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'''コンピレーション・アルバム''' (compilation album) は、何らかの編集意図によって既発表の音源を集めて作成された[[アルバム]]<ref name="yoe19980613">{{Cite news|newspaper=読売新聞・大阪夕刊|date=1998年6月13日|page=9|title=聴きたい曲だけ、お好みCD コンピレーション盤が人気 12万枚のヒットも|quote=ラジオや雑誌が、レコード会社とタイアップしてコンピレーション(編集)CDを出す動きが活発だ。メディア側はステーションイメージをPRでき、提携するレコード会社は電波や誌上での告知メリットに注目する。 ... コンピレーションアルバムとは、あるテーマのもとに、発表済みの曲を編集し直したもの。各レコード会社が手持ちの音源の有効利用も狙って、ここ五、六年、力を入れている。|author=米田浩子}} - ヨミダス歴史館にて閲覧</ref>、ないしは、[[ボックス・セット|CDのセット]]<ref>{{Cite news|newspaper=朝日新聞・夕刊|date=1995年5月25日|page=10|title=クラシック編集で新傾向 スケルツォやアダージョ集(音楽の風景) |quote=ヒット曲を集めて一枚や一セットのCDにして発売するものを、コンピレーション(編集)アルバムといい、最近ではベストセラーになることも珍しくない。}} - 聞蔵IIビジュアルにて閲覧</ref>。「コンピレーション (compilation)」は「編集」という意味である<ref>{{Cite web |url=https://kotobank.jp/word/%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%94%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3-506636#E5.A4.A7.E8.BE.9E.E6.9E.97.20.E7.AC.AC.E4.B8.89.E7.89.88 |title=コンピレーション【compilation】 |publisher=[[コトバンク]] |author=大辞林 第三版 |accessdate=2017-11-8 }}</ref><ref name="aera19930413">{{Cite news|newspaper=アエラ|date=1993年4月13日|page=71|title=無名バンドの「編集アルバム」に新傾向(sound)|quote=いまだ世に知られていないバンドの曲を集めた「コンピレーション(編集)アルバム」は、だから重宝する。様々な音楽性のバンドを、一枚に詰めたCDのことだ。|author=近藤康太郎}} - 聞蔵IIビジュアルにて閲覧</ref>。[[中黒]]のない「'''コンピレーションアルバム'''」とも表記されるほか<ref>{{Cite news|newspaper=朝日新聞・夕刊|date=1998年4月30日|page=16|title=80年代、もう懐メロです 邦楽ヒット集CD、3社が発売 |quote=八〇年代 ... 、当時のヒット曲がもう懐メロの仲間入りをしてコンピレーションアルバムになっている。}} - 聞蔵IIビジュアルにて閲覧</ref>、「'''コンピレーションCD'''」<ref name="yte19941008">{{Cite news|newspaper=読売新聞・東京夕刊|date=1994年10月8日|page=7|title=最新ヒット曲の編集盤 コンピレーションCD 洋楽市場で空前の人気 |quote= ... コンピレーションCD(編集企画盤)が、洋楽市場で空前の売れ行きだ。複数のアーチストが競演するのがコンピレーション盤。中で、最近、注目を集めているのは最新ヒット曲集だ。昨年末に発売された「ナウ1」(東芝EMI)は、売り上げ百万枚を突破する勢い。従来は、この種の企画は三万枚がせいぜいだっただけに、驚異的な数字だ。もともと、このシリーズは英国が本家。アルバムの売り上げ活性化を図ろうと十年ほど前に企画され、現在はすっかり定着して編集盤専門チャートまで出来た。... 複数のレコード会社が連携して内容は一層豪華になってきた。「ナウ2」は三社の連携。制作・発売元の東芝EMIに曲を提供したポリドールでは「曲を借りる側は強力な作品を網羅でき、貸す側は宣伝費や在庫のリスクを負わずに印税を確保できる」... と、双方の利点を挙げている。}} - ヨミダス歴史館にて閲覧</ref>、「'''コンピレーション盤'''」とも称し、また単に「'''コンピレーション'''」といったり、「'''コンピ'''」<ref name="aera19940321">{{Cite news|newspaper=アエラ|date=1994年3月21日|page=73|title=映画はサントラのプロモーションか グラミー賞(リポート・音楽)|quote=一方、最近、特に目立つのが、「コンピ(コンピレーション、編集盤)もの」と呼ばれるサントラアルバムだ。|author=近藤康太郎}} - 聞蔵IIビジュアルにて閲覧</ref>、「'''コンピ盤'''」と略したり<ref name="aera19950515" />、「'''編集盤'''」<ref name="aera19940321" />、「'''編集企画盤'''」<ref name="yte19941008" />、「'''編集アルバム'''」として言及されることもある<ref name="aera19930413" />。多くの場合、様々なアーティストの曲を収録するが<ref name="aera19950515">{{Cite news|newspaper=アエラ|date=1995年5月15日|page=71|title=消費者への究極の親切企画? コンピ盤が人気(in・short) |quote=様々な音楽家の曲を編集した「コンピレーション・アルバム」が売れている。WEAジャパンでは、四月二十五日から「HITS」シリーズの発売を始めた。マドンナやエリック・クラプトンら洋楽の最新ヒット曲を、原則として一曲ずつ収録している。海外の音楽家の場合、自作を他人の曲と一緒に編集されることに拒否反応が強かった。「日本には、編集アルバムに百万枚規模の市場があることが理解され、超大物からもOKが取りやすくなった」と担当者はいう。... 実際のところ、「編集アルバムの場合、音楽家に支払うロイヤルティーが安く、宣伝のため音楽家を動かさなくていいから、楽」という営業判断があるようだ。}} - 聞蔵IIビジュアルにて閲覧</ref>、特定のアーティストの[[ベスト・アルバム]]を、コンピレーションと称することもある<ref>例えば、[[華原朋美]]({{Discogs master|461206|Tomomi Kahala ‎– Kahala Compilatio}})などの例がある。ただし、[[細野晴臣]]の例など、オリジナルの[[スタジオ・アルバム]]に「コンピレーション」という言葉が入る場合もあるので注意を要する({{Discogs master|55610|Haruomi Hosono ‎– Medicine Compilation - From The Quiet Lodge}})。</ref>。
{{複数の問題|出典の明記=2011年9月17日 (土) 10:59 (UTC)|大言壮語=2014年6月}}
{{告知|提案|出典のない記述を除去してはどうか}}
'''コンピレーション・アルム'''({{Lang-en|Compilation album}})は、特の方針に基づいて編(コンパイル)した[[アルバム]]。
[[ベスト・アルバム]]、[[オムニバス]]、[[トリビュート・アルバム]]と分類されるものも、[[日本]]以外では概ねコンピレーション・アルバムと分類する。


