進撃の巨人

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。S-alfeyev (会話 | 投稿記録) による 2012年5月28日 (月) 05:41個人設定で未設定ならUTC)時点の版であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

Template:継続中の作品

進撃の巨人
ジャンル 少年漫画ダーク・ファンタジー
漫画
作者 諫山創
出版社 講談社
掲載誌 別冊少年マガジン
発表期間 2009年10月号(創刊号) - 連載中
巻数 7巻(以下続刊)
テンプレート - ノート

進撃の巨人』(しんげきのきょじん)は、諫山創による日本漫画作品。2006年の講談社MGP(マガジングランプリ)佳作受賞を経て、『別冊少年マガジン』(講談社2009年10月号(創刊号)から連載中。2011年12月の第6巻発売時点で、単行本の累計発行部数は660万部を突破している[1]

作者の初連載作品ではあるが『オトナファミ』(エンターブレイン)2010 August号の、既刊単行本3巻以下の作品を対象とした『NEXTブレイク漫画ランキングBEST50』で第2位を獲得。『ダ・ヴィンチ』が選ぶプラチナ本に選定されるなど、連載開始直後から人気作品となった。『このマンガがすごい!』2011年版、オトコ編で第1位を獲得。「全国書店員が選んだおすすめコミック2011」、1位。2011年、第4回マンガ大賞第7位を獲得。2011年、第35回講談社漫画賞少年部門を受賞し、実写映画化も発表された。


注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。


ストーリー

突如現れた多数の巨大生物「巨人」の侵攻により、人類は存亡の危機に瀕する。生き残った人間達は、三重に築かれた巨大な城壁内側に生活圏を確保することで、一時的な安全を得るに至った。

城壁による平和を得てから約100年後、城郭都市の外縁地区「ウォール・マリア」南端より突出したシガンシナ区にて、父・グリシャと母・カルラ、幼馴染のミカサと暮らす少年エレンは、親友アルミンと共に、幼い頃から「壁の外に出て世界を探検すること」を夢見ていた。

エレンが10歳を迎えた年、突如として現れた「超大型巨人」によりシガンシナ区の壁が破られ、多数の巨人が市街地に侵入、アルミンの機転で助かったエレンとミカサだったが、2人の眼前で母・カルラは捕食される。その後ウォール・マリアは放棄され、一段内側の「ウォール・ローゼ」内へ途中、エレンは巨人の駆逐を心に誓う。壁の崩壊から2年後、エレン、ミカサ、そしてウォール・マリア奪回作戦の失敗で両親を失ったアルミンの三人は、訓練兵団に入団し、対巨人戦闘術を学んでいく。

さらに3年が経過し、訓練の修了・解散直後に、再び超大型巨人が出現。兵士たちは次々と命を落とし、立ち向かったエレンも捕食されてしまう。戦況は悪化の一途を辿り、ミカサ達生き残りの訓練兵たちも絶体絶命の窮地に陥ったその時、それまで誰も見たことがなかった「巨人を攻撃する巨人」が現れ、他の巨人を殺しつくした。その巨人が力尽きたかに思えた時、その体内から現れたのは、死んだはずのエレンだった。エレンの存在に危機感を抱く憲兵団や民衆は捕縛したエレンの排除を叫ぶが、調査兵団長のエルヴィンはエレンの能力を生かすことを考え、自らの配下に取り立てる。

母の死後まもなく行方不明になった父の言葉を思い出し、シガンシナ区奪還を目指すエレン。未曾有の存在となった彼の前途には、数多くの困難が立ち塞がっていた。

概略年表

※年号は作品世界独自のものを用いている。

743年?

  • 確認できる最古の記録では、この年代に巨人の出現が確認される。これにより人類の大半が死滅し、生き残った人類はウォール内に引きこもった。

835年

  • エレン、ミカサ、アルミン誕生。

844年

  • ミカサの両親が死亡。以降イェーガー家に引き取られる。

845年

  • ウォール・マリア南端の突出区画シガンシナ区に超大型巨人出現。多数の巨人の侵攻でウォール・マリアも突破され、地域住民はウォール・ローゼへ退避。
  • 巨人侵攻の被害でエレンの母が死亡。のち父も行方不明となり、エレン、ミカサ、アルミンは開拓地へ避難する。

846年

  • 領土奪還を賭けた総攻撃が敢行されるが失敗。ウォール・ローゼから外側、シガンシナ区は放棄された。作戦には難民化したウォール・マリア住民も駆り出され、多くが戦死した(アルミンの両親もこの時に死亡した)。結果、人類は領土の1/3と人口の2割を失った。

847年

  • 第104期訓練兵団編成。エレン、ミカサ、アルミンが開拓地を出てウォール・ローゼ南方面の隊に入団する。

850年

  • 第104期訓練兵団が全訓練課程を修了し、解散。
  • ウォール・ローゼ南端の突出区画トロスト区に超大型巨人が再度出現し、扉が破壊される。侵入した巨人からの防衛作戦が、駐屯兵団と、正式配属を待つばかりだった旧第104期訓練兵団卒業者達の合同で行われる。人類側劣勢の中、エレン巨人体が出現。
  • 巨人にほぼ制圧されたトロスト区を、エレン巨人体を軸として奪還する作戦が現場で新たに立案され、超大型巨人によって開けられた巨人の侵入経路を封鎖。続いて急報を受け駆けつけた調査兵団が加勢し、多大な犠牲を出しつつも、トロスト区に侵入した巨人の掃討に成功する。人類は巨人に対し初めて勝利を収めた。
  • ダリス・ザックレー総統を議長とした特別兵法会議が開かれ、エレンの存在の是非と処遇について審議が行われた。
  • 調査兵団による第57回壁外調査が行われる。
  • 壁外調査中、女型の巨人の襲撃を受ける。エルヴィン率いる一部の調査兵団員で「女型の巨人」捕獲作戦を実行するも失敗に終わり、多大な被害を出して終わる結果となった。
  • この結果を理由に、エレンの身柄を憲兵団に渡されることが決定した。

