超高層マンション

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索
超高層マンションのうち世界第5位の高さを有するオーストラリアゴールドコーストQ1

超高層マンション(ちょうこうそうマンション)とは、従来のマンションと比べて際立って高い住居用高層建築物俗称。その外観の形態からタワーマンションとも呼称される。

日本では超高層マンションに対する法的な定義はないが、建築基準法第20条「高さが57mを超える建築物」と同義とすることが多く(ほぼ同程度の高さとなる17階超も含まれる)[1]環境アセスメント条例が適用される「高さ97m以上」とする場合も見られる。

世界[編集]

世界最高層の超高層マンション[編集]

世界最高層の超高層マンションは、世界の超高層マンションの一覧を参照のこと。

アメリカ合衆国[編集]

ニューヨーク市では、早くも20世紀前半・世界大恐慌の前後には高層アパートメントの建築ラッシュを迎えている[1]。同時期、同市セントラル・パークの西側沿いには、「サン・レモ(The San Remo)」(1930年、27階建て)、「エルドラード(The Eldorado)」(1931年、30階建て)、「センチュリー・アパートメント(The Century Apartment)」といった、主にアールデコ様式を用いた何れもツイン・タワー形式のアパートが計5施設完成している。これらのアパートは現在でも歴史的建築物として保存され、ステータスを備えた超高級アパートメントとして高額で売買が行われている。

第二次世界大戦後には、同市マンハッタンミッドタウンアッパーイースト地区には無数の高層アパートメントが林立するようになった。欧米における集合住宅の居住形態ではベランダバルコニーが必要とされないため、それらの建物の外観はオフィスビルホテルなどとの区別が付き難いことが多い。

2001年、マンハッタン東部、国際連合本部ビルの正面に完成し、不動産王ドナルド・トランプが所有する「トランプ・ワールド・タワー(Trump World Tower)」(262m、72階)は、1990年代以降に西半球で建設された高層ビルとしては最高の高さである。住居専用の建築としては現在でも西半球で最高層となっている。同ビル1階には日本料理店が入居するほか、日本人MLB選手が居住していることでも知られる。

ヨーロッパ[編集]

欧州では、1960年代にピークを迎えたが、ロンドンでの爆発事故等1970年代抑制傾向が目立ち、公営住宅が連想されるなど、一般的にはあまりよいイメージを持たれていないという[1]

日本[編集]

旧来戸建の持ち家に住むことへのこだわりが強く、災害(地震火災)の面からも高層居住への不安が強かった日本では、高層共同住宅の整備は進まなかった。また、高層建築物に対応できる消防車(高機能なポンプ車・高層用はしご車など)が配備出来ていない自治体も多かった(現在は11階以上にスプリンクラー設備設置が義務化)。

しかしながら1974年(昭和49年)、鹿島建設が自社の社宅「椎名町アパート」[2](東京都豊島区、18階建て)をRC構造で建設したことでマンションの高層化が可能であることが立証された。その後、1976年(昭和51年)に住友不動産が埼玉県与野市(現在のさいたま市中央区)に21階建て、高さ66mの分譲マンション 「与野ハウス」を竣工させ、これが日本における高層マンションの第1号とされる。なお、97m以上の超高層マンションの第1号は、1987年(昭和62年)に大阪市都島区ベルパーク内に建設されたベル・パークシティ・G棟(高さ116m、36階建て)である。当初は、容積率日照権などの問題から、超高層マンションを建てるには広い土地が必要であり、土地取得のし易い郊外河川沿いなどに立地する例が多かった。

1997年平成9年)、規制緩和の一環として容積率上限を600%まで、日影規制の適用除外とする「高層住居誘導地区」が、第140国会において議決され、また、廊下・階段等を容積率の計算から除外する建築基準法の改正案が成立した。これにより、超高層マンションの建設は急増、東京都心や湾岸地域などで住居が大量に供給されたことにより、都心回帰と呼ばれる現象も惹起した。その後、大都市近郊の鉄道沿線や地方都市などにも超高層マンションが多く建設されるようになった。

