さいたま新都心

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左から、さいたまスーパーアリーナ、NTTドコモさいたまビル、ランドアクシスタワー、合同庁舎1号館
さいたまスーパーアリーナ
日本郵政さいたま新都心ビル(旧さいたま新都心郵政庁舎)
さいたま新都心郵便局(左側)

さいたま新都心(さいたましんとしん、: Saitama New Urban Center)は、埼玉県さいたま市にある、東京の機能の「新都心」として開発されている地区である。

概要

さいたま新都心は、東京特別区以外で、首都を補完し地域の中心となるべき都市「業務核都市」に、旧大宮浦和地区が指定されたことにより、両市の間にまたがり、1984年昭和59年)に機能を停止した国鉄大宮操車場の有効活用として、政府閣議決定により再開発・土地区画整理事業が行われたものである。2000年平成12年)5月5日に「街開き」が行われた。街開き後は埼玉県内でも有数のビジネス拠点となり、さいたま市の都市計画でも浦和駅大宮駅と並ぶ主要ビジネスエリアとして指定され市により企業誘致が進められている。

南北に走るJR東北本線をはさみ、東側の地区(片倉工業大宮製作所跡地周辺、さいたま市大宮区吉敷町)と西側の地区(国鉄大宮操車場跡地周辺、中央区新都心)に分かれている。新都心整備事業では、「未来を担う新都心」にふさわしい都市基盤施設として、さいたま新都心駅、地上2階レベルで各施設を結ぶ歩行者デッキ都市計画道路、区画街路、首都高速道路ライフライン共同溝、雨水の調整池などを重層・複合的に計画し、整備が進められた。さいたま新都心合同庁舎には、政府機関(中央官庁)の関東地方を管轄とするほとんどの出先機関(各省庁の地方支分部局)、ならびに甲信越地方を管轄とする一部の出先機関が設置されている。他に民間高層ビル、さいたまスーパーアリーナけやきひろば等が立地する。

現在の埼玉県さいたま市中央区新都心とされている場所は、さいたま市が成立する以前は合併以前の旧浦和市、旧大宮市、旧与野市が入り組んでおり、地名も旧浦和市上木崎一丁目、旧大宮市北袋町一丁目、ならびに旧与野市上落合二番地とされていた。さいたま市の政令指定都市移行に伴い、東北本線より西側の全区域が旧与野市域とともに中央区に編入され、東側は大宮区となった。また同時に、旧市の町名が混在していた西側地区が「さいたま市中央区新都心」に統一された。

