コンテンツにスキップ

日本原子力発電

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
日本原子力発電株式会社
The Japan Atomic Power Company
種類 株式会社
略称 JAPC、原電、げんでん
本店所在地 日本の旗 日本
110-0005
東京都台東区上野5-2-1
設立 1957年11月1日
業種 電気・ガス業
法人番号 2010001033087 ウィキデータを編集
事業内容 原子力発電所の建設、運転操作およびこれに伴う電気の供給
代表者 代表取締役社長 村松 衛
資本金 1,200億円
発行済株式総数
  • 1,200万株
(2014年3月期)
売上高
  • 1,085億9,200万円
(2025年3月期)[1]
営業利益
  • 32億9,200万円
(2025年3月期)[1]
経常利益
  • 13億8,000万円
(2025年3月期)[1]
純利益
  • 36億1,500万円
(2025年3月期)[1]
純資産
  • 1,751億8,000万円
(2025年3月期)[1]
総資産
  • 8,808億5,400万円
(2025年3月期)[1]
従業員数 連結:1,188人(2024年3月31日現在)[2]
決算期 3月31日
主要株主 東京電力ホールディングス 28.23%
関西電力 18.54%
中部電力 15.12%
北陸電力 13.05%
東北電力 6.12%
電源開発 5.37%
九州電力 1.49%
中国電力 1.25%
北海道電力 0.63%
四国電力 0.61%
その他(136人)9.58%
(2018年3月31日現在)
主要子会社 原電エンジニアリング株式会社
リサイクル燃料貯蔵株式会社
外部リンク https://www.japc.co.jp/
テンプレートを表示

日本原子力発電株式会社(にほんげんしりょくはつでん、英語: The Japan Atomic Power Company)は、茨城県那珂郡東海村福井県敦賀市原子力発電所を持つ卸電気事業者。設立は1957年で、東海村にある東海発電所は日本最初の商業用原子炉である。略称として原電(げんでん)または日本原電(にほんげんでん)が使われる。

日本に商用原子力発電を導入するために、電気事業連合会加盟の電力会社9社[注釈 1]電源開発の出資によって設立された。

概要

[編集]

日本原子力発電は、1957年5月に、電力会社の社長会で、電力会社9社が出資して『原子力発電振興会社』を設立する案が打ち出されたのがその始めである。この時に電力会社9社は、原子力開発は民間主体で行うことを考えており、当時の原子力委員会委員長であった正力松太郎はその方針を支持していた。

一方、同年7月には、国が主体となって設立された電源開発が原子力開発を政府主体で行う意見書を発表し、真っ向から対立することとなった。さらに、当時の経済企画庁長官であった河野一郎政府主導の開発方針を支持し、正力と対立することとなった。

