天紫珠李

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天紫 珠李(あまし じゅり、1月10日[1] - )は、宝塚歌劇団月組に所属する娘役。次期月組トップ娘役[2][3]

東京都世田谷区[1][2]玉川聖学院出身[1]。身長166cm[1]。愛称は「じゅり」[1]

来歴[編集]

2013年、宝塚音楽学校入学。

2015年、宝塚歌劇団に101期生として次席入団[4]。月組公演「1789」で男役として初舞台[5]。その後、月組に配属[4]

2017年12月25日付で娘役へと転向[3]

2019年、珠城りょう美園さくらトップコンビ大劇場お披露目となる「夢現無双」で、新人公演初ヒロイン[5][6]。続く「チェ・ゲバラ」(日本青年館・ドラマシティ公演)で、専科理事の轟悠の相手役を務め、東上公演初ヒロイン[7][8]

2021年の「幽霊刑事」でバウホール公演初ヒロイン[9][10]。トップスター・珠城りょうの相手役を務める[9][10]

2022年の「ブエノスアイレスの風」(日本青年館・ドラマシティ公演)で、2度目の東上公演ヒロイン[11][12]

2023年の「月の燈影」で2度目のバウホール公演ヒロイン[13][14]。続くショー「万華鏡百景色」で、トップ娘役・海乃美月の突然の休演により、急遽代役に抜擢を受け、彩みちるとヒロインパートを担当[15]

2024年7月8日付で月組トップ娘役に就任することが発表された[2][3]。入団10年目でのトップ就任となり、101期から初のトップ誕生ともなる[2]予定。鳳月杏の相手役として、同年の全国ツアー公演「琥珀色の雨にぬれて/Grande TAKARAZUKA 110!」で、トップコンビお披露目を果たすことが発表された[2][3]

人物[編集]

宝塚初観劇は、轟悠主演の雪組公演「ノバ・ボサ・ノバ再会[5]。幼いながら夢中で観たことを覚えている[5]

小学6年から本格的にクラシックバレエのレッスンを積み、高校生の時に柚希礼音の舞台姿に憧れて、音楽学校受験を決意した[5]

入団後3年で男役から娘役に転向するきっかけになったのは、ミュージック・パフォーマンス「MOON SKIP」[5]。ある場面で娘役に扮して踊った際に、これまで経験したことがない解放感に包まれ楽しんでいる自分に気付き、転向を決意した[5]。しかし男役として培ってきたものをゼロにしてリスタートするのは難しく、手の動きや声の出し方、台詞の喋り方など分からないことだらけで葛藤の日々が続いた[5]。悩んでいた際に、同じ男役出身のトップ娘役・愛希れいかからアドバイスをもらい、男役をやっていたからこそ理想の娘役のあり方なども分かるのではないかと、考えを深められるようになった[5]

主な舞台[編集]

初舞台[編集]

月組男役時代[編集]

  • 2015年6 - 7月、『1789-バスティーユの恋人たち-』(東京宝塚劇場
  • 2015年8 - 9月、『A-EN(エイエン)ARTHUR VERSION』(バウホール) - ジュリアン
  • 2015年11 - 2016年2月、『舞音-MANON-』 - 水の精霊、新人公演:モーリス・デュラン(本役:輝生かなで)『GOLDEN JAZZ』
  • 2016年6 - 9月、『NOBUNAGA〈信長〉-下天の夢-』 - 新人公演:佐々成政(本役:輝城みつる)『Forever LOVE!!』
  • 2016年10月、『FALSTAFF』(バウホール)
  • 2016年10 - 11月、『Bow Singing Workshop〜月〜』(バウホール)
  • 2017年1 - 3月、『グランドホテル』 - 新人公演:ベルボーイ/バーテンダー(本役:佳城葵)『カルーセル輪舞曲(ロンド)』
  • 2017年4 - 5月、『瑠璃色の刻(とき)』(ドラマシティ・TBS赤坂ACTシアター) - 侍従
  • 2017年7 - 10月、『All for One』 - 新人公演:ジョルジュ(本役:風間柚乃[5]

月組娘役時代[編集]

出演イベント[編集]

  • 2017年11 - 12月、宇月颯ミュージック・パフォーマンス『MOON SKIP』[16][5]
  • 2018年12月、タカラヅカスペシャル2018『Say! Hey! Show Up!!』
  • 2019年1月、『演劇人祭』[注釈 2][17]

受賞歴[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 海乃美月休演による配役変更で、11/7〜10はショーで彩みちると代役を担当。
  2. ^ 外部出演。

出典[編集]

  1. ^ a b c d e 『宝塚おとめ 2023年度版』 宝塚クリエイティブアーツ、2023年、55頁。ISBN 978-4-86649-223-0
  2. ^ a b c d e 宝塚歌劇月組次期トップコンビが“超遅咲き”鳳月杏&“元男役”天紫珠李に決定 スポーツ報知。
  3. ^ a b c d 【宝塚】月組次期トップに鳳月杏 近年“最遅咲き”19年目 相手娘役は天紫珠李 日刊スポーツ。
  4. ^ a b 『2015年宝塚 Stage Album』 宝塚クリエイティブアーツ、2016年、85頁。ISBN 978-4-908135-68-2
  5. ^ a b c d e f g h i j k l m n 名取千里 (2019年4月1日). “フェアリーインタビュー 月組 天紫珠李”. ウィズたからづか. http://www.with-takarazuka.com/fairy/2019/04/ 2019年9月30日閲覧。 
  6. ^ a b 期待のスター月組風間柚乃「宮本武蔵」新人公演主演 日刊スポーツ。
  7. ^ a b 轟悠主演、宝塚歌劇月組『チェ・ゲバラ』が開幕 ぴあ。
  8. ^ a b 宝塚月組「チェ・ゲバラ」開幕 伝説の革命家役に轟悠「すごさをどこまで表現できるか」 スポーツ報知。
  9. ^ a b c 珠城りょうのプレ退団公演初日「無事に公演届ける」 日刊スポーツ。
  10. ^ a b c 宝塚月組トップ珠城りょう プレ退団公演「幽霊刑事」開幕 格好よすぎるスーツ姿 デイリースポーツ。
  11. ^ a b 月組の人気スター暁千星、4年半ぶり主演作初日 関西へ“凱旋”公演で華麗かつ妖艶な踊り披露 日刊スポーツ。
  12. ^ a b 暁千星、背中で語るハードボイルドな新領域…月組10年間の集大成「ブエノスアイレスの風」大阪公演上演中 スポーツ報知。
  13. ^ a b 宝塚 月組・礼華はるバウ初主演 丁寧な芝居で江戸の匂いを引き出す デイリースポーツ。
  14. ^ a b 宝塚月組178センチ長身スター礼華はる 江戸物「月の燈影」でバウ初主演作開幕「健康第一に」 日刊スポーツ。
  15. ^ a b 宝塚月組トップ娘役・海乃美月が休演 復帰時期未定、彩みちる・天紫珠李ら代役 「どうかご無事で」の声 スポニチAnnex。
  16. ^ 月組 ミュージック・パフォーマンス「MOON SKIP」('17年・宝塚ホテル) タカラヅカ・スカイ・ステージ。
  17. ^ 5年に1度の「演劇人祭」劇団新派、宝塚歌劇、坂東玉三郎らが祝賀芸能を披露 ステージナタリー。
  18. ^ 『2021年宝塚 Stage Album』 宝塚クリエイティブアーツ、2022年、85頁。ISBN 978-4-86649-190-5

外部リンク[編集]