詳細

さいたま新都心

街区概要

街区の位置と所在施設を解説する。太字は施設番号である。

1街区
新都心の東北本線西側(旧大宮操車場)の最北端にある地区。所在施設は東京ガスさいたま新都心地域冷暖房センター、クラリオン本社事務所・技術センター、首都高速道路新都心換気所。
2街区
1街区と後原通り線を挟んで南側、3街区と新都市北通り線を挟んで西側の、首都高速道路新都心入口と新幹線の高架に挟まれた狭い地区。施設は首都高速道路新都心入口。
3街区
1街区と後原通り線を挟んで南側の地区。施設はW-01さいたまスーパーアリーナ
4街区
3街区と西口駅前通線を挟んでの南東側の地区。地階の交通広場を基礎とし、所在施設はW-03NTTドコモさいたまビル、W-04ランドアクシスタワー(L.Aタワー、明治安田生命さいたま新都心ビル)、ランドアクシスガーデン、にぎわいモール(全ての施設を繋ぐ人工地盤)。未整備区画としてJR東日本さいたま新都心ホテル(仮称)が設置される空地がある。
5街区
4街区の西隣の地区。施設はW-12さいたまメディアウェーブ(NTT東日本さいたま新都心ビル)。
5-1
広場街区とされ、W-02けやきひろば」が整備されている。
6街区
5街区と新都市南通線を挟んで西隣、新幹線と通りに挟まれた三角形の地区。6-1街区以外は駐車場。
6-1
西口駅前通に面した地区で、施設はW-13小池ビルPorte。けやきひろば、JR北与野駅とそれぞれ北与野デッキで結ばれている。
7街区
6街区と東西中央幹線を挟んで南側の地区。個人所有の小規模ビルや邸宅が並ぶ地区で、新都市南通線に面して北からW-14FSKビル、W-16ウェルクビル、駐車場、反対側に北から駐車場、W-15Apias新都心、W-17ミツエビル、エアフォルク(マンション)、駐車場、クラフト新都心マンション、W-18新都心ファーストビル、W-19林ビル。
8街区
東西中央幹線を挟んで南側の地区。8-1〜3まであり、それぞれがAとBに区分けされている。主にAが商業業務地区、Bが官公庁地区である。
8-1A
5街区と東西中央幹線を挟んで南側の、新都心のシンボル的な商業業務地区(南側中核施設群)。都市再生機構・埼玉県・さいたま市がそれぞれ土地を保有しており、暫定駐車場となっている。街びらき当初は産学交流プラザ「彩の国8番館」が置かれていた。
8-1B
4街区と東西中央幹線を挟んで南側の地区。所在施設はW-05合同庁舎1号館、「月のひろば」(公園)、インフォメーションセンター、レストラン。
8-2A
8-1Aと区画道路を挟んで南側の地区。施設はW-08ホテル「ブリランテ武蔵野」および「With you さいたま」(埼玉県男女共同参画推進センター)。
8-2B
8-1Bと区画道路を挟んで南側の地区。施設はW-06合同庁舎2号館とW-07合同庁舎検査棟、合同庁舎厚生棟、「せせらぎの丘」(公園)。
8-3A
8-2Bと区画道路を挟んで南側の地区。施設はW-09ホテル「ラフレさいたま」(日本郵政が経営する宿泊施設)。
8-3B
8-3Aの南側の地区。施設はW-10さいたま新都心郵便局W-11日本郵政グループさいたまビル(旧さいたま新都心郵政庁舎)。
9街区
さいたま新都心東西連絡路(ほこすぎ橋)から区界までのJR鉄道用地。施設はさいたま新都心駅
10街区
新都心の東北本線東側のうち、旧中山道と9街区(鉄道用地)に挟まれた地区の南端。施設は首都高速道路地下道の非常口。
11街区
10街区と道路上公地(東西中央幹線地下道の上、JR業務用駐車場と小公園)を挟んで北側の地区。施設はE-04キャピタルビル(武蔵野銀行他)と高山村大使館(蕎麦屋)。
12街区
11街区と駅デッキを挟んで北側の地区。個人所有の小規模ビルが並ぶ街区で、南からE-05さいたま新都心駅東口ビル(飲食店)、E-06マルキュービル(埼玉りそな銀行他)、E-07ニューキャピタルビル、E-08松井ビル、E-09プリムローズ関口(関口ビル)、E-10ニューセンチュリービル、駐車場、E-11K・Jビル、E-12すずらん館大宮、駐車場、E-13東横インさいたま新都心店
13街区
旧中仙道の東側、けやき通北線、けやき通東線、けやき通中央線に囲まれた地区。施設はカタクラパーク(E-14ニューライフカタクラE-15カタクラゴルフセンター)、カタクラ共同駐車場、E-03カタクラパークサイドビル、E-02イトーヨーカドー大宮店、イトーヨーカドー立体駐車場。また、けやき通北線に対面した旧カタクラ敷地に自動車ディーラーのE-17レクサスさいたま新都心・フォルクスワーゲンDUOさいたま新都心がある。
14街区
13街区とけやき通中央線を挟んで南側の地区。施設はE-01コクーン新都心
15街区
14街区と東西中央幹線を挟んで南側。施設はさいたま新都心駅東口自転車等駐車場。
16街区
14街区とけやき通東線を挟んで東側の地区。施設はコクーン新都心立体駐車場。
17街区
16街区と新都心東公園(公共地区で街区ではない)を挟んで北側。施設はE-16カタクラ住宅展示場、駐車場。区画道路に対面してE-18ガーデンヒルズ迎賓館(結婚式場)がある。

※E-17・18は新都心の再開発区画外であるが、片倉の敷地内であるため案内では含まれている。

都市計画道路

街区を分ける各道路は、ほとんどが完成4車線(一部暫定)で整備されており、ライフラインの地下共同溝および雨水貯水槽も道路地下に建設された。また同時に、新都心周辺の国道県道市道の拡幅整備と共同溝整備が進められている。