結局、正力が河野の意見を受け入れる形で、沖縄電力を除く電力会社9社80%、電源開発20%の出資によって、日本原子力発電が設立された。

沿革

[編集]
  • 1957年昭和32年)11月1日 - 日本原子力発電株式会社設立。
  • 1960年(昭和35年)1月16日 - 東海発電所建設工事着工。
  • 1966年(昭和41年)
  • 1970年(昭和45年)3月14日 - 敦賀発電所1号機営業運転開始。
  • 1973年(昭和48年)6月1日 - 東海第二発電所建設工事着工。
  • 1978年(昭和53年)11月28日 - 東海第二発電所1号機営業運転開始。
  • 1981年(昭和56年)4月1日 - 敦賀発電所1号機給水加熱器問題発生により運転停止。
  • 1982年(昭和57年)
    • 1月22日 - 敦賀発電所1号機営業運転再開。
    • 4月20日 - 敦賀発電所2号機建設工事着工。
  • 1987年(昭和62年)2月17日 - 敦賀発電所2号機営業運転開始。
  • 1998年平成10年)3月31日 - 東海発電所1号機営業運転停止。
  • 2001年(平成13年)12月4日 - 東海発電所の廃止措置に着手。
  • 2004年(平成16年)7月2日 - 敦賀発電所3,4号機建設準備工事開始。
  • 2011年(平成23年)
    • 3月11日 - 東北地方太平洋沖地震による被害で東海第二発電所1号機が自動停止[3]
    • 5月2日 - 敦賀発電所2号機の1次冷却水で放射能濃度上昇[4]、7日に原子炉を手動停止[5]
  • 2013年(平成25年)5月 - 敦賀発電所2号機直下の断層「D-1破砕帯」が活断層と判定され[6]、運転再開は困難となる。15日、社が原子力規制庁を通じ、原子力規制委員会の専門家チームメンバーへ個別に抗議文書を送っていた事が明らかになった。
  • 2014年(平成26年)
    • 1月 - 原子力規制委員会の有識者調査団が敦賀原発敷地内断層の再調査を終える[7]
    • 6月 - 原子力規制委員会が敦賀原発2号機直下の断層が活断層か否かの有識者会合を開催[8]
  • 2015年(平成27年)4月 - 敦賀発電所1号機が廃炉となる[9]
  • 2019年(平成31年)2月25日 - 本店を台東区上野に移転[10]
  • 2024年令和6年)11月13日 - 原子力規制委員会が、敦賀原発2号機の再稼働について正式に不合格とした[11]

発電施設

[編集]

総出力には定期点検中の号機を含む。廃止された号機、建設中の号機は含まない。

原子力発電所

[編集]

2箇所、2012~2023年の発電実績は0kWh(発電時間、設備利用率とも0)(2023年[12]

発電所名原子炉型式総出力号機出力運転開始所在地備考
東海第二発電所沸騰水型軽水炉110万kW1号機110万kW1978年11月28日茨城県那珂郡東海村東北地方太平洋沖地震により停止中。
敦賀発電所沸騰水型軽水炉
加圧水型軽水炉
151.7万kW1号機
2号機
35.7万kW
116万kW
1970年3月14日
1987年7月25日
福井県敦賀市1号機は廃炉決定済み。
2号機は定期点検中。
3・4号機(各153.8万kW)計画中。

廃止・解体中

[編集]

1箇所

発電所名原子炉型式号機出力運転開始運転終了所在地備考
東海発電所黒鉛減速ガス冷却炉1号機16.6万kW1966年7月25日1998年3月31日茨城県那珂郡東海村解体作業中。

会社組織

[編集]

役員一覧

[編集]

関連会社・団体

[編集]
グループ企業(連結子会社
 設立:1973年昭和48年)11月1日
関連会社
リサイクル燃料貯蔵株式会社
 設立:2005年平成17年)11月21日
関連団体(いずれも公益財団法人
公益財団法人げんでん ふれあい茨城財団
 設立:1997年平成9年)12月24日
公益財団法人げんでん ふれあい福井財団
 設立:1997年平成9年)12月11日

歴代社長

[編集]

岡部実までは『日本原子力発電三十年史』による[13]

氏名就任日退任日備考
安川第五郎1957年11月1日1962年11月26日
2一本松珠璣1962年11月27日1970年5月28日
3白沢富一郎1970年5月29日1977年6月27日
4鈴木俊一1977年6月28日1981年6月29日1911年静岡生まれ。東大経済卒。関西電力副社長、関電産業社長[14]志立託爾の縁戚。
5岡部実1981年6月30日1992年6月[15]
6飯田孝三1992年6月[16]
7阿比留雄1995年1999年6月
8鷲見禎彦1999年6月2004年6月
9市田行則2004年6月2009年6月
10森本浩志2009年6月2011年6月
11濱田康男2011年6月2015年6月
12村松衛2015年6月現職