登場人物

年齢は850年現在。

主要人物

エレン・イェーガー
本作の主人公。15歳。身長170cm。体重63kg。強靭な精神力と非凡な行動力を持ち、壁の外の世界に人一倍憧れを持つ少年。将来は壁の外に出て、世界中を探検する夢を抱いている。ウォール・マリア南端より突出したシガンシナ区出身。845年の巨人侵攻によって家と家族を失ったことで巨人を激しく憎んでおり、その駆逐を心に誓う。
幼い頃からアルミンをいじめっ子から守ったり、ミカサの両親を殺した人身売買業者と正面から戦って殺害するなど、理不尽な世界にもひるまない勇気を備え、その意志が周囲の人間も導く強さとなっている。我の強い性格ゆえに直情径行で猪突猛進な言動が多いが、兵団に入ってからは様々な仲間たちとの競り合いを通じて、客観的で度量のある思考も身に着けるようになる。
徒手格闘術に優れ、訓練兵団ではミカサに次ぐ対人格闘成績を修めていた(2位)。その他に特技というほどのものはないが、強い目的意識のもと他の科目でも努力を重ね、第104期「訓練兵団」を5番で卒業する。配属先は巨人を最も殺すことのできる調査兵団を希望。
ウォール・ローゼ南部のトロスト区奪還戦にて、アルミンを助けようとして巨人に捕食されるが、巨人の体内で巨人化能力が覚醒する。その能力への恐怖や疑念などが権力者たちに渦巻く中、エルヴィン団長の希望により調査兵団に迎えられる。
調査兵団入団後はリヴァイ兵士長が班長を務める特別作戦班に配属され、巨人化能力の解析や実験等を行う。当初、同じメンバーの先輩にあたるペトラやオルオ達からは懐疑的に思われており、突然腕だけ巨人化した際は激しい敵意を向けられ、自分の立場を知った時は酷く落ち込んだ。その後、メンバー達とはなんとか打ち解け、第57回壁外調査に臨む。
第57回壁外調査で、女型の巨人に襲撃される。その後の「女型の巨人」捕獲作戦が失敗し、壁内へ撤退する際、突如現れた女型の巨人に再び襲撃される。その時、ペトラやエルドらはエレンを守るために足止めし、エレンには逃げるように促す。エレンはペトラ達を信じて逃げるが、その直後にペトラ達が女型の巨人に殺されるのを見て逃げたことを激しく後悔し、怒りのまま巨人化し女型の巨人と交戦するが敗れる。その後、リヴァイとミカサに救出され帰還した。そして、自分の身柄が憲兵団に移されることが決定する。
エレン巨人体
エレンが強い意志を持って自分の身体を傷つけることによって、傷口から巨人の肉体が生成され、最大15メートル級の巨人へと変貌することが可能となる。この能力は「巨人を殺す」「身を守る」「物を拾う」などの意志に沿って、必要な分だけの巨人の肉体が自動的に生成され、目的を達成した後にその肉体は朽ちて消滅する。ただし本体の心身にかかる負荷は大きく、多用は肉体と精神を著しく衰弱させる。巨人化の際、エレンの本体は通常の巨人の弱点である、うなじ部分に埋没した状態で巨人と同化しており、本体・巨人体ともに体の一部が切断されるほどのダメージを負っていようとも即座に再生する。また、巨人化する前の状態でもエレンの身体には、常人以上の再生能力が備わるようになった。加えて巨人体はエレンの格闘術をそのまま使える上、再生を前提とした自身の肉体の損壊すら厭わない渾身の一撃を放つことが可能であり、単純な攻撃しかしない通常の巨人を圧倒する戦闘能力を獲得している。なお、この姿でも他の巨人はエレンに襲いかかってくる。
作者インタビューによると、エレン巨人体の体型は格闘家の岡見勇信をモデルにしたという[2]
ミカサ・アッカーマン
本作のヒロイン。15歳。身長170cm。体重68kg。エレンの幼馴染で常に彼と行動を共にしている。美少女だが寡黙で表情は少なめ。
(作品世界では)ほぼ絶滅した東洋人の血を引いており、幼少時に母親によって痛みを伴う刻印が右手首に付けられ、この時に母親からこれは一族が受け継ぐ印であり自分の子供にも受け継ぐように言われた。超大型巨人出現1年前(844年)に人身売買業者に目をつけられて両親を殺され、助けに現れたエレンと共に人身売買業者たちを皆殺しにした後イェーガー家に引き取られた。その経験から合理的な思考と情熱的な志向を強く併せ持つ両極的な性格を形成しており、対外的には冷徹なほどに強く恬淡である一方、個人的な情愛に篤いあまり見境がつきにくくなる危うさもある。
「家族」に強い思い入れを抱き、恩人であり家族でもあるエレンを健気に想い続けており、状況や境遇を問わず彼の傍にいて守ることを行動原理としている。その思い込みとも言える意識はエレンから「俺はお前の弟や息子じゃない」と言われるほど。感情をあまり出さないため表立った態度で示すことは少ないが、エレンに危害を加えるものに対しては激しい憤怒の表情を露わにする。
人身売買業者から助けられた時にエレンにもらったマフラーを現在も愛用し、よく身に着けている。おまけページの作者のインタビューによると「暑いときには付けていない」という。
天性の身体能力と極めて高い戦闘技術を持ち、喧嘩はエレンもかなわないほど強い。エレン、アルミンと共に入団した訓練兵団を首席で卒業し、初陣から特例で駐屯兵団精鋭部隊に編入された時も単独で巨人数体を倒し「1人で100人の平凡な兵士に匹敵する」と称されるなど、歴代の中でも逸材とされる存在(生まれながらの特殊部隊兵士)。エレンからは待遇の良い憲兵団への入団を薦められるが、本人はエレンと共に行動するため調査兵団へ入団する。
調査兵団入団後は、コニー達と同じ班に配属する。第57回壁外調査の時は、女型の巨人に敗れ捕まったエレンを救出に向かう。その際にリヴァイと共闘しエレンの奪還に成功、壁内へ生還を果たす。
名前の由来は日露戦争時の戦艦『三笠』から。
アルミン・アルレルト
エレンとミカサの幼馴染の少年で、特にエレンとはミカサと知り合う以前からの数少ない親友。15歳。身長163cm。体重55kg。彼らと同じくシガンシナ区で生まれ育った。845年の巨人侵攻の翌年に敢行された領土奪還作戦に従軍した両親が死亡しており、難民の「口減らし」を意図した施策と察してこれを主導した憲兵団を恨んでいる。
理知的で感受性や探究心に富んでおり、人類はいずれ外の世界へ行くべきという考えを持っている。外界について記された祖父の蔵書を見せたことが、エレンが外の世界に憧れるきっかけとなっている。
意志は堅固だが活発さに欠ける性格に不甲斐無さを感じており、内罰的だった。危機に際して身体が動かず放心状態になってしまい、戦友たちを助けられず、巨人に関する出来事も記憶していない自分を深く恥じていたが、シガンシナ区での巨人襲来では直ちにハンネスを呼んでエレンとミカサの命を救うなど、実際には危機的な状況でこそ的確な判断や知略を利かせられる資質があり、それを自覚してからは芯の強さが表に出せるようになった。
体格はやや小柄で体力に乏しく、身体能力は高くない。卒業時の戦闘模擬試験の合格は奇跡と本人も認めているほどだが、明晰な頭脳と豊富な知識で座学はトップの成績を修めている。前線に配置されてからは率先して作戦を立案し幾度となく仲間の危機を救う。エレンからは技巧部門に進むべきと薦められるが、調査兵団へ入団する。
調査兵団入団後は、ネスが率いる伝達班に配属する。第57回壁外調査の際、女型の巨人に遭遇、班は自分以外全滅して窮地に陥るが、女型の巨人に殺されず見逃される。その際女型の巨人がエレンと同じ能力を持つ人間と推測する。その後ライナーとジャンの二人と合流し、女型の巨人をエレンに遭わせないように足止めを行う。その後は壁内に無事帰還した。
グリシャ・イェーガー
エレンの父親。身長182cm。体重78kg。優秀な医者であり、兵団にも人脈を持つほか様々な町に往診に呼ばれるなど厚い信頼を受けていたが、シガンシナ区陥落後消息不明となった。自宅の地下室に「真実」と称する何かを隠しているなど、謎の行動も多い。
最後にエレンと会った時、彼に一時的な記憶障害を引き起こす謎の薬品を注射し、地下室の鍵を託す。その後「巨人化能力を支配して仲間を守る」「巨人に占領されたシガンシナ区に遺された自宅の地下室にたどり着く」ことを伝えていた。

第104期訓練兵団卒業生

エレン、ミカサ、アルミンと同期でウォール・ローゼ南方面駐屯の隊に入り、共に訓練を積んできた少年・少女兵たち。850年に訓練課程を修了するが、その直後に駐屯兵団の指揮下でトロスト区奪還戦に動員され、多くが戦死した。生き残りのうち21名が調査兵団に入団、残りは憲兵団と駐屯兵団に配属された。成績上位の10人は単行本の裏表紙に敬礼・整列した後ろ姿が描かれている。