  • 1・3・3 高速埼玉東西連絡道路(首都高速埼玉新都心線
  • 3・5・6 国道17号
  • 3・4・25 中山道
  • 3・3・52 赤山東線(陸橋は「新都心大橋」)
  • 3・3・53 新都市南通り線(西大通り)
  • 3・3・94 南大通東線
  • 3・2・95 東西中央幹線(東西大通り、「新都心地下道」)
  • 3・3・96 けやき通北線(けやき通り)
  • 3・3・97 けやき通東線(けやき通り)
  • 3・3・98 けやき通中央線(東口駅前通り)
  • 3・4・120 八幡通り線
  • 3・3・131 さいたま新都心駅西口駅前通り線(駅西口通り)
  • 3・4・132 後原通り線(後原通り・ふじ通り)
  • 7・6・1 新都市北通り線
  • 8・6・3 さいたま新都心東西連絡路(ほこすぎ橋)
    • 頭の数字は道路種別、中は道路幅員種別、後は路線番号

デッキ

さいたま新都心の各主要施設は、2階レベルで設置された人工地盤およびペデストリアンデッキ(歩行者回廊)で結ばれており、新都心の特徴のひとつになっている。

デッキは南北方向に「ほこすぎ橋」から「さいたまスーパーアリーナ」の外周、「けやきひろば」を経て、「ランドアクシスタワー」、合同庁舎1号館・2号館・検査棟、「ブリランテ武蔵野」、「ラフレさいたま」、さいたま新都心郵便局、日本郵政さいたまビルまでを結んでおり、1街区から8-3街区まで地上の道路を歩かずに通行できる。また東西方向には、「けやきひろば」からさいたま新都心駅を経て「コクーン新都心」駐車場のある16街区まで、および北与野駅まで北与野デッキが延びており、新都心の街区のほとんどを網羅する空中回廊を形成している。

街区内の公園である地上の「月のひろば」「せせらぎの丘」とは一体化している。デッキや通路、これらの公園には、「アートの街さいたま」を目指して、彫刻等の様々なアートが屋外展示されている。

ほとんどのデッキには部分的に屋根が設けられており、雨天でも傘を差さずに歩けると同時に、デッキの全てを屋根で覆わないことで、開放的に作られている。また一部の歩行者通路はビルと一体化している。要所には地上とを結ぶ階段の他エレベーターが設置されている。

主な施設

東口。手前はニューライフカタクラ、高層ビル街は線路の向こう
ラフレさいたま

公共・文化

業務

ビル部高さ99.9m・地上18階地下3階、通信タワーを含めると218.5m。ビル部にはNTTドコモ埼玉支店が入居しており、埼玉県内のドコモショップや基地局の設備のメンテナンスなどを行い、また建物の半分はFOMAなど交換系の設備が入る。通信タワーは埼玉県域のNTTドコモの基地局マイクロ無線での通信を行うため高く設置されており、同様にNTTドコモの各ノードビルともマイクロ無線での通信を行っている(横浜メディアタワーNTTドコモ代々木ビルNTTドコモ墨田ビルなど、NTTドコモは同様のビルが多い)。かつては2階部分にNTTドコモの直営店やモバイル機器のショールームが存在したが、現在は料金明細センターとなっている。埼玉県のマルチメディア基地・災害時の情報拠点としての機能も担う。鉄塔の外装はアルミパネルを採用している。
高さ168.3m・地上35階地下3階。さいたま新都心駅から自由通路で直結された、地上35階建てのテナントオフィスビルで、1階に交通広場を併設している。また、1階部分には天井高さ16mの開放的なエントランスロビーを設け、大空間を実現するために巨大な門型構造「スーパーメガフレーム」を採用している。巨大な門型構造物の上に、30層の超高層ビルを乗せた特徴ある構造形式をもつ。
  • W-05 さいたま新都心合同庁舎1号館
高さ153.9m・地上31階地下3階。LAタワーの南、新都心の中央に位置する、屋上に50mの通信用アンテナを備えた地上31階建ての高層ビル。
  • W-06 さいたま新都心合同庁舎2号館
高さ138.7m・地上26階地下2階。屋上に直径40mの緊急用ヘリポートを備える26階建ての高層ビル。1号館と同じデザインで、対になっている。
129.8m・地上28階地下1階。外壁に暖色のパネルを採用した、特徴ある高層ビル。
  • W-12 NTT東日本さいたま新都心ビル『さいたまメディアウェーブ』
  • クラリオン本社事務所・技術センター

