CDエナジーダイレクト

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株式会社CDエナジーダイレクト
CD Energy Direct Co., Ltd.
種類 株式会社
略称 CDエナジー
本社所在地 東京都中央区日本橋室町4丁目5番1号
設立 2018年(平成30年)4月2日
業種 電気・ガス業
法人番号 2010001190770
事業内容 電力・ガスの販売
エネルギーサービスの販売
暮らし及びビジネス全般を支えるサービスを中心とした付加価値サービスの販売
代表者 代表取締役社長 小津 慎治
代表取締役副社長 山東 要
資本金 17億5000万円
売上高 97億1800万円(2019年03月31日時点)[1]
営業利益 ▲17億1000万円(2019年03月31日時点)[1]
経常利益 ▲17億0800万円(2019年03月31日時点)[1]
純利益 ▲17億0800万円(2019年03月31日時点)[1]
純資産 19億4100万円(2019年03月31日時点)[1]
総資産 61億7200万円(2019年03月31日時点)[1]
主要株主 中部電力(50%)
大阪ガス(50%)
外部リンク https://www.cdedirect.co.jp/
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株式会社CDエナジーダイレクト(シーディーエナジーダイレクト)は、中部電力大阪ガスが50%ずつ出資し、日本の首都圏で電気と都市ガスの小売供給を行う会社(小売電気事業者ガス小売事業者)である。公式の略称は、CDエナジー[2]

概要[編集]

CDエナジーダイレクトは、中部電力大阪ガスが50%ずつ出資して2018年(平成30年)4月に設立した会社である[3]。大手電力会社と大手ガス会社が連携して両社の供給エリア外の家庭用市場に進出した初の事例である[4]

2019年(令和元年)現在、首都圏で電気と都市ガスの小売を行っており、電気は東京電力パワーグリッドの供給エリア(関東地方山梨県全域・静岡県東部。ただし東京都島嶼部を除く)の需要家を対象とし、都市ガスは東京ガスの供給エリア(茨城県日立市を除く)ほかの需要家を対象とする。

社名[編集]

「CDエナジーダイレクト」のCとDは、challenge(挑戦)とdynamic(動的)の頭文字であるとともに、中部電力(Chuden)のC、大阪ガス(Daigas)のDでもある[5]。この社名には、「新会社が新しい価値の創造に『Challenge』し、『Dynamic』な事業展開を図り、お客さまのご要望に『ダイレクト』にお応えしたい」という思いが込められているという[5]

事業内容[編集]

2019年(令和元年)現在、首都圏で電気と都市ガスの家庭向け・法人向け小売供給と、電気・ガスに関連する各種サービスの提供を行っている。

電気は、東京電力パワーグリッドの送配電網により託送するため、同社の供給エリア(関東地方の全域・山梨県の全域・静岡県富士川以東。ただし東京都島嶼部を除く)内の需要家が供給対象である。

都市ガスは、東京ガスなどのガス導管網により託送するため、同社の供給エリア(関東地方各都県の各一部。茨城県日立市を除く)内などの需要家が供給対象である。

東京ガスの供給エリア内の需要家は、電気・ガスのセット契約が可能である(セット割引あり)。電気のみ・ガスのみの契約も可能である。

家庭向けの電気を契約した場合、電気料金100円につき1ポイントの「カテエネポイント」を取得することができる。ガス料金にはポイントが付かない。

契約件数は、2019年(令和元年)8月時点で、10万件ほどである[6]。約300万件の契約獲得、2030年頃に首都圏で電気200億kWh、ガス約100万トンの販売を目指す[5]。300万件は、東京電力エナジーパートナーが保有する契約の約1割に相当する[7]

下記の企業がCDエナジーダイレクトの都市ガスを「」内のブランドで取次販売している。下記の企業は全て、電気は自社の小売電気事業として販売している。

沿革[編集]

中部電力・大阪ガスの協力関係[編集]

中部電力大阪ガスとの間の協力の歴史は長い。液化天然ガス(LNG)は、中部電力にとっては火力発電用の燃料であり、大阪ガスにとっては都市ガスの原料である。昭和40年代にLNGの共同調達を始めたのが、両社の関係の始まりであった[8]。2004年(平成16年)には、中部電力の四日市火力発電所三重県四日市市)と大阪ガスの多賀ガバナステーション(滋賀県犬上郡多賀町)との間を天然ガスパイプラインで結ぶ計画を発表し、電力・ガス業界を驚かせた[7](「三重・滋賀ライン」として2014年(平成24年)開通[9])。シェールガス革命により米国で天然ガスの生産が急増し、価格が下がった際は、中部電力・大阪ガス連合が米国産LNGの対日輸出許可第1号(アラスカ州産を除く)を取得した[8]