コンピレーション・アルバムは、複数のレコード会社の音源を収録することもあるが、音源を借りる側は内容を充実でき、貸す側はリスクなしに印税収入を期待できるという双方にメリットがあるためと説明されている<ref name="yte19941008" />。また、レコード会社が、ラジオ局や雑誌などとタイアップして作成される例もある<ref name="yoe19980613" />。
コンセプトとして代表的なものは、[[ラブソング]](バラード)、[[映画音楽]]、[[オールディーズ]]、[[ダンス・ミュージック]]、テレビ番組やコマーシャルに使用された楽曲集など。これらに収録される曲は、発売後ある程度年月が経過した作品が多い。


また、映画の[[サウンドトラック#映像作品に伴う音楽としてのサウンドトラック|サウンドトラック・アルバム]]の中でも、BGM的なインストゥルメンタルではない、歌の入った楽曲を中心としたものは、コンピレーション・アルバムと称されることがある<ref name="aera19940321" />。
== 歴史 ==
=== ヒット曲系コンピレーション ===
1980年代に、イギリスにて「[[Now That's What I Call Music!|NOWシリーズ]]」が発売され始めた。このシリーズは、まさに『今ヒットしている曲』をレーベルを超えて集めたアルバムコンセプトで、従来のコンピレーションにはないものが市場受けし爆発的にヒットした。