商業

宿泊

  • W-08 ホテル『ブリランテ武蔵野』(埼玉県公立学校共済組合宿泊施設)
  • W-09 ラフレさいたま(簡易保険総合健康推進センター)
  • E-13 東横インさいたま新都心店

新都心に入る行政機関

法務省
  • 東京矯正管区(合同庁舎2号館)
  • 関東地方更生保護委員会(合同庁舎2号館)
厚生労働省
  • 関東信越厚生局(合同庁舎1号館)
  • 埼玉労働局(明治安田生命さいたま新都心ビル(L.A.タワー))
財務省
警察庁  
防衛省  
  • 北関東防衛局(合同庁舎2号館)
総務省  
農林水産省
  • 関東農政局(合同庁舎2号館)
  • さいたま統計・情報センター(合同庁舎2号館)
経済産業省  
国土交通省   
環境省   
人事院

鉄道・駅

主要連絡道路

沿革

1974年の大宮操車場

計画

8-1A街区

駐車場が広がる8-1A街区

新都心の「シンボル的な業務商業地区」とする第8-1A街区(南側中核施設群、UR都市再生機構が6割・埼玉県が3割・さいたま市が1割を保有する2.4ha)は、まちびらき以前よりシンボルとなる超高層ビルの構想があり、1998年平成10年)には県が531メートルの超高層ビルの建設構想を発表したが景気低迷で実現せず、まちびらきから10年以上を経ても空き地のまま、臨時駐車場となっている。


さいたまタワー計画

埼玉県、さいたま市は2004年(平成16年)に、地上デジタル放送用の600メートル級電波塔「さいたまタワー」の誘致活動を開始し、東京都墨田区とともに有力候補とされていたが、地上の住宅等への電波障害が墨田案より広範囲に及び、対策費用が大きいことなどを理由に落選、2006年平成18年)3月31日在京民放6社とNHKが東京都墨田区の東武鉄道本社隣接地の貨物駅跡にタワー(東京スカイツリー)建設を決定して、白紙となった[1]

「MNDさいたま」の計画

さいたまタワーの選考に敗れた後、埼玉県・さいたま市・都市再生機構はシンボル高層ビルを各企業団に対して募集した。「MNDさいたま」(三菱地所新日鉄都市開発大栄不動産の三社によるグループ)、三菱商事丸紅グループ、大和・オリックス不動産グループの三者の提案を受け、2008年(平成20年)5月20日に「MNDさいたま」の提案に決定した。開発主体として、「MNDさいたま」を構成する企業グループが出資する「さいたま新都心開発特定目的会社」が設立され、また構成企業として鹿島建設が新たに参加した。

当初、2009年(平成21年)12月の着工、2012年(平成24年)12月の竣工予定だったが、高層ビルの計画変更(後述)により2013年(平成25年)5月の竣工に延期、次いでさいたま市長交代によって市の計画が不透明になり(後述)、着工が1年前後遅れることとなった。2008年末からの大不況(所謂リーマンショック)により、企業グループは計画の見直しを求めた事から、2010年(平成22年)6月まで県・市・機構・企業グループの間で協議が行われてきたが、企業側が規模を大幅に縮小することを要望したため合意に至らず、同年7月5日に計画の白紙撤回が発表された。

