シーシェパード

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シーシェパードの揚げる旗
シーシェパードの揚げる

シーシェパード (Sea Shepherd Conservation Society) は、海の自然、環境保護のための警備を主張する非営利環境団体である。国連世界自然憲章を根拠として活動していると主張し、違法行為と思われる行為を含む捕鯨阻止行動などを行っている。アメリカ合衆国ワシントンのフライデー港に本部を置く。

船に爆薬を仕掛け、沈没させるなど非合法活動も辞さないため、テロリストと呼ばれる事も多い。

目次

[編集] 概要

国際的な環境保護団体であるグリーンピースに所属していたポール・ワトソン (Paul Watson) らが同団体を脱退し、1977年に設立。各国の捕鯨船漁船に対し、体当たりなどで何隻もの船を沈めるほどの過激な行動から、環境テロと批判されることもある。1986年にアイスランドの捕鯨船を撃沈したため国際捕鯨委員会 (IWC) のオブザーバー資格を剥奪される。1994年には IWC のレイ・ガンベル (Ray Gambell) 委員長が「IWC とその全ての構成員がシーシェパードのテロ行為を非難する」と発言した。しかしながらBBCで「日本ノルウェー の範囲内で留めてくれるのならはるかに良いでしょうに」とも発言をしている。また2006年、ホルスト・クラインシュミット (Horst Kleinschmidt) IWC 元副議長がアドバイザーとして、シーシェパードに加わっている。

主として海賊捕鯨船やノルウェーの捕鯨船に攻撃をしかけているが、2005年頃からは日本の捕鯨船に対しても抗議行動をし、日本でも知られるようになった。過激な活動を交えながら環境保護を訴えることにより多額の寄付金を集め、密猟者や捕鯨者に対して海洋保護の名目で最大25,000ドルの懸賞金を出して情報を収集している[1]

なお、水産庁や同庁管轄の財団法人日本鯨類研究所からはエコテロリストテロリストなどと非難されている[2]。またIWCも2008年3月にはシーシェパードを名指しで非難する決議を全会一致で採択している[3]

一方で、彼らの行動を「捕鯨を止めさせるためにはやむを得ない」とする立場も存在している[4]

なお、ポール・ワトソン自身は徹底的菜食主義(ビーガン)の信条であり、根拠として大量の植物を必要とする家畜は環境に負荷がかかるという主旨を挙げた。また、鯨肉は食べたことがないという[5]

[編集] 過去に起こした事件など

  • 1980年 - 独行型捕鯨船「シエラ」をリスボン港でリムペットマインを使用して爆破し沈没させた[6]
  • 同じく1980年、マッコウクジラの捕獲一時停止に反対票をカナダの代表が投じたことで彼等を殺すとポール・ワトソンが脅迫、これによりカナダ政府は自国の警察を派遣し保護している[要出典]
  • 1983年 - カナダ警察が乗り込んだ際、舟のデッキの周りに電気ワイヤーをはりめぐらせた17人が逮捕される。ポール・ワトソンら3名が逃走するも逮捕[要出典]
  • 1986年 - フェロー諸島にてライフルを使用して捕鯨船のゴムボートを沈めようとし、フェロー諸島の警察にも発砲、同海域にいたシーシェパードの船舶はフェロー領海から退去命令を受ける。また、三価リンを含む信号照明弾を警察に投げつけたり、ガソリンを警察の船に散布、ガソリンに火が付くように信号照明弾を投げつけた[要出典]
  • 1993年 - 日本の漁船に発砲を命じ、拳銃1発を発砲している[要出典]
  • 2003年 - 太地のイルカキャンペーンの一環として、和歌山県太地町のイルカ漁に用いる網を切断する。これによりシーシェパードのメンバー2人が23日間拘束される。また、シーシェパードの公式ホームページに漁業関係者や県知事の住所、電話番号を日本語で掲載し抗議の手紙、電話を送るよう推奨している[7]
  • 2007年 - 捕鯨船「日新丸」に対して妨害行為を行ったという。それについては「日本捕鯨船に対する妨害行為」を参照されたい。
  • 2008年 - 1月、調査捕鯨船「第2勇新丸」を酪酸ビンを投げ込むなどして襲撃した上、活動家二名が乗り込み、拘束される。

