから『サステナビリティ・コミュニケーションガイド』が発行された[39]
東京書籍積水化学日経BP
  • ウェブサイト『EduTown SDGs -わたしたちが創る未来-』を運営。小中学生を対象とし、自習コンテンツ、ワークシート、授業で使うことのできるカードのデジタルデータなどを展開している。
東急電鉄
阪急阪神HD
三菱UFJ銀行
  • サステナブルファイナンス目標の設定 - 再生可能エネルギーなどSDGs達成への貢献をめざす事業を行う顧客を、金融サービスを通じて積極的に支援する。
  • MUFG環境・社会ポリシーフレームワーク - 金融サービスの提供を行う中で、環境や社会への配慮を実現する。
ユーグレナ
  • 2021年8月、定款上の事業目的をSDGsの17項目を反映させた内容に変更[42]
ユニクロ
  • 『届けよう、服のチカラ』プロジェクト[43] - 子どもたちが主体となり、着なくなった子ども服を回収して、難民など世界中で服を本当に必要としている人々に届ける活動。
吉本興業
  • SDGs・環境対策の取り組みを応援するSDGsの歌を作詞・作曲した。のちにこの活動が認められて日本国政府主催の「ジャパンSDGsアワード」で特別賞のSDGsパートナー賞となる。

批判

競合する多すぎる達成基準

2015年のエコノミストによる解説では、SDGsの169の達成基準は多すぎると主張し、8つのミレニアム開発目標(MDGs)と比較して、「無秩序で、誤った考え」で「乱雑」だと述べている[44]。 そしてこうした達成基準は地域の文脈を無視しているとした。他の16の目標はすべてSDG1「貧困を終わらせる」の達成を条件としている可能性があり、これは非常に短い目標リストのトップにあるべきものであったという。

17のSDGsの間のトレードオフは、持続可能性のための難しい障壁であり、その実現を妨げる可能性がある[45]:66 。例えば、次に示すものはトレードオフを考える上で難しいものである。「飢餓の撲滅は、環境の持続可能性とどのように調和させることができるのか?(SDGsターゲット2.3、15.2) 経済成長はどのように環境の持続可能性と両立させることができるのか?(SDGsターゲット9.2、9.4) 所得の不平等と経済成長はどのように折り合いをつけることができるのか?(SDGsターゲット10.1、8.1)」[46]

環境の持続可能性に弱い

SDGウエディングケーキモデル。持続可能な開発目標(SDGs)の経済、社会、環境保護の側面からの捉え方[47]

学者たちは、持続可能な開発目標について、惑星、人々、繁栄の問題はすべて一つの地球システムの一部であり、プラネタリー・バウンダリーを保護することは手段であってはならず、それ自体が目的であるべきだと認識されていないと批判している[48]:147。SDGsの主要な懸念は、経済成長が持続可能な開発のすべての柱を達成するための基盤であるという考えに固執したままであることである[48]:147。こうしたSDGsの環境保護への舵取りに対する疑念は、その舵取り能力からだけでなく、そもそも環境保護を優先していないように見えることから生じている[48]:144

包括的な環境目標や「惑星的」目標は存在せず、その代わりに環境保護は、目標13、14、15にある環境に焦点を当てたSDGs群に委ねられている。これらの明確な環境目標を含めることで環境保護が進むかもしれないが、目標13、14、15は環境問題(気候、土地、海洋)を区分けする可能性があるという意見もある。これらの目標は、プラネタリー・バウンダリーを追求するものではないが、気候、陸地、海洋などの環境面を保護することについて、その重要性は認識されている[48]:144。 

SDGsは、単に現状を維持するだけで、野心的な開発アジェンダを実現するには至らない可能性がある。現在の現状は、「人間の福利と環境の持続可能性を切り離し、ガバナンスを変え、トレードオフ、貧困と環境悪化の根本原因、社会正義の問題に注意を払うことに失敗している」と言われている[49]

3%の世界経済成長の継続(目標8)は、生態系の持続可能性の目標とは両立しない可能性がある。なぜなら、世界の生態系経済の絶対的なデカップリングの必要率は、過去にどの国も達成したことがないほど高いからである[50]。人類学者は、GDPの総成長を目標とする代わりに、目標は一人当たりの資源使用量を目標とし、「高所得国での大幅な削減」を提案した[50]

SDGsの中では、環境制約や惑星の境界線が十分に表現されていない。例えば、現在のSDGsの構成は、環境の持続可能性とSDGsの間に負の相関関係をもたらしている[51]。つまり、SDGsの環境持続可能性の側面が過小評価されているため、すべての人、特に低所得者層の資源確保が危険にさらされている。これは、SDGsそのものを批判しているのではなく、その環境条件がまだ弱いという認識に基づいた批判である[50]

SDGsは、生物多様性を保護することができないという批判がある。持続可能な開発の名の下に、意図せずして環境破壊を促進しかねない可能性がある[52][53]

科学者たちは、SDGsにおける環境の持続可能性に関する弱点に対処する方法をいくつか提案している。

  • 持続可能な開発を支える環境と社会の結合システムの本質をよりよく捉え、調整とシステム変換の指針とするために、必要不可欠な変数のモニタリングをする[54]
  • 様々な場所(例:沿岸の河川デルタ、山岳地帯)における生物物理システムの背景にもっと注意を払う[55][56]
  • 最終的にSDGsの成否を左右しうる、空間(例:グローバル化を通じて)と時間(例:将来の世代に影響を与える)のスケールを超えたフィードバックのより良い理解をする[57]