ポピュラー音楽のヒット曲を集めたコンピレーション・アルバムの制作は、[[イギリス]]で[[1980年代]]から取り組まれるようになり、独自のチャートが作成されるほど市場が成長した<ref name="yte19941008" />。[[日本]]では[[1990年代]]に盛んになったが、特に[[1993年]]に発売された『ナウ1』は百万枚ほどを売り上げたとされ<ref name="yte19941008" />、以降は、海外の大物アーティストたちからのコンピレーション・アルベム収録への許諾が得やすくなったとされている<ref name="aera19950515" />。
日本では、1960年代からポニー(現:[[ポニーキャニオン]])やアポロン(後の[[バンダイ・ミュージックエンタテインメント]])がレーベルの枠を越えたヒット曲を集めたコンピレーションのカセットテープを発売していたが、CDでは[[1986年]]に「[[BEAT EXPRESS]]」シリーズ([[エピックレコードジャパン|EPICソニー]])が発売を開始。[[EMIミュージック・ジャパン|東芝EMI]]からも[[1993年]]に日本版の「NOW」シーズが発売された。ただし日本版NOWでは、収録曲は東芝EMIの所有している洋楽の楽曲のみで、ヒットチャートに登場した曲以外にもテレビCM等のタイアップ曲が収録されたアルバムであった。この当時のコンピレーション・アルバムの主な目的として「[[レコード会社]]における、自社の保有する音源の有効活用」があったため、この頃はレコード会社をまたいだコンピレーション・アルバムはまだほとんど存在しなかった。


== 類型 ==
これらのアルバムは、それまでのコンピレーション・アルバムとは比較にならないほどヒットしたため、国内大手レコード会社はこぞって自社所有のヒット曲を集めた作品を製作した。代表的なものに、前出の「BEAT EXPRESS」や「NOW」シリーズ、「MAX」シリーズ ([[ソニー・ミュージックエンタテインメント (日本)|ソニー・ミュージックエンタテインメント]])、「HITS」シリーズ ([[ワーナーミュージック・ジャパン]])、「MEGA HITS」シリーズ ([[BMG JAPAN]])などがある。これらは、いずれもヒットすることにより、シリーズ名がブランド化し、本来のテーマからスピンオフした作品が数多く発売された(NOWシリーズの「NOW JAZZ」など)。
コンピレーション・アルバムによるある類型には、次のようなものがある。