ライナー・ブラウン
大柄な体格の少年。身長185cm。体重95kg。第104期訓練兵団を次席で卒業。
冷静かつ気のいい性格で責任感も強く、面倒見も良いので仲間から厚く信頼されるリーダー的存在。危険な作戦を前にして冗談を言えるだけの肝の据わったところもあり、それに見合うだけの膂力も持ち合わせている。巨人に襲撃されたウォール・マリア南東の山奥の村の数少ない生き残りで、故郷に帰るという一心で生きており、絶対に曲げられない信念を持つ者同士として、エレンに深く共感する。訓練課程修了後は調査兵団に入団した。能力は同期の中ではずば抜けて高く、ミカサに次ぐ実力者。女型の巨人に一度は捕捉されながらも生還した事もある。
ベルトルト・フーバー
長身で黒髪の少年。身長192cm。体重81kg。第104期訓練兵団を3番で卒業。
どの分野の活動でもそつなくこなす事ができるため能力的には優秀だが、主体性に欠ける受身な性格。憲兵団への入団を希望しているが、その理由も「内地での安全と快適な生活の獲得」という特権のみを欲するというありきたりのもの。気弱さ、積極性のなさは本人もよく認識しており、正反対のエレンを羨望している。ライナーとは同郷の馴染みで、行動を共にすることが多い。状況に流されてなのか、彼自身の心情が変化したのかは定かではないが、最終的に調査兵団に入団する。
アニ・レオンハート
常に冷静沈着で感情表現に乏しい少女。身長153cm。体重54kg。出身地は不明。第104期訓練兵団を4番で卒業。
憲兵団への入団を希望しているが、他の志願者のように特権獲得が目的ではなく、「現実離れした無意味な世界から遠ざかりたい」との考えによるものである。脅威にも動じない精神力を持つ。「目標を最短ルートで達成し無駄な行為は極力しない」という合理主義を貫徹しており、立体機動でも無駄のない動きで巨人の弱点に深い斬撃を加える。上位10名女子の中でも小柄な体格だが、対人格闘術に秀でた父の教育により優れた格闘能力を持つ。特に蹴り技を得意とするが、彼女自身は対巨人戦には全く役立てられない技術として何の価値も認めておらず、それを熱心に教えた父を蔑みすらしていた。そうした連帯性に難のある性格から孤立気味だったが、エレンのまっすぐな性格に動かされ、蹴り技を伝授する。同期の数少ない友人たちが揃って調査兵団に入団する中、初心を貫き憲兵団に入団する。
ジャン・キルシュタイン
険のある顔つきの少年。身長175cm。体重65kg。ウォール・ローゼ南端のトロスト区出身。第104期訓練兵団を6番で卒業。
自分に正直な性格と現状を認識する能力の高さから、ややニヒルで斜に構えた発言が目立ち、訓練兵団入団当初から仲間や上官の前でさえも憲兵団への志願理由を一切飾り立てることなく、特権を得ることと言い切っていた。一方で人間関係では情動が大きくかつナイーブな面があり、初対面のミカサを見初めるが、直後にエレンとの強い絆を察して激しく嫉妬し、以後事あるごとにエレンと衝突する。
このような性格から教官からも他者との軋轢を生みやすいと評価されていたが、マルコからはそうした性格だからこそ英雄的な資質を持たない大多数の凡庸な人間たちの弱さや利己心を理解でき、それらを踏まえた周囲に対する説得力や判断力があると見込んで、指揮役としての資質を評価されていた。事実、104期生の初陣でミカサが単独で巨人に突撃した際には、自ら指揮役となって同期を鼓舞・先導してミカサに続き、仲間たちもこれに従っている。トロスト区奪還戦でのマルコの戦死をきっかけに、マルコとエレンの言葉を思い出して自らの戦うべき使命を認識し、調査兵団に入団した。立体機動装置の性能を引き出すことにかけては同期でもトップクラス。エレンには劣るが格闘能力も高い。
マルコ・ボット
黒髪で頬のそばかすが特徴の少年。身長178cm。体重70kg。ウォール・ローゼ南区ジナエ町出身。第104期訓練兵団を7番で卒業。19班班長。
憲兵団へ入団し王に仕えることを希望していた。優しい分押しが弱い面もあるが、細やかで真面目な性格。冷静かつ現実的な洞察力と判断力を持っており、周囲へのサポートも忘れない。ゆえに仲間と衝突しやすいジャンの露悪的な性格や特性にも前向きな理解を示しており、同期からはマルコの下で戦いたいと指揮役になることを期待されていた。しかしその素質を発揮することなくトロスト区奪還戦で戦死してしまう。遺体が発見されたときには立体機動装置を装備しておらず目撃者もいなかったため、その死の詳細については明らかになっていない。
コニー・スプリンガー
坊主頭が特徴の小柄な少年。身長158cm。体重58kg。ウォール・ローゼ南区ラガコ村出身。第104期訓練兵団を8番で卒業。
最初は憲兵団志望だったが、エレンの言葉に感化され調査兵団を希望する。活発な性格のお調子者で場の空気が読めぬ自称「天才」だが、本心では己の不足も自覚しており、弱気になりやすい一面もある。その分他人への敬意や義侠心を持っており、アルミンを罵倒したそばかす顔の少女に激怒する事もあった。バランス感覚が良くその俊敏さは上官から高い評価を得るが、知性はあまり持ち合わせておらず作戦理解度などは低い。初陣で経験した巨人との戦闘の酸鼻さに調査兵団入団を逡巡するも、最終的には入団を決意する。
サシャ・ブラウス
黒髪の少女。身長168cm。体重55kg。ウォール・ローゼ南区ダウパー村出身。第104期訓練兵団を9番で卒業。
他人には敬語で話し、仲間内での諍いは避けるなど一見如才ないようだが、その性格は天衣無縫で破天荒。並外れて食い意地が張っており、兵団の厨房や倉庫から食糧を盗み出してつまみ食いすることもしばしばで、厳しい懲罰を加えられても一向に改めない。仲間からの評価は衆口一致で「バカ」。兵団に入ったのも「美味しい物が食べられる」との理由からで、将来の領土回復で食糧供給が増えることを期待している。
性格的に勇猛さは不足しているが、天性の勘の良さと狩猟生活で得た執念を持っており、身のこなしの良さも相まって上位10名の中でも戦闘能力は劣ってはいない。初陣で植えつけられた巨人への恐怖心を抱えながら、調査兵団に入団。
クリスタ・レンズ
穏和な性格の少女。身長145cm。体重42kg。第104期訓練兵団を10番で卒業。トロスト区奪還戦では41班に所属。
体格は小柄だが意思や行動力はしっかりしており、戦闘前に緊張して嘔吐する仲間を介抱したり、腹を減らして倒れたサシャに食べ物を分けるなど、優しく面倒見の良い人物。その人柄から「神様」「女神」などと評されている。巨人と戦うことを恐れつつも調査兵団に入団。
そばかす顔の少女
そばかすと鋭い目つきが特徴的な、黒髪で長身の少女。身長172cm。体重63kg。名前および出身は不明。トロスト区奪還戦ではクリスタと同班。打算的で世間ずれしたきつい言動が多い。
戦闘能力に劣るアルミンを見下す一方でサシャに恩を売って使い走りにしたり、クリスタの献身的な言動に偽善と欺瞞を指摘して付け入るなど、自分にとっての利用価値のみを基準に他者を判別する傾向があるが、後にクリスタに対しては下心のないような態度に変わっている。また初任務で5割が戦死するとされる調査兵団への入団を逡巡を見せず決意するなど、単に保身と利己心のみが行動原理でもないようだ。
トーマス・ワグナー、ナック・ティアス、ミリウス・ゼルムスキー、ミーナ・カロライナ
エレン、アルミンらと同じ訓練兵団34班(トロスト区防衛戦区割)のメンバー。トーマスとミーナは固定砲整備4班で、エレン、コニー、サシャ、サムエルとも同じメンバー。成績優秀者が皆憲兵団入団への意思を示す中、エレンの調査兵団入りの熱い意思に感化され、希望をともにする。しかし野心を持って臨んだ初陣のトロスト区奪還戦にて全員が戦死してしまう。
サムエル
固定砲整備4班所属の黒髪の少年。超大型巨人の襲撃を受け、気絶したまま壁上から転落したが、間一髪のところでサシャに助けられる。
フランツとハンナ
第104期訓練兵団卒業生。両者とも相思相愛の関係にある(エレン曰く「バカ夫婦」)。フランツはエレンと喧嘩をするジャンをたしなめるなど、穏やかな性格であったが、トロスト区奪還戦にて戦死。ハンナはフランツの死を受け入れられずに錯乱状態に陥っていた。その後の行末は描かれていない。
ダズ
第104期訓練兵団卒業生。トロスト区奪還戦で巨人に仲間を目の前で食い殺されたことから大きな恐怖を植え付けられ、そのことをマルコに打ち明けている。その後逃亡を考えていたが、ピクシスの演説を受けて留まることを決意した。

