車上生活者

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車上生活者とは様々な事情で住宅に暮らすことができず自動車を住まいとしている者。多くの者は貧困原因で車上生活を余儀なくされている。駐停車する場所によっては自動車の保管場所の確保等に関する法律(車庫法)違反などに問われる。

戦後は公が家を失った者に廃車を住宅として提供するといった政策が行われていた。[1][2]

京都市交通局京都市電の使わなくなった車両を住宅として貧困層に提供した。[3]

車上生活者の実態[編集]

車上生活に至る経緯[編集]

車上生活者は、いわゆるホームレスの一種といえるが、もともと賃貸住宅などで生活していたが、借金や失職などを契機として家賃が払えなくなり、住宅から退去させられた結果、車上生活に至るようなパターンが多いと思われる。

住居がないのに車に住む理由[編集]

かつて屋根の下で暮らしていた時に車を所有していた者が、住むところを失った時に一時的に雨風をしのぐ手段として手っ取り早く車上生活に移行するものと思われる。その理由として以下のような要因が挙げられる

  • 賃貸住宅は家賃の未納により退去させられるが、車についてはローンがなければ、少なくとも次の車検日および諸経費(自動車税自賠責の保険料など)の納付日まで通常の使用が可能である(諸経費を納付できない場合、売却する以外にない)。
  • 主に停めて使用するためガソリン代がかからず、路上駐車であれば駐車料金も必要ないため、簡易宿泊施設等よりも生活費が安く済む。
  • 仮に故障や燃料切れなどにより自走不可能になっていたとしても、雨露をしのぐ場所となり路上生活よりも環境が良い。

日本での例[編集]

かつては、都市部でも駐車禁止の指定のない周縁部にしばしば車上生活者のコロニーを発見することができた。しかし近隣住民の苦情や廃棄車両の不法投棄などが問題となり、現在ではほとんどの公道で終日駐車禁止の指定を受けているため、車上生活者のコロニーを発見することはまずない。

都市部に近い河川敷や海岸防砂林などの公有地、あるいは倒産したロードサイド店舗の駐車場などにしばしば車上生活を行う者が見られることもあるが、やはり管理者(国・自治体・物件所有者)などに定期的に排除されているようである。

2016年に発生した熊本地震では、家が倒壊して住めなくなった人たちの一部が車上生活を行うようになり、エコノミークラス症候群などによる震災関連死が問題となった。

米国での例[編集]

米国ではトレーラーハウスで生活する階層が相当量いるとされ、彼らは勤務先に近い都市近郊のキャンプ場やトレーラーハウス専用のサイト(ピット)などに定住し、そこから勤務先や学校などに出かけるというライフスタイルを取っている。

日本のようなホームレスの一種ではなく、彼らの大半は居住地での市民登録をおこなったれっきとした市民であり、子には地域の学校に通わせ、また選挙があれば投票に行く。キャンプ場の設備管理者に対して月々の駐車サイト利用料も支払う。彼らのなかには全米各地を放浪し、先々の土地での労働により旅費と生活資金をたくわえては新たな土地を目指すライフスタイルをもつ者もいる。一方で大半のトレーラーハウス居住者は社会階層的に最底辺であり、賃金収入も少ない貧困層と考えられている。

関連項目[編集]

脚注[編集]