* 『グレイテスト・ヒッツ (Greatest hits)』、『ベスト・オブ・〜 (best of)』、『シングルズ・コレクション (singles collection)』などと題された、そのアーティストやグループのよく知られた楽曲を集めた[[ベスト・アルバム]]。そのアーティストなり、グループが、発売時点でまだ活動中であれば、1曲ないし数曲の未発表曲を収録して、既に他の収録曲を手元に持っているファンたちがそのアルバムを買う気になるよう仕向ける[[インセンティブ (経済学)|インセンティブ]]とすることがよく行われる<ref>{{cite web |url= http://pitchfork.com/news/52388-tlc-to-release-greatest-hits-compilation-to-accompany-biopic-new-album-coming-in-2014/ |title= TLC to Release Greatest Hits Compilation to Accompany Biopic, New Album Coming in 2014 |date= 2013-09-23 |accessdate= 2013-12-01 |work= Pitchfork}}</ref>。
=== ダンス系コンピレーション ===
* 様々なアーティストが収録された特定ジャンル、例えば、[[ジャズ]]、[[シンセポップ]]、[[ロック (音楽)|ロック]]などのコンピレーション。これには、特定の年、十年代、時代など、同じ時期のものを集めたものもあれば、共通の主題で構成されたものもあり、[[サウンドトラック#映像作品に伴う音楽としてのサウンドトラック|サウンドトラック・アルバム]]はその最も代表的な形態である<ref>{{cite web |url= https://www.rollingstone.com/music/news/deadmau5-compilation-we-are-friends-vol-2-album-premiere-20131108 |title= Deadmau5 Compilation 'We Are Friends Vol. 2' – Album Premiere |date= 2013-11-08 |accessdate= 2013-12-01 |first= John |last= Gentile |work= Rolling Stone}}</ref>。
{{節stub}}
* 様々なアーティストが収録されたヒット曲のコンピレーション。この分野は、[[1970年代]]はじめから市場で大きな成功を収めてきた形態である。最近のヒット・[[シングル]]の曲が1枚に収録されている。1970年代には、これがLP盤で10曲ないし12曲、あるいはそれ以上が収録されていた。[[1980年代]]には、片面に6曲から8曲を収めたアルバムを2枚組で出す形が定番となった。その後は、CDが主流となっており、通常は、CD1枚のものから、2枚組、3枚組になっている<ref>{{cite web |url= http://news.sky.com/story/1174752/now-compilation-albums-celebrate-30-years |title= Now Compilation Albums Celebrate 30 Years |date= 2013-11-28 |accessdate= 2013-12-01 |first= Richard |last= Suchet |work= Sky News}}</ref>。
1990年に発売を開始した「'''[[SUPER EUROBEAT]]'''」シリーズ([[avex trax]])に端を発するダンス系コンピレーションシリーズが多く存在する。特に90年代前半の[[ディスコ]]を象徴する存在となった[[ジュリアナ東京]]とタッグを組んだ「'''JULIANA'S TOKYO'''」シリーズ(avex trax)は「'''ディスコで流れている音源がそのままCDになった'''」というそれまでにないコンセプトがヒットに結びついたことに加え、CDに付属する優待券をジュリアナ東京に持参すると入場料が無料になるという特典から、ジュリアナ東京自体の集客にも貢献した(ただしこの優待券の乱発がジュリアナ衰退の一因になったという見方もある。詳しくは[[ジュリアナ東京#閉店]]を参照)。このディスコ・クラブとコンピレーションのタッグという趣旨は、後に六本木・[[ヴェルファーレ]]と組んだ「'''CyberTRANCE'''」シリーズ(avex trax)などに受け継がれる。


== 印税 ==
それと並行に1991年7月に発売を開始した「'''[[SUPER DANCE FREAK|SUPER CLUB GROOVIN]]'''」シリーズ(avex trax)は、[[ハウス (音楽)|ハウス]]、[[テクノ (ダンスミュージック)|テクノ]]、[[ラップ]]などの[[クラブ#ナイトクラブ|クラブ]]・ミュージックがメインとなり、シリーズを重ねつつ度々改名をしながら、テクノハウスをはじめ[[トランス (音楽)|トランス]]、ハイパーテクノなど激しい楽曲や[[ジャングル (音楽)|ジャングル]]や[[ラガマフィン]]、[[ロッテルダムテクノ]]、ハッピーハンドバッグ、[[R&B]]をはじめネオディスコ、ラテンディスコ、ディスコ・コンストラクション、ラッピンディスコなどのナンバーも収録。1999年以降は流行の衰退とともに発売のペースが遅くなるが、2000年は今後流行るかもしれないサイバートランスをはじめ懐かしのダンスナンバーのカバー曲が目立つようになるが、健闘もむなしく2002年2月に発売された「'''SUPER DANCE FREAK Vol.90 BEST OF R&B HIPHOP PARTY'''」をもって、事実上10年位続いてきたシリーズの歴史に幕を閉じることとなった。
[[アメリカ合衆国]]では、複数のアーティストの曲が収録されている場合、[[ロイヤルティー|印税]]は、通常、比例配分される。多くの場合、1枚のレコードの売り上げのうち一定の比率([[1999年]]の時点で典型的には12%から14%)<ref name="McPherson">{{cite book|last1=McPherson|first1=Brian|title=Get It in Writing: The Musician's Guide to the Music Business|date=1999|publisher=Hal Leonard Corp.|isbn=9780793566990|page=68|url=https://books.google.com/books?id=sQ_ziZAzg1EC&pg=PA68&dq=%22Compilation+album%22&hl=en&sa=X&ei=V8ARVemPDJemyASlwIKQAw&ved=0CDkQ6AEwAQ#v=onepage&q=%22Compilation%20album%22&f=false|accessdate=2015-03-24}}</ref>が、そのアルバムに収録されたアーティストの数で割られることになる。しかし、一部のレコード会社は、手続きを簡略化して、収録されたアーティストの数に関係なく、比率であれ、定額であれ、丸めたきりの良い金額で支払う傾向にある。1999年の時点では、レコード1枚につき1%から2%、あるいは、15セントから16セントといった決め方であった<ref name="McPherson" />。コンピレーション・アルバムに、他のレコード会社の音源を収録する場合、印税はアーティストと原盤権を持つ会社とで分けられる<ref name="McPherson" />。