駐屯兵団

ハンネス
飲んだくれの駐屯部隊兵士。身長190cm。体重88kg。流行り病を患った妻をグリシャに助けてもらったことがあり、その恩を返すことを望んでいる。845年のシガンシナ区での巨人侵攻に際してイェーガー一家を助けるために駆けつけたが、エレンの母・カルラに子供たちを連れて逃げてくれと頼まれ、エレンとミカサを抱えて避難した。その後はトロスト区駐屯部隊長に昇格。エレンたちに負い目を感じつつも、親のような心境で見守っている。
ドット・ピクシス
トロスト区を含む南側領土を束ねる最高責任者。身長180cm。体重73kg。容貌は秋山好古をモデルにしたという[3]
軍務には柔軟な判断力と果断に富んだ指揮力を持つ司令官だが、「超絶美女の巨人になら食われてもいい」と語るなど、「生来の変人」として知られている。
トロスト区奪還戦では戦況の劣勢を覆すべく、エレンの能力を利用した侵入経路封鎖作戦を独断で敢行。ほぼ直感のみを根拠とし、雲をつかむ様な決断でもあった。その犠牲は甚大であり、成功率も極めて低く疑わしかったが、人類存亡の瀬戸際と状況を的確に分析した演説により部下を鼓舞。殺戮者として腹をくくり、貴重な部下を死地へと送り込む。
イアン
トロスト区奪還戦で、ピクシス司令より現場指揮官として最前線を託された精鋭部隊班長。巨人体のエレンに命運を賭け、自らの与えられた任務を、命を投げ打って遂行する。困難な状況に直面し、他の班長から作戦失敗として撤退を促されても、自分の信念と判断を信じ奪還作戦を柔軟に変更。また、当初からミカサの可能性も高く評価し、彼女が能力を最大限発揮できるよう自由に動かしながらも、最後の局面では命を投げ打つことを許さず、エレンの元へ向かうよう下命する。ここぞの場面でも最善の道を判断できる有能な指揮官。作戦の終盤でエレンを守る囮となり命を落とす。
ミタビ
顎鬚を生やした男性兵士。精鋭部隊班長の一人。トロスト区での扉封鎖作戦にて、作戦に不安を感じつつもイアンと共にエレン巨人体の援護を捨て身で実行。
リコ
眼鏡をかけた女性兵士。精鋭部隊班長の一人。トロスト区での扉封鎖作戦にて、巨人体となったエレンを疑いつつも、イアンの意見に従い進路確保を支援し、最後まで巨人の抵抗から忠実に守り通す。
作戦終了後に提出した報告書においては、エレンが巨人体を十分に制御できていない事実をありのままに記述した。

調査兵団

エルヴィン・スミス
調査兵団13代団長。身長188cm。体重92kg。王都のゴロツキとして名高かったリヴァイを調査兵団に参加させ、エレンの能力を知った上で周囲の反対を説得し入団させる。その考えと行動には深遠な部分があり、兵団の側近でも理解できていない部分が多い。第57回壁外調査で「女型の巨人」捕獲作戦を実行するも、多くの犠牲を出した上に失敗に終わり、責任を問われる。目的のためなら100人の仲間の命を捨てる覚悟を持つ非情で冷酷な一面を持つが、リヴァイを初め配下達からが深く信頼されている存在である。
ハンジ・ゾエ
調査兵団分隊長。身長170cm。体重60kg。任務中はゴーグルを、平時では眼鏡をかけている。優しく気さくな物腰で、気配りも欠かさない利発な性格。一方で激しい情熱と強い探究心を持っており、3m級の巨人の頭を蹴飛ばした時に見た目に反してサッカーボールほどの質量しかなかったことに疑問を抱き、それ以来巨人の存在の解明に生き甲斐を見出している。このため自分が担当する巨人の生体調査任務については並外れた意欲で臨み、しばしば常軌を逸することがある。
なお、作者は読者からのハンジの性別に関する質問に対し「そのキャラ(ハンジ)の性別は明言しない方がよさそうだ」と答えているが[4]、単行本5巻の嘘予告ではスカートになっている。
ミケ・ザカリアス
調査兵団分隊長。口と顎に髭を蓄えた男性兵士。身長196cm。体重102kg。寡黙で、初対面の人間の匂いを嗅いでは鼻で笑うといった変わった癖を持つ。その嗅覚は並外れて鋭く、巨人の存在も臭いで知ることができる。立体機動での斬撃の深さはリヴァイにも引けをとらない実力者。
ネス
調査兵団所属の兵士。バンダナと口ひげが特徴の男性。第57回壁外調査の次列四・伝達班(アルミンの所属班)班長。新兵に対する教育も担当し、奇行種の巨人を新兵のアルミンに会わせたくないと考え戦闘に臨む、部下思いの性格。立体機動装置の能力が発揮できない平地でも部下のシスと二人掛かりで巨人一体を倒せることができる実力を持つが、突如現れた女型の巨人に敗れ戦死。
シス
調査兵団所属兵士。ネスの部下。ネスと共に女型の巨人を討とうと試みるも返り討ちにあい戦死する。
イルゼ・ラングナー
第34回壁外調査に参加した調査兵団の兵士。『週刊少年マガジン』に掲載された特別編『イルゼの手帳』に登場。所属班が巨人に襲われ、馬や立体機動装置を失った状態で街への帰還を試みる。見聞したことを仔細にノートしており、その記録は調査兵団に貴重な情報をもたらした。

