土佐中学校・高等学校
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土佐中学校・高等学校 | |
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国公私立の別 | 私立学校 |
設置者 | 学校法人土佐高等学校 |
校訓 | 報恩感謝 |
設立年月日 | 1920年(大正9年) |
創立記念日 | 11月18日 |
創立者 | 川崎幾三郎・宇田友四郎 |
共学・別学 | 男女共学 |
中高一貫教育 | 併設型 |
課程 | 全日制課程 |
単位制・学年制 | 学年制 |
設置学科 | 普通科 |
高校コード | 39502B |
中学校コード | 390154[1] |
所在地 | 〒780-8014 |
高知市塩屋崎町一丁目1番10号 北緯33度33分8.9秒 東経133度32分32.4秒 / 北緯33.552472度 東経133.542333度座標: 北緯33度33分8.9秒 東経133度32分32.4秒 / 北緯33.552472度 東経133.542333度 | |
外部リンク | 公式ウェブサイト |
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土佐中学校・高等学校(とさちゅうがっこう・こうとうがっこう)は、高知県高知市にある私立中学校・高等学校。
目次
概要[編集]
中学校・高等学校の中高一貫教育である。中学から高等学校への進学の可否は中学3年次に行われる進学審査の後に決定するため中学入学時に高校への進学を保証していないが、例年ほぼ全員の進学が認められている。高等学校へは例年50名程度外部の中学校からの入学がある。高校からの編入組は『NP』(new power)、中学からの生徒は『OP』(original power)と呼ばれている。『OP』がold powerと言われることもあるが、それは誤りである。
現在は男女共学であり、戦前に男子校であった旧制私立中学校としては珍しく新制高等学校開始後いちはやく共学化した。現在の状勢に合わないという理由から唄われていない校歌の歌詞にある通り文武両道を意味する「右文尚武」を標榜している。吹奏楽部、棋道部、放送部、オーケストラ部、陸上競技部、バドミントン部、登山部、ハンドボール部、自転車競技部などが全国大会へと出場している。
中学校と高校を併せて土佐(とさ)と呼ばれる。略称は中高それぞれ、土佐中・土佐高。中学校も含めて「とさこう」と呼ぶことがあるが、その場合は「土佐校」の字が当てられる。
沿革[編集]
第一次世界大戦に伴う好景気によって財をなした川崎幾三郎と宇田友四郎が私財を投じ、少数精鋭の英才教育を施す中学校として設立した土佐中学校(旧制)が前身となる。
年表[編集]
- 1920年(大正9年) - 現学校法人の前身にあたる川崎・宇田財団法人と土佐中学校(旧制)の設立が認可され、創立者の一人・川崎幾三郎の控家で授業開始。初代校長には三根円次郎が就任した。
- 1922年(大正11年)11月18日 - 現在地の校舎落成式。この日を創立記念日とする。
- 1945年(昭和20年)7月4日 - 高知大空襲により校舎が焼失。翌年に校舎が再建されるまで各地を転々とする。
- 1947年(昭和22年)4月1日 - 男女共学の新制中学校を併設。
- 1948年(昭和23年)4月1日 - 新制高等学校となる。
- 1959年(昭和34年) - 新グラウンドが完成。
- 1973年(昭和48年) - 現在の前校舎がほぼ完成。
- 2007年(平成19年) - 向陽グラウンドが完成。
- 2008年(平成20年) - 現在の校舎の第一期工事完成。
- 2009年(平成21年) - 現在の校舎完成。
主な学校行事[編集]
- 4月 - 入学式、始業式、オリエンテーション、全校遠足
- 5月 - 実力テスト(中3以上)、中学クラスマッチ
- 6月 - 半期考査、高校実力テスト
- 7月 - 期末考査、終業式、高校クラスマッチ
- 8月 - 夏期休業
