四国電力送配電

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四国電力送配電株式会社
Shikoku Electric Power Transmission & Distribution Company, Incorporated
本社(四国電力本店ビル)
本社(四国電力本店ビル)
種類 株式会社
略称 四電送配電、四国送配電、YONDEN T&D
本社所在地 日本の旗 日本
香川県高松市丸の内2番5号
設立 2019年(平成31年)4月1日
業種 電気・ガス業
法人番号 8470001017344 ウィキデータを編集
事業内容 一般送配電事業
代表者 横井郁夫
資本金 80億円
決算期 3月31日
主要株主 四国電力(100%)
外部リンク https://www.yonden.co.jp/nw/
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四国電力送配電株式会社(しこくでんりょくそうはいでん)は、四国4県の大部分(四国エリア[1])を供給区域とする一般送配電事業者四国電力の100%子会社。略称は、四電送配電[2]四国送配電[3]YONDEN T&D[4]

概要[編集]

当社は、送電線変電所、配電線などを維持・運用し、発電事業者や小売電気事業者のような事業者を相手に送配電サービスを提供する会社である。電気事業法の大改正(電力システム改革)によって、2020年(令和2年)4月、一般送配電事業の中立性の確保のため、一般送配電事業者が発電事業や小売電気事業を兼営することが原則、禁止された(法的分離)。このため、四国電力は、自社の一般送配電事業を子会社である当社に移管した。

事業内容[編集]

当社は、経済産業省の許可を受け、四国エリア(下記)を供給区域(供給エリア)として一般送配電事業を営む。

当社の一般送配電事業の内容は、概略、次のとおりである。

  • 送配電網の維持 四国エリアの3千km超の送電線、2百箇所超の変電所、4万5千km超の配電線などを維持する。発電事業者や小売電気事業者から接続申込みがあれば、引込線、電力量計などを設置し、発電設備や需要家の負荷設備を送配電網に接続する。事故・災害時は、故障箇所を特定し、復旧する。
  • 系統運用 四国エリアの電力系統(発電所と送配電網)の周波数・電圧を維持し、電気の安定供給を確保するため、発電・送電・電力需要の状況を監視し、電力の発生や流通を制御する。
  • 託送供給 託送契約者のために、ある地点で送配電網に電気を受け入れると同時に、別の地点で送配電網から電気を供給し、対価として託送料金を受け取る。託送契約者は、主に、小売電気事業者であり、小売電気事業者は、発電所で発生した電気を需要家(小売電気事業者の顧客)が電気を使用する地点まで送るために託送供給を利用する。

また、四国エリアの再生可能エネルギー発電設備のうち、固定価格買取制度の認定を受けたものから、一定期間、電気を固定価格で買い取る。買い取った電気は、自社で使用する分以外は、希望する小売電気事業者に卸供給する。

供給区域 [編集]

当社の供給区域は、次のとおりである(四国エリア[1])。

香川県のうち当社の供給区域外にあるのは、小豆島直島諸島である。愛媛県のうち当社の供給区域外にあるのは、芸予諸島のうち大島以北である。以上は、中国エリアに属する。

事業所[編集]

高松市に本社を置き、供給エリア内各県に1~3箇所の支社を置く。支社の下に事業所を置く[5]

四国電力送配電の支社・事業所・サービスセンター[6]
支社名称 支社所在地 事業所・サービスセンター
高松支社 香川県 高松市 東かがわ・観音寺・丸亀・坂出
松山支社 愛媛県 松山市 伊予・久万・今治
宇和島支社 宇和島市 城辺・八幡浜・宇和・大洲
新居浜支社 新居浜市 西条・四国中央
徳島支社 徳島県 徳島市 鴨島・阿南・牟岐
池田支社 三好市 脇町
高知支社 高知県 高知市 田井・安芸・室戸・山田
中村支社 中村市 窪川宿毛清水・須崎

設備[編集]

四国電力送配電の500 kV変電所(四国の500 kV系統に連系する他社の設備も表示)
1
中国電力ネットワーク 東岡山変電所
2
四国電力 伊方発電所(原子力発電所)
3
川内変電所
4
東予変電所
5
讃岐変電所
6
阿波変電所
7
阿南変換所
8
四国電力 橘湾発電所(火力発電所)・電源開発 橘湾火力発電所
9
関西電力送配電 由良開閉所
10
関西電力送配電 紀北変換所

設備の概要[編集]

2019年(平成31年)3月時点で、送電設備として、架空電線路の亘長が3,315 km、地中電線路の亘長が122 km、支持物(鉄塔など)が11,912基ある[7]。また、変電設備として、変電所209箇所、変換所1箇所がある[7]。さらに、配電設備として、架空電線路の亘長が45,232 km、地中配電線路の亘長が819 km、支持物(電柱など)が845,371基、変圧器(柱上変圧器など)が510,681個ある[7]

