北翔海莉

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ほくしょう かいり
北翔 海莉
生年月日 3月19日
出生地 日本の旗 日本 千葉県松戸市
身長 169.7cm
血液型 B型
職業 舞台俳優
ジャンル 舞台宝塚歌劇
活動期間 1998年 -
活動内容 1998年宝塚歌劇団入団、月組配属
2006年宙組に異動
2012年専科に異動
2015年星組トップスター就任
公式サイト 北翔海莉・公式プロフィール
主な作品
THE MERRY WIDOW
ガイズ&ドールズ
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北翔 海莉(ほくしょう かいり、3月19日 - )は、宝塚歌劇団星組男役トップスター。

千葉県松戸市出身[1]松戸市立第二中学校卒業。身長169cm、血液型B型芸名には「地球の軸となる北(=頂点)へ向け、海に羽ばたく」という意味が込められている。 愛称は「みっちゃん」。

人物

伸びやかな歌唱力を筆頭に、ダンス・芝居三拍子揃った宝塚歌劇団きっての実力派スターとして知られる。[2]

入学当初の全体成績は最下位であった。卒業時には39人中10番[3]まで上昇した。(歌唱力試験は38番) 研究科7年時(宝塚用語で宝塚入団7年目のこと・通称「研7」)の最終成績は5番となる。

宝塚歌劇団入団後、趣味でフラメンコ・社交ダンス・ドラム・竜笛・フェンシング・アルトサックス等を習い、舞台やディナーショーでも活躍の場を広げている。

東日本大震災の後には、指揮者の大植英次主催・「阪急クラシック」チャリティコンサートに宝塚歌劇団代表ゲストとして出演、 母の実家があり、自身の故郷の一つである八戸市に匿名で寄付する[4]など、復興支援活動に協力した。

普通自動車免許の取得後、趣味となったドライブ好きが高じて中型自動車大型特殊自動車大型自動車牽(けん)引の運転免許を取得し、機関誌でもエピソードが紹介されている。

父と兄[5][6]が海上自衛官である。芸名の決定に際しては、海上自衛新聞にて公募を行い100通以上の応募があった[6]。こうした縁から、下級生時代に自衛官募集のイメージキャラクターを務めた他、2010年に発売された写真集『TAKARAZUKA Personal book vol.1 北翔海莉』では阪神基地でロケを行っている。

略歴

生い立ち

父は海上自衛官(2015年時点で退官、最終階級は1等海佐[7])で、青森岐阜神奈川とそれぞれ移り住む。こうした影響から、子供の頃は海上自衛隊のカラーガード[8]やパイロット[9]に憧れていた。千葉での中学校時代は吹奏楽部に所属しトロンボーンに熱中していた。

宝塚音楽学校への入学は、中学校の担任教師に背が高いことから受験を勧められ、社会科見学のつもりで受験したところ、一次試験に合格したためあわてて初めて観劇する。二次試験も最下位で合格。 不合格だと思い込んでいた為、合格発表当日は千葉県内の高校の入学式に出席しており、偶然出張で関西に出向いていた父が合格を確認し、慌てて入学手続きや電話で制服の採寸をした[6]

1996年宝塚音楽学校入学。在学時は入学する前からバレエや歌などを習っていた同期の生徒に離されないため、人の三倍練習していたという。

入団~月組時代

1998年84期生として宝塚歌劇団に入団。宙組公演『シトラスの風』で初舞台。同期には音月桂(元雪組トップスター)、白羽ゆり(元雪組トップ娘役)、遠野あすか(元星組トップ娘役)、千琴ひめか(現・はいだしょうこ)らがいる。入団時の成績は39人中10番[3]と大幅に上昇し、北翔自身にとっても大きな自信に繋がったという[6]

同年、組回りで雪組『浅茅が宿』に出演。同新人公演ではソロ歌唱場面を与えられる大抜擢を受けた[9]

1999年1月15日[3]月組に配属。同年5月の『螺旋のオルフェ』ではトップスター真琴つばさ演ずるイブ役の影[10]、『ノバ・ボサ・ノバ』では出世役のドアボーイに加え、早くもソロ場面が与えられた。なお、ドアボーイ役は自身の原点として[9]宝塚おとめの好きな役に記載している。またベルリン公演メンバーに参加するなど、早くから注目されていた。新人公演でも若手スターの役を演じていたが、一度だけ『ゼンダ城の虜』新人公演ではベテラン脇役の嘉月絵理の役がついた。当時は芝居に苦手意識があり、今は嘉月に学ぶべきと謙虚に受け止めた[9]