- 9月 - 始業式、全校実力テスト、運動会
- 10月 - 半期考査、全校遠足
- 11月 - 実力テスト、開校記念日(11月18日)、文化行事、集団研修
- 12月 - 保護者会、期末考査、終業式
- 1月 - 高校入試、高校卒業式
- 2月 - スキー研修(中2)、実力試験、向陽祭(隔年)、中学入試、中学合唱コンクール
- 3月 - 中学卒業式、期末考査、終業式
授業[編集]
基本は教室で行う。他の教室としては書道室・音楽室・被服室・調理室・美術室・金木工室・理科室・予備教室などがある。また普通の授業では教諭が、他の授業では生徒が移動して教室に行く。
体育の授業は男女別々(クラスマッチ練習や運動会予行などは例外で一緒に行う)で、体育館・学校グラウンド・25mプール・新グラ(竹島グラウンド)・柔道場・卓球場・剣道場などで行う。
制服[編集]
夏・冬服[編集]
男子は黒の詰襟・ズボン、女子は紺のブレザー・スカートを着用する。男女とも袖口から10cmほどのところに白線が1本入るのが特徴。もとは修学旅行等、校外での活動で教員が生徒を識別する(悪さを防止する)ために袖に白線を巻かせたのが最初とする説がある。小学6年生が入試前に受ける、入試模擬試験も白線会と呼ばれる。
夏期には男子は白のカッターシャツに黒の学生ズボン、女子は白に限りなく近い水色の開襟シャツにスカートを着用する。夏期の制服には白線のような目立った印はつかない。
体育服・水泳着[編集]
昔は男子は白の長袖・半袖体操服に黄白色の長ズボン・短パン、女子は白の長袖・半袖体操服にえんじ色のブルマを着用していた。
現在は男女ともにデザインが共通で男子が青の長袖ジャージ・青ラインの半袖体操服・同色の短パン、女子が臙脂の長袖ジャージ・臙脂ラインの半袖体操服・同色の短パンに変更になっている。
水泳着は男子は紺色のボクサー型の水着、女子は紺色のセパレーツ型のスクール水着を着用する。
上履き[編集]
2003年に変更になった。それまでは男子が藍色、女子が緑色のスリッパだったが、現在では男女での色分けはなく、学年ごとに違う色を使用する。甲の部分に校章がある。
トイレにはトイレ用スリッパ(上履きスリッパと同じもので色は黄)がある。新校舎ではトイレ用スリッパの着用は体育館棟1階トイレのみである。
施設[編集]
以前の校舎は老朽化が進んでいるうえに、南海トラフ地震も予想されているため、2007年夏から大規模な改築工事が行われた。2008年6月には第一期工事が完了し、一部新校舎への移転が行われ、2009年11月には、全ての新校舎が完成し、グラウンドも整備された。なお、これにより、校舎と離れた所に存在している竹島グラウンド(通称「新グラ」)が、もっとも古いグラウンドとなった。
校舎[編集]
中央棟・中学棟・高校棟に分かれている。ほとんどの教室に冷暖房が完備されている。
2階には職員室のほか、中高ともに使用する図書館などがある。
高校棟には高校の教室のほか6階に理科実験室(物理・化学・生物)・講義室(筆山ホール)などがある。
中学棟には中学の教室のほか6階に音楽室、家庭科室などがある。
中央棟6階には、多目的ホールである筆山ホール(収容人数約300人)がある。筆山ホールは吊り下げレール式のパーティションでA、Bの二部屋に区切り大講義室として使用できる様に設計されており、年度初めの身体検査などに使用されている。
体育施設[編集]
以下の施設がある。新グラは校舎から徒歩15分程度の位置にある。
- 校舎
- 体育館(中高併せて1700人程の全校生徒を同時に収容できる広さ。)
- 25mプール
- 剣道場
- 柔道場
- 卓球場
- 第1グラウンド(通称: 新校舎建設に伴い、旧グラ → 学校グラウンドに変更)
- 第2総合グラウンド(通称: 新グラ)
- テニスコート(4面)
- 弓道場
- 野球部右文寮
- 第3グラウンド(通称: 向陽グラウンド)
食堂・売店[編集]
学食は、体育館 (2階)のある棟の1階に、売店は校舎1階に所在している。
売店には一通りの文房具や学校指定の筆・上履き・体操服があり、またコピーを行えるプリンタも設置している。
