東京電力パワーグリッド

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東京電力パワーグリッド株式会社
TEPCO Power Grid, Inc.
TEPCO Power Grid symbol.svg
種類 株式会社
市場情報 非上場
略称 東電PG
本社所在地 日本の旗 日本
100-8560
東京都千代田区内幸町1丁目1番3号
北緯35度40分8秒 東経139度45分31秒 / 北緯35.66889度 東経139.75861度 / 35.66889; 139.75861
設立 2015年平成27年)4月1日
業種 電気・ガス業
法人番号 3010001166927
事業内容 一般送配電事業
不動産賃貸事業
離島における発電事業
代表者 金子禎則(代表取締役社長
資本金 800億円
決算期 3月31日
主要株主 東京電力ホールディングス(100%)
外部リンク http://www.tepco.co.jp/pg/
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東京電力パワーグリッド株式会社(とうきょうでんりょくパワーグリッド)は、関東地方山梨県全域と静岡県東部を供給区域とする一般送配電事業者東京電力ホールディングスの100%子会社。2016年(平成28年)4月、東京電力の会社分割により、実質的に発足した(会社設立は2015年(平成27年)4月)。略称は、東京電力PGまたは東電PG

概要[編集]

東京電力パワーグリッド(東電PG)は、送電線変電所などの送配電網を維持・運用し、小売電気事業者のような事業者を相手に、送配電サービス(接続送電サービスなど)を提供する会社である。サービスを利用する事業者から受け取る託送料金が主な収入である。

会社分割前の東京電力は、発電・送配電・小売供給の全てを1社に垂直統合した会社であった。2016年(平成28年)4月の会社分割により、発電・送配電・小売供給がそれぞれ別会社となり、そのうち送配電を担当するのが東電PGである。

電気事業 [編集]

供給区域 [編集]

東電PGが一般送配電事業の許可を受けた供給区域は、関東地方1都6県、山梨県全域と、静岡県富士川以東である。これを行政区画により表現すると、次のとおりである。旧・東京電力が一般電気事業の許可を受けた供給区域を引き継いだ。

標準周波数[編集]

東電PGが供給する電気の標準周波数は、50 Hzである。ただし、群馬県の一部に60 Hz地域がある[1]

送配電網[編集]

西群馬幹線(群馬県安中市
新豊洲変電所(東京都江東区、世界初の地下式500 kV変電所)

東電PGの電力系統で採用する電圧階級は、1,000 kV、500 kV、275 kV、154 kV、66 kV、22 kV、6.6 kV、400 V、230 V、200 V、100 Vである。1,000 kVは、日本国内最高であるが、1,000 kVで運用されている送電線はまだない。

東電PGの電力系統は、上掲の供給区域1都8県のほか、東北電力エリアの福島県新潟県中部電力エリアの長野県岐阜県に広がる。東京都島嶼部には、ほかの電力系統から孤立した10の離島系統がある(伊豆諸島に大島系統、利島系統、新島系統、神津島系統、三宅島系統、御蔵島系統、八丈島系統、青ヶ島系統、小笠原諸島に父島系統、母島系統。式根島は新島系統の一部である)。

東電PGの基幹送電線は、電力系統図に示すように配されている。首都圏のうち、人口密度が高く、需要の集中する地域を囲むように拠点変電所が設置され、これらの間に500 kVの「外輪線」が張り巡らされ、「多重外輪線」を構成する。一番内側の500 kV外輪線でも、新京葉変電所(千葉県船橋市)附近を除き、国道16号より外側にある。外輪線には、福島県新潟県長野県の電源地帯から伸びる送電線が接続する。以上が外輪系統である。

外輪系統の一部をなす西群馬幹線(西群馬開閉所〜新富士変電所)、南新潟幹線柏崎刈羽原子力発電所〜西群馬開閉所)、東群馬幹線(西群馬開閉所〜東群馬変電所)、南いわき幹線(南いわき開閉所〜東群馬変電所)は、日本国内最高の1,000 kVに対応する設計であるが(南新潟幹線の一部を除く)、運用開始以来、500 kVで運用されている。

外輪系統より内側を都内導入系統と称する。都内導入系統では、地中送電線が多用されている。500 kVの新豊洲線(新京葉変電所〜新豊洲変電所、亘長39.50 km)を除き、都内導入系統は275 kV以下である。

供給区域の隣接する東北電力との間には、東北東京間連系線がある。東北側から東京側に送電できる容量(運用容量)は5,000 MW程度である。現在、新たなルートの連系線を建設することにより、東北側から送電できる容量を倍増するとともに、供給信頼度を向上する事業が進んでいる。