2001年、『大海賊』新人公演での悪役エドガー役で芝居を好きになり[9]、これを皮切りに新人公演で2番手・トップの役を演じる。

2003年、『シニョール・ドンファン』新人公演で初主演。東京公演では休演した霧矢大夢の代役を務めた。この時期、紫吹淳と霧矢のアドバイスで、リュックサックによる移動を改め、男役スターとしての自覚を持つ[9]。また、同年『薔薇の封印』でスターらしからぬ汚れ役・浮浪者でのインパクトある好演により、2004年度・年度賞新人賞[11]を受賞。

2004年、最後の新人公演となった『飛鳥夕映え』を機に日本舞踊を一からやり直し[9]、以後、日本物に熱心に取り組むようになる。2005年に『宝塚舞踊会』に出演を果たし常磐津「独楽」(花柳流)を舞う。2006年には「橋弁慶」より牛若丸に扮した。また同年には平家物語の挿話を基にした『想夫恋』でバウ主演公演を務めた。その後も舞踊会には、2009年まで連続して出演している。

宙組時代

2006年宙組へ組替え。翌2007年大和悠河のトップ就任後は3番手スターとなる。バウホール公演での主演作「THE SECOND LIFE」では弾き語りも披露した。同年、加美乃素本舗のイメージキャラクターに選ばれる。

2008年、『雨に唄えば』で悪声の持ち主リナ・ラモントを演じる。初の女役ではあったが、自身の当たり役となった。

2009年には自身初のディナーショーを開催。サックス演奏やジャズ、シャンソン、コメディやフラメンコなど多彩な芸を披露した。

2010年、宝塚歌劇団・年度賞で努力賞を受賞した。

大空祐飛が宙組トップスターに就任してからは、『カサブランカ』のルノー大尉や『TRAFALGAR』のウィリアム・ハミルトン卿といった老け役、『銀ちゃんの恋』の平岡安治(ヤス)等、ストーリーに直接関わる脇役を演じた。

専科時代

2012年7月2日付けで専科異動。専科はベテラン脇役の所属が多く、北翔自身は異動の意味を理解した上で劇団への恩返しのため、更なる修練に励んだ[6]

専科異動後初の大劇場公演では雪組JIN-仁-』に出演し、当時、男役トップスターの音月桂や副組長の麻樹ゆめみ、3番手スター未涼亜希との同期共演となった。音月の退団公演であり、サヨナラショーでは音月・未涼とともに初舞台公演の主題歌を歌った。

2013年、『THE MERRY WIDOW』では、原作のオペレッタの曲をそのままに披露した。

2014年、宝塚歌劇団100周年記念公演 星組眠らない男・ナポレオン -愛と栄光の涯に-』に特別出演。宙組発足後、スター格での全組出演制覇を遂げた生徒としては轟悠水夏希に続いて史上3人目となった。

星組トップスター時代

2015年5月11日付で、星組へ組替えし、星組トップスターに就任。相手役には妃海風を迎えた。


主な出演

舞台

宝塚歌劇団・月組時代

  • 1999年5 - 9月、『螺旋のオルフェノバ・ボサ・ノバ』イヴの影/ドアボーイ、新人公演:ボールソ(本役:大空祐飛
  • 2000年2 - 4月、宝塚大劇場『LUNA-月の伝言-BLUE MOON BLUE』新人公演:ビル(本役:霧矢大夢
  • 2000年6 - 7月、ドイツ・ベルリン公演『宝塚雪・月・花/サンライズ・タカラヅカ』
  • 2000年8月、博多座『LUNA-月の伝言-/BLUE MOON BLUE』ビル
  • 2000年9 - 11月、宝塚大劇場『ゼンダ城の虜ジャズマニア』新人公演:パーシー(本役:嘉月絵理
  • 2001年1 - 2月、東京宝塚劇場『いますみれ花咲く/愛のソナタ』新人公演:ニクラウス(本役:汐風幸
  • 2001年5 - 7月、宝塚大劇場『愛のソナタ/ESP!』新人公演:ニクラウス
  • 2001年8 - 9月、東京宝塚劇場『大海賊/ジャズマニア』新人公演:エドガー(本役:湖月わたる
  • 2001年10 - 11月、全国ツアー『大海賊/ジャズマニア』聞き耳
  • 2002年1 - 5月、『ガイズ&ドールズ』ラスティ、新人公演:ネイサン・デトロイト(本役:大和悠河
  • 2002年6 - 7月、全国ツアー『サラン・愛』趙翼元
  • 2002年9 - 12月、『長い春の果てに/With a Song in My Heart』ヴァール、新人公演:クロード(本役:湖月わたる
  • 2003年1 - 2月、バウ・ワークショップ『恋天狗』弥太 *バウ初主演
  • 2003年4 - 8月、『花の宝塚風土記/シニョール ドン・ファン』ボーイ1、新人公演:レオ・ヴィスコンティ(本役:紫吹淳) *新人公演初主演
東京公演での霧矢大夢休演時の代役:ジョゼッペ