計画概要
8-1A街区の土地利用方針の基本目標は「人・物・情報が行き交う高次複合機能拠点」として、高次の業務集積(首都機能の一翼を担う業務拠点)、にぎわいの創出(回遊性のある街)、シンボル性(さいたま新都心の顔づくり)、ビジネス支援(交流・人材育成)、安心・安全・生活支援(ゆとり・くつろぎ・文化創造)の5つを重点とし、開発事業者の選定方法は提案重視型公募とした。
具体的な導入すべき都市機能としては、民間事業者が担う機能として、業務核都市にふさわしいオフィスビル・回遊性と魅力ある商業施設・民間事業者の創意工夫による眺望性やシンボル性など付加価値を高める機能、埼玉県が担う機能として、さいたまスーパーアリーナを補完をするコンベンション施設(中規模展示場・イベントホール・会議室・公共駐車場等)、さいたま市が担う機能として、新たな賑わい創出の拠点となるとともに鉄道博物館などとの連携が図れる集客性が高い施設(さいたま市のサッカー文化を全国に情報発信し、さいたま新都心における賑わいを創出する「サッカーミュージアム」を前提として、公募における応募者の提案を踏まえ導入機能を最終決定)を、それぞれ整備することとした。
建物概要
発表された概観図によれば、高層ビルと公共公益棟(コンベンション施設)、デッキ式の重層広場で構成されている。高層ビルは街区の北西角地に立地し、オフィスビルとしては埼玉県内最高の高さ186m・地上38階地下1階となる(当初は171m・36階建ての計画を埼玉県とさいたま市の要求で延長した。このため、竣工予定が当初より5ヶ月延びた)。公共公益棟は高層ビルの南側に立地し、埼玉県の計画する各種施設と5階にさいたま市の「(仮称)サッカープラザ」が入る。高層ビルの東側には、重層デッキ式の公共広場があり、屋上のフットサル競技場との間に大階段が造られる。既存施設との間では、すでに8-1A街区を結ぶデッキが完成済みであり、けやきひろば、合同庁舎1号館、2号館、ホテルブリランテ武蔵野とそれぞれ結ばれる(デッキを通して新都心駅・北与野駅とそれぞれつながる)。また公共広場は東側の「月のひろば」と下層部で一体化する。
さいたま市サッカープラザ
さいたま市は、8-1A街区に所有する土地(0.2ha)を事業者と等価交換して得た公共公益棟の5階(3.1ha)に、「サッカーのまち・さいたま」を代表する施設として「(仮称)サッカープラザ」(計画時はサッカーミュージアム)を設置する。2010年(平成22年)1月着工、2013年(平成25年)5月開業予定。施設は全体を体験体感・賑わい・展示・情報の4ゾーン8エリアに分ける。Jリーグを観戦できる大型ビジョンや地元メディアのサテライトスタジオとしても活用できる「スタジアムエリア」、サッカー関連書籍・映像資料を収集する「ミュージアムエリア」、実際にボールを蹴り、バーチャルでサッカープレーを体感できる「アクションエリア」、サッカーを科学的に分析探求し、また年代別の指導者育成を目指した講習を行う「ラボラトリーエリア」、Jリーグの試合を観戦しながら食事できる「レストランエリア」などで構成され、6階(屋上2.3ha)には人工芝のフットサルコート2面とシャワー実・更衣室を整備し、イベント会場としても活用する。
サッカープラザ計画は当初から、それを新都心に置く意味・正当性などをめぐって市民の評判が悪く(背景にはさいたま市に根深い浦和・大宮の地域対立による、浦和(サッカーのまち)出身の相川宗一市長の推すサッカー施設に対する懐疑があり、当時のネット上でも活発な議論が起こった)、2009年(平成21年)5月のさいたま市長選挙では、新都心へのサッカープラザ建設に反対する清水勇人(大宮出身)が当選、計画を撤回して、自身の推進する「こどもミュージアム(こども・多世代ふれあい広場)」を含む、有識者による代替施設案の中から市民アンケートで決定するとした。市の計画が不透明なことにより、都市計画等の変更がありえることから、全体の着工が1年前後延期されることになった。結果、リーマンショック以降の不況を理由にして企業グループが撤退する下地を作った。
経過
  • 2007年(平成19年)
    • 6月15日 - 募集要領配布開始。
    • 9月14日 - 応募受付。
    • 10月 - 有識者等の審査委員会による審査。
    • 11月 - 開発事業者選定結果の公表(優先交渉者を「NMDさいたま」とする)。
    • 12月 - 都市再生機構・埼玉県・さいたま市と「MNDさいたま」が基本協定を締結する。
  • 2008年(平成20年)
    • 2月 - 都市再生機構と「MNDさいたま」が土地譲渡契約を締結する。
    • 5月20日 - 都市再生機構・埼玉県・さいたま市と「MNDさいたま」および「さいたま新都心開発特定目的会社」が正式に契約。
    • 7月31日 - 県・市と「さいたま新都心開発特定目的会社」が等価交換協定をそれぞれ締結。
  • 2009年(平成21年)
    • 3月 - 埼玉県・さいたま市議会での議決後、「さいたま新都心開発特定目的会社」と埼玉県・さいたま市で財産交換契約を締結する。
    • 5月 - さいたま市長選挙で清水隼人が当選し、サッカープラザ計画の撤回を表明。
    • 10月 - 埼玉県と企業グループが着工を1年から14ヶ月程度延期することを決定。
    • 11月 - 企業グループが不動産市況の悪化を理由として、計画の見直しを要請。
    • 12月25日 - 翌年7月22日まで協議期間を設けることで合意
  • 2010年(平成22年)
    • 6月2日 - 企業グループが、高層ビルを高さ100メートル20階程度、延べ床面積も当初計画の2~3割に縮小し、県と市がビルの半分を賃借する条件をつけた最終見直し案を提示。
    • 6月28日 - 県と市が最終見直し案を拒否する回答。
    • 7月2日 - 企業グループが事業からの撤退を要望。
    • 7月5日 - 県・市・機構が共同で計画の白紙撤回を発表。企業グループも正式に撤退を表明。
  • 2011年(平成23年)
    • 2月 - 企業グループが県に対し和解金2億6000万円、市に対し9900万円を支払うことで双方は和解に合意し、本計画は解消した。
    • 8月 - 「さいたま新都心開発特定目的会社」が解散。
病院移転計画