寮[編集]
向陽寮という男子寮がある。定員男子60名で全室個室、2食付である。女子寮は設置していない。
他に野球部用の右文寮が新グラウンドに併設されている。
部活動など[編集]
以下のように多くのクラブがある。
運動部ではサッカー、陸上、水泳、軟式・硬式テニス、バドミントン、ハンドボール、弓道、剣道、登山、自転車が、文化部では演劇、棋道、写真、放送、吹奏楽、俳句同好会がそれぞれ全国大会への出場実績がある。
多彩な部活動があり、生徒らの個性を発揮できる環境がある。また、生徒の自主性によりそれまでにない部活をつくるということもしばしばあり、そのため軽音部、俳句同好会、かるた同好会、総合科学部、応援部等がつくられた。
- 運動部(五十音順)
- 弓道部
- 剣道部
- サッカー部(中学・高校)
- 自転車競技部(旧サイクリング部)
- 2008年度全国高校選抜自転車競技大会スプリント競技(個人)で準優勝を果たした。
- 柔道部
- 水泳部
- 卓球部
- 登山部
- 2009年全国高校総体登山競技で優勝。その後の大会でも常に上位に食い込む。
- ソフトボール部(中学・高校)
- 硬式テニス部
- 軟式テニス部
- バスケットボール部(男子・女子)
- バドミントン部
- バレーボール部(男子・女子)
- ハンドボール部
- 野球部(中学・高校)
- これまで選抜高等学校野球大会(春の甲子園)に8回、全国高等学校野球選手権大会(夏の甲子園)に4回の出場を果たしている。春夏1回ずつ準優勝しているが、四国大会を制した翌年の平成5年の春の選抜を最後に全国大会への出場はなかった。その20年後、2013年の春の選抜に21世紀枠での出場が決まった。私立校からの21世紀枠選出は初めてである。その3年後の2016年には、前年の四国大会ベスト4の成績が評価され、今度は四国代表枠として8回目の春の選抜に出場することになった[2]。攻守交代時の全力疾走は有名。
- 陸上部
- 2017年全国中学校体育大会陸上競技の部男子中学400m準優勝。
- 文化部(五十音順)
- インターアクト部
- 映画部
- 英語研究部
- 演劇部
- 音楽部(オーケストラ・合唱)
- 棋道部
- 茶道部
- 写真部
- 書道部
- 吹奏楽部
- 2011年第34回全日本アンサンブルコンテストで、クラリネットトリオが銅賞を受賞した。
- 2012年第35回全日本アンサンブルコンテストで、クラリネットカルテットが金賞を受賞した。
- 美術部
- 総合科学部
- 2017年科学の甲子園ジュニアで全国5位を獲得。
- 文芸部
- 放送部
- 2013年第30回NHK杯全国中学校放送コンテストアナウンス部門で入賞。
- 軽音楽部
- かるた同好会
- 俳句同好会
- 2013年、第16回神奈川大学全国高校生俳句大賞で最優秀賞。
- 模型同好会
落雷事故[編集]
- 1996年(平成8年)8月13日 大阪府・高槻市にて高槻市体育協会主催”高槻ユース・サッカー・サマー・フェスティバル”の試合中に、頭部に落雷の直撃を受けた同高校サッカー部1年生男子生徒が両眼失明、下肢機能全廃、上肢運動能力減弱、言語障害の重度後遺障害を負う。
- 1999年3月、元部員男性と家族が提訴。
- 2003年6月の高知地裁、2004年10月の高松高裁共に「落雷は予見できなかった」と原告の訴えを退ける判決。
- 2006年3月、最高裁判決は「教諭は気象状況から落雷を予見でき、注意義務を怠った」などとして審理を高松高裁に差し戻した結果、試合を主催した高槻市体育協会などが3億円の賠償金を支払う判決[3][4][5]。
- 「論説・落雷事故と損害賠償責任――学校の課外活動中の事故を中心に――」(※PDF) 長尾英彦 中京法学42巻 2007年
- 「サッカー落雷事件判決」 東京中央法律事務所 2009年1月発行
著名な卒業生[編集]
括弧内の数字は卒業年。50音順。
文化[編集]
- 大森望 - 評論家、翻訳家
- 北村総一朗(本名: 北村総一郎) - 俳優
- キャッスル&ゲイツ - フォークグループ(町田義人、上地健一、田村守)