== チャート ==
この流れから、1996年にスタートした「'''[[ダンスマニア]]'''」シリーズ(東芝EMI)が国内で人気を集める。これ以前のコンピレーション・アルバムにおいては「既にヒットした曲や有名アーティストの曲を寄せ集めたもの」が主流だったのに対し、「'''Dancemania'''」では「コンピレーション・アルバムからアーティストを発掘する」という新たな流れが生まれ、「'''SUPER EUROBEAT'''」シリーズ等他のダンス系コンピレーションとの相乗効果もあり、E-ROTIC・ME&MY・[[Smile.dk]]・NIKOなど多くのアーティストがブレイクした。さらにこれが、ほぼ同時期にシリーズがスタートした「'''[[beatmania]]'''」「'''[[Dance Dance Revolution]]'''」(DDR)などの[[音楽ゲーム]]人気にもつながり(特に初期のDDRは音源としてDancemaniaの収録曲を採用していた)、これによりCD売上も上昇するという好循
[[イギリス]]では、{{仮リンク|オフィシャル・チャーツ・カンパニー|en|Official Charts Company}}が、コンピレーション・アルバムの週刊チャートを作成しており、その対象は、様々なアーティストが収録されているコンピレーションと、サウンドトラックのコンピレーションだけに限られている<ref>"[http://www.bbc.co.uk/radio1/chart/compilations UK Top 40 Compilation Albums]", [[BBC]], retrieved 2012-04-01</ref>。


=== その他 ===
== 脚注 ==
{{Reflist}}
一方で[[2000年]]にスタートした「[[〜the most relaxing〜 feel]]」シリーズ(東芝EMI)が、また別の新たな流れむ。「[[癒し]]」をテーマとしたこのコンピレーションはヒットを記録し、いわゆる「[[癒し系]]」ブームの火付け役となっただけでなく、それまでの日本におけるコンピレーション・アルバムのイメージを大きく変え、様々な分野のコンピレーションがリリーされるきっかけの一つとなった。

またこの頃トリビュート・アルバムが日本においても流行。トリビュート盤においては本来所属レコード会社が異なるアーティストが集まって一つのCDを制作することが珍しくないことから、これがコンピレーションにおけるレコード会社間の壁を崩す一つの契機となり、以後複数のレコード会社が共同で一つのテーマに基づくコンピレーション・アルバムをリリースする例が増加した。

[[2005年]]になると[[音楽配信]]サービスの影響で低価格化が一挙に進み、クラシックのコンピレーション「ベストクラシック」(東芝EMI)は7枚組で100曲3000円という低価格で発売され、クラシックCDとしては異例の60万組を売り上げた。

また最近{{いつ|date=2016年11月}}では、[[VOCALOID]]を扱った「EXIT TUNES PRESENTS」シリーズ([[エグジットチューンズ]])など、新たなジャンルの音楽を収録したアルバムも増えてきている。

=== その他(2) ===
日本独特の使用法であるが、概ね自身の単一名義(自身の別名義なども含む)の曲目を集めたアルバムを「セルフ・コンピレーション・アルバム」と称する事もある。[[コンセプト・アルバム]]と呼べるほど明確なコンセプトを持たない場合である。

