「菜食主義」の版間の差分

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== 健康への影響 ==
== 健康への影響 ==

<!--注目されるような専門機関の報告で、大規模な報告書を先に。
=== 概要 ===
肉を摂取しない食生活で好影響があるという報告とそうでないという報告が入り乱れている。

==== 好影響の報告 ====<!--注目されるような専門機関の報告で、大規模な報告書を先に。
Wikipedia:信頼できる情報源#査読された科学出版物を参照し、学会のコンセンサスをチェックする
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Wikipedia:中立的な観点 勢力差などを誤解のないように記す
Wikipedia:中立的な観点 勢力差などを誤解のないように記す
-->
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[[2003年]]にアメリカとカナダの栄養士会が合同で発表した専門家報告書は256の研究に基いており、牛乳や卵も摂取しない完全な菜食においても栄養が摂取でき、また菜食者は[[悪性主要|がん]]、[[糖尿病]]、[[肥満]]、[[高血圧]]、[[心臓病]]といった主要な死因に関わるような[[生活習慣病]]や[[認知症]]のリスクが減り、適切な菜食は乳児や妊娠期における全段階で可能であるとされた<ref>Position of the American Dietetic Association and Dietitians of Canada "[http://www.adajournal.org/article/PIIS0002822303002943/fulltext Vegetarian diets]" ''Journal of the American Dietetic Association'' Vol.103 Issue.6, June 2003, pp748-765.</ref>。同年、6つの前向き[[コホート研究]]を[[メタアナリシス]]し、20年以上の菜食者は平均余命が3.6年長いと報告した<ref>Pramil N Singh, Joan Sabaté, Gary E Fraser [http://www.ajcn.org/cgi/content/abstract/78/3/526S Does low meat consumption increase life expectancy in humans?] American Journal of Clinical Nutrition, Vol.78 No.3, September 2003, pp526-532.</ref>。2009年にアメリカ栄養士会は、適切な菜食が、同様に人間の生涯の全段階、また[[アスリート]]でも適切となりえ、[[虚血性心疾患]]による死亡リスクの低下や、低い血圧、2型糖尿病やがんのリスク低下など特定の病気の予防、さらに治療においても利点があるとしている<ref>Craig WJ, Mangels AR: Position of the American Dietetic Association: vegetarian diets. J Am Diet Assoc. 109 (7):1266-1282(2009) <nowiki>PMID 19562864</nowiki>.</ref>。
[[2003年]]にアメリカとカナダの栄養士会が合同で発表した専門家報告書は256の研究に基いており、牛乳や卵も摂取しない完全な菜食においても栄養が摂取でき、また菜食者は[[悪性主要|がん]]、[[糖尿病]]、[[肥満]]、[[高血圧]]、[[心臓病]]といった主要な死因に関わるような[[生活習慣病]]や[[認知症]]のリスクが減り、適切な菜食は乳児や妊娠期における全段階で可能であるとされた<ref>Position of the American Dietetic Association and Dietitians of Canada "[http://www.adajournal.org/article/PIIS0002822303002943/fulltext Vegetarian diets]" ''Journal of the American Dietetic Association'' Vol.103 Issue.6, June 2003, pp748-765.</ref>。


2003年発表の6つの前向き[[コホート研究]]を[[メタアナリシス]]の研究では、20年以上の菜食者は平均余命が3.6年長いと報告された<ref>Pramil N Singh, Joan Sabaté, Gary E Fraser [http://www.ajcn.org/cgi/content/abstract/78/3/526S Does low meat consumption increase life expectancy in humans?] American Journal of Clinical Nutrition, Vol.78 No.3, September 2003, pp526-532.</ref>。
2007年の世界がん研究基金の報告では、以前にマクロビオティックや菜食ががんの発症を少なくさせるという報告もあるが、現時点では食事法とがんのリスクの関係には確かな結論を下すことはできないとしている<ref>{{cite book|author=World Cancer Research Fund and American Institute for Cancer Research|url=http://wcrf.org/int/research-we-fund/continuous-update-project-cup/second-expert-report |title=Food, Nutrition, Physical Activity, and the Prevention of Cancer: A Global Perspective|year= 2007|publisher=Amer. Inst. for Cancer Research|isbn= 978-0972252225|page=196}}</ref>。


2009年にアメリカ栄養士会は、適切な菜食が、同様に人間の生涯の全段階、また[[アスリート]]でも適切となりえ、[[虚血性心疾患]]による死亡リスクの低下や、低い血圧、2型糖尿病やがんのリスク低下など特定の病気の予防、さらに治療においても利点があるとしている<ref>Craig WJ, Mangels AR: Position of the American Dietetic Association: vegetarian diets. J Am Diet Assoc. 109 (7):1266-1282(2009) <nowiki>PMID 19562864</nowiki>.</ref>。
[[アメリカ合衆国農務省]] (USDA)は、2010年版の食生活指針<ref>[http://www.cnpp.usda.gov/dietaryguidelines.htm ''Dietary Guidelines for Americans'', 2010] 米国農務省 (USDA){{en icon}}</ref>の中で、菜食者は、がんと心臓病のリスクが低く、また血圧や[[ボディマス指数|肥満度指数]] (BMI) が低いと結論づけている。また、骨粗しょう症のリスクが高くなることにも言及している。この指針は世界各国の研究に基づいており、科学的根拠の強弱の概念を採用している。


2010年版の''アメリカ''人ための''食生活指針''<ref>{{Cite web|url=https://health.gov/dietaryguidelines/dga2010/DietaryGuidelines2010.pdf|title=Dietary Guidelines for Americans 2010|accessdate=2018/5/12|publisher=}}</ref>の中で、[[アメリカ合衆国農務省]] (USDA)は、菜食者は、がんと心臓病、全体死亡リスクが低く、また血圧や[[ボディマス指数|肥満度指数]] (BMI) が低いと述べている。この指針は世界各国の研究に基づいており、科学的根拠の強弱の概念を採用している。
[[2005年]]に発表されたイギリス栄養財団による報告書の要約において「よく計画された、バランスのとれたベジタリアンもしくは[[ヴィーガン]]の食事は栄養的に十分となりうるが、厳格な[[マクロビオティック]]や[[生食]]のような、より極端な食事では、しばしばエネルギーや各種の微量栄養素が不足し、子供には全く不十分で不適切である」と述べられている<ref>Vegetarian Nutrition "[http://www3.interscience.wiley.com/journal/118671239/abstract]"Nutrition Bulletin Volume 30 Issue 2, Pages 132 - 167, Published Online: 26 May 2005</ref>。<!--両論であり、否定的見解ではないので、否定的な見解という分類は誤読を生じる-->

2005年イギリス栄養財団は「よく計画された、バランスのとれたベジタリアンもしくは[[ヴィーガン]]の食事は栄養的に十分となりうる」と報告している<ref name=":2">Vegetarian Nutrition "[http://www3.interscience.wiley.com/journal/118671239/abstract]"Nutrition Bulletin Volume 30 Issue 2, Pages 132 - 167, Published Online: 26 May 2005</ref>。<!--両論であり、否定的見解ではないので、否定的な見解という分類は誤読を生じる-->