2011年(平成23年)5月20日、県が8-1A街区に、同市中央区のさいたま赤十字病院(605床)と岩槻区埼玉県立小児医療センター(300床)を移転することを検討していることが報道された。6月2日には埼玉県知事公館において、上田清司埼玉県知事と清水勇人さいたま市長が共同で記者会見、土地を所有するUR都市再生機構・県・市と日赤本部(県支部長は上田知事)が基本計画に合意し、正式決定したとして発表した。

両病院は移転後も別の建物となる予定で、北側(1.4ha)に赤十字病院、南側(1ha)に小児医療センターが置かれる。建物はおおむね10 - 15階建て程度となる計画である。県南部の高度医療(3次救急)を担う赤十字病院と、小児医療専門病院を隣接して設置することで地域医療の充実を図る。赤十字病院には県内2番目となる母体と胎児の集中治療室(MFICU)を6床以上設置、小児医療センターは新生児集中治療室(NICU)を15床から30床に倍増させる。両病院間を渡り廊下で連結し、連携して周産期母子医療機能を整備する。医師の合同医療研修や院内保育所の共同設置なども検討している。赤十字病院にはヘリポートを設置して、救急・防災ヘリコプターで運ばれるような特殊な患者に対応できる高度救命センターを目指す。

また東日本大震災を受けて、防災基地機能を持ち、大規模避難施設となる「さいたまスーパーアリーナ」や、国の官公庁が入る合同庁舎が並ぶ地域に、災害拠点病院の赤十字病院などを置くことで、被災者への迅速な救急救命医療を実施するなど、広域防災拠点の強化につなげる。

さいたま市は同時に、清水市長主導でMNDさいたま計画で設置する予定だった「こども・多世代ふれあい広場」に代わる機能を持つ施設(病院との整合性を持つもので、保育・子育て支援・子ども図書館・ボランティア活動支援の4案を検討)を、小児医療センター内に設置する予定となっている。

両病院とも2015年(平成27年)度までに老朽更新と耐震化が必要とされており、2012年(平成24年)度に計画の策定や設計に着手、2013年(平成25年)度に着工、更新限度となる2015年度の完成・開院を目指す。土地はURの所有地(1.4ha)を県と市が取得して、赤十字病院へは県が土地を貸与し、赤十字病院は旧病院の土地を賃貸して費用を捻出する方針である。建物移転・建設費用は県と赤十字病院がそれぞれ負担する。全体の事業費は発表時点では未定である。MNDさいたまの計画では県と市は所有する土地と建造物を等価交換する枠組みであり、これまで8-1A街区に対する費用負担を考えていなかったため、費用負担と分担が懸案となる。

なお、現在の小児医療センターに併設されている特別支援学校の今後と、センター跡地の活用は、別途検討することとしている。

13-17街区

片倉工業大宮製作所跡地(13-17街区。15階区を除く)は、コクーン新都心、大宮カタクラパークおよびイトーヨーカドーが置かれているが、片倉工業により20年間・4段階の長期再開発が計画されている。

