状況曲線
状況曲線 | |
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小説の舞台となる船明ダム | |
作者 | 松本清張 |
国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
ジャンル | 長編小説 |
シリーズ | 「禁忌の連歌」第2話 |
発表形態 | 雑誌連載 |
初出情報 | |
初出 | 『週刊新潮』 1976年7月29日 - 1978年3月9日 |
出版元 | 新潮社 |
挿絵 | 朝倉摂 |
刊本情報 | |
刊行 | 『状況曲線』(上下巻) |
出版元 | 新潮社 |
出版年月日 | 1988年9月25日 |
装幀 | 丸山浩司 |
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『状況曲線』(じょうきょうきょくせん)は、松本清張の長編推理小説。「禁忌の連歌」第2話として『週刊新潮』に連載され(1976年7月29日号 - 1978年3月9日号、連載時の挿絵は朝倉摂)、1988年9月に新潮社から単行本が刊行された。ゼネコンによる公共事業発注工事をめぐる談合を背景とした、連続殺人事件を描くミステリー長編。
1994年にテレビドラマ化されている。
あらすじ
[編集]梅雨空の昼下がり、東京都心・有楽町近くのガード下の喫茶店「DATE」に、3人の紳士が集っていた。日星建設の味岡、大東組建設の成瀬、共栄建設の中原の3名であり、いずれも建設会社の役員であった。彼らは、丸の内の「神邦ビル」4階にある「東明経済研究所」へ向かう。この研究所は、エリート官僚に顔の利く怪人・巨勢堂明を中心とする、非公式の談合組織「南苑会」の事務所となっており、この日の会合では、巨勢から3人に、J県とR県にまたがる観光有料道路「ハイランド・ライン」建設に関わる情報が伝えられた。
会合のあと、用件のあった味岡は、引き返して巨勢の事務所を再訪するが、誰もいない事務所内に、成瀬が抜け駆けで贈ったものと思しき紙袋を発見し、好奇心からその中身を覗こうとする。ちょうどその時、神邦ビルの屋上で死体が発見され、騒ぎとなった。やましい行動をしていた味岡は、自分の行動を言うことができなかったが、「死体発見の日に不審な男」と新聞に報じられてしまう。以後、殺人事件のことが気になって仕方がない味岡の前に、怪事件が続発していく……。
主な登場人物
[編集]- 原作における設定を記述。
- 味岡正弘
- 大手建設会社・日星建設の専務。
- 末吉祐介
- 新興の建設会社・甲東建設の社長。
- 巨勢堂明
- 「東明経済研究所」所長。大蔵省を中心とした各省庁の幹部に、不思議な影響力を持つ。
- 沢田美代子
- 東明経済研究所の事務員。
- 成瀬敬一
- 大東組建設の専務。
- 中原武夫
- 共栄建設の常務。
- 柳原孝助
- 金融ブローカー。与党の政務審査会路線部会幹事・高尾雄爾の後援会の名前で、詐欺を働く。
- 大石謙吉
- 日星建設の道路建設部長[1]。味岡の発意による道路建設現地視察に同行する。
- 中橋泰夫
- 下請けの土建会社「中橋組」社長。人夫出しの手配師として各地を渡り歩く。
- 照葉
- R県の刈野温泉にある旅館「楓荘」で、日星建設一行を接待した芸者の一人。
- 金弥
- 「楓荘」で日星建設一行を接待した芸者の一人。
- 矢田部護親
- 二俣署の刑事課巡査部長。発見された死体の状況に疑問を抱き、捜査を始める。
- 山崎達二
- 二俣署の刑事課長。矢田部の上司で、捜査をバックアップする。
エピソード