<!--以降、他からも大きな言及のある注目を集めた研究や、メタ解析など複数試験の結合といった個別の研究以上のもの-->
<!--以降、他からも大きな言及のある注目を集めた研究や、メタ解析など複数試験の結合といった個別の研究以上のもの-->
[[1983年]]から[[1990年]]にかけて行われた「中国プロジェクト」<ref name="chinaproject">[http://replay.waybackmachine.org/20090223222003/http://www.nutrition.cornell.edu/ChinaProject/ China-Cornell-Oxford Project]{{en icon}}</ref> は、[[アメリカ国立癌研究所]]と[[アメリカがん研究協会]]も資金提供し、アメリカの[[コーネル大学]]、イギリスの[[オックスフォード大学]]、中国のがん研究機関やほかのいくつかの国の研究機関が関与した科学研究である。中国プロジェクトを指揮した[[コリン・キャンベル (栄養学者)|コリン・キャンベル]]は、研究結果を受けて「もっとも安全な食事は完全菜食である」と述べ、自らも完全菜食を実行し、5人の子供も完全菜食で育てた<ref>エリック・マーカス 『もう肉も卵も牛乳もいらない!』早川書房、2004年6月。ISBN 978-4-15-208573-3。56-57、66頁。原著''Vegan''</ref>。中国プロジェクトでは、乳製品をまったく摂取しないが骨粗鬆症は非常に珍しいということや、鉄分は植物から摂取されており、鉄欠乏性貧血は肉の摂取と関係がないことを示した<ref name="chinanytimes">[http://query.nytimes.com/gst/fullpage.html?res=9C0CE4DB1430F93BA35756C0A966958260 Huge Study Of Diet Indicts Fat And Meat] (The New York Times, May 8, 1990)</ref>。コリン・キャンベルは[[コーネル大学]]でベジタリアンの栄養学を教えているが、「1980年代以降、菜食に関する科学的な研究が蓄積されているのに、肉と乳製品の摂取が必要だという視点を変えようとしない。今では科学的な研究の結果があるのに教育を受けた時代の常識を信じ込んでしまっている」と指摘している<ref>エリック・マーカス 『もう肉も卵も牛乳もいらない!』早川書房、2004年6月。ISBN 978-4-15-208573-3。56-57、67頁。原著''Vegan''</ref>。
[[1983年]]から[[1990年]]にかけて行われた「中国プロジェクト」<ref name="chinaproject">[http://replay.waybackmachine.org/20090223222003/http://www.nutrition.cornell.edu/ChinaProject/ China-Cornell-Oxford Project]{{en icon}}</ref> は、[[アメリカ国立癌研究所]]と[[アメリカがん研究協会]]も資金提供し、アメリカの[[コーネル大学]]、イギリスの[[オックスフォード大学]]、中国のがん研究機関やほかのいくつかの国の研究機関が関与した科学研究である。中国プロジェクトを指揮した[[コリン・キャンベル (栄養学者)|コリン・キャンベル]]は、研究結果を受けて「もっとも安全な食事は完全菜食である」と述べ、自らも完全菜食を実行し、5人の子供も完全菜食で育てた<ref>エリック・マーカス 『もう肉も卵も牛乳もいらない!』早川書房、2004年6月。ISBN 978-4-15-208573-3。56-57、66頁。原著''Vegan''</ref>。中国プロジェクトでは、乳製品をまったく摂取しないが骨粗鬆症は非常に珍しいということや、鉄分は植物から摂取されており、鉄欠乏性貧血は肉の摂取と関係がないことを示した<ref name="chinanytimes">[http://query.nytimes.com/gst/fullpage.html?res=9C0CE4DB1430F93BA35756C0A966958260 Huge Study Of Diet Indicts Fat And Meat] (The New York Times, May 8, 1990)</ref>。コリン・キャンベルは[[コーネル大学]]でベジタリアンの栄養学を教えているが、「1980年代以降、菜食に関する科学的な研究が蓄積されているのに、肉と乳製品の摂取が必要だという視点を変えようとしない。今では科学的な研究の結果があるのに教育を受けた時代の常識を信じ込んでしまっている」と指摘している<ref>エリック・マーカス 『もう肉も卵も牛乳もいらない!』早川書房、2004年6月。ISBN 978-4-15-208573-3。56-57、67頁。原著''Vegan''</ref>。


2005年発表の報告では、ベジタリアン食は、胆石、心臓血管疾患、慢性関節リウマチ、認知症、憩室疾患、腎疾患、高血圧、骨粗鬆症、癌および糖尿病を予防および治療するとされている。<ref>{{Cite journal|last=Leitzmann|first=Claus|date=2005|title=Vegetarian diets: what are the advantages?|url=https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15702597|journal=Forum of Nutrition|issue=57|pages=147–156|issn=1660-0347|pmid=15702597}}</ref>
[[コホート試験]]を集めた[[メタ解析]]では、動物由来の[[蛋白質]]・[[脂質]]などを完全に除去した生活をしても、[[乳癌]]・[[大腸癌]]・[[前立腺癌]]の発症リスクの低下は認められないことが報告されている<ref>Godos J, et al. Vegetarianism and breast, colorectal and prostate cancer risk: an overview and meta-analysis of cohort studies. J Hum Nutr Diet. 2016 Oct 6. doi: 10.1111/jhn.12426. [Epub ahead of print]</ref>。

2014年発表の報告では、全死亡率、癌(乳房を除く)および心血管疾患の全体的なリスクが低下していることが認められた。<ref>{{Cite journal|last=Li|first=Duo|date=2014-01-30|title=Effect of the vegetarian diet on non-communicable diseases|url=https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23965907|journal=Journal of the Science of Food and Agriculture|volume=94|issue=2|pages=169–173|doi=10.1002/jsfa.6362|issn=1097-0010|pmid=23965907}}</ref>

==== 好影響でない報告 ====
2005年にイギリス栄養財団は「厳格な[[マクロビオティック]]や[[生食]]のような、より極端な食事では、しばしばエネルギーや各種の微量栄養素が不足し、子供には全く不十分で不適切である」と報告している。<ref name=":2" />

2007年の世界がん研究基金の報告では、以前にマクロビオティックや菜食ががんの発症を少なくさせるという報告もあるが、現時点では食事法とがんのリスクの関係には確かな結論を下すことはできないとしている<ref>{{cite book|author=World Cancer Research Fund and American Institute for Cancer Research|title=Food, Nutrition, Physical Activity, and the Prevention of Cancer: A Global Perspective|url=http://wcrf.org/int/research-we-fund/continuous-update-project-cup/second-expert-report|year=2007|publisher=Amer. Inst. for Cancer Research|isbn=978-0972252225|page=196}}</ref>。

2012年発表のベジタリアンと非ベジタリアンを比較したメタ解析の報告では、両者で全体的な死亡率と脳血管疾患に有意な差は確認されなかった。<ref>{{Cite journal|last=Huang|first=Tao|last2=Yang|first2=Bin|last3=Zheng|first3=Jusheng|last4=Li|first4=Guipu|last5=Wahlqvist|first5=Mark L.|last6=Li|first6=Duo|date=2012|title=Cardiovascular disease mortality and cancer incidence in vegetarians: a meta-analysis and systematic review|url=https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22677895|journal=Annals of Nutrition & Metabolism|volume=60|issue=4|pages=233–240|doi=10.1159/000337301|issn=1421-9697|pmid=22677895}}</ref>