調査兵団特別作戦班

リヴァイ
調査兵団の兵士長。身長160cm。体重65kg。この世界の男性としては小柄だが、「人類最強の戦士」と呼ばれ、1人で一個旅団相当の戦力があると評されるエース。一瞬で巨人2体を倒したり、体の一部を硬化して白刃攻撃を防ぐ女型の巨人に対しても、硬化させるヒマを与えないスピードで切り刻む事が出来るほどの腕前で、その実力はミカサを上回る。兵団に入る前は王都の地下街で暴れる無法者であったという。
常に冷静かつ粗野で、無愛想な性格。そして口が非常に悪い。しかしその粗暴な口調に似合わず、取り決められた規律、序列には従順な一面がある。体に付着した巨人の返り血をたびたびハンカチで拭うほどの潔癖症だが、志半ばで死んでいく部下の最期を看取る際には、自分の手に部下の血がつくのをためらわず、その手を握って「必ず巨人を絶滅させる」と約束するなど、仲間思いな面を持つ。エレンの調査兵団配属においては自らが率いる特別作戦班(通称リヴァイ班)の所属とし、上官兼監視役を引き受ける。
週刊少年マガジンに掲載された特別編『リヴァイ兵士長』では、主人公的な位置づけにある。
エルド・ジン
特別作戦班所属の男性兵士。身長182cm。体重75kg。髪を後頭部で結び、顎鬚を生やしている。落ち着いた性格で兵歴は長く、リヴァイが班を離れる時には統率を任されるなど、副リーダー的存在。捕獲を逃れた女型の巨人の急襲からエレンを逃がすためにオルオ、ぺトラと連携して追い詰めるも裏をかかれ戦死。対巨人の戦績は、討伐14、討伐補佐32。
オルオ・ボザド
特別作戦班所属の男性兵士。身長173cm。体重61kg。エレンの配属と同時にリヴァイ班へ編入された。リヴァイに心酔しているフシがあり、容姿や言動を真似ているが、全く似ていないとペトラに酷評される。やや激昂しやすい性格で、状況対応においては前のめりな分柔軟さに不足する面もある。エレンには先輩風を吹かせて威張ろうとするが、ほとんど空回りし、また馬上で喋るたびに舌を噛んで悶絶する。しかしながら討伐39、討伐補佐9と、強者揃いのリヴァイ班の中でも群を抜いた戦績を持つ。捕獲を逃れて急襲を仕掛けた女型の巨人を攻撃するが、戦闘経験を上回る敵の能力に破れ戦死。
ペトラ・ラル
特別作戦班所属の女性兵士。身長158cm。体重55kg。オルオとは編入以前からの知り合いらしく、リヴァイを真似たがる似合わなさに辟易している。女性ながら同班の男性兵士と同等の戦闘能力を持ち、討伐10、討伐補佐48という戦績を持つが、能力を誇示せず信頼と組織力の重要さをよく自覚している謙虚な性格。エレンに対しては理解ある先輩として接し、エレンからの信頼も厚い。女型の巨人からエレンを逃がすためにエルド、オルオと連携して戦うがエルドと同じく裏をかかれ戦死。
グンタ・シュルツ
特別作戦班所属の男性兵士。坊主頭。身長183cm。体重82kg。エルヴィンやリヴァイを強く信頼しており、たとえ彼らの真意を計りかねたとしても、指示されたことに忠実に従うことを主張する。捕獲から逃れた女型の巨人の「本体」に不意をつかれてうなじを斬られ殺されてしまう。戦績は討伐7、討伐補佐40。

憲兵団

ナイル・ドーク
憲兵団師団長。巨人化能力を持つエレンを政治的見地から一般の人類として扱えぬ存在とする見解を示し、特別兵法会議ではエレンを生体解剖した後の処分を主張する。

関連人物

カルラ・イェーガー
エレンの母親。身長165cm。体重58kg。エレンが調査兵団に入隊することを希望していることを知り反対する。845年の巨人の侵攻により死亡。
ダリス・ザックレー
訓練兵団を除く3つの兵団を統括する総統。巨人化能力を持つエレンの意思を見極め、その処遇を決めるための特別兵法会議を3兵団幹部立会いのもとで開く。
ニック
壁を神授のものとして崇拝する宗教団体の司祭。憲兵団以上にエレンを危険視しており、全面的な存在否定を唱える。特別兵法会議ではエレンの即刻処分を主張し、教義に則った上で扉の全面封鎖を否定する。

舞台設定

単行本のカバー下の表紙にある古文書調のイラストや、産業革命前に似た世界観など、ダーク・ファンタジー的な要素が見られるが魔法などは存在せずある程度の科学技術が利用され、組織化された軍組織や世界観設定に合わせた装備や戦術など、詳細な軍事設定[5]が盛り込まれ、架空戦記のようなハードな展開がメインとなっている。また、単行本のおまけページで断片的に公開される設定以外には謎が多く、舞台が文明の破局を経た退行後の世界であるのか、完全な架空世界なのかなども明確にされていない。

本作品単行本の表紙カバーを外すと、巨人から逃げて海を越え、もう一つの土地の壁の中に移住する人々を描いた中世の古文書風の絵が見られる。絵に書き込まれた文字は一見解読不能であるが、逆さにすると、カタカナで記された日本語になっていることがわかる。これらは物語の核心に触れる内容であるが、多少の仄めかしはあるものの本編で言及されることはなく、裏設定なのか廃止された設定なのかは、第7巻の時点では不明。 以下に概要を示す。

  • 巨人の襲撃により、人類は海を越えた新大陸への移住を余儀なくされる。この際、人類はほとんどが死滅するが、実際には滅亡の直接の要因は巨人によるものではなく、人間同士によるものであった。また、航海の途中で人口はさらに半数が失われた。
  • 新大陸には「モトモト キョウダイナ カベガ ヨウイサレタ」(原文ママ)。さらに、新大陸を聖地として崇拝の対象とする。この壁の中こそが人類の理想郷であり、ここに永遠平和の世界を築くことを主張する。

用語

※本編のほか、別冊少年マガジン2011年8月号掲載の「特別企画『進撃の巨人』の世界!!」も参照とする。

巨人

記録では743年頃に出現し、人類の大半を食い尽くした謎の存在。小さい個体でも3メートル、大きい個体は15メートルほどの巨体を持ち、主に大きさによって「4メートル級」「7メートル級」などに分類される。大半は人間の男性のような体つきをしているが、まれに女性のような外見の個体も存在する。

骨格や筋肉、臓器なども人間と酷似しているが、生殖器は存在せず誕生起源や繁殖方法は不明。歯の外形は人間に似ているが数ははるかに多い。体温が極端に高く、周辺の空気が対流する様子も描かれている。個体差こそあるが、夜間、暗所では活動が低下する。

驚異的な生命力を持ち、頭部を吹き飛ばされるような身体損傷も1 - 2分程度で再生してしまう。痛覚は若干の個体差が認められるが、人間に比べごく少ない。一方で持久力には限界があり、運動で疲労した場合は動きが鈍る。後頭部より下のうなじにかけての縦1m幅10cm(巨人のサイズには関係なく共通)が唯一の弱点で、ここを攻撃方向に関係なく激しく損傷すると再生することなく即死する。そのため、兵士は二刀を用いてこの部分をV字型に削ぐ戦法をとっている。また、死んだ巨人の肉体は気化するように朽ちて消滅していく。

壁外地域の存在であるため、その生態には不明な点が多い。確認されている行動は南方から現れること、人間を喰らうこと、人間以外の生物には興味を示さないなどにとどまる。多くの個体には知性や感情と呼べるものが存在せず、衣服を身に着けたり、道具を使ったりするといったことはない。外見は個体によって差が著しく、肥満体、痩せ型、腕の細い者や長い者、腹が膨れている者、口髭のある者と多彩。複数で行動することが多いが、組織的な連携行動は通常においてはあまり見られない。

人間を食べることのみが行動原理ではあるが、100年以上人間のいない環境下で存在していること、捕食した人間達をほとんど未消化で吐き出すことから、食事を摂ること自体必要がなく、その目的は殺戮であると推測されている。なお人間の存在を何らかの方法で感知する術を持ち、より多くの人間が密集している領域に惹かれる性質がある。通常の巨人は、視界内に人間がいれば、その人間を捕食しようとする。

