イソフラボン

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イソフラボン
イソフラボンの構造式イソフラボンの球棒モデル
IUPAC名 3-phenyl-4H-1-benzopyran-4-one
別名 3-フェニルクロモン
分子式 C15H10O2
分子量 222.24 g/mol
CAS登録番号 [574-12-9]
形状 無色固体
融点 148 °C

イソフラボン (isoflavone) はフラボノイドの一種。狭義では分子式 C15H10O2、分子量 222.24 の有機化合物のひとつ、3-フェニルクロモン (3-phenylchromone) を指し、広義には後述のイソフラボン類に属する誘導体をイソフラボンと称する。狭義のイソフラボンは生物では検出されない。生物ではフラバノンの異性化反応によって 5,7,3'-トリヒドロキシフラボンが作られ、多くは配糖体として蓄えられる。

目次

[編集] イソフラボン類

イソフラボン類ポリフェノールの分類のひとつで、イソフラボンを基本骨格とするフラボノイドである。大豆などのマメ科の植物に多く含まれている。

ゲニステインダイゼインなどのイソフラボンはエストロゲン(女性ホルモン)様の作用を有する。これはエストロゲン受容体に結合してアゴニストとしてはたらくためで、このような活性を持った植物由来の化合物は植物エストロゲンと呼ばれる。

[編集] 健康食品として

エストロゲン様の活性を持つがゆえ、乳癌子宮体癌などのリスクを増すとも減らすとも考えられている。大豆イソフラボンは、更年期障害2型糖尿病の改善に効果があるといわれ、また骨粗鬆症に対しては特定保健用食品として「骨の健康維持に役立つ」という表示が許可されたものがある[1]。大豆あるいは大豆食品そのものの安全性は問題視されていない。

[編集] 摂食と健康に関して

一部のマスコミが乳癌の発症リスクを高めると報道したが、誤報だと指摘されている[2]
2006年には、食品安全委員会は「現在までに入手可能なヒト試験に基づく知見では、大豆イソフラボンの摂取が女性における乳がん発症の増加に直接関連しているとの報告はない[3]」と報告している。
厚生労働省研究班の2008年の報告では、432人の保存血液から血中イソフラボン濃度を測定し乳がんのリスクとの関連を分析したところ、欧米人より高いイソフラボン濃度での検討だったが通常の食事の範囲では心配はいらないと考えられた[4]としている。

[編集] 摂取量

厚生労働省食品安全委員会に調査を依頼し、サプリメント添加物としてのイソフラボンの過剰な摂取に注意を呼びかけることとなった。食品安全委員会による「大豆イソフラボンを含む特定保健用食品の安全性評価の基本的な考え方」では、大豆イソフラボンアグリコン換算した安全な一日の上乗せ摂取量の上限値を30mgとしている。

[編集] 有効とする研究

  • 厚生労働省研究班による大規模なコホート研究では、食品からのイソフラボンの摂取量が多いほど日本人女性の乳がん[5]や脳梗塞と心筋梗塞[6]、男性の一部の前立腺がん[7]のリスクが低下するという相関関係が見られた。
  • 順天堂大学の研究によれば、納豆の摂食頻度と月経状態・月経随伴症状は有意の関係がみられ、摂食頻度の増加は症状を軽減させている可能性があるとしている[8]

[編集] 代表的なイソフラボン

ゲニステイン
  • ゲニステイン (genistein)
  • ダイゼイン (daidzein)

[編集] 脚注

  1. ^ 「健康食品」の安全性・有効性情報 イソフラボン (独立行政法人 国立健康・栄養研究所)
  2. ^ 石見佳子「大豆イソフラボンをめぐる最近の話題」『臨床栄養』2007.1,Vol.110, No10 ,P14-15。
  3. ^ 食品安全委員会「大豆イソフラボンを含む特定保健用食品の 安全性評価の基本的な考え方」 2006年5月、35頁
  4. ^ 血中イソフラボン濃度と乳がん罹患との関係について ―概要― (JPHC Study 厚生労働省研究班による多目的コホート研究)(2008年、PMID 18316793)
  5. ^ 大豆・イソフラボン摂取と乳がん発生率との関係について -- 概要 -- (JPHC Study 厚生労働省研究班による多目的コホート研究)(2003年、PMID 12813174)
  6. ^ イソフラボンと脳梗塞・心筋梗塞発症との関連について ―概要― (JPHC Study 厚生労働省研究班による多目的コホート研究)(2007年、PMID 18025534)
  7. ^ 大豆製品・イソフラボン摂取量と前立腺がんとの関連について -- 概要 -- (JPHC Study 厚生労働省研究班による多目的コホート研究)(2007年、PMID 17337648)
  8. ^ スポーツ系及び文化系女子大学生の納豆摂取状況が月経随伴症状に及ぼす影響 順天堂大学スポーツ健康研究

[編集] 関連項目


[編集] 外部リンク