2016年発表の[[コホート試験]]を集めた[[メタ解析|メタアナリシス]]の報告では、動物由来の[[蛋白質]]・[[脂質]]などを完全に除去した生活をしても、[[乳癌]]・[[大腸癌]]・[[前立腺癌]]の発症リスクの低下は認められなかった<ref>Godos J, et al. Vegetarianism and breast, colorectal and prostate cancer risk: an overview and meta-analysis of cohort studies. J Hum Nutr Diet. 2016 Oct 6. doi: 10.1111/jhn.12426. [Epub ahead of print]</ref>。


=== 人体の変化 ===
=== 人体の変化 ===
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===牛乳・乳製品の是非===
===牛乳・乳製品の是非===
牛乳を摂取しない食生活で好影響があるという報告とそうでないという報告が入り乱れている。

==== 好影響の報告 ====
2009年に米国栄養学会のアメリカ臨床栄養学雑誌に掲載された第5回国際菜食栄養学会議では、ここ20年の研究は骨折リスクに関して牛乳や乳製品が有益だという証拠はほとんどないことを明らかにしてきており、菜食主義の食事に推奨されるべきではないと報告された<ref name="pmid19321571">{{cite journal |authors=Lanou AJ |title=Should dairy be recommended as part of a healthy vegetarian diet? Counterpoint |journal=Am. J. Clin. Nutr. |volume=89 |issue=5 |pages=1638S–1642S |year=2009 |pmid=19321571 |doi=10.3945/ajcn.2009.26736P |url=http://ajcn.nutrition.org/content/89/5/1638S.long}}</ref>。
2009年に米国栄養学会のアメリカ臨床栄養学雑誌に掲載された第5回国際菜食栄養学会議では、ここ20年の研究は骨折リスクに関して牛乳や乳製品が有益だという証拠はほとんどないことを明らかにしてきており、菜食主義の食事に推奨されるべきではないと報告された<ref name="pmid19321571">{{cite journal |authors=Lanou AJ |title=Should dairy be recommended as part of a healthy vegetarian diet? Counterpoint |journal=Am. J. Clin. Nutr. |volume=89 |issue=5 |pages=1638S–1642S |year=2009 |pmid=19321571 |doi=10.3945/ajcn.2009.26736P |url=http://ajcn.nutrition.org/content/89/5/1638S.long}}</ref>。

2011年発表の中高年齢者の牛乳消費と股関節骨折のメタアナリシスの報告では、牛乳消費と骨折率を低下させることの間に関連性がないとされた。<ref>{{Cite journal|last=Bischoff-Ferrari|first=Heike A.|last2=Dawson-Hughes|first2=Bess|last3=Baron|first3=John A.|last4=Kanis|first4=John A.|last5=Orav|first5=Endel J.|last6=Staehelin|first6=Hannes B.|last7=Kiel|first7=Douglas P.|last8=Burckhardt|first8=Peter|last9=Henschkowski|first9=Jana|date=April 2011|title=Milk intake and risk of hip fracture in men and women: a meta-analysis of prospective cohort studies|url=https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20949604|journal=Journal of Bone and Mineral Research: The Official Journal of the American Society for Bone and Mineral Research|volume=26|issue=4|pages=833–839|doi=10.1002/jbmr.279|issn=1523-4681|pmid=20949604}}</ref>

2014年発表の10万人規模の研究報告では、毎日3杯以上の牛乳を飲んだ女性では骨折のリスクが16%、股関節の骨折のリスクは60%増加し、男性では、牛乳による骨折リスクの低下は確認されず、男女ともに牛乳による3%から15%の死亡リスクの上昇が確認された。<ref>{{Cite journal|last=Michaëlsson|first=Karl|last2=Wolk|first2=Alicja|last3=Langenskiöld|first3=Sophie|last4=Basu|first4=Samar|last5=Lemming|first5=Eva Warensjö|last6=Melhus|first6=Håkan|last7=Byberg|first7=Liisa|date=2014-10-28|title=Milk intake and risk of mortality and fractures in women and men: cohort studies|url=https://www.bmj.com/content/349/bmj.g6015|journal=BMJ|volume=349|pages=g6015|language=en|doi=10.1136/bmj.g6015|issn=1756-1833|pmid=25352269}}</ref>

==== 好影響でない報告 ====
2008年発表の報告では、牛乳の摂取が筋肉の成長を促進するのに効果的であるとされた。<ref>{{Cite journal|last=Roy|first=Brian D|date=2008-10-02|title=Milk: the new sports drink? A Review|url=https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2569005/|journal=Journal of the International Society of Sports Nutrition|volume=5|pages=15|doi=10.1186/1550-2783-5-15|issn=1550-2783|pmid=18831752|pmc=PMC2569005}}</ref>


=== 食事療法 ===
=== 食事療法 ===

2018年5月12日 (土) 06:10時点における版

菜食主義者は一般的に畜肉、家禽、魚肉およびその加工品を避ける。

菜食主義(さいしょくしゅぎ、: Vegetarianism)とは、健康道徳宗教等の理由から、植物性の食品による食生活を行うことである。日本では、明治以降に魚以外の動物の肉食が広まるまでは、菜食主義は日本の伝統宗教である大乗仏教の重要な戒律の一つであった。1970年代の欧米での動物の権利の観点で肉食を避ける思想も広まった。

菜食主義の分類を行っている民間団体によってその食事の形態は異なる。

概要

哺乳類の肉を避ける場合が菜食主義だが、欧米の考え方では卵と牛乳を許容し、日本の考え方では魚を許容することがある。欧米で動物の権利の観点から、動物製品全般を避けることが奨励され、乳製品を避け、また絹や革製品を避ける生活を実行する者も多く、菜食主義の分類が非常に細密化している。完全菜食(ヴィーガニズム)は動物を食料とすることを一切避ける。

インドの菜食主義でも思想の背景は多様であり、古代ではインドでアヒンサー(非暴力)の思想から肉食を避ける部派が多く登場した。ただし、アヒンサーの議論においては生命である食物の破壊、あるいは農作業における間接的な殺生も問題となったため、ジャイナ教では肉食を避けるだけでなく非生物である石や動物でない植物の破壊を避けるために農業への従事を禁止されている。一方の古代仏教では、野菜だけを食べても耕作の行為中に起こる間接殺を避けられないことから、あくまでも直接殺を禁じ、肉食そのものは許可したので、非暴力=菜食主義という構造は成り立たない。

名称

日本では、明治中期には英語の vegetarianism の訳語が菜食主義として紹介され、その後期から社会運動がはじまった[1]。日本では明治時代から近年まで菜食主義と呼ばれていたが、欧米の動物愛護思想に共鳴して菜食主義を実施する者のあいだではベジタリアンの表記を使うことも増えている。