中部電力・東京電力の協力関係[編集]

2011年(平成23年)の福島第一原子力発電所事故により、東京電力の財務が悪化し、同社は設備投資資金を自力で調達することが困難になった。このため、2013年(平成25年)、東京電力常陸那珂火力発電所茨城県ひたちなか市)の発電設備増設は、中部電力が資金の大半を負担し、中部電力・東京電力が共同して進めることに決定した[10]。これをきっかけに、燃料・火力発電事業における両社の協力関係が生まれ、この関係は、2015年(平成27年)、燃料・火力発電事業における両社の包括提携へと発展した[11]。2017年(平成29年)には、両社の火力発電所とLNG基地を合弁会社JERAに統合する契約が結ばれ、2019年(平成31年)にこれらがJERAに移管される運びとなった[12]。これによって、中部電力は、JERAを通じ、電気とガスを供給する基盤となる火力発電所とLNG基地を首都圏に保有することとなった。

CDエナジーダイレクトの誕生[編集]

東京電力との燃料・火力発電事業における包括提携により、電気・ガスを供給する基盤を首都圏に持つに至った中部電力であったが、都市ガスの供給には、保安、エンジニアリングなど、ガス会社特有のノウハウが必要であった。そこで、首都圏における電気と都市ガスの販売を、長年、協力関係にある中部電力と大阪ガスとが共同して進めることになった。

両社は、2018年(平成30年)4月に、電気・ガスの販売会社として、株式会社CDエナジーダイレクトを共同で設立した[3]。資本金17.5億円は、両社が50%ずつ拠出した[3]。初代の代表取締役社長には中部電力出身の小津慎治が、初代の代表取締役副社長には大阪ガス出身の山東要が就いた[3]。約300万件の契約獲得、2030年頃に首都圏で電気200億kWh、ガス約100万トンの販売を目標に掲げた[5]。6月に首都圏で電気・ガスの販売(契約申込の受付)を開始し、8月に供給を開始した[13]

CDエナジーダイレクトは、大手電力会社と大手ガス会社とが連携して両社の供給エリア外の家庭用市場に進出した日本初の事例である[4]。都市ガス業界紙『ガスエネルギー新聞』は、2018年(平成30年)、CDエナジーダイレクトの設立を「自由化の進展を象徴する出来事」、「ガス業界今年最大のニュースの一つ」と評した[4]

また、名古屋都市圏を中心に電気・ガスを供給する中部電力と、京阪神を中心に電気・ガスを供給する大阪ガスとは、CDエナジーダイレクトを通じ、首都圏でも電気・ガスを供給することになった。両社が連合しているものと見れば、三大都市圏の全てで電気・ガスの両方が供給できる連合が誕生したことになる。この点を捉えて、「ついに日本に全国規模のエネルギー会社ができた」と評する向きもあった[7]

受付開始から約1年で10万件の契約を獲得した[6]

年表[編集]

  • 2018年(平成30年)
    • 2月、中部電力と大阪ガスが共同でCDエナジーダイレクトを設立することを発表[14]
    • 4月、CDエナジーダイレクト設立[3]
    • 6月、CDエナジーダイレクトが首都圏で電気・都市ガスの販売(契約申込の受付)を開始[13]
    • 7月、東急パワーサプライが、CDエナジーダイレクトの取次として、首都圏で都市ガスの販売を開始[15]
    • 8月、CDエナジーダイレクトが中部電力・大阪ガス両社の首都圏事業の一部を承継[16][17]。電気・都市ガスの供給開始[13]
  • 2019年(令和元年)
    • 9月、コープみらいが、CDエナジーダイレクトの取次として、コープみらいの会員に対し電気・都市ガスの販売を開始[18]
    • 9月、Looopが、CDエナジーダイレクトの取次として、首都圏で都市ガスの販売を開始[19]
    • 10月15日、CDエナジーダイレクト初のテレビCMが放映開始。CMには、唐沢寿明福原遥を起用した。

出典[編集]

