発送電分離

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発送電分離(はっそうでんぶんり)とは、電力会社の発電事業と送電事業を分離することである。

概要[編集]

欧米では1990年代半ばに発送電分離に基づき電力自由化の法律ができ、送電線が開放されたが、日本では発送電分離を行われず電力が自由化された。 発送電分離のメリットとしては新規事業者の参入で競争が生まれ、電気料金値下げにつながることとされているが、発送電分離がなされた国で電気料金が下がった国は今のところ存在しない(むしろ値上がり傾向にすらある)。デメリットとしては、電力会社が効率を重視しすぎるため電力の安定供給に不安があることである[1]

このため、日本の電力会社は「電力の安定供給が脅かされる」として発送電分離に反対している[2]

2013年2月2日、経済産業省は17〜19年度に実施する方向で調整に入った[3]。また、自民党は2013年3月29日の総務会で、2018年から2020年をめどに、電力会社から送配電部門を切り離す「発送電分離」と電気料金の全面自由化を実施する電力改革の政府方針案を了承した[4]

議論[編集]

経済学者八田達夫は「発電事業者間の競争を促すためには、給電指令所は公平にすべての発電事業者を扱う必要がある。それによって実力のある新規参入者が公平に参入できるようになる。発電と送電とを同じ会社が持っていると、公平に扱うことは難しくなる。したがって、発送電分離が必要となる」と指摘している[5]

中野剛志は発送電を分離しても技術的・経済的な問題があることから自然エネルギー等の新エネルギーの普及は進まないとしている[6]

経済学者の高橋洋一は「電力の自由化をやれば、エネルギーの最適な組み合わせは達成できる[7]」「発送電分離などを実行すれば、長期的にコストが高い原発を、電力業者が漸次フェードアウトしていくことが可能である[8]」と指摘している。

電力改革研究会は、発送電分離がなされたドイツでは、政府による補助金や規制で無理やり電力システムを維持しているのが実態であるとしている[9]

脚注[編集]

  1. ^ “発送電分離 利点、欠点の深い議論を”. 佐賀新聞(論説). (2011-6-17日). http://www.saga-s.co.jp/news/ronsetu.0.1949574.article.html 2013年1月16日閲覧。 
  2. ^ 高橋洋 (2012年3月13日). “3.11後の電力自由化 ―― 今なぜ発送電分離が必要なのか”. 2013年1月16日閲覧。
  3. ^ “電力会社:発送電分離は最短で4年後 経産省方針”. (2013年2月2日). http://mainichi.jp/select/news/20130203k0000m020071000c.html 2013年2月5日閲覧。 
  4. ^ “政府の電力改革案を了承=18〜20年に発送電分離—自民”. ウォール・ストリート・ジャーナル. (2013年3月29日). http://jp.wsj.com/article/JJ12690515065441453279518470494552382392429.html 2013年3月29日閲覧。 
  5. ^ 「リアルタイム精算」が電力市場を開放に導く原発は緊急時の電源として位置づけるべき--八田達夫・大阪大学招聘教授/学習院大学客員研究員ダイヤモンド・オンライン 2012年3月16日
  6. ^ 『TPP亡国論』著者・中野剛志が緊急提言!【後編】 発送電分離はありえない”. ダイヤモンド・オンライン (2011年5月31日). 2011年12月16日閲覧。
  7. ^ 【日本の解き方】小泉氏「原発ゼロ」発言に安倍政権はどう対応するか 答えは電力自由化 (1/2ページ)ZAKZAK 2013年11月17日
  8. ^ 高橋洋一「ニュースの深層」 東京都だけで「脱原発」は実現できない!電力自由化と原発国有化で道筋をつけるべきだ現代ビジネス 2014年1月20日
  9. ^ 二兎を追った悲劇 - ドイツの電力自由化と再生可能エネ促進Global Energy Policy Research 2013年3月4日

関連項目[編集]