1847年9月30日にイギリスに菜食主義協会[2]が発足したが、この際にラテン語 Vegetus(活気のある、生命力にあふれた)をもとに考えられたと『ケンブリッジ世界の食物史』には記載されている[3]。英語の野菜 (Vegetable)の単語とかけて作られたとのことである[4]。一方、英語における言葉の権威である「オックスフォード英語辞典」では、1839年と1842年にすでにその単語が使われていたことを示している。その語源としては英語のVegetableに人を表すtarianの語尾をつけたものであるとしている。

紀元前のギリシャでは、古代ギリシャの哲学者で菜食主義者であったピタゴラスにちなんで、菜食主義者はピュタゴリアンと呼ばれていた[5]

菜食史

東洋では、ヒンドゥー教には一部の信徒に菜食主義のしきたりが2000年間も続けられているし、仏教ジャイナ教では、故意に生き物を殺してはならないという教義が設けられてきた[3]。アジア、特にインドでは菜食主義は普通に受け入れられてきた[3]。仏教の精進料理は、倫理的な戒律を守るという意味が元である。

西欧でもキリスト生誕後にもオウィディウスプルタルコスは罪のない動物への虐待を非難し、プルタルコスの「肉を食すること」という随筆には、精神的な主張だけでなく、今日まで通じる身体にとって有害だという主張を行った[3]3世紀にはポルピュリオスは、菜食の風習はもう古いと言及して、概念をとりまとめ神にとって大切な教義とした[3]6世紀のギリシャの哲学者であるピタゴラスが創設した教団では、オルペウス信仰のため食肉を嫌い、動物を殺すことは殺人に、食肉は食人に等しいと考えた[3]。キリスト教の正統派は菜食主義ではなかったが、教会の聖人の中のクリュソストモスやベネディクトスなどは欲望を制限する目的で肉を忌避し、マニ教のよう菜食主義の一派も存在した[3]

西欧の菜食の考えに変化が訪れる17世紀には 宗教家の Thomas Tyron が 1683年の『健康、長寿、幸福への道』(The Way to Health, Long Life and Happiness)で聖書創世記には、肉を供してはならないとされているというような理論的な主張のみならず、肉体的な健康の問題をそれまでになく強調した[3]。18世紀になると、神経系の研究による人間と高等動物の類似性や、苦痛についての生理学的な推測によって、特にイギリスでは、人間と動物は近い関係にあるという認識が育まれていった[3]。アメリカでも1810年代に、菜食を会員の条件としたキリスト教の一派である聖書教会派が創始された[3]

19世紀にはキリスト教を社会的な教義に格上げしようとする福音主義が、西欧世界初の1822年に動物愛護法を成立させると、動物への残虐行為を避けることに注目が集まり、菜食主義者や関する書物も増加した[3]。さらには、医師が健康のために食事法を行ったことについての報告がされるようになった[3]

1847年9月30日にはイギリスの菜食主義教会が組織され、活力のための菜食主義を訴えていった[3]。(後には、ベジタリアン協会は、動物実験や動物を殺傷して生産される製品に反対するなど、社会全般の改革運動を奨励するようになる[6])1850年にはアメリカ菜食主義教会が、1866年にドイツの菜食主義教会が設立され、1908年には国際菜食者教会が設立された[3]

20世紀初頭になるとジョン・ハーヴェイ・ケロッグが推進者となり医学を強調し、動物のたんぱく質が腸内の細菌を繁殖させ毒によって健康を害するという、その自家中毒説は受け入れられた理論となった[3]。その兄弟とで考案した菜食者用のシリアルのケロッグはその名を有名にしている[3]。学者は菜食主義のセブンスデー・アドベンチスト教会の人々の健康を調査するようになり証明がなされ、一方、哲学でもピーター・シンガーは1975年の『動物の解放』を書き動物の権利についての討論が行われてきた[3]。1971年には、フランシス・ムア・ラッペが食肉の効率の悪さや、環境への悪影響を列挙し、生態系の問題を訴えた[3]

日本における菜食主義

精進料理

日本では奈良時代以降、律令体制が確立すると、が神聖視されるようになり、その一方で、動物の殺生や肉食が禁じられるようになった。

鎌倉時代には、禅宗の影響で、動物性の材料を一切用いない精進料理が発達した。精進料理の影響を受けて発達した懐石料理は、多少魚介類なども採り入れており、菜食主義からは遠ざかっている。他方、黄檗宗の影響を受けて発達した普茶料理は完全菜食主義的である。

明治時代になると肉食が奨励されるようになったが、明治末期においても肉類や魚介類の消費はごく限られていた[7]

1970年代の欧米での動物の権利の観点で肉食を避ける思想が広まった。

菜食主義の分類

英国のベジタリアン・ソサエティーや、国際ベジタリアン連合日本ベジタリアン協会では、植物性食品のみ、あるいは、これに加えて卵と乳製品を摂る人々をベジタリアンと定義している。

またベジタリアンの中には食物の選択にとどまらず、開発に動物実験を要した薬品化粧品などの使用を避け、動物を殺傷して得られた製品、皮革製品シルクウール真珠珊瑚等、を身につけないといった生活を選択する場合まである。

一方で、マクロビオティックでは基本的には動物肉だけでなく卵や牛乳を不可としているが陰陽調和の思想によりそれらを許容することがあったり、身土不二の原則により手で捕れる程度の魚介・小魚を許容したり、欧米のベジタリアニズムとは違う思想を持つ[8][9][10]。マクロビオティックは完全に動物性を排した食品の生産流通[11][12]までが組織化されているように、原則としては動物性食品を食べない。(正食協会を除く)

欧米の考え方では卵と牛乳を許容し、日本の考え方では魚を許容することがある。欧米で動物の権利の観点から、動物製品全般を避けることが奨励され、乳製品を避け、また絹や革製品を避ける生活を実行する者も多く、菜食主義の分類が非常に細密化している。完全菜食(ヴィーガニズム)は動物を食料とすることを一切避ける。

欧米での菜食主義に基づく分類

菜食団体である英国ベジタリアン・ソサエティーや、国際ベジタリアン連合によると、ベジタリアンは、鳥獣の肉、卵、魚介類及びそれらの副生成物ラードヘットゼラチン、肉エキス、鰹節エビ等の出汁、魚を殺傷して得た魚卵等を含む)が含まれるものを口にしない人々と定義されている[13][14]

植物以外の可食物による主なベジタリアンの表
名前 動物肉・魚介類 乳製品 蜂蜜
オボ・ラクト・ベジタリアン ×
ラクト・ベジタリアン × ×
オボ・ベジタリアン × ×
ヴィーガン × × × ×

下記は、国際ベジタリアン連合日本ベジタリアン協会が定義するベジタリアンの分類である[14][15]

