フェルナンド・タティス・ジュニア

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フェルナンド・タティス・ジュニア
Fernando Tatís Jr.
サンディエゴ・パドレス #23
2021年7月10日
基本情報
国籍 ドミニカ共和国の旗 ドミニカ共和国
出身地 サン・ペドロ・デ・マコリス州サンペドロ・デ・マコリス
生年月日 (1999-01-02) 1999年1月2日(25歳)
身長
体重
6' 3" =約190.5 cm
217 lb =約98.4 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 遊撃手外野手
プロ入り 2015年 アマチュアFA
初出場 2019年3月28日
年俸 $5,714,285(2022年)[1]
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

フェルナンド・ガブリエル・タティス・メディーナ・ジュニアFernando Gabriel Tatís Medina Jr.,[注釈 1] 1999年1月2日 - )は、ドミニカ共和国サン・ペドロ・デ・マコリス州サンペドロ・デ・マコリス出身のプロ野球選手内野手外野手)。右投右打。MLBサンディエゴ・パドレス所属。愛称はエルニーニョEl Nino[3]

同名の父セントルイス・カージナルスなどに所属した元プロ野球選手(内野手)である[4]

経歴

プロ入り前

5人兄弟の長男として生まれる。

プロ入りとホワイトソックス傘下時代

2015年7月2日にアマチュア・フリーエージェントでシカゴ・ホワイトソックスと契約してプロ入り[5]。ホワイトソックス傘下では公式戦出場はなかった。

パドレス時代

2016年6月4日にジェームズ・シールズとのトレードで、エリック・ジョンソンと共にサンディエゴ・パドレスへ移籍した[6]。この年、傘下のルーキー級アリゾナリーグ・パドレスでプロデビュー。A-級トリシティ・ダストデビルズ英語版でもプレーし、2球団合計で55試合に出場して打率.273、4本塁打、25打点、15盗塁を記録した[7]

2017年はA級フォートウェイン・ティンキャップス英語版とAA級サンアントニオ・ミッションズでプレーし、2球団合計で131試合に出場して打率.278、22本塁打、75打点、32盗塁を記録した[7]

2018年の開幕前にMLB.comが発表したプロスペクト英語版ランキングでは8位(シーズン途中で2位に上昇)、パドレスの組織内では1位にランクインした[8][9]。シーズンでは開幕からAA級サンアントニオでプレーし、7月にはオールスター・フューチャーズゲームの世界選抜に選出された[10]。だが、直後の7月25日、骨折した左手親指の手術を受けるため、残りシーズンの欠場が発表された[11]。この年は88試合に出場して打率.286、16本塁打、43打点、16盗塁を記録した[7]

2019年は開幕ロースター入りを果たした[12]開幕戦サンフランシスコ・ジャイアンツ戦で「6番・遊撃手」としてスタメン起用され、MLBデビューを果たし、MLB初打席でMLB初安打を記録[13]。4月1日に行われたアリゾナ・ダイヤモンドバックス戦でMLB初本塁打を記録した[14]。3・4月を打率.300、6本塁打、13打点の好成績できていたが、4月28日のワシントン・ナショナルズ戦で左ハムストリングを負傷し、故障者リスト入り[15]。6月6日のナショナルズ戦で復帰後も結果を残していたが、8月16日に背中の故障で再び故障者リスト入りし、そのまま残りシーズンを欠場した[16]。最終成績は84試合で打率.317、22本塁打、53打点だった[7]。守備では18失策守備率.944と課題が残った。 オフには新人王の投票でピート・アロンソマイク・ソロカに次ぐ3位であった[17]

2020年新型コロナウイルスの影響で全60試合に短縮される。その中で開幕からスタメンとして活躍し、8月にはプレイヤー・オブ・ザ・マンスプレイヤー・オブ・ザ・ウィーク英語版に選出された。また、MLB新記録となるチーム4試合連続満塁ホームランの1試合目をつくった[18]。しかし、この満塁本塁打は大量リードと3ボールから放ったため「不文律」に触れ、相手からだけでなく監督にも苦言を呈され、タティス自身も反省を口にした[19]。最終成績は打率.277、17本塁打、45打点だった[7]。ポストシーズンではセントルイス・カージナルスとのワイルドカードシリーズ英語版第2戦では2本塁打を記録した。ウィル・マイヤーズも2本塁打を記録し、ポストシーズン史上で1試合で2本塁打を2選手が記録するのは、1932年のワールドシリーズ第3戦でのヤンキースのベーブ・ルースルー・ゲーリッグ以来の記録だった[20]。 オフの12月9日にオールMLBチームのファーストチーム遊撃手に初選出された[21]