四国エリアの電力系統で採用する電圧階級は、500 kV、187 kV、66 kV、22 kV以下である[8]。500 kV、187 kVは、基幹系統の標準電圧で、大容量電源や重要負荷点を連系する場合に採用する[8]。66 kVは、二次系統の標準電圧で、電源線、連絡線、負荷線に採用する[8]。110 kV、33 kVは、一部に使用し、機会があれば66 kVに統一する[8]

500 kV送電線は、愛媛県と徳島県から香川県まで伸び、全体として四国を縦貫する。愛媛県からのルートは、伊方発電所(愛媛県西宇和郡伊方町)→四国中央西幹線(亘長72.48 km)→川内変電所(愛媛県東温市)→四国中央中幹線(亘長50.05 km)→東予変電所(愛媛県四国中央市)→四国中央東幹線(亘長62.64 km)→讃岐変電所(香川県綾歌郡綾川町)である。徳島県からのルートは、橘湾発電所(徳島県阿南市)→橘湾火力線→阿南変換所(徳島県阿南市)→南阿波幹線(亘長36.67 km)→阿波変電所(徳島県名西郡神山町)→阿波幹線(亘長52.08 km)→讃岐変電所である。

関西四国間連系設備[編集]

四国電力送配電の阿南変換所(徳島県阿南市)と関西電力送配電の紀北変換所(和歌山県伊都郡かつらぎ町)との間は、阿南紀北直流幹線で結ばれている。この送電線は、双極1回線±250 kVの直流送電線で、亘長は99.8 kmである[9]。うち阿南変換所と関西電力送配電の由良開閉所(和歌山県日高郡由良町)との間が48.9 kmの海底ケーブルである[9]。阿南紀北直流幹線は、関西電力送配電が保守・運用する[9]。阿南変換所、阿南紀北直流幹線、紀北変換所の持分の1/4は、電源開発送変電ネットワークにある[9]

以上の設備(紀伊水道直流連系設備)により、四国エリアと関西エリアとの間で、1,400 MW(140万kW)の電力を融通することができる。

鳴門淡路線[編集]

大鳴門橋の車道の直下の写真
大鳴門橋の車道の直下。正面の通路の左側に見えるのが、ケーブルトラフの蓋である。淡路鳴門線(本文参照)のケーブルは、このケーブルトラフの中に設置されている(参考:関西電力送配電公式サイト)。

関西電力送配電の187 kV鳴門淡路線もまた、四国エリアと関西エリアとを結ぶ送電線である。四国電力送配電の鳴門変電所(徳島県鳴門市)と関西電力送配電の西淡変電所(兵庫県南あわじ市)とを結び、関西エリアに属する淡路島に電気を供給する。鳴門海峡を横断する区間は、大鳴門橋にケーブルが添架されている。なお、明石海峡大橋には、関西電力送配電の7.7 kV明石海峡横断線のケーブルが添架されており、淡路島北部の電気は、本州から供給されている。

大鳴門橋に鳴門淡路線のケーブルを添架する前は、鳴門海峡を横断する架空送電線があった[10]

中国四国間連系線[編集]

四国エリアと中国エリアとは、電源開発送変電ネットワークが所有する本四連系線で連系する。本四連系線は、四国電力送配電の讃岐変電所(香川県綾歌郡綾川町)と中国電力ネットワークの東岡山変電所(岡山県赤磐市)とを結ぶ500 kV2回線の送電線で、亘長は127.0 kmである。瀬戸大橋に添架したOFケーブルで瀬戸内海を横断する。

中国四国間の連系は、大正時代から構想されていたが、1962年(昭和37年)10月に運転を開始した電源開発中四幹線で初めて実現した[11]。中四幹線は、電源開発伊予変電所(愛媛県西条市)と中国電力広島変電所(広島市)との間の125 kmにわたる220 kV送電線であった[11]。瀬戸内海横断部分は、愛媛県今治市波止浜から芸予諸島を経て広島県竹原市忠海に上陸するルートで(大三島まではしまなみ海道と同様のルート)、全て架空線であった[11]。中でも、大久野島と忠海との間は、径間2,357 mの架空線であり、両側の鉄塔の高さは、避雷針を含め226 mという日本の送電用鉄塔では前例のないものであった[11]。2000年(平成12年)に本四連系線2回線が完成したため、中四幹線は廃止された。

四国エリアの電力系統[編集]

四国エリアの標準周波数は、60 Hzである。

2018年度(平成30年4月~平成31年3月)1年間の四国エリアの需要電力量は、27,382百万kWhであり、同じ1年間の日本全国の需要電力量(896,473百万kWh)の約3.1%であった[12]。四国エリアの需要電力量は、日本国内10エリア中第9位であり、第1位の東京エリア(289,387百万kWh)の1割弱の規模であった[12]。四国エリアより需要電力量の小さいエリアは、沖縄エリア(7,924百万kWh)のみであった[12]

2018年度の最大需要電力は、7月24日(火曜日)午後5時に記録した536万kWであった[13]。一方、2018年度の最小需要電力は、5月6日(日曜日)午前8時に記録した195万kWであった[13]。最大需要電力は、最小需要電力の約2.7倍であった。