オボ・ラクト・ベジタリアン (Ovo-lacto-vegetarian) 乳卵菜食
乳製品と卵は食べる。
ラクト・ベジタリアン (Lacto-vegetarian) 乳菜食者
乳製品は食べる。チーズは乳製品であるが、牛を屠畜して胃を取り出して消化液を集めたレンネット(凝乳酵素)を使用して作成されたものは食べない。
オボ・ベジタリアン (Ovo-vegetarian) 卵菜食者
卵は食べる(鳥や魚介類などの違いは問わない)。無精卵に限り摂る人もいる。
ヴィーガン (Vegan) 純粋菜食者 完全菜食主義者
倫理的、環境的な理由で 乳製品、蜂蜜等も含む動物性の食品を一切摂らず、革、ウール製品、そして娯楽等食用以外の動物の使用も排除する哲学、人々。
ダイエタリー・ヴィーガン (Dietary Vegan)
ヴィーガンと同様に、植物性食品の食事をするが、食用以外の動物の利用を必ずしも避けようとしない。日本語の菜食主義者のイメージは、むしろダイエタリー・ヴィーガンに近いと思われる。
ピュア・ベジタリアン (Pure-Vegetarian)
西洋では主にヴィーガンと同義で使われるが、インド社会においては後述するラクト・ベジタリアンかつオボ・ラクト・ベジタリアンでない(乳製品は摂るが卵を食べない)人々を言う。
オリエンタル・ベジタリアン (Oriental Vegetarian) 仏教系の菜食主義者
菜食主義であるが、五葷(ごくん。にんにくにららっきょうねぎあるいはたまねぎ、あるいは浅葱)を摂らない。食用以外の動物の利用を必ずしも避けようとしない。

またベジタリアンの要素は満たしているものの、国際ベジタリアン連合が紛らわしい用語としているものにフルータリアンがある。

フルータリアン (Fruitarian) 果食主義者、果物常食者
ヴィーガン (Vegan) との違いは、植物を殺さない食品のみを食べること(リンゴの実を収穫してもリンゴの木は死なないが、ニンジンは死んでしまう)。収穫しても植物自体を殺さないという考えに基づいて食物を食べる人々。果物、トマトナッツ類等、木に実り植物自体の生命に関わらない部分を食べる。より厳格に熟して落ちた実しか食べない人々もいる。

下記は、ベジタリアン発祥の地であり、世界で最も歴史ある菜食団体である英国ベジタリアン・ソサエティーや、国際ベジタリアン連合日本ベジタリアン協会がベジタリアンと定義しない人々(動物・肉、鳥、魚・甲殻類などを食べる)のグループである[13][15]。国際ベジタリアン連合では、定義を混乱させる用語として[16]、ベジタリアンではない人々をスード・ベジタリアン(Pseudo-vegetarian:擬似ベジタリアン)と定義している[16][17]国際ベジタリアン連合(日本語版)では、紛らわしい用語として説明されている[14]

ベジタリアン準拠の人々(スード・ベジタリアン)の主な可食物の表
名前 魚介類以外の動物肉 魚介類 卵・乳製品 植物
ポロタリアン
ペスキタリアン ×
ポロ・ペスキタリアン
セミ・ベジタリアン
マクロビオティック × × ×


ポロタリアン (Pollotarian)
レッドミート(牛、豚、羊などの獣肉)を避け、ホワイトミート(鳥肉・魚介類)だけを摂るが、一部の鳥肉・魚介類をレッドミートとみなしているかもしれない。
ペスキタリアン (Pescetarian)
牛・豚・鶏などを食べない非肉食者。卵・乳製品・魚介類は食べる。
ポロ・ペスキタリアン (Pollo-pescetarian)
哺乳類からの肉を避け鳥肉、魚介類だけを摂る。[要出典]
セミ・ベジタリアン (Semi-Vegetarian)、フレキシタリアン (Flexitarian)
世間一般の人より少ない肉を食べる。
マクロビオティック (Macrobiotic)
有機栽培や地産地消などがテーマに含まれており、他とは根本的な発想がやや異なる。詳細はマクロビオティックを参照。

これらのスード・ベジタリアンを指す用語についても、ベジタリアニズムを語る上で無視はできない。

動機

菜食主義は以下のような動機によって選択される。

宗教

ヒンドゥー教徒は殺生を行わない料理のみ摂取する

宗教において菜食主義の傾向が強い要素の中には、肉体より精神を至高のものとする禁欲主義の影響が大きいと考えられるものもある。これは、霊・精神性に対し、肉食や生殖欲が肉体性を象徴するとして罪悪視されたもの(マニ教カタリ派キリスト教ベジタリアニズムなど)もあるが、断食のように修行の一環として菜食主義的粗食を志向し、なかには即身仏のように自発的殉教死に至るものもあった。

インドは不殺生戒(アヒンサー)思想の発祥地であり、遅くとも2千年以上前から菜食を奨励する宗派が存在した。現在、インド発祥で菜食主義を奨励している宗教は、ヒンドゥー教ジャイナ教が代表的であり、国民の31%がベジタリアンである[18]

ヒンドゥー教

肉食は避けるが乳製品は可。また宗派や階層、地域や家庭などによって純菜食から肉食可まで様々な段階の戒律を持つ。

ジャイナ教

ジャイナ教は肉食を避けるだけでなく、耕す際に虫が死ぬ農業、火中に虫が飛んで入る火を使った料理なども行わず、卵や野菜(大根、芋、葱など)を食べない。ただし乳製品は可。

この世に存在する限り間接殺は避けられないものであるため、ジャイナ教の僧は最終行として食を断ち餓死する。

仏教

仏教では自らの手で殺生をすることは禁じられているが、上座部とチベット仏教では肉食は禁じられていない。

インドで発見された経典や北伝の初期仏教経典(阿含経)、南伝のパーリ経典によれば、釈迦は直接殺を禁じ、菜食主義をに含めることを明確に拒否する記述があるだけではなく、肉を食べたことが記されている。さらに、釈迦に食事を振舞うために、在家信者が肉を召使に買いに行かせた記述もある。よって、肉食は不殺生戒を破ることにならない。ただし、肉が比丘や比丘尼のためにわざわざ殺されたことを見・聞・知した場合は、この肉を食してはならないと宣言している(三種の浄肉)。さらに、在家には肉・人(奴隷)・毒・武器にかかわる職業に就いてはならないと宣言している。

ただし、幾つかの病気の治療に肉をあげる記述も存在する。一見すると矛盾するが、これは当時のジャイナ教など他宗との間接殺に解釈の相違に起因するとされている。一方、中道を掲げ、極端な苦行を非難した仏教は、直接殺を避けるとともに、貪ることに戒め、全体的に間接殺を減らすのが第一であるとしている[19]

北伝の大乗仏教の経典では、釈迦が肉食をしたとの記述はないが、肉食が不殺生戒を破ると主張をする経典も存在しない[20]。しかし、すべての生き物に対する慈愛に基づいて肉食を避けるく菩薩の道が強調されており、この論法で肉食を避けることの重要性を強調する記述が何度も見られる。この考えに則った大乗の菜食は、ジャイナ教徒の食事と似ており、肉食だけでなく、植物殺を生じる球根野菜の使用を避ける。ただしジャイナ教の僧侶のように、最終的に微生物の殺生をも避けるために、水を取ることさえ拒否し、入滅するようなことはない。

