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素粒子 (朝日新聞)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

素粒子(そりゅうし)は、朝日新聞夕刊に連載されているコラム皮肉を含ませた社会風刺などを扱う。

朝日新聞の夕刊には1921年から「今日の問題」(のちに「三角点」に改題)という社会風刺コラムが連載されていた。それを引き継ぐ形で1959年4月から連載されて今日まで至っている。毎日新聞の「近事片々」(1952年連載開始)、読売新聞の「よみうり寸評」と並ぶ長寿コラムである。1996年までは同新聞編集委員の轡田隆史が担当し、しばしば本人の好きな豆腐にたとえた時事評論を執筆した。

「素粒子」の題字の書体は、第1回から現在に至るまで、変わらず続いている。

2018年現在の筆者は、坪井ゆづる恵村順一郎両論説委員[1]

かつて、1年分の抄録が書籍化されたことがある(1980年分は晶文社から、1982年・1983年分は立風書房から出版)。

批判・不祥事

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「死に神」

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2008年(平成20年)6月18日、死刑囚13人の死刑執行を命じた法務大臣鳩山邦夫を「永世死刑執行人 鳩山法相。『自信と責任』に胸を張り、2カ月間隔でゴーサイン出して新記録達成。またの名、死に神」と表現。これに全国犯罪被害者の会が「犯罪被害者遺族の感情を逆撫でされる苦痛を受けた」と非難した[2][3][4]

鳩山法相本人も、6月20日の閣議後の記者会見で「極刑を実施するのだから心境は穏やかではないが、どんなにつらくても社会正義のためにやらざるを得ない」「司法の慎重な判断、法律の規定があり、苦しんだ揚げ句に執行した。死に神に連れていかれたというのは違うと思う。記事は執行された方に対する侮辱だ」と抗議し[5][6]、兄の鳩山由紀夫も「弟は法に従っただけ。私も死神の兄と言われては困る」と発言した[7]

6月30日に朝日新聞社は「鳩山法相を中傷する意図はありませんでした」と回答したが[8]、謝罪はしなかったため、被害者の会は「真正面から質問に応えることを避けている」として、再度質問状を朝日新聞社に送付した[3][9]。7月14日に朝日新聞社は再回答をしたが[10]、被害者の会にとって満足のいく回答ではなかったため、同月23日に被害者の会は記者会見を開き、要望書を発表した[3][11]。問題の記事の掲載から1か月以上の8月1日、ようやく「適切さを欠いた表現だったといわざるを得ない」として自らの行動を反省し、事実上謝罪した[12]

被害者の会はこれを受け入れ、一連の記事を巡る動きは収束した[3][13][14]。コラム自体は撤回せず、縮刷版からの削除等も行っていない。

外部リンク

脚注

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  1. ^ 朝日「素粒子」、アソウタロウ作文で麻生氏批判→「アサヒシンブン作文」がネットにあふれる - JCASTニュース(2018年5月21日)
  2. ^ 朝日「死に神」報道、あすの会が抗議「犯罪被害者や遺族をも侮辱」産経新聞、2008年6月25日。
  3. ^ a b c d 朝日新聞「死に神」問題、全国犯罪被害者の会 - 2023年5月30日閲覧。
  4. ^ 【朝日新聞社に公開質問状提出】、全国犯罪被害者の会、2008年6月25日。
  5. ^ 鳩山法相、「死に神」報道に反論、NIKKEI NET(日本経済新聞社)、2008年6月20日。
  6. ^ 朝日「死に神」報道に法相激怒 「死刑執行された方に対する侮辱」、産経新聞、2008年6月20日。
  7. ^ 「弟は死に神ではない」 民主・鳩山氏、法相を擁護、産経新聞、2008年6月21日。
  8. ^ 冠省 貴会から弊社社長秋山耿太郎宛に、08年6月25日付で「抗議および質問」をいただきました。、朝日新聞社、2008年6月30日。
  9. ^ 【朝日新聞社に再質問書を送付しました】、全国犯罪被害者の会、2008年7月7日。
  10. ^ 冠省 貴会から弊社社長秋山耿太郎宛に08年7月7日付で 「再質問」をいただきました。、朝日新聞社、2008年7月14日。
  11. ^ 【朝日新聞社へ更なる誠実な対応を要望しました】、全国犯罪被害者の会、2008年7月23日。
  12. ^ 冠省 貴会から弊社社長秋山耿太郎宛に、 08年7月23日付で文書をいただきました。、朝日新聞社、2008年8月1日。
  13. ^ 「死に神」コラムで朝日新聞が「謝罪」 「自らの不明を恥じるしかありません」、J-CASTニュース、2008年8月1日。
  14. ^ 【「素粒子」問題は終わりにしました】、全国犯罪被害者の会、2008年8月4日。

外部リンク

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