中部電力とは、供給区域が隣接するものの、周波数が異なるため、東電PGと中部電力との間で電力を融通するためには、周波数変換が必要である。そのための設備を東京中部間連系設備といい、電源開発佐久間周波数変換所、東電PGの新信濃変電所長野県東筑摩郡朝日村)、中部電力の東清水変電所の3箇所に周波数変換設備が設置されている。2018年(平成30年)時点の容量は、3箇所合計で1,200 MWである。新信濃変電所では、900 MWの交直変換設備を設置する工事を進めており、中部電力の飛騨変換所から同変電所までを結ぶ飛騨信濃直流幹線(亘長89 km)が建設中である。新信濃変電所の交直変換設備、飛騨信濃直流幹線、飛騨変換所が完成すると、東電PGと中部電力との間で融通できる電力は、2,100 MWに拡大する。佐久間・東清水の設備も増強し、3,000 MWまで拡大する計画も進んでいる。

また、中部電力が長野県松本市に有する配電用変電所「霞沢変電所」は、東電PGから50 Hzで受電している。このため、上高地、旧奈川村など、梓川上流域には、中部電力の供給区域内でありながら、50 Hzの電気が供給されている。

北陸電力の栃尾発電所(岐阜県高山市奥飛騨温泉郷にある水力発電所)と東京電力ホールディングスの霞沢発電所(長野県松本市大正池の下流にある水力発電所)とは、安房峠を越す154 kV栃尾線で結ばれており、両発電所は50 Hzと60 Hzのどちらでも発電できるようになっている。栃尾線は、東電PGから北陸電力に電気を融通する際は、60 Hzで、逆向きに電気を融通する際は、50 Hzで運用される。東電PGと北陸電力との間に周波数変換設備はないため、両社の間で直接融通できる電気は、附近の50 Hz・60Hz両用の水力発電所で発生した電気に限られる。

東電PGの送配電網は、日本国内の他の送配電会社と比較して、地中化率が高い。2017年(平成29年)3月時点で、送電線の地中化率は、日本全体では15.0%であったのに対し、東電PGは30.3%であり、東京都区部に限ると92.5%であった(送電線地中化率)。また、配電線の地中化率は、日本全体では5.8%であったのに対し、東電PGは10.1%であり、東京都区部に限ると47.1%であった(配電線地中化率)。

東電PGの初年度である2016年度(平成28年度)の送配電損失率(送配電ロス率)は、4.1%であった(送配電ロス率)。2017年度(平成29年度)、1軒当たりの停電回数は、0.09回、1軒当たりの停電時間は、6分であった(停電回数停電時間)。

東電PGの電力系統の運用を統括する中央給電指令所は、東京都千代田区にある。その配下に基幹系統給電指令所都心系統給電指令所があり、各系統給電指令所の下に、複数の地方給電所がある。

  • 送電設備
    • 架空送電線:亘長14,766 km、回線延長28,332 km
    • 地中送電線:亘長6,396 km、回線延長12,331 km
  • 変電設備
    • 変電所:1,612箇所
  • 配電設備
    • 架空配電線:亘長340,967 km、電線延長1,022,293 km
    • 地中配電線:亘長9,694 km、電線延長34,698 km
    • 変圧器:2,503,312個

発電所 [編集]

東電PGの発電所は、全て東京都島嶼部伊豆諸島小笠原諸島)に所在する。水路式水力発電所1箇所、内燃力発電所10箇所があり、合計の発電設備容量は、54,410 kWである。東京電力の会社分割の際、島嶼部の発電所は全て、東電PGが承継した。

東京電力パワーグリッドの発電所(所在地は全て東京都)
名称 出力(kW) 所在地 座標
大島内燃力発電所 15,400 大島町伊豆大島 北緯34度44分45秒 東経139度21分27秒 / 北緯34.745789度 東経139.357405度 / 34.745789; 139.357405 (大島内燃力発電所)
利島内燃力発電所 720 利島村(利島) 北緯34度31分50秒 東経139度16分42秒 / 北緯34.530649度 東経139.278206度 / 34.530649; 139.278206 (利島内燃力発電所)
新島内燃力発電所 7,700 新島村新島 北緯34度22分23秒 東経139度15分07秒 / 北緯34.372965度 東経139.252076度 / 34.372965; 139.252076 (新島内燃力発電所)
神津島内燃力発電所 4,500 神津島村神津島 北緯34度12分40秒 東経139度08分00秒 / 北緯34.211102度 東経139.133294度 / 34.211102; 139.133294 (神津島内燃力発電所)
三宅島内燃力発電所 5,000 三宅村三宅島 北緯34度07分09秒 東経139度30分49秒 / 北緯34.119117度 東経139.513568度 / 34.119117; 139.513568 (三宅島内燃力発電所)
御蔵島内燃力発電所 600 御蔵島村御蔵島 北緯33度53分45秒 東経139度36分30秒 / 北緯33.895910度 東経139.608343度 / 33.895910; 139.608343 (御蔵島内燃力発電所)
御蔵島水力発電所 50 御蔵島村(御蔵島) 北緯33度53分07秒 東経139度37分06秒 / 北緯33.885155度 東経139.618289度 / 33.885155; 139.618289 (御蔵島水力発電所)
八丈島内燃力発電所 14,100 八丈町八丈島 北緯33度06分40秒 東経139度47分35秒 / 北緯33.111029度 東経139.793005度 / 33.111029; 139.793005 (八丈島内燃力発電所)
青ヶ島内燃力発電所 640 青ヶ島村青ヶ島 北緯32度27分54秒 東経139度45分42秒 / 北緯32.465018度 東経139.761774度 / 32.465018; 139.761774 (青ヶ島内燃力発電所)
小笠原父島内燃力発電所 4,300 小笠原村父島 北緯27度05分47秒 東経142度12分13秒 / 北緯27.096381度 東経142.203482度 / 27.096381; 142.203482 (小笠原父島内燃力発電所)
小笠原母島内燃力発電所 960 小笠原村(母島 北緯26度38分07秒 東経142度09分48秒 / 北緯26.635193度 東経142.163456度 / 26.635193; 142.163456 (小笠原母島内燃力発電所)