== 代表的なコンピレーション作品 ==
=== 主に洋楽曲収録作品 ===
* '''ヒット曲、タイアップ曲系''** NOWシリーズ
** MAXシリーズ
** HITSシリ
** MEGA HITSシリーズ
** e
** link
** POP
** Drivin'
** V.I.P
** GRAMMY NOMINEE
** Billboard Top Hits
** Womanシリーズ
* '''ダンスミュージック系'''
** [[THAT'S EUROBEAT|That's Eurobeat]]
** [[THAT'S CLUB TRAX]]
** [[SUPER EUROBEAT]]
** JULIANA'S TOKYO
** [[Dancemania]]
** JUMP
** [[SUPER DANCE FREAK|SUPER CLUB GROOVIN]]
** [[SUPER DANCE FREAK|SUPER CLUB GROOVIN HOUSE REVOLUTION]]
** [[SUPER DANCE FREAK|HOUSE REVOLUTION]]
** [[SUPER DANCE FREAK]]
** Cyber TRANCE
** SUPER BEST TRANCE

* '''リラクゼーション系'''
** [[〜the most relaxing〜 feel|feel]](フィール,[[EMIミュージック・ジャパン]])
** [[image (アルバムのシリーズ)|image]](イマージュ, [[ソニー・ミュージックエンタテインメント (日本)|ソニー・ミュージックジャパン インターナショナル]])
** pure(ピュア,[[ユニバーサック (日本)|ユニバーサルインターナショナル]])
** AUBE COLLECTION

* '''リバイバル系'''
** FINE
** 80's ALIVE (3社合同)
** R35シリーズ (邦楽スピンオフ作品もあり [[R35 Sweet J-Ballads]]など)
** 僕たちの洋楽ヒット
* '''バラード系'''
** Love Rings
** Kiss

* '''その他'''
** ベスト100** シリーズ
** CMソング集([[エレクトリックパーク]]等)
** Cafe Del Mar
** cafe lounge
** inner Resort
** パンク・オー・ラマ - ''Punk-O-Rama''

=== 主に邦楽曲収録作品 ===
* [[BEAT EXPRESS]]
* ヒット丼
* [[青春歌年鑑]]
* [[テレビまんが主題歌のあゆみシリーズ]]
* みんなのテレビ・ジェネレーション アニメ歌年鑑
* [[FUN Greatest Hits of 90's]]
* [[COUNTDOWN BEING]]
* [[BEST HIT BEING]]
* [[日本ゴールドディスク大賞|THE JAPAN GOLD DISC AWARD]] シリーズ(2002-2006)
* [[MAX JAPAN]]シリーズ(1994-2000)
* [[Lovely! Cute&Sweet J-Ballads]]
* [[Lovely! Pop&Cute Dance Trax]]
* [[J-Love]]
* [[.LOVE]]

== 関連項目 ==
* [[アンソロジー]]
* [[オムニバス]]
* [[スプリット盤]]
* [[通販CD]]


== 外部リンク ==
== 外部リンク ==
* {{Weblio|コンピレーション|三省堂 大辞林}}
* {{Kotobank|コンピレーションアルバム|デジタル大辞泉}}
* {{Kotobank|コンピレーションアルバム|デジタル大辞泉}}
{{Normdaten}}
{{Normdaten}}

2017年11月8日 (水) 12:35時点における版

コンピレーション・アルバム (compilation album) は、何らかの編集意図によって既発表の音源を集めて作成されたアルバム[1]、ないしは、CDのセット[2]。「コンピレーション (compilation)」は「編集」という意味である[3][4]中黒のない「コンピレーションアルバム」とも表記されるほか[5]、「コンピレーションCD[6]、「コンピレーション盤」とも称し、また単に「コンピレーション」といったり、「コンピ[7]、「コンピ盤」と略したり[8]、「編集盤[7]、「編集企画盤[6]、「編集アルバム」として言及されることもある[4]。多くの場合、様々なアーティストの曲を収録するが[8]、特定のアーティストのベスト・アルバムを、コンピレーションと称することもある[9]

コンピレーション・アルバムは、複数のレコード会社の音源を収録することもあるが、音源を借りる側は内容を充実でき、貸す側はリスクなしに印税収入を期待できるという双方にメリットがあるためと説明されている[6]。また、レコード会社が、ラジオ局や雑誌などとタイアップして作成される例もある[1]

また、映画のサウンドトラック・アルバムの中でも、BGM的なインストゥルメンタルではない、歌の入った楽曲を中心としたものは、コンピレーション・アルバムと称されることがある[7]