不祥事

[編集]
  • データ改竄問題(2007年)
経済産業省に提出した報告書で計15項目のデータ改竄や隠蔽があったことが発覚し、関西電力とともに福井県に謝罪した。
従業員の私有パソコンから敦賀発電所の雑固体減容処理設備に関する技術資料や写真など計482件の業務情報が、ファイル共有ソフトのネットワーク上へ流出した。
新潟市内の産業廃棄物処理施設で「日本原子力発電(株)東海発電所」「放射性廃棄物」等と記載されたドラム缶が発見された。ドラム缶製造業者の試作品であったため、汚染は検出されなかった。
  • 拒否権なし発言問題(2018年
2018年11月7日、和智信隆副社長が、東海第二発電所の周辺6自治体の事前了解が必要な協定について「拒否権という言葉はない」と発言し、物議をかもした。本件について同月24日に謝罪した[17]
  • データ書き換え問題(2020年)
2020年、敦賀原子力発電所2号機の再稼働に向けた審査を通じ、地質データを書き換えた問題が発覚。原子力規制委員会更田豊志委員長は同年2月12日、「本当に酷い。新たな情報を書き足すなら分かるが手を加える事は今後の議論に誤解を招く」と厳しく批判した[18]。2022年12月、修正された資料提出を受けて審査が再開されたが、2023年3月には、地層の観察場所を間違えるミスがあることが判明。同年8月末までに資料を提出し直すよう行政指導が行われた[19]

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. 当時沖縄電力は電気事業連合会に非加盟。現在でも日本原子力発電には出資していない。

出典

[編集]
  1. 1 2 3 4 5 6 日本原子力発電株式会社 第68期決算公告
  2. 会社概要 - 日本原子力発電
  3. 宮城県沖地震における東海第二発電所の原子炉自動停止について(3月11日16時現在の状況) 2011年3月11日 (PDF)
  4. 敦賀原発2号機が運転停止へ 1次冷却水で放射能濃度上昇」『MSN産経ニュース』2011年5月2日。オリジナルの2011年5月4日時点におけるアーカイブ。2011年5月2日閲覧。
  5. 敦賀発電所2号機 1次冷却材中の放射能濃度の上昇について(原子炉手動停止について) (2023年5月6日). 2011年5月6日閲覧。[リンク切れ]
  6. 規制委が敦賀2号「活断層」了承 再稼働困難、廃炉の公算」『共同通信』2013年5月22日。オリジナルの2013年6月8日時点におけるアーカイブ。2014年7月7日閲覧。
  7. 敦賀原発、断層再調査が終了 追加データ待ち判断へ」『共同通信』2014年1月21日。オリジナルの2014年1月22日時点におけるアーカイブ。2014年7月7日閲覧。
  8. 敦賀原発、活断層の認定変わらず 規制委が有識者会合」『日本経済新聞』2014年6月21日。2014年7月7日閲覧。
  9. 老朽原発:4基が27日廃止…美浜原発など、40年ルール」『毎日新聞』。オリジナルの2015年4月30日時点におけるアーカイブ。2016年8月9日閲覧。
  10. 本店移転について
  11. 敦賀原発2号機の再稼働、不合格を正式決定 原子力規制委」『日本経済新聞』。2024年11月14日閲覧。
  12. 全社計の運転開始以降の発電実績”. 日本原子力発電. 2018年4月10日閲覧。
  13. 30周年記念事業企画委員会 1989, p. 341-379.
  14. 朝日新聞縮刷版、2002
  15. 人事興信所 1995, お330頁.
  16. 人事興信所 1995, い135頁.
  17. 和智原電副社長、発言撤回 「不快な思いをさせ深くおわび」6首長に謝罪 「事前了解」巡り』」『茨城新聞』2018年11月25日
  18. 『京都新聞』2020年2月13日、朝刊
  19. 社説:敦賀原発の審査 事業者として資質に欠ける」『京都新聞』2023年4月11日。オリジナルの2023年4月16日時点におけるアーカイブ。2023年4月11日閲覧。

参考文献

[編集]
  • 田原総一朗『ドキュメント東京電力企画室』文春文庫 文藝春秋 1986年 ISBN 4167356066
  • 有馬哲夫『原発・正力・CIA 機密文書で読む昭和裏面史』 新潮新書 新潮社 2008年 ISBN 9784106102493
  • 30周年記念事業企画委員会 編『日本原子力発電三十年史』日本原子力発電、1989年。 
  • 人事興信録』(第38版)人事興信所https://books.google.co.nz/books?id=PfFMAQAAIAAJ 

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]