2021年はシーズン開幕前の2月1日にパドレス史上初、史上最年少で「MLB The Show 21英語版」のカバーを務めることが発表された[22]。 さらに、2月23日に球団側と14年総額3億4000万ドルで契約延長をしたことが発表された[23]。オプションとして全球団トレード拒否権が含まれており、契約金として1000万ドルが含まれる。この契約はマイク・トラウトの12年総額4億2650万ドル、ムーキー・ベッツの12年総額3億6500万ドルを超えて、MLB史上最長の契約となった[24]。同23日に記者会見を行い、「僕はファンが大好きなんだ。この街の文化も、雰囲気も大好きなんだ。そして、このチームで勝つことが全てだよ」と語った[25]。また、かつてデレク・ジーターのようなプレイヤーになりたいと話したことについて触れ、「メジャーに入ってからずっとそのことを考えていた。僕が最も尊敬する選手たちは1つのチームに残り、そこで文化を築き、そのチームで勝者になった。僕も彼らと同じようになりたい」とコメントした[25]。シーズンでは4月23日のドジャー・スタジアムでのドジャース戦で1試合2本塁打を記録し、22年前には同じドジャー・スタジアムで父親が1イニングで2本の満塁本塁打を記録していたため、MLB史上初の同じ日・同じ球場で2本の本塁打を記録した親子となった[26]。4月26日にナ・リーグプレイヤー・オブ・ザ・ウィークを受賞した[27]。7月1日にファン投票で自身初となるオールスターゲームに選出された[28]。オールスターゲーム前日の7月12日に「1番 遊撃手」で先発出場することが発表された[29]。7月13日に開催されたオールスターゲームでは1回裏にオールスターゲーム初打席に立ってエンゼルスの大谷翔平と対決したが凡退した[30]。3回裏には2打席を迎えてレンジャーズのカイル・ギブソンと対決したが、またしても凡退となった[30]。7月24日のマーリンズ戦でシーズン30本塁打を達成した[31]。 オフの11月23日に2年連続2度目となるオールMLBチームのファーストチーム遊撃手に選出された[32]

2022年はシーズン開幕前にバイク事故で手首を骨折し、開幕からの3ヶ月を離脱することになった[33]。8月に傘下のAA級でリハビリを開始したが、同月12日にアナボリックステロイドの一種であるクロステボルの使用が発覚し、80試合の出場停止処分を受けた[34]

選手としての特徴

現役有数の5ツールプレイヤーであり[35]ESPNキース・ロー英語版は「18歳だった頃のマニー・マチャドを思わせる」と評している[36]

詳細情報

年度別打撃成績

















































O
P
S
2019 SD 84 372 334 61 106 13 6 22 197 53 16 6 0 3 30 1 5 110 4 .317 .379 .590 .969
2020 59 257 224 50 62 11 2 17 128 45 11 3 0 1 27 1 5 61 6 .277 .366 .571 .937
2021 130 546 478 99 135 31 0 42 292 97 25 4 0 4 62 6 2 153 5 .282 .364 .611 .975
MLB:3年 273 1175 1036 210 303 55 8 81 617 195 52 13 0 8 119 8 12 324 15 .292 .369 .596 .965
  • 2022年度シーズン終了時

年度別打撃成績所属リーグ内順位





















2019 20 ナ・リーグ - - - - - - -
2020 21 - - - - 3位 5位 4位
2021 22 - - - - 1位 9位 3位
  • -は10位未満(打率は規定打席未到達の場合も-と表記)

ポストシーズン打撃成績




















































O
P
S
2020 SD NLWC 3 14 11 5 5 1 0 2 12 5 0 0 0 0 3 1 0 3 0 .455 .571 1.091 1.662
NLDS 3 13 11 0 2 1 0 0 3 0 1 1 0 0 2 0 0 4 0 .182 .308 .273 .580
出場:1回 6 27 22 5 7 2 0 2 15 5 1 1 0 0 5 1 0 7 0 .318 .444 .682 1.126
  • 2022年度シーズン終了時

年度別守備成績



遊撃(SS) 右翼(RF) 中堅(CF)




































2019 SD 83 90 215 18 36 .944 - -
2020 57 72 116 3 32 .984 - -
2021 102 113 217 21 45 .940 20 33 1 0 1 1.000 7 16 1 1 1 .944
MLB 242 275 548 42 113 .951 20 33 1 0 1 1.000 7 16 1 1 1 .944
  • 2022年度シーズン終了時

タイトル

表彰

記録

MiLB
MLB

背番号

  • 23(2019年 - )