理由は不明だが肉体を構成する物質の密度が低く、見た目に比して体重は極めて軽い。そのためかサイズの差によらず概して巨体の割に動きは俊敏であり、立体機動による高速移動中の人間であっても比較的容易に捕獲する。

奇行種
通常の巨人には見られない、特異な行動を取る巨人。劇中では目の前の障害物にかかわらず直進し続ける巨人や、視界内に人間がいても無視し、より遠くの場所にいる多くの人間を優先して襲おうとする巨人などが登場している。
ソニーとビーン
トロスト区奪還戦で調査兵団が捕獲した2体の巨人。名付け親はハンジで、4メートル級がソニー、7メートル級がビーン。巨人の身体構造や個体差の解明のため、厳重な拘束のもとでハンジが研究する被験体として扱われるが、何者かの奇襲により殺害される。
超大型巨人
身長60メートル超という規格外の巨体を持つ巨人。845年に初めて出現し、壁を破壊して巨人を市街地へ侵攻させた存在。結果、人類は「ウォール・マリア」部分の放棄を余儀なくされた。その身体は常時蒸気を発しており、皮膚はほとんど存在せず、筋肉が剥き出しになったかのような外見をしている。
他の巨人と異なり、人間を食うことには頓着せず、壁の開閉扉を狙って蹴破ったり、固定砲を破壊したりするといった行動を取るなど、知性が垣間見える。前触れもなく突如出現し、壁と武装を破壊して他の巨人を侵攻させると忽然と姿を消してしまう。
鎧の巨人
体格的には既存規格の範囲内で、エレンにも他の巨人と大差ないと評されているが、他の巨人であれば肉体を損傷させる通常攻撃を寄せ付けない、並外れて屈強な身体を持つことから特別にこの名前で呼ばれている。体当たりで扉を壊す力を持ち、超大型巨人と同様に人間を食うことに執着せず、その力でウォール・マリアを最初に突破した。超大型巨人と鎧の巨人は、エレン巨人体と何らかの共通点を持つ存在ではないかと推測されている。
イルゼが遭遇した巨人
森に逃げ込んだイルゼが遭遇した巨人。接触してもイルゼを襲わず、「ユミルのたみ」「ユミルさま」といった言葉を発し、ひれ伏して恭順の姿勢を示す。イルゼの問いにはすべて沈黙で答えたが、自らの存在を罵倒されたところ突如興奮し、自傷行為におよんだ挙句イルゼを捕食した。この記録はイルゼのノートに詳細に記されている。
女型の巨人
第57回壁外調査時に出現した女性型の巨人。体格は推定14メートル級。超大型巨人や鎧の巨人と同じく知性を持ち、異常な足の速さと機敏な動作で調査兵団の迎撃を次々と破る。また、一時的に皮膚の一部を鎧の巨人のように硬化させて身を守ったり、肉体の再生能力を特定の部位に集中させて再生速度を早めることができ、これらの特殊能力を駆使してリヴァイ班の連携攻撃を打ち破った。自身の通過した後に巨人の大群を伴い、過去においても超大型巨人が破壊した壁の穴に巨人を誘導したと見られている。人間を「食うために結果として殺す」のではなく、「食わないのに殺し、時には殺せる者を殺さない」ことからアルミンは「エレンと同じ巨人の体を纏った人間」と推測した。
エレンを捕獲する目的で壁外調査に出た調査兵団を襲撃する。その襲撃を予期していたエルヴィンによる、多くの兵士を捨て石にした計略により生け捕り寸前となるも、多数の巨人を呼び寄せて自らの肉体を食わせる計略で拘束を解き、大量の巨人から発生した水蒸気に紛れて脱出。その本体とみられる人物は調査兵団と同じ装備を着用しており、奇襲によってグンタを殺害。再度巨人としての姿を現しエレン巨人体と交戦した。巨人同士の戦いでも極めて高い格闘能力を示し、対決に勝利してエレンを奪取したが、直後にリヴァイとミカサによってエレンを取り戻される。その際は涙を流していた。その後アルミンの推測により、意外な正体が明らかになる。

人類

年号は作品世界独自のもので、エレンやミカサが訓練兵団を卒業した年が850年となっている。作品世界における人類は巨人の脅威から逃れるため、住宅地や農地など、生活区域全てを高く強固な壁で囲んだ巨大な城郭都市の中に居住している。生活様式は、電気技術が存在しないなど産業革命以前のヨーロッパに近いが、メートル法などの度量衡が整備され、圧力器機や刀剣類の製造に関しては産業革命時よりも進歩している。人種はアングロサクソン系とおぼしき名前が多いが、ミカサの母の様な東洋人も僅かに存在している。

統治は王政となっており、政策的には保守寄り。壁外地域に対しては調査兵団が担うのみで、消極的な傾向にある。壁外地域における情報発信には、ある適度の規制もあるため世論も壁外地域への関心が薄く、全体的に内向きな傾向にあるが、ウォール・マリア陥落による領土喪失で難民が急増し、急進的に軍拡が求められている。

人類の生息する全域を取り囲み、巨人の侵攻を防ぐ巨大な壁。高さ50メートル・厚さ10メートルほど。普段から補強作業が続けられることで、より強固なものとなっている。
王城と首都がある最も内側の壁「ウォール・シーナ」を中心に全体で3層の構造となっており、845年の巨人侵攻により一番外側の「ウォール・マリア」が放棄され、現在人類の活動領域は2番目の壁である「ウォール・ローゼ」まで後退している。
壁の扉部分にある町は他の場所より突出しており、ちょうどそこだけ壁が2重に存在するような形となっている。これは巨人が人間が密集している場所に惹かれて来る習性があることから、それを利用して巨人をおびき寄せて的を絞り、壁を警備するコストを抑えることが目的。この地区は駐屯兵団によって経済的に潤うものの、それ以上に巨人に襲撃されるリスクが高まる。これに対し王政府は、先端の地区の住人を「最も勇敢な者」であるというプロパガンダを打ち祭り上げることで住人の定着を促している。
壁の中にある人類の活動領域は、鉱物天然ガスなどの資源に恵まれている。また、領域の中心ほど標高が高くなっており、領土内の水源も有する。上流には工場都市の動力源となる巨大な滝があり、そこから外に向って河川が流れている。領土には海岸地域は存在せず、海洋があるかも不明。
壁の扉部分は他の壁の部分に比べ強度が劣るため、巨人に突破されたのはいずれもこの箇所である。そのため保守派によって埋められる計画があった。しかし、「壁外への扉を放棄することは人類の復権への意思を放棄することである」と主張する革新派によって計画が阻まれていた。
商会
商業活動を行う民間組織で、酒保商人としての活動もしている。政治や経済にも少なからぬ影響を持つほか、将来の領土回復を期待して軍事面でも関係を深めつつある。また、独自に回紙を印刷して情報発信活動を行っている商会もある。
宗教団体
壁内地域で布教活動を行っている宗教組織[6]。団体の名称は不明。人類の生存を守る壁を崇めて神格化する教義を持ち、神職者及び信者は3層の壁の紋章が付いたネックレスを首にかけている。
巨人の脅威に対しては徹底して内向きかつ教条的な保守思想を標榜し、壁の不可侵保存を主張。たとえ防衛のためであっても壁に工事を施すことさえ一切認めない方針をとっている。ウォール・マリア陥落の頃から急速に信者を増やしつつあるが、一般民衆の間ではその主張に極端さを感じて距離を置く向きもある。

