日本原子力防護システム

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日本原子力防護システム株式会社
Japan Nuclear Security System Co., Ltd.
Toranomon-Twin-Building02.jpg
本社の入居する虎ノ門ツインビルディング
種類 株式会社
市場情報 非上場
略称 げんぼう
本社所在地 日本の旗 日本
105-0001
東京都港区虎ノ門2丁目10-1
虎ノ門ツインビルディング東棟15階
設立 1977年7月21日
業種 サービス業
事業内容
代表者 代表取締役社長 巻口 守男
資本金 2億円(授権資本金8億円)
売上高 約124億円(2012年度)
従業員数 493名(2013年3月31日現在)
決算期 3月31日
主要株主 セコム株式会社 50%
東京電力株式会社 20%
関西電力株式会社 20%
中部電力株式会社 10%
外部リンク 日本原子力防護システム株式会社
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日本原子力防護システム株式会社(英称:Japan Nuclear Security System Co., Ltd. 略称:JNSS)は、原子力発電所をはじめとする大型施設へ総合的な防護を提供する会社である。本社は東京都港区虎ノ門品質マネジメントシステムISO9001を取得している。略称で「原防(げんぼう)」と呼ばれることが多く、会社のロゴも「げんぼう」と平仮名が採用されているが、社章は「JNSS」という英語の略称が用いられている。筆頭株主がセコムであることから「セコムグループ」としての色合いが強いが、東京電力からも「グループ企業の一員」として扱われている。

概要[編集]

1977年に原子力関連施設の安全を守る専門会社として、セコム・東京電力・関西電力中部電力が共同出資して設立。主に核燃料輸送警備業務、発電所における防護システム設備の設置と維持管理、そして防護要員を配置した人的警備業務の3種のサービスを提供する会社へ発展し、現在ではデータセンターなどの原子力関連施設以外の分野にも進出している。

核燃料輸送警備業務
設立翌年の1978年より開始。主に核燃料製造会社や電力会社より受注した輸送警備業務を、親会社であるセコムに委託して運用している。セコムの現業職員の中でもNSP(Nuclear Scurity Patrolsの略)と呼ばれる選抜部隊に属する社員が実際の業務に当たる。
防護システム設備の管理業務
主に原子力発電所に防犯カメラや各種センサーなどを設置し、維持管理にあたる業務。1979年に東京電力福島第一原子力発電所の防護システム設備の運用を開始。その後各発電所にも拡大し、1980年には原発以外の関連施設においても受注・運用を始めた。
人的警備業務
「防護隊」を組織し各発電所及び関連施設に常駐し、施設警備業務にあたる。同社が警備会社として登録しているので、防護隊の構成員は法的に「警備員」という扱いになるが、現場では「防護員」という呼ばれ方をしている。

製品[編集]

信頼性の高い防護機器やシステムを目指して自社開発も手掛け、各発電所に納入している。具体的な実績として、どの発電所が同社の製品を採用しているかは明らかにされていないが(セキュリティという機密性の理由によるものと思われる)、同社のホームページによれば国内全ての原子力発電所の総発電kwに換算した場合、約80%にあたるシェアを誇るとされている。

セキュリティ・ロボゲート(Security Robogate)
IDカードリーダー等を用いて個人認証を行うと共に、重量を検知することで二人以上の同時通行(共連れ)を防止することにより、高いセキュリティを確保するゲート型の出入り管理装置。
リアル・フェース(Real Face)
ドイツ・コグニテック社の技術を応用して開発した顔認証装置。米国標準技術会が主催した評価試験で最も精度が高いという評価を受けている。

その他カードリーダ装置やアクセス制御装置など複数の技術を開発し、特許を出願している[1]

原子力発電所の警備[編集]

原子力発電所自体が海沿いの僻地にあることから、一般の人が原発の警備に従事する人間を見る機会はほとんどない。外部と接する発電所正門等の警備は地元の警備会社や綜合警備保障等が担当することが多いが、同社は原発内部に設定された「周辺防護区域」の警備に従事するケースが多いので、部外者が知る機会は殆ど皆無に等しく、かつ一般消費者を対象としない会社なので、(規模の割に)原発のある地元でさえ知名度は格段に低い。

その他[編集]

  • 福井県の防護隊(敦賀美浜大飯高浜)には、地元警備会社アイビックスからの出向社員を受け入れていたが、現在は提携を解消している。
  • 原子力産業の発展に寄与するという理念と環境保護の観点から、関西電力美浜原子力発電所の防護隊では、パトロール車に三菱・i-MiEVが導入された[2]
  • 核物質管理学会日本支部の賛助会員として学会費を納めている。
  • 一般社団法人日本原子力技術協会の会員である。
  • 現社長の巻口守男は、地球温暖化対策に取り組む「チーム・マイナス6%」が主催した「クールビズ・コレクション2006」において、登録企業(東京電力)の代表としてファッションモデルに選ばれた。

出典[編集]

  1. ^ 日本原子力防護システム株式会社により出願された特許
  2. ^ 日本原子力防護システム株式会社 美浜発電所構内パトロール用警備車両に電気自動車アイミーブを導入されました。

関連項目[編集]

  • 原子炉等規制法 : 同法に基づいて各電力事業者が定める保安規定に精通することが求められる。
  • 警備業法 : 警備業務検定有資格者配置基準により、原子力発電所の警備では施設警備業務検定の合格証を保持する者の配置が義務付けられており、防護員の多くは同検定の1級または2級を保持している。また核燃料輸送警備業務にも付帯的に携わる可能性があることから核燃料物質等危険物運搬警備業務検定の有資格者もいる(実際の運搬警備業務の殆どは、上述したセコムのNSPが担当する)。

競合会社[編集]

  • オーテック電子 : 本社は東京都千代田区神田。原子力発電所の核物質防護システムについては電力会社10社中、5社に納入し維持管理をしている。2000年12月にセコムグループ入りしており、現在では同じ「セコムグループの一員」という位置付けになっている。
  • アイビックス : 本社は福井県福井市。北陸地方に強いシェアを持つ警備会社で、福井県若狭地区に密集する原子力発電所の警備に注力している。

外部リンク[編集]