出演

ゲーム

脚注

  1. ^ Fernando Tatis Jr. Contract Details, Salaries, & Earnings” (English). Spotrac. 2022年6月29日閲覧。
  2. ^ スペイン語の発音記号変換ツール”. easypronunciation.com. 2019年3月19日閲覧。
  3. ^ Fernando Tatis Jr. Stats, Fantasy & News” (英語). MLB.com. 2021年9月21日閲覧。
  4. ^ Jeff Sanders (2017年9月28日). “Minors Fernando Tatis Jr. groomed for big future in baseball” (英語). San Diego Union Tribune. 2018年11月12日閲覧。
  5. ^ Jesse Sanchez (2015年7月2日). “Tatis Jr. among White Sox finds on int'l market” (英語). MLB.com. https://www.mlb.com/whitesox/news/white-sox-sign-fernando-tatis-jr/c-134059696 2018年11月13日閲覧。 
  6. ^ Daryl Van Schouwen (2016年6月4日). “Padres trade James Shields to the White Sox” (英語). Chicago Sun Times. 2018年11月13日閲覧。
  7. ^ a b c d e MLB公式プロフィール参照
  8. ^ 2018 MLB Prospects Watch – 100 Prospects. MLB.com. Retrieved on November 13, 2018.
  9. ^ 2018 MLB Prospects Watch – SAN Diego Padres Top 30 Prospects list. MLB.com. Retrieved on November 13, 2018.
  10. ^ Jim Callis (2018年7月6日). “Futures Game rosters packed with prospects” (英語). MLB.com. 2018年11月13日閲覧。
  11. ^ Fernando Tatis Jr. likely to miss rest of season” (英語). ESPN (2018年7月25日). 2018年11月13日閲覧。
  12. ^ Top prospect Tatis on Padres' Opening Day roster”. Espn.com (2019年3月26日). 2019年3月29日閲覧。
  13. ^ Cassavell, AJ (2018年3月28日). “Fernando Tatis Jr. debuts for Padres”. MLB.com. 2019年3月29日閲覧。
  14. ^ Cassavell, A.J. (2019年4月1日). “Tatis Jr. hits 1st MLB HR; dad will get ball”. MLB.com. 2019年4月2日閲覧。
  15. ^ パドレス新星タティス、左太もも負傷でIL入り - MLB”. nikkansports.com. 2019年8月20日閲覧。
  16. ^ 新人王候補タティスがIL入り、今季中の復帰絶望か - MLB”. nikkansports.com. 2019年8月20日閲覧。
  17. ^ 2019 Awards Voting” (英語). Baseball-Reference.com. 2019年11月14日閲覧。
  18. ^ Fernando Tatis Jr. has a grand slam 'cycle'”. MLB.com. 2020年10月6日閲覧。
  19. ^ フェルナンド・タティスの"あるシチュエーション"での満塁弾が野球界の「暗黙のルール」破りに?”. www.sportingnews.com. 2020年10月6日閲覧。
  20. ^ パドレス88年ぶりPO1試合2選手2発! ルースの伝説“予告アーチ”以来、史上2度目”. Full-Count. 2020年10月6日閲覧。
  21. ^ Anthony Castrovince (2020年12月10日). “Here is the star-studded 2020 All-MLB Team” (英語). MLB.com. 2021年11月27日閲覧。
  22. ^ Matt Kelly (2021年2月1日). “And The Show 21 cover athlete is ...” (英語). MLB.com. 2022年2月10日閲覧。
  23. ^ 14-yr. deal! Tatis in SD for long haul” (英語). MLB.com. 2021年2月23日閲覧。
  24. ^ Largest contract extensions in MLB history” (英語). MLB.com. 2021年2月23日閲覧。
  25. ^ a b Tatis: 'I'm all about winning in San Diego'” (英語). MLB.com. 2021年2月23日閲覧。
  26. ^ AJ Cassavell (2021年4月24日). “Family tradition: 2 Tatis HRs on dad's day” (英語). MLB.com. 2021年4月25日閲覧。
  27. ^ David Adler (2021年4月26日). “Players of the Week: García, Tatis, MadBum” (英語). MLB.com. 2021年4月27日閲覧。
  28. ^ Matt Kelly, Manny Randhawa (2021年7月2日). “Here are your 2021 All-Star Game starters” (英語). MLB.com. July 11, 2021閲覧。
  29. ^ Anthony Castrovince (2021年7月12日). “All-Star Game starting pitchers, lineups, FAQ” (英語). MLB.com. 2021年7月13日閲覧。
  30. ^ a b AJ Cassavell (2021年7月14日). “Tatis' 1st ASG experience 'a dream come true'” (英語). MLB.com. 2021年7月29日閲覧。
  31. ^ Savannah McCann (2021年7月25日). “Tatis tallies No. 30, makes history in loss” (英語). MLB.com. 2021年7月28日閲覧。
  32. ^ Anthony Castrovince (2021年11月24日). “The '21 All-MLB Team is here. And it's stacked” (英語). MLB.com. 2021年11月24日閲覧。
  33. ^ AJ Cassavell (2022年3月15日). “Tatis (fractured left wrist) could miss up to 3 months” (英語). MLB.com. 2022年3月16日閲覧。
  34. ^ タティスJr.が禁止薬物使用で80試合出場停止、MLB機構発表 パドレス「失望している」”. Full-Count(フルカウント) ― 野球ニュース・速報・コラム ― (2022年8月13日). 2022年8月12日閲覧。
  35. ^ 14-yr. deal! Tatis in SD for long haul” (英語). MLB.com. 2021年2月23日閲覧。
  36. ^ 「2018 プロスペクト・ランキングTOP101」『隔月刊スラッガー』2018年5月号 日本スポーツ企画出版社 43頁
  37. ^ All-MLB Team” (英語). MLB.com. 2021年11月27日閲覧。

注釈

関連項目

外部リンク