カナダオットセイを捕まえようとした調査船を妨害したとしてカナダ警察にメンバーが逮捕される。

[編集] 所有船

シーシェパードは、彼らが "Neptune's Navy" (海神の海軍)と呼ぶ船を3隻保有している。

R/V Farley Mowat
元はノルウェーの漁業調査船として1956年に建造された船。1996年にシーシェパードが購入し、シーシェパードIIIと名づける。1999年にオーシャン・ウォリアーに改名し、2002年からは現在の名前となる。船の名の由来は作家のファーレイ・モウワット。全長54メートル、排水量657トン、1400馬力[8]。2006年12月に一度、ベリーズから船籍を剥奪されているが、その後、オランダ船籍を取得したとのことである[9][10]。2007年7月には、イロコイ連邦の船籍も得ている[11]。2007年2月に旧名Robert Hunter号とともに、日本の調査船を襲撃した。このときのFarley Mowat号の塗装は黒色であった。
Steve Irwin(旧名Robert Hunter)
シーシェパードの所有する高速船。2007年2月現在詳細は明らかにされてないが[12]、シーシェパードのプレスリリース[13]を見る限り、2007年1月南極海で、日本の調査船の調査捕鯨を妨害(彼らはリヴァイアサン作戦 "Operation Leviathan" と呼んでいる[14])に参加したのが初任務である[15]。2007年2月19日付でイギリスから船籍剥奪を通告されているが、その後すぐ、オランダ船籍を取得したとのことである[9][10]。Robert Hunter の名の由来は、カナダの環境活動家で2005年に亡くなったロバート・ハンター。この船は、取材中にエイに刺されて亡くなったテレビタレント兼活動保護家スティーブ・アーウィンの妻の許可を得て、2007年12月にスティーブ・アーウィン号に改名した。従って、2007年2月(ロバート・ハンター号)と2008年1月(スティーブ・アーウィン号)に日本の調査船を襲撃した船は同一船である。2007年の襲撃時には塗装は薄い青緑であったが、2008年の襲撃時には船名の変更とともに全面黒色塗装されている。排水量1017トン。
Sirenian
元は米国沿岸警備隊巡視艇として1955年に建造された船。1991年にシーシェパードが購入。1999年秋にシアトルで捕鯨推進派とのにらみ合いの際破壊されるが、修理・オーバーホールされる[16]。Sirenianとは英語で「ジュゴン目」という意味。

[編集] 日本捕鯨船に対する妨害行為

[編集] 1980年

ソマリア船籍の捕鯨船「シエラ」を撃沈。同船は日本の捕鯨船ではないが、グリーンピースなどの反捕鯨派環境保護団体は、同船がノルウェー人と日本人の共同所有であったと主張している(前述)。

[編集] 2007年

2007年2月9日、日本の調査捕鯨母船「日新丸」に対して船2隻が接近し化学薬品(酪酸)入りの瓶を投げ付け、日新丸乗組員のうち1人は瓶の破片で、もう1人は液体が目に入り、船内で治療を受けた。

なお、日新丸のスクリューに縄を絡ませようとした活動家の高速ボートが接近しすぎ沈没、オーストラリア人と米国人の活動家2人が行方不明となった。 水産庁によると、シー・シェパード側は妨害活動を中止し、約3時間後に日本側に救助要請。日新丸も救助活動に参加、連絡が途絶えてから約7時間後にシー・シェパードが不明の2人を救助した。Jonny Vasic会長はこの件に関し、「日本の捕鯨船には感謝しているが、今後も妨害活動は続けるつもりだ」と語った。

2007年2月12日、日本の目視調査船「海幸丸」が同団体の抗議船に衝突された。同団体によると、海幸丸は捕鯨を妨害しようとした抗議船を回避しようとして別の抗議船に衝突したとのこと。その後、海幸丸はスクリューが破損したと訴え、遭難信号を出した。ニュージーランド当局も遭難信号を確認した。一方、抗議船は船体を損傷したが航行に支障はない。

このことに関し、同団体のワトソン船長は、オーストラリアおよびニュージーランド当局が全力で捕鯨をやめさせるとの保証が得られるなら引き揚げると述べる一方、捕鯨妨害のため抗議船を捕鯨船の船尾に衝突させる(スクリュー、舵などの破壊の為)ことも辞さないと警告した。

この「日新丸」は、同年2月15日に船内において火災が発生し、乗務員である27歳の男性が焼死するという事故が発生した。

[編集] 2008年

1月15日南極海で捕鯨調査を行っていた日本の目視採集船「第2勇新丸」に対し、酪酸と思われる薬品が入った瓶を投げ込んだり、船の周囲にロープを流す(プロペラに絡ませる為)などの妨害行為を展開した。その後、オーストラリア人と英国人の活動家2人が同船船内に侵入、安全のため同船乗組員が2人を拘束した。

シーシェパード側は2人の無条件の釈放を要求し、また、オーストラリア政府も彼らの早期釈放を要求した。これを受け日本側は2名の引き取りをシーシェパードに要請したが、同団体側はその要請に直接の応答を行わず、ホームページ上に声明を発表した。その内容は「2人の解放とともに妨害活動をしないように要求された」とした上で、「人質を取って要求を突きつけるテロ組織のようなやり方だ」と日本側を非難するものであった。日本側も、交換条件の提示は否定した上で、「スティーブ・アーウィン号はわざと膠着状態を作り出して報道を引っ張る為に捕鯨船からの連絡を無視している」と同団体を非難した[17][18]

