安全衛生推進者

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安全衛生推進者
実施国 日本の旗 日本
資格種類 国家資格
認定団体 厚生労働省
等級・称号 安全衛生推進者
根拠法令 労働安全衛生法
公式サイト 【厚生労働省】安全衛生推進者(衛生推進者)について教えて下さい。
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安全衛生推進者(あんぜんえいせいすいしんしゃ)とは、中規模な事業場において、安全管理者に該当する業務と衛生管理者に該当する業務を行なう者である。

概要[編集]

安全管理者衛生管理者の選任を要する事業場以外の、日雇労働者、パートタイマー等の臨時的労働者の数を含めて、常態として10人以上50人未満の労働者を使用する中規模な事業場[1][2]において、安全衛生推進者を選任しなければならない。

選任が必要な状態になった日から14日以内に選任し、その者の氏名を事業場の見やすい場所などに掲示する等し、関係労働者周知させなければならない。衛生管理者とは異なり、労働基準監督署長への報告書提出義務は無く、違反に関する罰則は規定されていない(罰金を規定した労働安全衛生法第120条に安全衛生推進者に関する文言はない)。労働基準監督署長による増員・解任を命ずる規定もない。

職務[編集]

安全衛生推進者には、総括安全衛生管理者が総括管理することとされている業務を担当させなければならない。具体的には以下の通りである。

  1. 労働者の危険又は健康障害を防止するための措置に関すること[3]
  2. 労働者の安全又は衛生のための教育の実施に関すること[4]
  3. 健康診断の実施その他健康の保持増進のための措置に関すること[5][6]
  4. 労働災害の原因の調査及び再発防止対策に関すること[7][8][9]
  5. 安全衛生に関する方針の表明に関すること。[7][8][9]
  6. 建設物、設備、原材料、ガス、蒸気、粉じん等による、又は作業行動その他業務に起因する危険性又は有害性等の調査及びその結果に基づき講ずる措置に関すること。[7][8][9]
  7. 安全衛生に関する計画の作成、実施、評価及び改善に関すること。[7][8][9]

資格要件[編集]

安全衛生管理者は、以下の資格を有する者のうちから、原則としてその事業場に専属の者を選任しなければならない。ただし、労働安全コンサルタント労働衛生コンサルタントから選任する場合は専属の者でなくてもよい。

  1. 大学又は高等専門学校卒業後に1年以上安全衛生の実務に従事している者
  2. 高等学校又は中等教育学校卒業後に3年以上安全衛生の実務に従事している者
  3. 5年以上安全衛生の実務に従事している者
  4. 都道府県労働局長の登録を受けた者が行う講習を修了した者(安全衛生推進者養成講習・衛生推進者養成講習) 
  5. 安全管理者及び衛生管理者・労働安全コンサルタント・労働衛生コンサルタントの資格を有する者

※1~3に該当する者は、既に資格要件を満たしているので、安全衛生推進者養成講習ではなく、「安全衛生推進者能力向上教育(初任時)」を受講すればよい。

選任要件[編集]

  • 林業、鉱業、建設業、運送業、清掃業、製造業(物の加工業を含む)、電気業、ガス業、熱供給業、水道業、通信業、各種商品卸売業、家具・建具・什器等卸売業、各種商品小売業、家具・建具・什器小売業、燃料小売業、旅館業、ゴルフ場業、自動車整備業、機械修理業の労働者10人以上50人未満の事業所。

建設現場の場合[編集]

  • 建設現場については、自らの現場事務所があって、当該現場において労務管理[10]が一体として行われている場合を除き、直近上位の機構[11]に一括として適用される。(一定規模以上の建設現場であって、労務管理が一体として行われている現場事務所は、労働基準法別表第1の第3号の事業として適用される。この場合、労働基準法施行規則第57条第1項第1号の適用事業報告、労働基準法第89条の「就業規則」及び、時間外労働・休日労働がある場合は、「時間外労働・休日労働に関する協定届」を労働基準監督署へ提出する必要がある。)

衛生推進者[編集]

  • 安全衛生推進者を選任すべき事業場以外の事業場(安全管理者の選任を要する業種以外の業種の事業場)においては衛生推進者を選任する。よって、10人以上50人未満の全業種において、安全衛生推進者か衛生推進者のどちらかを選任しなくてはならない。衛生管理者の業務は安全衛生推進者の業務のうち、衛生に関わる業務のみとなっている。なお、資格要件は安全衛生推進者と同じである。(5.は安全管理者及び衛生管理者を衛生管理者と読み替える)
  • 衛生推進者を選任すべき業種の例
    金融・保険・証券業、各種商品卸売業及び各種商品小売業以外の卸売業と小売業、不動産取引・賃貸・管理業、物品賃貸業、理容・美容・浴場業、葬儀業、映画業、劇場・興行場、公園・遊園地・遊技場、駐車場業、情報サービス・広告業、病院・診療所等医療業、幼稚園・教育施設、社会福祉・介護事業、飲食業などの非工業的業種[1]

外部リンク[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 工場、鉱山、事務所、店舗等のごとく一定の場所において相関連する組織のもとに継続的に行なわれる作業の一体をいう。
  2. ^ 一の事業場であるか否かは主として場所的観念によつて決定すべきもので、同一場所にあるものは原則として一の事業場とし、場所的に分散しているものは原則として別個の事業場とする。
  3. ^ 労働安全衛生法第20条から第36条まで
  4. ^ 労働安全衛生法第59条から第63条まで
  5. ^ 労働安全衛生法第65条から第71条まで
  6. ^ a b 事業場における労働者の健康保持増進のための指針 (昭和63年9月1日 指針公示第1号)
  7. ^ a b c d e 労働安全衛生マネジメントシステムに関する指針の改正について(平成18年3月17日 基発第0317007号)
  8. ^ a b c d e 危険性又は有害性等の調査等に関する指針について(平成18年03月10日 基発第310001号)
  9. ^ a b c d e 化学物質等による危険性又は有害性等の調査等に関する指針について(平成18年3月30日 基発第330004号)
  10. ^ 経営者がその指揮の下にある従業員の総合的能力を長期にわたって高く維持し、あるいは上昇させる方策を意味し、人事、賃金、労働時間、安全衛生、福利厚生など労働条件や作業場の内外における諸条件を改善することや、教育訓練により従業員自身の作業について知識と技能を高めることなどが含まれる。
  11. ^ 建設現場の労働者が所属する本支店、営業所など
  12. ^ 労働安全衛生法および同法施行令の施行について(昭和47年9月18日 基発第602号)
  13. ^ 労働安全衛生規則の一部を改正する省令、ボイラー及び圧力容器安全規則の一部を改正する省令及び有機溶剤中毒予防規則等の一部を改正する省令の施行について(抄)(昭和63年9月16日 基発第602号)
  14. ^ 労働安全衛生法等の一部を改正する法律(労働安全衛生法関係)等の施行について(平成18年2月24日 基発第224003号)