中国仏教
台湾における仏教徒の為の料理

中国仏教においては、南伝の経典も大まかに正統としながらも、大乗経典と食い違う部分は小乗の劣った教えとして認めない場合が多く、より厳格な菜食主義が主張される。

仏教文化から発達した精進料理もベジタリアン料理の一種である。台湾等では素食(スーシー)と呼ばれる。

日本仏教

日本仏教では既に鎌倉仏教が厳格な菜食主義を放棄している一方で、精進料理の伝統も続けられている。

僧の托鉢による受動的な肉食と在家の購買による能動的な肉食は異なるとして、托鉢以外の場合は菜食を奨励している場合もある。

キリスト教

宗教改革以前からあるキリスト教の教派には、金曜日などの特定の曜日・四旬節待降節にベジタリアン的な料理を作り、断食を守る伝統がある。これを小斎(ものいみ)などと呼ぶ。もっとも厳しい節制においては、カトリックでは肉、卵、乳製品が禁じられており、正教会では更に魚肉、オリーブ油(または植物油全般)も禁じられる。しかし、肉では無く魚介であるという解釈のもとにベネズエラではカピバラアイルランドではカオジロガンなど水辺の鳥獣を食べてもよいとする例はあった(例として中世料理を参照)。またカトリックにおいては20世紀後半から、この趣の節制は大幅に緩和された。

節制の時期等に関しては、其々の教派の項目及び教会暦を参照のこと。

その他菜食主義を奨励する宗教・宗派

  • セブンスデー・アドベンチスト教会 - ベジタリアニズム(卵と乳製品は可)を奨励し、豚肉と鱗を持たない魚介類など、旧約聖書レビ記第11章で不浄とされる動物は忌避すべきとする。鶏肉と魚はどちらかというと食べても良いとする信者もいる。
  • ラスタファリアニズム
  • イスラム教 - 教義自体は一切、肉食を否定していない。しかし、食用に用いて良い肉はハラールミート(イスラム教徒がアッラーの名を唱えて屠殺したもの)に限られる。イスラム教徒が極めて少ない地域・社会で、ハラールミートの入手が困難な状況では、菜食(乳製品と魚介類はかまわない)が求められる。ただし、飢え死にしそうな場合のように、命に関わる場合であれば豚肉や非ハラル食であろうとも食べてよいとされる。
  • 生長の家- ノーミート料理を推奨している。
  • オウム真理教 - 動物に留まらず、イースト菌など菌類までも禁じる徹底した菜食主義をとっていた。一方麻原彰晃が肉を食べている光景も目撃されている。オウム食も参照。

倫理学

菜食推進のエコロジー的論拠以外にも動物の権利運動の延長で、家畜を殺傷することに対する忌避感もあり、これには種差別の概念も絡んで更に複雑である。

1970年代に、ピーター・シンガーは『動物の解放』[21] において、畜産は動物の数において動物虐待が行われている数が多いと主張した。工業化されすぎた畜産のシステムは、省スペースで高効率を求めるため、過密状態での飼育、病気の放置、豚の尾や鶏のクチバシの切断が行われる。シンガーのように、倫理学説上の理由から菜食主義をとるものもいる(彼の場合は功利主義の立場から脊椎動物のみ食べないという限定的な菜食主義)。

殺す際にも欧州などでは安楽処置される場合もあるが、一般的には安楽処置がされているわけではない[21]

環境保護・人道主義

ベジタリアンには、動物保護および健康増進という考え方以外に、エコロジーを主な根拠としている人もいる。

効率性

畜産物1kgを生産するために必要な穀物等の量(試算)[22]
牛肉 豚肉 鶏肉 鶏卵
11 kg 7 kg 4 kg 3 kg

1970年代に、フランシス・ムア・ラッペが、タンパク質を得るためには畜産は効率が悪いと著書で執筆した[23]

畜産には、動物の飼育が伴うが、穀物や牧草を家畜の飼料に回して得られる食肉より、同じ土地面積に、人間が直接食べる農作物を作付けした方が、遥かに多くの人を賄う分の食料を生産できる。飼料の生産のために消費される化石燃料(後述の温室効果ガスを参照)や水資源(仮想水を参照)も節約できる。食用作物を全て人間が直接食べることで、人口扶養力が世界平均ha当り6人(バイオ燃料等その他消費を飼料の4分の1含む)から10.1人に上昇するという試算がある。[24]

植物から畜産物へのタンパク質変換効率は鶏肉が40%、豚肉が10%、牛肉が5%というデータがある。[24]

しかし、家畜飼料稲は人間の食用種とは品種が異なるため、食用農作物を育てることが難しい土地でも飼料用農作物を作付けすることができる場合がある[25]

食料自給率や飲食物の確保の問題

日本での畜産も、資源の浪費や環境危機といった側面を持っている。大量の輸入飼料を必要とする畜産物の消費量が増えたことは食料自給率の低下の要因の一つとなっている[22]。日本での食料自給率の低下は、海外で枯渇が懸念される地下水を使うことにつながり[26]フードマイレージ(食料の輸送距離)を増加させ輸送のためのエネルギー消費を増大させている、という。(しかし日本での農産業も、資源の浪費や環境危機といった側面を持っている。大量の肥料を必要とする農産物の消費量が増えたことは食料自給率の低下の要因の一つとなっている[27]

人道的な面では、地域的な貧困や食料分配の不公平も解決しなければ、菜食社会でも飢餓は発生し得る。これは、フランシス・ムア・ラッペが後に、『食糧第一-食糧危機神話の虚構性を衝く』の運動を起こした理由である[28][29]

環境破壊

2006年、国際連合食糧農業機関 (FAO) は畜産が環境破壊への主な脅威であるという報告をしている[30]

2008年1月、自身がベジタリアンでもある気候変動に関する政府間パネル (IPCC) のラジェンドラ・パチャウリ議長は、肉は生産過程で二酸化炭素を大量に排出し輸送でもエネルギーを使用するので、肉の消費を減らすことは個人ができる温暖化対策の一つであると述べた[31]。ラジェンドラ・パチャウリ議長は、畜産産業からの温室効果ガスの排出量は世界中の約20%であるとし、イギリス政府に2020年までに国内の食肉消費量を60%減らすことを求めている[32]レスター・R・ブラウンの設立したワールドウォッチ研究所の報告によれば、畜産業は輸送などを含め世界中の温室効果ガスの51%を排出している[33]

メタンガスに限って

ウシなどの反芻動物は消化の際にCO2の20倍以上の温室効果を持つメタンガスを大量に排出しているという。

  • しかし、実際には、農業排出区分から水田だけを対象にした米国環境保護庁 (EPA) の報告書で、水田(稲作)のメタン放出量は年間6000万〜1億7000万トンであり、家畜からのメタン発生量は年間6500万〜8500万トンと推定される[34]
  • なお、ウシなどの反芻動物は消化の際に排出されるメタンガスの日本国内の年間排出量は、国内の温室効果ガスの年間排出量(二酸化炭素換算)の約0.5%ほどの微量である[35]

健康

バルセロナの果物市場

宗教・思想上のみではなく、健康上の理由から肉食を避ける者もある。

詳細は § 健康への影響を参照。

健康への影響

概要

肉を摂取しない食生活で好影響があるという報告とそうでないという報告が入り乱れている。

好影響の報告

2003年にアメリカとカナダの栄養士会が合同で発表した専門家報告書は256の研究に基いており、牛乳や卵も摂取しない完全な菜食においても栄養が摂取でき、また菜食者はがん糖尿病肥満高血圧心臓病といった主要な死因に関わるような生活習慣病認知症のリスクが減り、適切な菜食は乳児や妊娠期における全段階で可能であるとされた[36]