  1. ^ a b c d e f 株式会社CDエナジーダイレクト 第1期決算公告
  2. ^ 株式会社CDエナジーダイレクト. “CMギャラリー”. 株式会社CDエナジーダイレクト. 2019年10月26日閲覧。
  3. ^ a b c d e 株式会社CDエナジーダイレクト; 中部電力株式会社; 大阪ガス株式会社 (2018年4月2日). “「株式会社CDエナジーダイレクト」の設立について”. 株式会社CDエナジーダイレクト. 2018年12月27日閲覧。
  4. ^ a b c “2018年の重大ニュース”. ガスエネルギー新聞: p. 3. (2018年12月24日). https://www.gas-enenews.co.jp/news/?action=view&id=3089 
  5. ^ a b c d 中部電力株式会社. “2018年2月度 定例記者会見 勝野社長挨拶”. 中部電力株式会社. 2018年12月27日閲覧。
  6. ^ a b 株式会社CDエナジーダイレクト (2019年8月1日). “お申し込み件数10万件達成について”. 株式会社CDエナジーダイレクト. 2019年10月24日閲覧。
  7. ^ a b c 山根, 小雪 (2018年3月5日). “中部電と大阪ガスが狙う“全国掌握”: 首都圏販売子会社設立にみるアライアンス絵巻”. 日経エネルギーNext. 日経BP社. 2019年10月29日閲覧。
  8. ^ a b 内山, 智彦 (2013年6月1日). ““反関電”で大阪ガス・中部電が「エネルギーメジャー連合」の地殻変動: シェールガス革命がもたらす激震”. 産経WEST. https://www.sankei.com/west/news/130601/wst1306010075-n1.html 2018年12月27日閲覧。 
  9. ^ 大阪ガス株式会社; 中部電力株式会社 (2014年1月30日). “「三重・滋賀ライン」の開通について”. 大阪ガス株式会社. 2018年12月27日閲覧。
  10. ^ 中部電力株式会社 (2013年11月28日). “東京電力株式会社との共同プロジェクトによる発電事業会社の設立について”. 中部電力株式会社. 2019年10月22日閲覧。
  11. ^ 東京電力株式会社; 中部電力株式会社 (2015年2月9日). “包括的アライアンス実施に係る両社間の合意ならびに新会社の共同設立等に関する合弁契約の締結について”. 中部電力株式会社. 2019年10月22日閲覧。
  12. ^ 東京電力フュエル&パワー株式会社; 中部電力株式会社 (2017年6月8日). “既存火力発電事業の統合に係る合弁契約書の締結について”. 中部電力株式会社. 2019年10月22日閲覧。
  13. ^ a b c 株式会社CDエナジーダイレクト; 中部電力株式会社; 大阪ガス株式会社 (2018年6月11日). “首都圏におけるエネルギー等の販売事業の開始について”. 株式会社CDエナジーダイレクト. 2018年12月27日閲覧。
  14. ^ 中部電力株式会社; 大阪ガス株式会社 (2018年2月27日). “首都圏におけるエネルギー等の販売事業会社設立について: みなさまの暮らしとビジネスに新しい価値をお届けする”. 中部電力株式会社. 2018年12月27日閲覧。
  15. ^ 株式会社東急パワーサプライ; 株式会社CDエナジーダイレクト (2018年5月31日). “首都圏ご家庭向け都市ガス小売サービスにおける業務提携について: 東急でんき&ガス7月販売開始”. 株式会社東急パワーサプライ. 2018年12月28日閲覧。
  16. ^ 中部電力株式会社 (2018年5月29日). “首都圏における電力小売事業の一部の株式会社CDエナジーダイレクトへの移管について”. 中部電力株式会社. 2019年10月22日閲覧。
  17. ^ 大阪ガス株式会社 (2018年5月24日). “株式会社CDエナジーダイレクトに対する電力販売事業の一部の承継について”. 大阪ガス株式会社. 2019年10月22日閲覧。
  18. ^ 生活協同組合コープみらい; 株式会社CDエナジーダイレクト (2019年9月2日). “「コープデリガス」の受付開始!: 「ガス」と「でんき」のお得なセット割を導入します”. 株式会社CDエナジーダイレクト. 2019年10月22日閲覧。
  19. ^ 株式会社Looop; 株式会社CDエナジーダイレクト (2018年6月11日). “首都圏ご家庭向け都市ガス小売サービスにおける業務提携について: Looopでんき+ガス本日受付開始”. 株式会社CDエナジーダイレクト. 2019年10月22日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]