教室

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
ドイツの小学校の教室

教室(きょうしつ)は、教育を行う部屋である。多くは学校の中の授業用の部屋である。教場(きょうじょう)ともいう[1]

初等教育・中等教育における教室の種類[編集]

昭和時代の小学校教室(二十四の瞳映画村

初等教育小学校など)や中等教育中学校高等学校など)では、主に、普通教室(ふつうきょうしつ)と特別教室(とくべつきょうしつ)に分類されている。

普通教室[編集]

平成期のとある中学校の普通教室

普通教室は通常の授業を受けるための教室である。小学校・中学校・学年制の高等学校では「○年○組」の教室という風に各学級ごとに教室が割り当てられ、児童・生徒は一日の大半を教室で過ごし、特に、音楽や美術の実技を行ったり、理科で実験を行ったりする場合など、主に実技を伴う特定教科において教室を移動する。これを特別教室型と呼び、日本の学校では大半がこの形を取っている。

一部の学校ではすべての教科で専用の教室を設け、児童生徒が授業毎に教室を移動する形を取っている。これを教科教室型と呼ぶ。

特別教室[編集]

教科別、用途別などに用意される。次のような教室がある。これらの特別教室の多くには教員が授業準備をするための準備室が併設されている。

社会科教室(地理歴史教室、公民科教室など)
地図や土器などの標本、教具が備え付けてある。
理科室
理科教室、実験教室(化学実験教室、物理実験教室、生物実験教室、地学実験教室)
理科の授業時に使われる教室。実験を行うための設備・用具、薬品等が備え付けてある。
生活教室
生活科の授業時に使われる教室。
音楽教室
音楽教室
音楽の授業時に使われる教室。合唱時に並びやすいように、室内に段差がある場合がある。ほとんどの場合、防音構造になっている。
図画工作教室、美術教室
図画工作、美術に使われる教室。絵画用の用具が備え付けてある。
工芸教室
教科「工芸」の授業に使われる教室。
書写教室・書道教室・習字教室
教科「国語」における書写の時間や、教科「書道」に使われる教室。書写・書道をしやすくするため比較的静かな環境になっている。
家庭教室
家庭教室(家庭科室、被服教室、料理教室(調理実習教室)など)
家庭科の授業などで使われる。被服関係の教室にはミシンなどが備え付けられており、調理実習関係の教室は調理実習に使われる。
技術教室(木材加工教室、金属加工教室など)
木材加工、金属加工、機械加工用の用具が備え付けられている。
視聴覚教室(LL教室、CALL教室)
ビデオなどのメディアによる教育を行なう教室。
中学校内のコンピュータ室
コンピュータ室
パーソナルコンピュータプリンタなどが備え付けられている。2000年代からはLANによってコンピュータ同士が相互接続されているものが増えている。プロジェクタ、書画カメラ、サブモニタなどを備えている場合もある。
図書室
図書を置く部屋。学校図書館司書教諭も参照。
特別活動室
特別活動に使われる教室。
進路資料・指導室
進路選択に関する資料を備え付けることで生徒に進路に関する情報を提供するほか、進路指導に使われる教室。
多目的教室
複数の学級の児童又は生徒を対象とする授業、その他多様な指導方法による授業、又は課外指導で、普通教室又は特別教室において行うことが困難と認められる者の用に供するものとして設けられる教室で、併せて児童又は生徒の学校生活の用に供することができる教室。
少人数教室
もっぱら少数の児童又は生徒により構成される集団を単位として行う授業の用に供するものとして設けられる教室(義務教育諸学校施設費国庫負担法施行令第2条第1項)。コース別授業興味別授業習熟度別授業)の際に普通教室を使用する教科の学級を分割するため、そのために使用される。少子化による空き教室を利用している場合が多い。小学校などでは特に一部で実験的に進められている。

高等教育における教室の種類[編集]

階段状の大教室

大学などの高等教育では、主に、講義室(こうぎしつ)、演習室(えんしゅうしつ)、実験室(じっけんしつ)・実習室(じっしゅうしつ)などに分類されている。

講義室
通常の講義が行われる部屋である。20人程度の小教室から、500人以上収容できる教室まである。
演習室
演習を行うための部屋で、少人数教室が多い。
実験室・実習室
実験用・実習用の機材などが設置されている。

設計[編集]

天井高規制[編集]

2005年まで、教室には天井高の下限の規制があった。明治時代は石炭ストーブなどで暖房をしていて、高い天井で空気を回して一酸化炭素中毒を防ぐこと、1950年建築基準法制定時は当時の過密な教室の空気をきれいに保つことが理由だった[2]

埼玉県草加市は、昭和30年代後半から40年代初頭の人口増加で急造した公立学校が、耐震性が足りないということで建て替えを迫られたが、建て替えには莫大な費用がかかるためにコスト削減策として教室の天井高を3mから2.7mに下げる案を編み出した[2]

そこで、同市は、2004年6月、天井高を下げる構造改革特区を国に申請したが、「子どもの心身に与える影響の調査結果が出ていない」と最初は却下された[2]

検証を繰り返した末、2005年9月、同市の特区提案は認められ、同年11月には建築基準法施行令改正で天井高規制が廃止された[2]

方角[編集]

一部の例外を除き、東側・南側の日光の入る窓は、原則として教室の前方(教壇のある側)に向かって左側になるように、教室の前後(教壇や黒板の配置)が決定される。例えば建物が南に面している場合、教室の向き(教壇のある側)は西向きで設計される。これは、右側に窓を配して右側から日光が差し込むと、大半を占める右利きの利用者が机上で書き物をする際に自分の右手ので帳面が暗くなってしまうためである。

比喩[編集]

部屋そのものでなく、そこで学ぶ人の集まりを教室と呼ぶことがある。

  • 相愛音楽教室などのように、‎「そこで学ぶ」という特定の目的にために集まった教師と生徒等の集団も指すこともある(例:移動教室、補習教室、物理学教室)。
  • 大学の特定の講座の主任教授と講師助手などのスタッフと大学院学部学生らの○○研究室」を総称して「○○教室」というのがそれである。

脚注[編集]

  1. ^ 教場(コトバンク、2013年12月8日閲覧)
  2. ^ a b c d 学校天井高規制を撤廃”. 特区の記事・ラジオ対談. 草加市 (2008年2月6日). 2009年1月8日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]