宝塚歌劇団・宙組時代

  • 2006年9月、貴城けいコンサート『I have a dream』(シアタードラマシティ他)
  • 2006年11月 - 2007年2月、『維新回天・竜馬伝!/ザ・クラシック』桂小五郎(木戸孝允
  • 2007年3 - 4月、シアタードラマシティ・日本青年館・中日劇場『A/L -怪盗ルパンの青春-』シャーロック・ホームズ
  • 2007年6 - 9月、『バレンシアの熱い花/宙 FANTASISTA!』ラモン/ロドリーゴ(蘭寿とむと役替わり)
  • 2007年11月、宝塚バウホール『THE SECOND LIFE』ジェイク・アイアン *バウ主演 [4]
  • 2008年2 - 5月、『黎明の風/Passion 愛の旅』ブレストン大佐
  • 2008年7月、梅田芸術劇場メインホール『雨に唄えば』リナ・ラモント
  • 2008年9 - 12月、『Paradise Prince/ダンシング・フォー・ユー』ラルフ・ブラウン
  • 2009年2月、中日劇場『外伝ベルサイユのばら -アンドレ編-』アラン
  • 2009年4月 - 7月、『薔薇に降る雨/Amour それは…』フランシス
  • 2009年8月、博多座『大江山花伝/Apasionado!!Ⅱ』渡辺綱
  • 2009年9月、北翔海莉ディナーショー 『ALL OF ME』(宝塚ホテル・東京會舘)
  • 2009年11月 - 2010年2月、『カサブランカ』ルノー大尉(原作映画では署長)
  • 2010年3月 - 4月、シアタードラマシティ・日本青年館 『シャングリラー水之城ー』海
  • 2010年6月 - 8月、『TRAFALGAR/ファンキー・サンシャイン』ウィリアム・ハミルトン
  • 2010年9月、全国ツアー『銀ちゃんの恋』平岡安次(ヤス)
  • 2010年11月 - 2011年1月、『誰がために鐘は鳴る』アンドレス
  • 2011年3月、日本青年館・バウホール『記者と皇帝』アーサー・キング *バウ主演 [5]
  • 2011年5 - 8月、『美しき生涯/ルナロッサ』福島正則
  • 2011年10 - 12月、『クラシコ・イタリアーノ/NICE GUY!!』マリオ・ブラージ 
  • 2012年2月、中日劇場『仮面のロマネスク/Apasionado!!Ⅱ』フレデリーク・ダンスニー
  • 2012年4月 - 7月、『華やかなりし日々/クライマックス』ニック・ウェルズ

宝塚歌劇団・専科時代

  • 2012年7月、パレスホテル東京・宝塚ホテル『宝塚巴里祭2012』 *主演
  • 2012年10月 - 12月、『JIN-仁-/GOLD SPARK!-この一瞬を永遠に-』(雪組)勝海舟
  • 2013年2月 - 5月、『オーシャンズ11』(花組)ラスティー・ライアン
  • 2013年7月 - 10月、『ルパン -ARSÈNE LUPIN-/Fantastic Energy!』(月組)モーリス・ルブラン 
  • 2013年11月 - 12月、シアタードラマシティ・日本青年館『THE MERRY WIDOW』(月組)ダニロ・ダニロヴィッチ伯爵 *主演
  • 2014年1月 - 3月、『眠らない男・ナポレオン -愛と栄光の涯に-』(星組)タレーラン
  • 2014年5月、北翔海莉ディナーショー『Music パレット』(第一ホテル東京・宝塚ホテル) 
  • 2014年8月 - 11月、『エリザベート』(花組)フランツ・ヨーゼフ
  • 2015年1月、シアタードラマシティ・日本青年館『風の次郎吉-大江戸夜飛翔-』(花組)次郎吉 *主演 
  • 2015年3月 - 4月、ビルボードライブ『MUSIC PALETTE』(ビルボードライブ東京・ビルボードライブ大阪)