- 公文公:日本公文教育研究会 - 創業者
- 公文俊平 - 社会科学者
- 倉橋由美子 - 作家
- 黒鉄ヒロシ - 漫画家
- 高山宏 - 英文学者
- 坂東眞砂子 - 作家
- 塩田潮 - 作家
- 島井咲緒里 - 将棋女流棋士
- 田岡典夫 - 直木賞作家、追手前高校へ転校
- TASSHI - Aqua Timez(ドラム)
- 田村哲郎 - 舞踏家
- デハラユキノリ - フィギュア作家、イラストレーター
- 平井康三郎 - 作曲家
- 野田正彰 - 精神科医、評論家
- 向井隆豊 - 洋画家
大学関係[編集]
- 森下正明(1929年卒(旧制中学)) - 京都大学名誉教授、個体群生態学の創始者
- 尾池和夫(1959年卒) - 地震学者、京都造形芸術大学学長、国際高等研究所元所長、京都大学前総長・名誉教授
- 岡村甫 - 工学博士、高知工科大学元学長、東大工学部名誉教授、東大野球部投手、東京六大学野球通算17勝
- 川口清史 - 経済学者、立命館大学総長
- 立仙順朗(1960年卒) ‐ フランス文学者、慶應義塾大学文学部名誉教授
- 岸上伸啓(1977年卒、52回生) - 文化人類学者、国立民族学博物館教授・元副館長、総合研究大学院大学前教授、人間文化研究機構理事
- 森岡正博(1977年卒) - 哲学者、早稲田大学人間科学部教授
- 野中尚人(1977年卒) - 政治学者、学習院大学法学部教授
- 須藤靖 (1977年卒) - 宇宙物理学者、東京大学大学院理学系研究科教授
- 佐竹研一 - 学者(環境化学、環境科学全般)、立正大学地球環境科学部教授
- 馬場章夫 - 大阪大学大学院工学研究科教授
- 須賀陽子 - 徳島文理大学音楽学部助教授
- 和田健夫 - 第10代小樽商科大学学長
- 森裕司 - 東京大学大学院農学生命科学研究科教授
- 山下倫範 - 立正大学地球環境科学部教授
- 森田洋平 - 高エネルギー加速器研究機構広報室准教授、日本最初のホームページを作成
- 土居義岳 - 九州大学大学院芸術工学研究院教授
- 山崎正 - 神戸大学理学部数学科教授
政治[編集]
- 田村公平 - 元参議院議員
- 中谷元 - 衆議院議員・第14代防衛大臣・第67代防衛庁長官
- 山本有二 - 衆議院議員・元内閣府特命担当大臣(金融担当)
- 高木錬太郎 - 衆議院議員
- 尾崎正直 - 高知県知事
- 西岡瑠璃子 - 元参議院議員
- 谷川寛三 - 元参議院議員・元衆議院議員・第47代科学技術庁長官
- 平山耕三 - 南国市長
行政[編集]
経済[編集]
スポーツ[編集]
マスコミ[編集]
- 門田隆将 - ジャーナリスト
- 松岡祐司 - 高知放送アナウンサー
- 谷岡慎一 - フジテレビジョンアナウンサー
- 坂木萌子 - フリーアナウンサー
- 植村隆 - 元朝日新聞記者、現・北星学園大学非常勤講師
- 西森空良 - セント・フォース所属
脚注[編集]
- ^ “高知県所属中学コード表 - 教育開発ONLINE (PDF)”. 教育開発出版株式会社. 2018年12月13日閲覧。
- ^ 選抜高校野球 一般枠で土佐 3年前の「全力疾走」再び毎日新聞 2016年1月29日
- ^ “サッカー試合中に落雷で障害、高校などに3億円賠償命令”. YOMIURI ONLINE (読売新聞社). (2008年9月17日). オリジナルの2008年9月20日時点によるアーカイブ。
- ^ 部活試合中に落雷 生徒が失明 しんぶん赤旗 2005年2月
- ^ サッカー試合中の落雷事故、高校などに3億円賠償命令 ゲキサカ 2008年9月17日
関連項目[編集]
- 海がきこえる - 同校がモデルとなった小説。ただしスタジオジブリが製作したアニメでは、土佐高校の(旧)校舎では絵にならないため、高知追手前高校の校舎がモデルとなった。
- 高知県高等学校一覧
- 高知県中学校一覧
- 寮がある日本の中学校・高等学校の一覧
外部リンク[編集]
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