兵団

城郭都市の内外の治安と軍事を担う組織。志願者は訓練兵団で各種訓練を受け、卒業後に希望する兵団を選択して配属される。兵団によって規模が大きく異なる。制服のジャケットの左胸と背中、袖には4分割フィールドを共通にした各兵団の紋章がつく。敬礼は右手で拳をつくり、子指側を左胸に当てる。これは「公(おおやけ)に心臓を捧げる」という意味合いが込められている。階級の設定は、団長や分隊長など大まかな区分け以外は不明。

憲兵
城壁内での警察業務と、王の近衛兵を担う組織[7]。駐屯兵団よりも上位の権限を持ち、安全な内地での職務であるため、希望者が後を絶たない。原則として訓練兵団卒業後すぐに志願できるのは上位10名のみである。他兵団からの転属があるのかは不明。総兵員数は約2千人で、直属の駐屯兵団を含めると約5千人という旅団並の兵員を有する。
名の通り、憲兵業務(内部秩序の維持と統制)を任務とするため、巨人との戦闘には直接加わらない。また政治方面にも影響力を持ち、治安組織としての側面もある一方で腐敗や怠慢、職権濫用も横行しているため、民衆からの反感もある。
紋章は盾にユニコーン
駐屯兵団
壁の守備と強化、および壁内地域の防衛を担う。巨人が出現する以前は、壁の修理が主な仕事だった。総兵員は約3万人という軍団並の兵員を有し、全兵団の中では主力を占める。
紋章は盾に二つ薔薇。
調査兵団
唯一壁外に遠征する兵団。名の通り外界の調査を主な任務とし、王政府の拡大政策を担う兵科でもあるが、巨人との戦闘機会が最も多いゆえに戦死率は必然的に高く、成果も乏しかったため、かつては税金の無駄と軽視されていた。
ウォール・マリア陥落以降は巨人を恐れない壁外での活動が認められるようになったが、850年のトロスト区奪還戦までの時点で総兵員数の約9割が戦死しており、騎馬兵約300名という大隊クラスにまで縮小している。このため将来の領土奪還作戦のための布石として、壁外地域での補給拠点確保と行軍ルート開拓が主な任務となっている。
遠征以外にも、巨人の捕獲及び生態調査も担当するなど、未知の領域に臨む任務が多いためか所属兵員の錬度は高く、型破りで変革の気性に富んだ個性的な面々が多い。
紋章は盾に重ね翼(自由の翼を意味する)。
特別作戦班
リヴァイが班長を務める隊で、エレンの巨人化能力の解析と評価試験の任を託されて編成された特殊部隊。エレン配属を機に、調査兵団がかつて本部としていた古城を専用施設兼兵舎として与えられている。
訓練兵団
現代の軍におけるブートキャンプや教育部隊に相当する兵団。士官学校が存在するのかは不明。正式配属前の訓練生が所属し、各種訓練を受ける。巨人の壁内侵入に際しては、他兵団と連携して軍事行動を取る場合もある。
12歳以降の男女が入団対象。建前上は志願制だが、ウォール・マリア陥落以降は軍拡を求める世論に押され、12歳を迎えても志願しない者は蔑まれる風潮が強まったため志願者が増加し、3層の各壁内地域の東西南北方面に駐屯する編成が8つに増やされた。各方面の駐屯地では約300人の訓練兵を擁している。なお、エレンたち104期生が所属していたのはウォール・ローゼ南方面駐屯の隊である。
紋章は盾に違い剣。
志願しなかったり訓練に合格できなかった者は、食糧確保のため農作業に従事するという。

戦術・装備

兵器および装備品は、主にウォール・シーナ内部の工場都市で生産されている。

自動車や航空機などの機械化戦力は存在しないため、歩兵騎馬兵による白兵戦を主体とする。またライフル等の小火器類から、大砲などの重火器類の他、巨人捕獲用の機械なども配備されているが、全般的に巨人との直接戦闘には効果が薄く、限定的な運用に留まっている。また無線通信の類も無いので、情報伝達は主に前線からの早馬(伝令兵)や、信号弾などで行っている。

立体機動装置
対巨人戦のために必要不可欠な装置一式。憲兵団以外の兵士達が装備している。
装置の構成は、腰の後に装着する筒状の本体とアンカーが先端に付いた二つの鋼線射出機が腰ベルトに付けられ、操作装置を兼用するの柄部分二つがワイヤで繋がっている。腰の両横には予備の刀身を収納するケース、その上にカートリッジ式のボンベが取り付けられている。これらに加えて全身に張り巡らすベルトを身につける。
柄にあるトリガーを操作すると、筒に内蔵された羽根車にガスが当たり、ワイヤの射出や巻き取りが行える。ガスは後衛の補給部隊が大型のボンベに貯蔵し、随時携帯用のボンベに注入する。
基本的な利用法は、アンカーを建物などに突き刺してからワイヤを巻き取ることで、自力では登れない高所へ素早く移動し、実質的に高低差を無視して展開できる。また2つのアンカーを交互に使うことで、移動速度が大きく向上する。
欠点としては、ガスの補給拠点を喪失したままガス切れを起こすと、兵員の展開にも制限が生じる。他にも本体部分は衝撃などで故障しやすく、修理できない場合は装置を捨てなければならない。
装置の技術はブラックボックスとなっており、訓練兵団では野戦修理の方法を学ぶが、詳細は技術部門のみが独占している。
単行本第1巻の設定紹介ページによると、作者の「理系の友人」が設定に協力しているという。
立体機動装置の操作装置を兼用する二本の剣。柄頭から伸びた線がベルトの腰部分にある部品に繋がっており、柄の握り部分にある二つのトリガーでガスを調整する。
刀身部分は付け替え式となっており、切れなくなると予備の刃と交換する。刀身の長さは人間との比較で1m前後、切っ先は平ら。巨人の硬い肉を切るため、しなるようにできており、折る刃式カッターナイフの刃を延長したような外見と構造をしている。
刃の材質は超硬質スチール製で、その精錬は高炉を備えた工場都市でしかできない。また鍛造には複数のレアメタルが必要であり、その配分比率はトップシークレットとなっている。
訓練装置
立体機動装置を使う前に、バランス感覚を覚えるための訓練を行う装置。腰の両側をワイヤで釣ったまま直立姿勢を保てるようになるまで練習する。
ほとんどの訓練生はクリアできるが、一部の部品が故障するとバランスを取るのが急に難しくなる。
立体機動
立体機動装置を駆使した対巨人戦法で、現段階で最も効果的な対抗手段である。「立体機動戦」とも称される。
基本的には立体機動装置で高所まで移動し、そこから巨人の急所をすれ違う瞬間に急所をV字型に削ぐ一撃離脱戦法である。この際、ベルトへかける体重のバランスを変えたり、伸ばしたワイヤを建物などに当てて方向を急激に変えることで、高速かつ三次元的な軌道を実現し、巨人に捕獲されることを防いでいる。
弱点としては、開けた平地ではアンカーを撃つ場所が巨人以外になく、移動方向が単調になり捕獲されやすい。またアンカーを発射してからワイヤを巻き取る作業が必要なため、移動できる高所があっても巨人に接近された場合は逃げられないことがある。このため市街地では巨人から離れていても、常に屋根の上を移動するなど、高所を確保することに重点が置かれている。
立体機動には細かな体重移動の技術や、耐G能力が必要となるため、成功率は個人の技量や熟練度に依存しており、ミカサやリヴァイの様に一人で複数体を仕留める者と、数名が組になってやっと一体を倒せる一般兵で個人差が大きい。また熟練者でも装置の故障などで捕獲された場合、ほぼ死が確定するという特攻に近い戦法でもある。
壁上固定砲
城壁の上部に設置された単発式の滑腔砲、外観は第一次大戦時に利用されていたカノン砲に近く、砲身は人間との比較では2m前後。「固定砲」という名称だが、台座ごと城壁の上に設置されたレールで移動できるようになっている。また城壁に密着した巨人を狙えるように、砲口が直下まで向けられる様になっている。
榴弾ぶどう弾など複数種の砲弾が存在するが、発射前に固定作業が必要であるため速射性に劣り、高速で移動する巨人への命中率は低い。また命中しても体の一部を吹き飛ばすだけで足止めにしかならないが、壁に群がった巨人に対しては、うなじを直接狙えるため威力を発揮する。
小火器
携帯可能な銃器も存在するが、巨人を仕留めるどころか有効打撃にもならないため、後衛部隊の倉庫に保管されており、巨人と戦う際には携行してない。口径などは不明だが、拳銃は至近距離なら人間の頭を貫通する威力があり、ライフルは巨人の目つぶしに利用された。
Mobage版では、アイテムとしてラッパ銃やマッチロック式フリントロック式マスケット銃が設定されている。
対特定目標拘束兵器
新開発された巨人用の拘束用兵器。外見は普通の荷馬車と同じように擬装されている。樽の中に七本の筒があり、両端に金属製の鏃を装着した大型のワイヤが収納されている。
爆発によって発射されると片方は巨人に、片方は背後の物体(初登場時は木)に打ち込まれ、ワイヤーの張力によって巨人の自由を奪う。開発にあたり出資者から多額の援助が必要であった。ほかに関節に撃ち込んで運動を封じるための拘束用ニードル射出器も存在する。
長距離索敵陣形
エルヴィンが考案した調査兵団が行軍する際の陣形と戦術。これにより生存率を大幅に上げることに成功したという。
基本的には五つの層からなる菱形に展開し、巨人が追いつけない速度で行軍、巨人を発見した者が信号弾を撃ち、先頭付近にいる団長が全体の進路変更を信号弾で知らせることで、巨人と直接戦闘を極力回避する。
信号弾は、巨人を見つけた場合は赤色を上げ、全体が進む方向に緑色を上げる。奇行種を発見したり緊急の場合は黒色を上げる。
巨人と戦わずに回避を優先する陣形ではあるが、地形や建造物などによる視界の制限や足の速い巨人に対しては、陣の内部に侵入を許してしまうことがある。
設定協力者への謝辞がページ下部に記載されている。
調査兵団の馬
通常の巨人を振り切れる速度で、長時間走れるように品種改良された馬。体高160cm、重量450 - 500kgほど。最高で時速75 - 80km、巡航時で35km、馬車を引かせた場合でも20km程度の速度が出せる。優秀だが価格は平均的な庶民の収入の一年分という非常に高価な馬である。