2013年度~2017年度(平成25年4月~平成30年3月)の5年間の平均で、四国エリアの低圧電灯需要家1軒当たりの停電回数は、年間0.33回であり、1軒当たりの停電時間は、1年当たり34分間であった[14]。日本全国では、同じ期間の平均で、低圧電灯需要家1軒当たりの停電回数は、年間0.20回、1軒当たりの停電時間は、1年当たり20分間であった[14]。なお、日本で最も停電が少なかったのは、関西エリアであり(停電回数0.09回、停電時間7分間)、次に停電が少なかったのは、東京エリア(停電回数0.11回、停電時間8分間)であった[14]

沿革[編集]

2013年(平成25年)4月、第2次安倍内閣は、「電力システムに関する改革方針」を閣議決定した。内閣は、この方針のもと、2013年(平成25年)から2015年(平成28年)にかけ、電気事業法の大幅な改正案を3回に分けて国会に提出し、改正案は全て成立した。電力システム改革である。

第2弾の改正により、2016年(平成28年)4月、電気事業者の類型が整理され、一般電気事業者という類型が廃止された。従来、一般電気事業者として四国で発電・送配電・小売の全てを手掛けてきた四国電力は、改正電気事業法では、発電事業者 兼 一般送配電事業者小売電気事業者と位置付けられた。一般送配電事業は許可制として、四国電力が四国の送配電網をほぼ独占することになった。

発電と小売の分野で様々な事業者が公平な条件で健全な競争を行うためには、実質的に地域独占の一般送配電事業者が全ての発電事業者・小売電気事業者に対して中立の立場で公平に送配電サービスを提供することが必要である。一般送配電事業者による発電事業や小売電気事業の兼営は、一般送配電事業の中立性の確保を難しくするため、第3弾の改正で、これを禁止することになった(法的分離)。

このため、旧一般電気事業者各社は、一般送配電事業を子会社に移管するなど、第3弾改正の施行に対応する必要に迫られた。四国電力では、法的分離に備えるため、2018年(平成30年)4月、社内に送配電カンパニーを設置した。そして、送配電カンパニーの事業の移管先として、2019年(平成31年)4月1日、四国電力送配電株式会社が設立された。

同月、四国電力と四国電力送配電との間で、吸収分割契約が結ばれた。6月、四国電力の株主総会でこの契約が承認された。そして、2020年(令和2年)4月、四国電力から四国電力送配電に送配電カンパニーの事業が移管された。

出典[編集]

  1. ^ a b 四国電力株式会社. “四国電力の電気の販売エリアを教えてください。”. 四国電力株式会社. 2020年4月4日閲覧。
  2. ^ 四国電力株式会社 (2020). 再生可能エネルギー発電設備からの再生可能エネルギー発電設備からの電力受給契約要綱. 四国電力株式会社. p. 1. https://www.yonden.co.jp/nw/assets/renewable_energy/procedure/high/youkou_20200401.pdf 
  3. ^ “災害対応で徳島県と連携: 四国電力と四国送配電、相互協力協定締結”. 電気新聞: p. 2. (2020年4月13日). https://www.denkishimbun.com/archives/51964 2020年4月16日閲覧。 
  4. ^ 四国電力送配電株式会社. “会社概要”. 四国電力送配電株式会社. 2020年5月4日閲覧。
  5. ^ 四国電力送配電株式会社 (2020年4月1日). “組織図”. 四国電力送配電株式会社. 2020年4月16日閲覧。
  6. ^ 四国電力送配電株式会社. “支社・事業所”. 四国電力送配電株式会社. 2020年4月16日閲覧。
  7. ^ a b c 四国電力株式会社 (2019). 有価証券報告書2018年度(第95期). 四国電力株式会社. p. 21 
  8. ^ a b c d 四国電力株式会社 (2018). 送変電系統計画要領. 四国電力株式会社. p. 11 
  9. ^ a b c d 紀伊水道直流連系設備の運用開始について”. 関西電力株式会社 (2000年6月22日). 2019年7月7日閲覧。
  10. ^ 鎌野, 琢也 (1997). “架橋に合わせて変わる送電設備”. 電気学会誌 117 (11): 781. doi:10.1541/ieejjournal.117.781. 
  11. ^ a b c d 林, 潔 (1962). “中四連絡送電線の設計”. 電気学会雑誌 82 (891): 1980-1988. doi:10.11526/ieejjournal1888.82.1980. 
  12. ^ a b c 電力広域的運営推進機関 (2019). 電力需給及び電力系統に関する概況: 2018年度の実績. 電力広域的運営推進機関. p. 7 
  13. ^ a b 電力広域的運営推進機関 (2019). 電力需給及び電力系統に関する概況: 2018年度の実績. 電力広域的運営推進機関. pp. 11-13 
  14. ^ a b c 電力広域的運営推進機関 (2018). 電気の質に関する報告書: 2017年度実績. 電力広域的運営推進機関. pp. 14-17 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]