東電PGが旧・東京電力から承継した発電所としては、以上のほか、八丈島地熱発電所(3,300 kW)があった。同発電所は、2019年(平成31年)3月に廃止された[2]。跡地には、オリックスが地熱発電所(4,444 kW)を建設する予定である。

財務 [編集]

廃炉等負担金と債務保証 [編集]

旧・東京電力の会社分割時、原子力事業者としての地位・責任は、分割されずに東電本体(東京電力ホールディングス=東電HD)に残ったので、東電PGは、福島第一原子力発電所事故に伴う法的責任は負っていない。しかしながら、2017年(平成28年)、福島第一原子力発電所廃炉に要する費用の一部を東電PGが負担することが、国の認定を受けた東電HDの「新々・総合特別事業計画」で決められた。この計画に基づき、2017年度(平成29年度)、東電HDと東電PGとの間で、東電PGから東電HDに廃炉等負担金を毎年度支払う契約が締結された(有価証券報告書による)。同年度、東電PGが支出した廃炉等負担金は、1,268億円であった。東電PGは、今後も毎年度、1,200億円程度を負担する。

また、東電HDの借入金1兆円分について、東電PGが債務保証をしている。

電力債 [編集]

東電PGは、2017年(平成29年)3月から一般担保付き社債(電力債)を発行している。格付けは、他社の電力債と比べて劣り、その分、利回りは、他社のものより高い。なお、電気事業法の改正があったため、一般担保付き社債を発行できるのは、2025年3月末までである。

従業員 [編集]

2018年(平成30年)3月時点で、東電PG単体の従業員は、17,548人であった。東電PGは、東京電力グループの全従業員約4万人の4割強を占め、従業員数で見て、東電グループ中最大の会社である。平均年齢は、43.7歳、平均勤続年数は、23.8年、平均年間給与は、約719万円であった(有価証券報告書による)。管理職以外の従業員は、原則、東京電力労働組合に加入する(ユニオン・ショップ)。

東電PGとその子会社・関連会社を合わせた従業員数は、21,423人であった。

グループ会社 [編集]

2018年(平成30年)3月時点で、東電PGは、子会社7社、関連会社8社を有する(有価証券報告書による)。主な子会社は、東京電設サービス(100%)、東電タウンプランニング(100%)、東電用地(100%)、東電物流(80%)である。持分法適用関連会社は、関電工(46.9%、東証一部上場)、東光高岳(35.3%、東証一部上場)、アット東京(20%)の3社である。

沿革[編集]

  • 2013年(平成25年)
    • 4月1日、東電の社内組織として「パワーグリッド・カンパニー」が発足[3]
  • 2015年(平成27年)
    • 4月1日、東電が「東京電力送配電事業分割準備株式会社」を設立。
    • 5月1日、東電と準備会社とが吸収分割契約を締結。
    • 6月25日、東電の株主総会が吸収分割契約を承認。
  • 2016年(平成28年)
  • 2017年(平成29年)
  • 2019年(平成31年)

出典[編集]

  1. ^ 託送供給等約款の附則
  2. ^ a b 八丈島地熱発電所廃止について”. 東京電力パワーグリッド株式会社 (2019年3月29日). 2019年3月29日閲覧。
  3. ^ 社内カンパニー制の導入について(東京電力プレスリリース、2013年3月19日)
  4. ^ 石田雅也 (2016年3月4日). “東京電力が大失態、スマートメーターの設置に大幅な遅れ (1/2)”. スマートジャパン (ITMedia). http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1603/04/news090.html 2017年1月23日閲覧。 
  5. ^ 石田雅也 (2016年7月4日). “いつまで続く東京電力のシステム不具合、根本的な解決策が見えず (1/3)”. スマートジャパン (ITMedia). http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1607/04/news075.html 2017年1月24日閲覧。 
  6. ^ 大規模停電に至った状況について(10月12日東京都心部停電) 東京電力ホールディングス(2016年11月8日)
  7. ^ 大規模停電、東電社長が陳謝 経産相は点検要請 日本経済新聞電子版(日本経済新聞社、2016年10月13日)
  8. ^ “水力発電事業に関する組織改編について” (プレスリリース), 東京電力ホールディングス株式会社・東京電力パワーグリッド株式会社, (2017年3月16日), http://www.tepco.co.jp/pg/company/press-information/press/2017/1392653_8686.html 2018年10月21日閲覧。 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]