ポピュラー音楽のヒット曲を集めたコンピレーション・アルバムの制作は、イギリス1980年代から取り組まれるようになり、独自のチャートが作成されるほど市場が成長した[6]日本では1990年代に盛んになったが、特に1993年に発売された『ナウ1』は百万枚ほどを売り上げたとされ[6]、以降は、海外の大物アーティストたちからのコンピレーション・アルベム収録への許諾が得やすくなったとされている[8]

類型

コンピレーション・アルバムによるある類型には、次のようなものがある。

  • 『グレイテスト・ヒッツ (Greatest hits)』、『ベスト・オブ・〜 (best of)』、『シングルズ・コレクション (singles collection)』などと題された、そのアーティストやグループのよく知られた楽曲を集めたベスト・アルバム。そのアーティストなり、グループが、発売時点でまだ活動中であれば、1曲ないし数曲の未発表曲を収録して、既に他の収録曲を手元に持っているファンたちがそのアルバムを買う気になるよう仕向けるインセンティブとすることがよく行われる[10]
  • 様々なアーティストが収録された特定ジャンル、例えば、ジャズシンセポップロックなどのコンピレーション。これには、特定の年、十年代、時代など、同じ時期のものを集めたものもあれば、共通の主題で構成されたものもあり、サウンドトラック・アルバムはその最も代表的な形態である[11]
  • 様々なアーティストが収録されたヒット曲のコンピレーション。この分野は、1970年代はじめから市場で大きな成功を収めてきた形態である。最近のヒット・シングルの曲が1枚に収録されている。1970年代には、これがLP盤で10曲ないし12曲、あるいはそれ以上が収録されていた。1980年代には、片面に6曲から8曲を収めたアルバムを2枚組で出す形が定番となった。その後は、CDが主流となっており、通常は、CD1枚のものから、2枚組、3枚組になっている[12]

印税

アメリカ合衆国では、複数のアーティストの曲が収録されている場合、印税は、通常、比例配分される。多くの場合、1枚のレコードの売り上げのうち一定の比率(1999年の時点で典型的には12%から14%)[13]が、そのアルバムに収録されたアーティストの数で割られることになる。しかし、一部のレコード会社は、手続きを簡略化して、収録されたアーティストの数に関係なく、比率であれ、定額であれ、丸めたきりの良い金額で支払う傾向にある。1999年の時点では、レコード1枚につき1%から2%、あるいは、15セントから16セントといった決め方であった[13]。コンピレーション・アルバムに、他のレコード会社の音源を収録する場合、印税はアーティストと原盤権を持つ会社とで分けられる[13]

チャート

イギリスでは、オフィシャル・チャーツ・カンパニーが、コンピレーション・アルバムの週刊チャートを作成しており、その対象は、様々なアーティストが収録されているコンピレーションと、サウンドトラックのコンピレーションだけに限られている[14]