2003年発表の6つの前向きコホート研究メタアナリシスの研究では、20年以上の菜食者は平均余命が3.6年長いと報告された[37]

2009年にアメリカ栄養士会は、適切な菜食が、同様に人間の生涯の全段階、またアスリートでも適切となりえ、虚血性心疾患による死亡リスクの低下や、低い血圧、2型糖尿病やがんのリスク低下など特定の病気の予防、さらに治療においても利点があるとしている[38]

2010年版のアメリカ人のための食生活指針[39]の中で、アメリカ合衆国農務省 (USDA)は、菜食者は、がんと心臓病、全体の死亡リスクが低く、また血圧や肥満度指数 (BMI) が低いと述べている。この指針は世界各国の研究に基づいており、科学的根拠の強弱の概念を採用している。

2005年のイギリス栄養財団は「よく計画された、バランスのとれたベジタリアンもしくはヴィーガンの食事は栄養的に十分となりうる」と報告している[40]

1983年から1990年にかけて行われた「中国プロジェクト」[41] は、アメリカ国立癌研究所アメリカがん研究協会も資金提供し、アメリカのコーネル大学、イギリスのオックスフォード大学、中国のがん研究機関やほかのいくつかの国の研究機関が関与した科学研究である。中国プロジェクトを指揮したコリン・キャンベルは、研究結果を受けて「もっとも安全な食事は完全菜食である」と述べ、自らも完全菜食を実行し、5人の子供も完全菜食で育てた[42]。中国プロジェクトでは、乳製品をまったく摂取しないが骨粗鬆症は非常に珍しいということや、鉄分は植物から摂取されており、鉄欠乏性貧血は肉の摂取と関係がないことを示した[43]。コリン・キャンベルはコーネル大学でベジタリアンの栄養学を教えているが、「1980年代以降、菜食に関する科学的な研究が蓄積されているのに、肉と乳製品の摂取が必要だという視点を変えようとしない。今では科学的な研究の結果があるのに教育を受けた時代の常識を信じ込んでしまっている」と指摘している[44]

2005年発表の報告では、ベジタリアン食は、胆石、心臓血管疾患、慢性関節リウマチ、認知症、憩室疾患、腎疾患、高血圧、骨粗鬆症、癌および糖尿病を予防および治療するとされている。[45]

2014年発表の報告では、全死亡率、癌(乳房を除く)および心血管疾患の全体的なリスクが低下していることが認められた。[46]

好影響でない報告

2005年にイギリス栄養財団は「厳格なマクロビオティック生食のような、より極端な食事では、しばしばエネルギーや各種の微量栄養素が不足し、子供には全く不十分で不適切である」と報告している。[40]

2007年の世界がん研究基金の報告では、以前にマクロビオティックや菜食ががんの発症を少なくさせるという報告もあるが、現時点では食事法とがんのリスクの関係には確かな結論を下すことはできないとしている[47]

2012年発表のベジタリアンと非ベジタリアンを比較したメタ解析の報告では、両者で全体的な死亡率と脳血管疾患に有意な差は確認されなかった。[48]

2016年発表のコホート試験を集めたメタアナリシスの報告では、動物由来の蛋白質脂質などを完全に除去した生活をしても、乳癌大腸癌前立腺癌の発症リスクの低下は認められなかった[49]

人体の変化

1年間の完全菜食を行った研究報告によれば[50]、試験期間中に脂質濃度、甲状腺ホルモン濃度、貧血、低タンパク血症等の異常は起こさなかった。

開始から6ヶ月程度で基礎代謝低下や食事誘導熱生産の減少、心拍数、体重などが安定し、低タンパク質食への適応反応が整ったものと考えられている。これは、尿・便へのタンパク質排出量が減少するなどの他に腸内細菌によってアンモニアに分解された尿素態窒素を身体のタンパク質材料として利用している可能性が指摘されているが、適応機構の詳細は未解明である[50]

牛乳・乳製品の是非

牛乳を摂取しない食生活で好影響があるという報告とそうでないという報告が入り乱れている。

好影響の報告

2009年に米国栄養学会のアメリカ臨床栄養学雑誌に掲載された第5回国際菜食栄養学会議では、ここ20年の研究は骨折リスクに関して牛乳や乳製品が有益だという証拠はほとんどないことを明らかにしてきており、菜食主義の食事に推奨されるべきではないと報告された[51]

2011年発表の中高年齢者の牛乳消費と股関節骨折のメタアナリシスの報告では、牛乳消費と骨折率を低下させることの間に関連性がないとされた。[52]

2014年発表の10万人規模の研究報告では、毎日3杯以上の牛乳を飲んだ女性では骨折のリスクが16%、股関節の骨折のリスクは60%増加し、男性では、牛乳による骨折リスクの低下は確認されず、男女ともに牛乳による3%から15%の死亡リスクの上昇が確認された。[53]

好影響でない報告

2008年発表の報告では、牛乳の摂取が筋肉の成長を促進するのに効果的であるとされた。[54]

食事療法

菜食による糖尿病に関する論文を探索して、臨床試験では通常の糖尿病食よりも主として体重減少によって血糖値制御が大きく改善されており、アテローム性動脈硬化症の進行も抑制しており、他の治療法に匹敵することが示された[55]

母体からの子供への影響

ベジタリアンの母親に尿道下裂児の出産する割合が高かったという報告から、植物性エストロゲンとの関連が示唆されている[56]。大豆に含まれるイソフラボンが、代表的な植物エストロゲンであり、一部のがんや更年期障害、2型糖尿病、骨粗鬆症の予防効果が確認されている。

しかし、危険視されることがあるエストロゲン受容体へのプロモーターには、ポリ塩化ビフェニルといったダイオキシン類があり発がん性や催奇形性が確認されており、生物濃縮されるために動物性食品から多く摂取されることになる。このような主張は『小さな惑星の緑の食卓』に見られる。

完全菜食における必須栄養素

ビタミンB12やDHAやEPAは植物性の食品にはほとんど含まれない。完全菜食の場合、気を付ける必要がある栄養素もある。

海外のベジタリアンのサイトの報告では、血清ビタミンB12値は、ビタミンB12欠乏症を悪化させる可能性のある有害なビタミンB12類似体もビタミンB12として計測されてしまうために、尿中メチルマロン酸を調査すべきで、海苔を食べることはビタミンB12の供給源であるという論文の結論に同意しないと主張し、その理由として統計上の有意差はないが改善もしていないためである[57][58]。尿中メチルマロン酸を計測した研究は、1日あたり海苔を4グラム以上摂取していた4名は尿中メチルマロン酸の上昇を示さなかったことから、海苔を毎日4グラム以上摂取することで、ビタミンB12の供給源になることが示唆されている[59]

日本の女子栄養大学の研究では、161名の厳格な菜食主義者は、血圧、BMI、血清脂質が国民健康調査の同年齢より低いことが判明している。また、αリノレン酸から体内で合成されるEPA、DHAは血清中の濃度が低いが、よりきわめて重要なDHA量を反映する赤血球中では比較的多く、想定よりもリスクが低いことが報告されている[60]