現在日本で最高層の超高層マンションは、大阪市中央区2009年(平成21年)3月に竣工した「The Kitahama」で、地上54階建て、高さ209mである。

現在の超高層マンション[編集]

2015年平成27年)12月時点での全国の170m以上の超高層マンションの高さの順位は以下の通り。


名称
画像
所在地
高さ
階数
竣工年月
1 The Kitahama (北浜タワー)
The Kitahama Tower & Plaza.jpg
大阪市中央区 209.4m 54階 2009年3月
2 パークシティ武蔵小杉
ミッドスカイタワー
パークシティ武蔵小杉ミッドスカイタワー.JPG
川崎市中原区 203.45m 59階 2009年4月
3 クロスタワー大阪ベイ
X-TOWER OSAKA BAY.jpg
大阪市港区 200.4m 54階 2006年8月
4 シティタワー武蔵小杉
GazouBoshu.png
川崎市中原区 194m 53階 2015年
5= THE TOKYO TOWERS
MID TOWER
THE TOKYO TOWERS JPN 0246.jpg
東京都中央区 193.5m 58階 2008年1月
5= THE TOKYO TOWERS
SEA TOWER
THE TOKYO TOWERS JPN 0246.jpg
東京都中央区 193.5m 58階 2008年1月
7 勝どきビュータワー
Kachidoki View Tower 2012 Tokyo.jpg
東京都中央区 193m 55階 2010年8月
8 富久クロスコンフォートタワー
富久クロス コンフォートタワー.jpg
東京都新宿区 191m 55階 2015年
9 汐留H街区超高層棟
アクティ汐留他)
Acty-Shiodome-02.jpg
東京都港区 190.25m 56階 2004年4月
10 シティタワー神戸三宮
250117152701-City Tower KOBE SANNNOMIYA.JPG
神戸市中央区 190m 54階 2013年2月
11 大阪ひびきの街 ザ・サンクタスタワー
GazouBoshu.png
大阪市西区 189.5m 53階 2015年3月
12 アウルタワー
Owl-Tower-Ikebukuro-02.jpg
東京都豊島区 189.2m 52階 2011年1月
13 としまエコミューゼタウン
Toshima Ecomusee Town 01.jpg
東京都豊島区 189m 49階 2015年
14 キャピタル・ゲートプレイス ザ・タワー
GazouBoshu.png
東京都中央区 187m 53階 2015年
15 エルザタワー55
Kawaguchi elsa tower 001 cropped.jpg
埼玉県川口市 185.8m 55階 1998年7月
16 大川端リバーシティ21
センチュリーパークタワー
Century-Park-Tower-2.jpg
東京都中央区 180m 54階 1999年3月
17 パークシティ豊洲
Tower A at Park City Toyosu complex.JPG
東京都江東区 179.96m 52階 2008年3月
18 Wコンフォートタワーズ
GazouBoshu.png
東京都江東区 178.48m 54階 2004年8月
19 シティタワー西梅田
CityTower-Nishiumeda.jpg
大阪市福島区 177.4m 50階 2007年1月
20= DEUX TOURS CANAL&SPA EAST棟
GazouBoshu.png
東京都中央区 177.3m 52階 2015年9月
20= DEUX TOURS CANAL&SPA WEST棟
GazouBoshu.png
東京都中央区 177.3m 52階 2015年9月
22 The Tower Osaka
TheTowerOsaka.jpg
大阪市福島区 177m 49階 2008年6月
23 プラウドタワー東雲キャナルコート
GazouBoshu.png
東京都江東区 175.01m 52階 2012年12月
24 ザ・パークハウス 晴海タワーズ ティアロレジデンス
GazouBoshu.png
東京都中央区 174.65m 49階 2016年
25 グランフロント大阪オーナーズタワー
Grand Front Osaka Block C.jpg
大阪市北区 174.2m 48階 2013年4月
26 パークアクシス青山一丁目タワー
Park-Axis-Aoyama-Icchome-Tower-03.jpg
東京都港区 172.39m 46階 2007年3月
27= シティタワーズ豊洲
ザ・ツインN棟
North Tower of City Towers Toyosu The Twin 2012 Tokyo - コピー.jpg
東京都江東区 171.2m 48階 2009年3月
27= シティタワーズ豊洲
ザ・ツインS棟
South Tower of City Towers Toyosu The Twin 2012 Tokyo.jpg
東京都江東区 171.2m 48階 2009年3月
29 御影タワーレジデンス
Mikage tower regidense.JPG
神戸市東灘区 170m 47階 2010年3月