倫理的な方向性

SDGsの倫理的方向性には懸念がある。SDGsの焦点は依然として「資源の成長と利用......そして(それは)集団的視点ではなく個人的視点から出発する」ようであり、「開発に関する(西洋)近代に見られた強い概念、つまり、環境に対する人間の主権(人間中心主義)、個人主義、競争、自由(義務ではなく権利)、自己利益、集団的福祉につながる市場への信頼、(法制度によって保護される)私有財産、能力に基づく報酬、物質主義、価値の数量化、労働の道具化といった概念に支えられている」ものであると言える[48]:146

質的な指標の追跡の難しさ

SDGsの目標に関して、一般的に「実施手段」と成果を結びつける根拠が弱い[58]。 「実施手段」に関する目標(例えば、ターゲット6.aのように文字で示されるもの)は、概念化が不完全で、策定が一貫しておらず、その大部分が定性的な指標の追跡は困難であると考えられている[58]

インパクトの達成の難しさ

これまでのSDGsのインパクト、特に惑星の完全性を守るというアレーに欠けているところがある[48]:161 。目標の数,目標の枠組みの構造(例えば非階層的構造)、目標間の一貫性、目標の具体性あるいは測定可能性、本文で使用されている言語、そして、その中核的な方向性として新自由主義経済開発指向の持続可能な開発への依存など、いくつかの設計要素は当初から欠陥があったかもしれない[48]:161

SDGsが持続可能な経済発展を重視していることは、経済成長の限界と貧富の差の「発展的」な除去の両方を必要とする、惑星の完全性と正義にとって必然的に有害であると主張する者もいる[48]:145

日本のマスメディアによるゴリ押し

生物学者の池田清彦やライターの窪田順生は、アメリカ、中国、ロシア、中東と比べて、石油や天然ガスといったエネルギーの資源を持たない欧州が「自らの劣勢を挽回しよう」という意味合いが強く、誰も反対できないような美しい言葉を並べているが、その恩恵があるのは一部の国だけとなっているという実に巧妙な仕掛けになっているとSGDsを批判している[59]。窪田によると、欧州は脱石炭や脱石油で、天然ガスやメガソーラーを含む太陽光発電を推進しているが、ハイブリッド車で世界一の技術を誇る日本がSDGsなんて進めたところでなんのメリットもなく、むしろメガソーラーによる災害など損をすることの方が多い事態になっているという[59]。その上で、日本の大手マスメディアは「世界中の報道機関とエンターテインメント企業に対し、その資源と創造的才能をSDGs達成のために活用するよう促す」ことを目的とした「SDGメディア・コンパクト」に参加しているため、国民や日本企業の99.7%を占める中小企業の関心の実態に合わないメディアによるゴリ押しが凄いことになっていると述べている[59]

ある在京民放の情報番組ディレクターは、SDGs関連の視聴率は悪いが「実態がなくても取り上げなければいけない。上司の機嫌取りのため、実績作りのために無理やり企画をねじ込む」と自論を展開している[60]。そのため、「SDGs関連を一生懸命やってるのは、大社員様ばかり。」「少数者、弱者の立場や権利向上をというのなら、俺たち外部スタッフの給与を少しでも上げてくれといいたいね」と皮肉を述べた。NEWSポストセブンは、SDGsに関する放送に関わっているスタッフが「持続可能」と言えない過酷な労働の負担になっていると述べ、結局救われるべき弱者が置いてけぼりにされるのではないかと懸念を表明した[60]

アナリストの松岡真宏によると、日本のSDGs検索数は世界で突出して多く、2位のジンバブエとの比較でも3.6倍、9位の韓国の20倍、34位のアメリカ合衆国の100倍となっている[61]。デイリー新潮は、行き過ぎたSDGs教育で子供が人間不要論を唱えだしたり、テレビ「SDGsのうた」、書店の「SDGsコーナー」には関連書籍が乱立している「SDGs祭り」の様相を呈しているとし、お祭り騒ぎをしているのは日本だけと指摘している[62]

SDGsウォッシング

実態がないのにSDGsに熱心であることを発信している、実態以上にSDGsに熱心であることを発信している、取り組み自体は本当だが不都合な事実を伝えず良い情報のみを伝達している、といった企業に、「SDGsウォッシング(SDGsウォッシュ)」だという批判が起きることがある。SDGsウォッシングが懸念されている例には以下のものがある。

  • メガバンクの三菱UFJ三井住友フィナンシャルグループみずほ銀行は2019年、脱炭素社会に向けて気候変動問題に取り組む意思を明確にした。しかし進行中の石炭火力発電事業への融資は継続していた。これについて、「パリ協定の目標達成に必要とされる急速な段階的停止を行う兆候は全く見られない」と国際環境NGO5団体から批判された[63]
  • ユニクロを運営するファーストリテイリングは、「環境に負荷をかけない服づくり」を発信してきた[64]。しかし2021年、中国・新疆ウイグル自治区で生産された綿を服の生産過程で使用してきたことで、サプライチェーンを通じてウイグル人強制労働への関与をなくすための調査が不十分である、と国際人権NGOヒューマン・ライツ・ナウおよび日本ウイグル協会から指摘された[65]。この指摘について、柳井正会長は決算記者会見で「政治問題なのでノーコメント」と述べた[66]。フランス検察は同仏法人を「人道に対する罪の隠匿」で捜査した[67]

脚注

注釈

  1. ^ 国連気候変動枠組条約 (UNFCCC) が、気候変動への世界的対応について交渉を行う基本的な国際的、政府間対話の場であると認識している[9]

出典

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関連項目

外部リンク