菜食者を対象とした研究報告

  • 鈴木英鷹と渡部由美による「菜食者18名を対象とした研究において、菜食者の44%がタンパク質必要量を摂取しておらず、エネルギー、その他の栄養素が顕著に低い[61]。なお、国民栄養調査における同年代のタンパク質平均充足率は不足していない[62]
  • インドで外来患者4680人を対象にした5年間にわたる調査において、ビタミンB12レベルが低い患者の大半がベジタリアンであり、ベジタリアンが心疾患脳梗塞 など発症するリスクは非ベジタリアンの約4倍である[63][64][65]。医師は、「非ベジタリアン食を推奨しているわけではない。しかしこれは研究結果であり、ベジタリアンである人々はビタミンB12サプリメントを飲む必要がある」とコメントしている[66]
  • オーストラリアとベトナムが2700人を対象にした調査では、ベジタリアンの骨密度は、肉食者に比べて平均で5%低い[67]。ただし、ガーバン医学研究所のトゥアン・グエンは、「骨密度と骨折リスクの関係は不明」としながらも、「欧米のベジタリアン人口は全人口の約5%を占め、その数は増え続けている。また、骨粗しょう症患者の数も世界的に増加傾向にあり、調査結果は考慮に値する」というコメントや、「厳格な菜食主義であるヴィーガンのほうが骨密度が低いが骨折率は高いわけではなく、健康を意識している傾向がある。また全体的にみればベジタリアンは長生きで、高血圧と心臓病リスクが低い傾向がある」とコメントしている[68]

環境への影響

2017年、イギリスの学術誌エンバイロメンタル・リサーチ・レターズには、野菜中心の食事に切り替えることで二酸化炭素の排出量を削減できるとする論文が掲載された。削減量は0.8t相当が見込まれている[69]

メディア

  • イギリスでは1984年から公共放送の英国放送協会 (BBC) が「ベジタリアン・キッチン」というテレビ番組を放映したことでベジタリアンの実践者を増やした。
  • 日本では、2008年からベジタリアン・ライフスタイルの専門誌として「ベジィ・ステディ・ゴー!」という雑誌が出版されている。

著名なベジタリアン

中にはベジタリアンであることを公言しながら、肉食を行っていると非難される人もいる。著名人が行っていることからベジタリアニズムを選択する人もいる。

脚注

  1. ^ 末次勲『菜食主義』1983年。
  2. ^ The Vegetarian Society(英語)(英国ベジタリアン協会)
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r James C. Whorton. 吉岡倭子、三輪睿太郎監訳「菜食主義」『ケンブリッジ世界の食物史5』朝倉書店、2005年、229-244頁。ISBN 978-4-254-43535-1 
  4. ^ 蒲原聖可 『ベジタリアンの医学』 平凡社〈文庫〉
  5. ^ Abstinence from Animal Food Book 2 Porphyry(英語) (Animal Rights History)
  6. ^ History of Vegetarianism(英語)(英国ベジタリアン協会)
  7. ^ 図録▽食生活の変化(1910年代以降の品目別純食料・たんぱく質供給量) (社会実情データ図録)
  8. ^ 日本CI協会桜沢如一がはじめたマクロビオティックの普及団体 [1]
  9. ^ 正食協会西日本で桜沢如一の運動を広めている古い普及団体 [2] 魚介類が中心の動物性食品を1〜2の割合摂取が目安
  10. ^ クシインスティチュートインターナショナル久司道夫による普及団体[3] 週に数回の魚介類・月に数回の肉が標準食
  11. ^ 自然食品 マクロビオティック 卸問屋 オーサワジャパン
  12. ^ 株式会社ミトク - Organic & Natural Foods
  13. ^ a b Food & Drink Guide 英国ベジタリアン・ソサエティー
  14. ^ a b c ベジタリアンQ&A(2010年1月11日時点のアーカイブ国際ベジタリアン連合
  15. ^ a b ベジタリアンの分類 日本ベジタリアン協会
  16. ^ a b Definitions of some other confusing terms(英語) 国際ベジタリアン連合
  17. ^ 「Pseudo」は連結形で「偽りの」「仮の」「擬似の」の意味を持つ [4]
  18. ^ PCAインドウィークリー (PDF) (PCAアセット)
  19. ^ Buddhism and Vegetarianism(英語) (Urban Dharma - Buddhism in America)
  20. ^ Buddhism and Vegetarianism(英語) (About.com)
  21. ^ a b ピーター・シンガー 『動物の解放』原著Animal Liberation, 1975
  22. ^ a b 我が国の食料自給率-平成15年度食料自給率レポート』農林水産省(農林水産省)
  23. ^ フランシス・ムア・ラッペ『小さな惑星の緑の食卓』 奥沢喜久栄訳、講談社、1982年。ISBN 978-4-06-142668-9
  24. ^ a b No.244 穀物を家畜でなく人間が直接食べれば,世界の人口扶養力が向上 | 西尾道徳の環境保全型農業レポート”. lib.ruralnet.or.jp. 2018年5月10日閲覧。
  25. ^ [5][リンク切れ]
  26. ^ 日本の輸入食料、海外産地は水427億トンで生産」(読売新聞、2008年3月1日)
  27. ^ 肥料価格の現状等について 農林水産省生産局
  28. ^ フランセス・ムア・ラッペ、ジョセフ・コリンズ『食糧第一-食糧危機神話の虚構性を衝く』 三一書房、1982年。
  29. ^ 食糧第一:食糧と開発のための政策研究所 日本語サイト
  30. ^ Livestock a major threat to environment(英語) (FAO)
  31. ^ 「温暖化防止にライフスタイルの変革を」、IPCC議長 国際ニュース (AFPBB News、2008年1月22日)
  32. ^ 「肉の消費減らせばCO2削減」IPCC議長が提言(asahi.com、2008年9月8日10時55分)
  33. ^ Robert Goodland and Jeff Anhang Livestock and Climate Change: What if the key actors in climate change are...cows, pigs, and chickens? World Watch, November/December 2009 pp10-19.
  34. ^ 地球温暖化と稲作からのメタン発生量
  35. ^ 牛のげっぷを9割削減 出光と北大、天然素材発見 asahi.com
  36. ^ Position of the American Dietetic Association and Dietitians of Canada "Vegetarian diets" Journal of the American Dietetic Association Vol.103 Issue.6, June 2003, pp748-765.
  37. ^ Pramil N Singh, Joan Sabaté, Gary E Fraser Does low meat consumption increase life expectancy in humans? American Journal of Clinical Nutrition, Vol.78 No.3, September 2003, pp526-532.
  38. ^ Craig WJ, Mangels AR: Position of the American Dietetic Association: vegetarian diets. J Am Diet Assoc. 109 (7):1266-1282(2009) PMID 19562864.
  39. ^ Dietary Guidelines for Americans 2010”. 2018年5月12日閲覧。
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  41. ^ China-Cornell-Oxford Project(英語)
  42. ^ エリック・マーカス 『もう肉も卵も牛乳もいらない!』早川書房、2004年6月。ISBN 978-4-15-208573-3。56-57、66頁。原著Vegan
  43. ^ Huge Study Of Diet Indicts Fat And Meat (The New York Times, May 8, 1990)
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参考文献

関連項目

外部リンク