結局、1月17日夜に、2人の身柄は第2勇新丸から仲介に入ったオーストラリア政府の監視船へと引き渡された。しかし、そのわずか3時間後に別の捕鯨船(第3勇新丸)に対し、酪酸入りの瓶10個ほどを投げ込む妨害行為が行われたことが判明している[19]

3月3日早朝、調査捕鯨船団母船「日新丸」に対して酢酸入りの瓶や白い粉の入った袋を計100個以上投げ込み、一部の瓶が割れて甲板の乗組員1人と海上保安官2人が目の痛みを訴えるなど軽傷を負った[20]小野寺五典外務副大臣はシーシェパードが船籍を置く旗国オランダの駐日大使を外務省に呼んで抗議。また、同省の小田部陽一経済局長も、団体の船が寄港したオーストラリアの駐日大使を呼んで、再発防止に向けた措置を取る事を求めた[21]

[編集] 支援団体

  • パタゴニア - 登山用品、サーフィン用品、アウトドア用品、衣料品の製造販売メーカー。
  • アニマルプラネット - ケーブルテレビネットワーク。スティーブ・アーウィン号に取材班を同行させている。
  • オーストラリア動物園 - スティーブ・アーウィンが経営していた動物園。
  • ブルータン - オーストラリアのビール製造会社。

[編集] 外部リンク

[編集] 脚注

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  1. ^ http://www.seashepherd.org/rewards.html#grizzly
  2. ^ http://www.j-cast.com/2008/01/16015654.html J-CASTニュース 2008年1月16日。
  3. ^ シー・シェパード非難声明を採択 IWC中間会合
  4. ^ 例えばパタゴニア社の見解など。「パタゴニア社の公式見解」参照。
  5. ^ 朝日新聞2008/04/03より、電話取材に答えて。
  6. ^ 「シエラ」は、IWC非加盟のソマリア船籍船なので、IWCの捕獲制限を守る義務を持たなかったが、反捕鯨派からは「海賊捕鯨船 pirate whaler」と呼ばれていた。なお、捕獲された鯨の肉の大半は日本に輸出されていた。TIME - 1979/07/30 "Victory at Sea", FAO - 1979 "Unasylva - No. 125 - Combating the trade in endangered species through CITES", Whale and Dolphin Conservation Society - May 2005 "page.13 of 'The RMS - A question of confidence?(PDF)'" この船の存在が問題視されたのはアメリカ合衆国下院議会公聴会でのヒアリングが発端であり[要出典]、その後イギリスのオブザーバーもこの船についての報道を行った[要出典]。現在Web上で読める情報としては、シーシェパードのほか、グリーンピースやアースアイランドインスティテュートなどの環境保護団体によるものがある。それによると、シエラのオーナーはノルウェー人資本家と日本企業であり、当時すでに絶滅危惧種としてIWCが禁漁種としていたシロナガスクジラを含む捕鯨を行っていたとされる。ECO - June 2006 "Eco - The Voice of Conservaion at the IWC Conference - June 2006", GP Sweden "Illegal whaling"
  7. ^ http://www.seashepherd.org/taiji_jp.shtml
  8. ^ http://www.seashepherd.org/fleet/fleet.html
  9. ^ a b調査捕鯨船に米環境団体の船衝突」。日刊スポーツ、2007年2月12日。
  10. ^ a b "Neptune's Navy" The New Yorker. 2008-2-26閲覧.
  11. ^ "Sea Shepherd Receives the Flag of the Five Nations of the Iroquois Confederacy" Sea Shepherd Conservation Society. 2008-2-26閲覧.
  12. ^ http://www.seashepherd.org/fleet/fleet.html
  13. ^ http://www.seashepherd.org/news.html
  14. ^ http://www.seashepherd.org/news/media_061223_1.html
  15. ^ http://www.seashepherd.org/news/media_070109_1.html
  16. ^ http://www.seashepherd.org/fleet/fleet.html
  17. ^ http://www.j-cast.com/2008/01/16015654.html J-CASTニュース 2008年1月16日。
  18. ^ http://news.theage.com.au/deadlock-over-antiwhaling-activists/20080116-1m6d.html 豪 ジ・エイジ 2008年1月16日。
  19. ^ http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080118i116.htm?from=navr YOMIURI ONLINE 2008年1月18日
  20. ^ YOMIURI-ONLINE 3月3日
  21. ^ YOMIURI-ONLINE 3月3日