建設中・計画中[編集]

建設中、計画中の超高層マンションの高さの順番は以下の通り。

愛宕山周辺地区(I地区)開発事業 東京都港区 220m 56階 2018年度
西新宿三丁目西地区再開発 東京都新宿区 未定 65階 未定(2019年着工)
ザ・パークハウス 西新宿タワー60 東京都新宿区 208.97m 60階 2017年度
勝どき東地区第一種市街地再開発事業 A1棟 東京都中央区 195m 56階 2027年
ザ・パークハウス中之島タワー 大阪市北区 193m 54階 2017年度
シティタワー広島 広島市南区 193m 52階 2016年度
学校法人日本医科大学武蔵小杉キャンパス再開発計画C街区N棟 神奈川県川崎市中原区 188m 50階 2023年8月
学校法人日本医科大学武蔵小杉キャンパス再開発計画C街区S棟 神奈川県川崎市中原区 188m 50階 2023年8月
よみうり文化センター再整備事業 大阪府豊中市 184.92m 51階 2019年度
広島大学本部跡地再開発 広島市中区 183m 54階 2018年度
横浜駅きた西口鶴屋地区第一種市街地再開発事業 横浜市神奈川区 180m 44階 2021年度
北8西1再開発 札幌市北区 180m 50階 2018年度
パークシティ武蔵小杉 ザ ガーデン タワーズイースト 神奈川県川崎市中原区 178.90m 53階 2017年
パークシティ武蔵小杉 ザ ガーデン タワーズウエスト 神奈川県川崎市中原区 178.90m 53階 2019年度
勝どき ザ・タワー 東京都中央区 178.78m 53階 2016年度
パークコート赤坂檜町ザ タワー 東京都港区 170m 44階 2017年度

問題点[編集]

長周期地震動との共振の可能性[編集]

超高層建築物の固有振動周期は低層の建物に比べ長いので、地震動の周期の長い海溝型巨大地震の地震動との共振の可能性が最近は指摘されるようになった。日本の超高層ビルの歴史は浅く、実際の海溝型巨大地震を経験した超高層ビルはない為に経験的予測はできず、シミュレーションに頼るしかない。制震工法免震工法で建設される超高層マンションが最近では少なくないが、いずれにせよ海溝型巨大地震の長周期地震動との共振に備えて家具の固定が推奨されている[1]。さらには、地震でエレベーターが停止すると、上階の住人が移動手段を失うという「高層難民」の発生も懸念されている[3]

管理組合運営の難しさ[編集]

超高層マンションは、規模が大きく区分所有者の人数も多くなる。さらに、超高層マンションの購入者が重視するポイントに眺望が挙げられ、低層階と高層階との価格格差が大きくなることが一般的であり(数倍となることも見られる)[† 1]、それによる区分所有者間の所得・資産格差の大きさが、管理組合運営へ影響しやすい[1]

脚注[編集]

[ヘルプ]

注釈[編集]

出典[編集]

  1. ^ a b c d e 『マンション学事典』18-19頁
  2. ^ 2014年現在も、「鹿島テラスハウス南長崎1号棟」として現存している。
  3. ^ http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/abc/newword/071204_28th/

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]