歯科技工士

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
Jump to navigation Jump to search
歯科技工士
英名 Dental Technician
実施国 日本の旗 日本
資格種類 国家資格
分野 医療
試験形式 歯科技工士国家試験
認定団体 厚生労働省
等級・称号 歯科技工士
根拠法令 歯科技工士法
ウィキプロジェクト ウィキプロジェクト 資格
ウィキポータル ウィキポータル 資格
テンプレートを表示

歯科技工士(しかぎこうし、: Dental Technician)は、歯科医師が作成した指示書を元に義歯(入れ歯)や補綴物差し歯銀歯)などの製作・加工を行う医療系技術専門職。

概要[編集]

歯科技工士法に基づく歯科技工士国家試験に合格した者に対する厚生労働大臣免許の国家資格である。業務独占資格であるため、歯科医師もしくは当職以外が歯科技工業務を行うことは法律で禁止されている。歯科衛生士などのコ・メディカルはその資格を規定する法律の中で保健師助産師看護師法第31条第1項、第32条を免責する規定がもうけられている[1]が、歯科技工士法には保健師助産師看護師法の免責規定は無く、第20条には「歯科技工士は、その業務を行うに当つては、印象採得、咬合採得、試適、装着その他歯科医師が行うのでなければ衛生上危害を生ずるおそれのある行為をしてはならない。」と規定され、歯科医行為や歯科診療の補助は行えない。

昨今の歯科医療の向上と医業の分業化に伴い、非常に高度な精密技工技術と審美感覚が求められている。また、義歯といった口腔関連のものだけでなく、顎顔面領域において義眼や耳介、その他では義指など様々な補綴物を製作している者もいる[2]。一方で志願者が激減し、養成機関も減少している。一方では、歯科技工においてはCAD/CAM テクノロジーをはじめとするデジタル化が急速に進展するとともに、新素材の開発も次々に行われ、さらには国家試験の全国統一化が実現し、資質向上とともに高度な技術が要求されるようになってきており、当分野は歴史的な変革期を迎えている[3]

手作業で行われている作業模型製作、咬合器装着、ワックスアップ、口腔内に入る装置(インレー、クラウン、ブリッジ等)の製作は、将来的には3Dスキャナや口腔内カメラ、歯科用CAD/CAMシステム3Dプリンタの普及により3Dデンチャーが普及し、作業の簡素化・自動化が進み、歯科技工士の作業は設計段階での誤差の補正や、機械で加工された装置の微調整、口腔内のチェックとなることが予想される。

日本では3Dデンチャーは認可されていないが、サージカルガイド(インプラントドリルガイド(インプラントの埋入位置や方向をガイドするために、埋入時に患者に装着するレジン製のテンプレート))などを3Dプリンタで製作し、臨床応用している動きが見られる。

日本における職能団体は日本歯科技工士会である。

一部の国は日本のような免許資格制度ではなく、講習会などで取得する認定資格もある。

名称[編集]

一般の英称は、Dental Technicianだが、アメリカでは、Certificated Dental Technician(CDT)、イギリスではRegistered Dental Technician(RDT)と呼ばれる。

日本歯科技工士会は、DENTAL TECHNOLOGISTを標榜している。

養成[編集]

2〜4年の養成機関(大学・短期大学・専門学校)を卒業後、国家試験を受験し合格しなければならない。

全国に52有る養成機関の中でほとんどは専門学校(2〜3年制)であるが、4年制大学2校、短期大学2校が存在する。技術の高度化に伴い、3年制への教育期間の延長が模索されている。しかしながら、修業年数を増やすことでさらに入学者が減少することが懸念されている。この理由として、

  1. 学費納入の増加。
  2. 3年制になったとしても、学士号(大卒資格)が得られない。
  3. 3年制になったとしても、初任給が2年制の時と変わらない。

などが挙げられる。

東京医科歯科大学大学院、広島大学大学院、東北大学大学院には、歯科技工士が進学可能な修士課程(2年制)および博士課程(4年制)が存在する。これらの大学院では、研究手法、学会発表および論文作成法を習得することができる。

4年制を卒業または大学院を修了した者達の就職先は、他の学部の者たちと同様に、一般企業(営業、技術、事務、総合職、研究開発職など)、大学卒業程度の公務員が大半である。歯科技工所や歯科医院には就職しない。

専門学校卒業者は、歯科技工所か歯科医院が大半である。希に歯科関連企業の営業職の募集がある。

厚生労働省の平成26年衛生行政報告例(就業医療関係者)によると就業歯科技工士は2014年末現在で34,495名であり、若年層の減少が続いている[4]

年齢分布は、25歳以下が全体の6%(2100/35000(人))で、50代が40%を占める[3]

養成機関は日本歯科技工士会のホームページで閲覧できる[5]

脚注[編集]

[ヘルプ]
  1. ^ 歯科衛生士法第2条第2項
  2. ^ “広島大学歯学部 > 学科・専攻紹介 > 口腔保健学科口腔保健工学専攻”. http://www.hiroshima-u.ac.jp/dent/jakka/p_d33c9a.html 2009年10月24日閲覧。 
  3. ^ a b 日補綴会誌 Ann Jpn Prosthodont Soc 6 : 381-386, 2014 381.日本の歯科技工士教育の現状と展望.末瀨 一彦
  4. ^ “就業歯科技工士数3万4495人で微減 衛生士は11万6299人”. 日本歯科新聞 (東京都千代田区: 日本歯科新聞社): p. 2. (2015年7月28日) 
  5. ^ [1]

参考文献[編集]

「初めてのラボ運営 BOOK- CAD/CAM 時代を見据えた開業準備と安定経営のための A to Z-. The management compass and business know- how for dental laboratory.」医歯薬出版株式会社 2014, 山口 佳男, 島 隆寛, 大畠一成 編 編集発行人:大畑秀穂.

関連項目[編集]

外部リンク[編集]