その他

酵母
補給拠点に置く食料の腐敗を遅らせるために使う。外見は人頭大ほどの大きさの発酵させた大豆の塊。ウォール・シーナ内でのみ生産される。詳細な原理は不明。
巨大樹の森
樹高80mにもおよぶ巨木の森。壁の内外を問わず各所に点在している。なぜこの規模にまで発育したのか理由は明らかではない。かつては観光地として整備されていたが、ウォール・マリア陥落以降は荒れるままになっており、かろうじて道が残っている程度。
立体機動の真価を発揮できるため、調査兵団にとっては巨人に対抗するための重要な拠点である。

他誌への出張掲載

出張読み切りとして『週刊少年マガジン』2010年10号[8]及び2011年2,3合併号[9]に特別編が掲載されたが、この取り組みが単行本発行部数が上昇した要因の1つとなった[10](詳細は別冊少年マガジン#特徴を参照)。この特別編は単行本の第3巻に収録されている。

派生作品

ライトノベル

講談社ラノベ文庫より『進撃の巨人 Before the fall』のタイトルでノベル化された。著者は涼風涼、イラストはTHORES柴本。 内容は原作漫画の前日譚となっている。

ストーリー

「それ」はどこから現れて何のために存在するかわからない。ただいたずらに捕食される人類は、壁の内側に生存するしかできなかった。工房で働く主人公アンヘルは、「ウォール・マリア」に設置されている、対「巨人」用の大砲の製作者ではあったが、いまひとつその本当の恐ろしさを理解できずにいた。しかしさまざまな事件、出来事によって、「巨人」の本当の恐ろしさを知ったアンヘルは親友のソルム、マリア、壁外を調査する調査兵団を「巨人」から守るための兵器を開発する決意をするのであった。

登場人物

アンヘル・アールトネン
ウォール・マリア、シガンシナ区のある工房で働く職人。18歳。細面の顔立ちに薄い青い瞳に黄金色の髪をしている。職人としては非常に優秀で、15歳のときに工房の門をたたいたときから頭角を現し、「発明王」という肩書きも付くほど。若手にもかかわらず個人の研究室を持ち、助手もつける事を許されている。そして職人の性なのか興味のある物の好奇心、開発意欲はとても強い。性格は少し無鉄砲な部分があるが、目的がたびたび打ち砕かれようと、あきらめずに進む強靭な精神力を持っている。
ソルム・ヒューメ
アンヘルの幼馴染で、調査兵団の期待の新人。精悍な顔立ちの好男子。幼い時から壁外の世界に興味を持ち、その手段として調査兵団に所属することを決意した。(マリアにはずいぶんと反対された。)体格はたくましく、腕っ節も強いため、幼馴染3人のなかでは兄のような存在だった。
マリア・カールステッド
ウォール・マリアの修繕、補強に当たる駐屯兵団所属の女性兵士。アンヘルの幼馴染であり、ソルムの婚約者。自らの仕事に誇りを持ち、職務に当たる高潔な女性。アンヘルに比べると、冷静で常識人のため、無茶で無鉄砲な彼の行動を叱責しあきれることもある。しかし彼の気持ちはよく理解しており、あきれながらも無理な頼みにも応じたり、ここぞというときにアンヘルの危機を救っている。幼馴染3人の中では姉のような存在。

スピンオフ漫画

別冊少年マガジン2012年5月号より『進撃!巨人中学校』のタイトルで連載されている。原作:諫山創、漫画:中川沙樹

Mobage(モバゲー)

2012年4月よりコナミデジタルエンタテインメントの提供でゲーム化されている。ストーリーは漫画の内容をそのままに再現したモバイル向けのソーシャルカードゲーム。

脚注

  1. ^ 映画『進撃の巨人』公式サイトより。
  2. ^ 『別冊少年マガジン』2010年12月号インタビューより[1]
  3. ^ 作者ブログ(2010年10月14日分)より。
  4. ^ 作者ブログ(2011年3月30日分)より。
  5. ^ 複数の人物が設定に協力しており、その都度謝辞が書かれている。
  6. ^ 特別兵法会議でニックを見たエレンは「宗教ってやつか」と思っていることから、現代でいう宗教と同じかは不明
  7. ^ 現実の憲兵隊も、フランス国家憲兵隊カラビニエリなど、警察業務と要人警護を兼務させる国が多い。
  8. ^ マガメガ | 週刊少年マガジン2010年10号
  9. ^ マガメガ | 週刊少年マガジン2011年2,3合併号
  10. ^ 進撃の巨人 :「このマンガがすごい」効果でコミックス3巻がシリーズ初の首位”. MANTANWEB(まんたんウェブ) - 毎日新聞デジタル. 毎日新聞社 (2010年12月16日). 2011年9月7日閲覧。

書誌情報

諌山創 『進撃の巨人』 講談社講談社コミックス

正式な次巻予告の前に、ギャグ要素を含んだ偽の次巻予告が存在する。

関連項目

外部リンク