脚注

  1. ^ a b 米田浩子 (1998年6月13日). “聴きたい曲だけ、お好みCD コンピレーション盤が人気 12万枚のヒットも”. 読売新聞・大阪夕刊: p. 9. "ラジオや雑誌が、レコード会社とタイアップしてコンピレーション(編集)CDを出す動きが活発だ。メディア側はステーションイメージをPRでき、提携するレコード会社は電波や誌上での告知メリットに注目する。 ... コンピレーションアルバムとは、あるテーマのもとに、発表済みの曲を編集し直したもの。各レコード会社が手持ちの音源の有効利用も狙って、ここ五、六年、力を入れている。"  - ヨミダス歴史館にて閲覧
  2. ^ “クラシック編集で新傾向 スケルツォやアダージョ集(音楽の風景)”. 朝日新聞・夕刊: p. 10. (1995年5月25日). "ヒット曲を集めて一枚や一セットのCDにして発売するものを、コンピレーション(編集)アルバムといい、最近ではベストセラーになることも珍しくない。"  - 聞蔵IIビジュアルにて閲覧
  3. ^ 大辞林 第三版. “コンピレーション【compilation】”. コトバンク. 2017年11月8日閲覧。
  4. ^ a b 近藤康太郎 (1993年4月13日). “無名バンドの「編集アルバム」に新傾向(sound)”. アエラ: p. 71. "いまだ世に知られていないバンドの曲を集めた「コンピレーション(編集)アルバム」は、だから重宝する。様々な音楽性のバンドを、一枚に詰めたCDのことだ。"  - 聞蔵IIビジュアルにて閲覧
  5. ^ “80年代、もう懐メロです 邦楽ヒット集CD、3社が発売”. 朝日新聞・夕刊: p. 16. (1998年4月30日). "八〇年代 ... 、当時のヒット曲がもう懐メロの仲間入りをしてコンピレーションアルバムになっている。"  - 聞蔵IIビジュアルにて閲覧
  6. ^ a b c d e “最新ヒット曲の編集盤 コンピレーションCD 洋楽市場で空前の人気”. 読売新聞・東京夕刊: p. 7. (1994年10月8日). "... コンピレーションCD(編集企画盤)が、洋楽市場で空前の売れ行きだ。複数のアーチストが競演するのがコンピレーション盤。中で、最近、注目を集めているのは最新ヒット曲集だ。昨年末に発売された「ナウ1」(東芝EMI)は、売り上げ百万枚を突破する勢い。従来は、この種の企画は三万枚がせいぜいだっただけに、驚異的な数字だ。もともと、このシリーズは英国が本家。アルバムの売り上げ活性化を図ろうと十年ほど前に企画され、現在はすっかり定着して編集盤専門チャートまで出来た。... 複数のレコード会社が連携して内容は一層豪華になってきた。「ナウ2」は三社の連携。制作・発売元の東芝EMIに曲を提供したポリドールでは「曲を借りる側は強力な作品を網羅でき、貸す側は宣伝費や在庫のリスクを負わずに印税を確保できる」... と、双方の利点を挙げている。"  - ヨミダス歴史館にて閲覧
  7. ^ a b c 近藤康太郎 (1994年3月21日). “映画はサントラのプロモーションか グラミー賞(リポート・音楽)”. アエラ: p. 73. "一方、最近、特に目立つのが、「コンピ(コンピレーション、編集盤)もの」と呼ばれるサントラアルバムだ。"  - 聞蔵IIビジュアルにて閲覧
  8. ^ a b c “消費者への究極の親切企画? コンピ盤が人気(in・short)”. アエラ: p. 71. (1995年5月15日). "様々な音楽家の曲を編集した「コンピレーション・アルバム」が売れている。WEAジャパンでは、四月二十五日から「HITS」シリーズの発売を始めた。マドンナやエリック・クラプトンら洋楽の最新ヒット曲を、原則として一曲ずつ収録している。海外の音楽家の場合、自作を他人の曲と一緒に編集されることに拒否反応が強かった。「日本には、編集アルバムに百万枚規模の市場があることが理解され、超大物からもOKが取りやすくなった」と担当者はいう。... 実際のところ、「編集アルバムの場合、音楽家に支払うロイヤルティーが安く、宣伝のため音楽家を動かさなくていいから、楽」という営業判断があるようだ。"  - 聞蔵IIビジュアルにて閲覧
  9. ^ 例えば、華原朋美Tomomi Kahala ‎– Kahala Compilatio - Discogs (発売一覧))などの例がある。ただし、細野晴臣の例など、オリジナルのスタジオ・アルバムに「コンピレーション」という言葉が入る場合もあるので注意を要する(Haruomi Hosono ‎– Medicine Compilation - From The Quiet Lodge - Discogs (発売一覧))。
  10. ^ TLC to Release Greatest Hits Compilation to Accompany Biopic, New Album Coming in 2014”. Pitchfork (2013年9月23日). 2013年12月1日閲覧。
  11. ^ Gentile, John (2013年11月8日). “Deadmau5 Compilation 'We Are Friends Vol. 2' – Album Premiere”. Rolling Stone. 2013年12月1日閲覧。
  12. ^ Suchet, Richard (2013年11月28日). “Now Compilation Albums Celebrate 30 Years”. Sky News. 2013年12月1日閲覧。
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  14. ^ "UK Top 40 Compilation Albums", BBC, retrieved 2012-04-01

外部リンク