宝塚歌劇団・星組トップ時代

  • 2015年6月 - 7月、全国ツアー(プレお披露目公演)『大海賊/Amour それは…』エミリオ
  • 2015年8月 - 11月、お披露目公演『ガイズ&ドールズ』スカイ・マスターソン
  • 2016年1月、東京国際フォーラム・梅田芸術劇場『LOVE & DREAM』でディズニー音楽メドレー
  • 2016年3月 - 6月、『こうもり/ THE ENTERTAINER!』ファルケ博士 *予定
  • 2016年7月、『One Voice』 *予定
  • 2016年8月 - 11月、『桜華に舞え/ロマンス!!(Romance) 』 *予定

テレビ

  • ディズニーソングス by タカラヅカ(2016年1月、Dlife[12]

新人公演主演、バウ主演作など

  • 2003年1 - 2月、バウホール公演(ワークショップ)『恋天狗』弥太
  • 2003年4 - 8月、『シニョール ドン・ファン』レオ・ヴィスコンティ(本役・紫吹淳) *新人公演初主演
  • 2003年11月 - 04年3月、『薔薇の封印』フランシス(本役・紫吹淳)
  • 2004年6 - 10月、『飛鳥夕映え』蘇我鞍作(本役・彩輝直)
  • 2005年7 - 8月、バウホール公演『BourbonStreet Blues』ジェフ
  • 2006年2月、バウホール公演『想夫恋』藤原知家
  • 2007年11月、宝塚バウホール公演『THE SECOND LIFE』ジェイク・アイアン [6]
  • 2009年9月、北翔海莉ディナーショー『ALL OF ME』
  • 2011年3月、東京特別・宝塚バウホール公演『記者と皇帝』アーサー・キング [7][8]
  • 2012年7月、『宝塚巴里祭2012』
  • 2013年11月、シアタードラマシティ・東京特別公演『THE MERRY WIDOW』ダニロ・ダニロヴィッチ伯爵
  • 2014年5月、北翔海莉ディナーショー『Music パレット』
  • 2015年1月、シアタードラマシティ・日本青年館『風の次郎吉-大江戸夜飛翔-』次郎吉
  • 2015年3月 - 4月、ビルボードライブ『MUSIC PALETTE』

受賞歴

脚注・出典

  1. ^ 「宝塚おとめ」では、千葉県松戸市出身となっているが、本人が「ヤングスターガイド」で生まれ故郷は青森県八戸市と語っている。
  2. ^ 2005年4月 TOKYOMX CafeBreak内紹介にて
  3. ^ a b c 100年史(人物編)、P110
  4. ^ 2012年2月29日 デーリー東北「“あしながお姉さん”はタカラジェンヌ 」[1]
  5. ^ 宝塚GRAPH 2002年4月号「携帯の形態」
  6. ^ a b c d e 平成27年1月9日 海上自衛新聞「星組新トップ決定によせて 北翔海莉の『波乱万丈』」※実父による手記
  7. ^ 平成27年1月1日 朝雲「元1海佐の長女、北翔海莉さん宝塚・星組トップに"飛躍"」
  8. ^ 2001年月組公演『愛のソナタ』公演パンフレット
  9. ^ a b c d e f g パーソナルブック2010
  10. ^ 登場人物の心情等を表現するパート。真琴自身も、かつて大浦みずきの影役を演じた。
  11. ^ 宝塚歌劇の公演で優れた演技を見せた新人に対して贈られる賞。宝塚歌劇団主催。
  12. ^ 宝塚・星組、ディズニーと共同で“レビューショー”開催「夢の空間作りたい」”. ORICON STYLE (2015年11月4日). 2015年11月5日閲覧。

参考文献

  • 宝塚歌劇団『TAKARAZUKA Personal book vol.1 北翔海莉』阪急コミュニケーションズ〈personal book〉、2010年10月。ISBN 978-448410518-5  ※ページ番号表記なし
  • 宝塚歌劇団『宝塚歌劇100年史 虹の橋 渡り続けて(人物編)』阪急コミュニケーションズ、2012年4月。ISBN 978-448414601-0 


関連項目

外部リンク