[編集]- おもに第三節で描かれる柳原孝助には、実在のモデルがあり、著者が梓林太郎から聞いた話がもとになっている。梓の説明によれば、その男Gは、鹿児島出身の国会議員Sの後援会会長を名乗り、建設会社のN組やK建設の社長に、「フランス石油」と呼ばれる巨大な金融システムの話を持ちかけ、その資金を利用し大型融資をするように求めたという。この話を聞いて興味を持った清張は、梓にGの素性を調べるよう頼み、Gが詐欺と選挙違反で捕まったことがあり、また代議士の秘書を名乗ったりしていた、などの話が伝わると、清張はGを「政治家と企業の寄生虫のような男」と評し、その生態について想像をめぐらしていたという[2]。
関連項目
[編集]テレビドラマ
[編集]松本清張スペシャル 状況曲線 | |
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ジャンル | テレビドラマ |
原作 | 松本清張『状況曲線』 |
脚本 | 吉田剛 |
監督 | 松尾昭典 |
出演者 | 村上弘明ほか |
製作 | |
プロデューサー |
佐藤涼一(テレビ朝日) 今木清志(テレビ朝日) 田中浩三(松竹) 佐々木孟(松竹) 林悦子(霧企画) |
制作 | テレビ朝日 |
放送 | |
放送国・地域 | 日本 |
放送期間 | 1994年11月26日 |
放送時間 | 21:02 - 22:51 |
放送枠 | 土曜ワイド劇場 |
この節の加筆が望まれています。 |
「松本清張スペシャル・状況曲線」。1994年11月26日、テレビ朝日系列の「土曜ワイド劇場」枠(21:02-22:51)にて放映。サブタイトル「巨大談合組織の黒い殺人!男と女が欲望の罠にはまる…」。視聴率14.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。原作の登場人物を一部省略して人間関係を簡略化し、また、原作では犯行の重要人物が後半まで伏せられているのに対して、本ドラマは重要人物を前半から明らかにした上で展開されている。
- キャスト
- 大石謙吉(日星建設の事業開発室長):村上弘明
- 照葉(粟津温泉の芸者):七瀬なつみ
- 中橋泰夫(下請け建設会社・中橋組の社長):鶴田忍
- 安田秋子(中橋の妻):栗田よう子
- 沢田美代子(南苑会事務所の秘書):斉藤林子
- 柳原孝助(談合屋):北村晃一
- 田中刑事(近江守山署の刑事):高峰圭二
- 成瀬敬一(建設会社・大東組の常務):加島潤
- 警視庁の刑事:水橋和夫
- 刑事:志賀圭二郎
- 味岡の妻:木村翠
- 味岡正弘(日星建設の専務):財津一郎
- 伊豆長岡温泉の芸者:小林千晴
- 新幹線の車掌:越村公一
- 大石の息子:飯塚恭平
- 巨勢堂明(東明経済研究所・南苑会事務所所長):田中明夫
- 矢田部刑事(二俣署の刑事):蟹江敬三
- 森章二、松村彦次郎、三沢明美、小柳圭子、貴紫市子、高山千草、中尾真澄、するきあゆみ、三浦論、横溝貴之、大木史郎、村上幹夫、永居光男、名川貞郎、市村莉絵、杉山みどり、東佳代子、大下美紀、福島孔道
- スタッフ
- 脚本:吉田剛
- 監督:松尾昭典
- 音楽:鏑木創
- 撮影:宇田川満
- 美術:大橋豊一
- 編集:多嘉良栄子
- 助監督:三好雄大
- 撮影協力:琵琶湖グランドホテル 京近江、山水館欣龍、日清都カントリークラブ、沼津国際カントリークラブ、大宮アイネ、浜名湖ロイヤルホテル、ヒルトン東京 ほか
- 小道具協力:ブリヂストンスポーツ、エースバッグ
- 技術協力:ビデオフォーカス
- 制作協力:松竹大船撮影所
- プロデューサー:佐藤涼一(テレビ朝日)、今木清志(テレビ朝日)、田中浩三(松竹)、佐々木孟(松竹)、林悦子(霧企画)
- 制作:松竹、テレビ朝日、霧企画
テレビ朝日系列 土曜ワイド劇場 | ||
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状況曲線 (1994.11.26) |
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