第1段階
14街区と16街区の再開発を行い、シネマコンプレックスを併設したショッピングモールと立体駐車場が置かれる。20年間の有期限事業であり「コクーン新都心」として2004年に開業した。
第2段階
コクーン開業から10年目を目処に13街区の再開発(現有施設の再構築を含む)行う。駅とを結ぶ歩行者デッキも14街区から延伸が行われる。
第3段階
13街区に引き続いて17街区の再開発を行う。13街区から歩行者デッキが延伸される。
第4段階
コクーン開業20年目を目処に14・16街区の再々開発を行い、一帯が大規模商業エリアとして完成。

4街区

4街区の北東角地(NTTドコモさいたまビルの隣)の空き地は、JR東日本が将来の建設を予定している「(仮称)さいたま新都心ホテル」のために確保されているものである。当初計画では25階建て・高さ100mの高層ホテルであり、2001年(平成13年)着工、2003年(平成15年)の開業を予定していた(当時発行の地図にも建設中として描かれている)が、着工直前に中断、以後は空き地のまま放置され、資材置き場となっている。建設再開の時期、新たな規模等の詳細は未公表であるが、計画はJR東日本グループ戦略ビジョン「2020 挑む」に記載されている。

計画区画と接するマンション

さいたま新都心に隣接した区画で分譲マンションの建設による再開発が進められている。

イトーピア与野ステーションコート
赤山東線(新都心大橋)を隔てた南側の東北本線沿いの旧国鉄用地(さいたま市浦和区上木崎)に建設された大型マンション1999年(平成11年)2月に竣工した。伊藤忠都市開発分譲、地上17階建て、113戸。公開空地扱いの歩道が整備されている(隣接する公道には歩道がない)。
アリーナガーデン
2004年(平成16年)10月に竣工した大型マンション。有楽土地鹿島建設近鉄不動産分譲、大成建設鹿島建設施工、地上15階建て、384戸。8-3B街区と西大通りを挟んで対面した西側に2002年まで存在した日本信号与野事業所跡地(浦和区上木崎)の西半分(西ゾーン)に建設された。この区画はさいたま市の再開発計画地区(上木崎1丁目地区)であり、建設時に幅の広い公共歩道・公園が建設され、市によって周辺道路も整備された。新都心との間の東ゾーン(2.4ha)は臨時駐車場であるが、商業地域に転換されており、将来再開発される予定である。
パークハウスさいたま新都心ミッドタワー
2005年(平成17年)に竣工した高層マンション。三菱地所分譲、戸田建設施工。地上86.95m、地上25階地下1階。道路新設に伴い作られた区画にある、新都心6街区と新幹線・埼京線高架橋をはさんで西側のJR社宅跡地(中央区上落合)に建設された。同じ区画にはカローラ店(新埼玉)ショールーム、道路拡張により八幡通り交差点の斜向かいから移転したあいおいニッセイ同和損害保険のさいたまビル(地上8階)があり、新都心とアルーサ北与野をつないで、一体化した都市を形成している。
シティテラスさいたま新都心
2007年(平成19年)12月末に竣工した大型マンション。7街区の南側、8-1A街区と西大通りを挟んで対面した西側のJR社宅跡地(中央区上落合)に住友不動産が建設・分譲した。地上59.99m、地上19階建て、398戸。西大通りに沿って南北(横)に長く住戸数は新都心地域の中では最大級。新都心と完全に連続した区画になっており、敷地外周は広い歩道が整備されている。販売当時、さいたま新都心を管理するさいたまアリーナと埼玉県が全面的に宣伝に協力し、駅をはじめ、ほとんどの街区に広告が張り出されていた。なお、西隣には住友不動産が1970年代に手がけた日本初の高層マンション「与野ハウス」がある。

また、新都心東側地区の南側(さいたま市大宮区北袋町、三菱マテリアル総合研究所の敷地北半分)で、新都心との一体的整備を目指した大規模な再開発が予定されている。再開発の方針は2000年(平成12年)に発表され、敷地内の土壌浄化が2012年(平成24年)度まで行われる。

その他

  • 北与野駅周辺の再開発地区アルーサ北与野と合わせ、新都心西側には隣接して高層・大規模マンションが立ち並んでおり、高層ビル群を形成している。その周囲は八幡通り沿いに大規模マンションがあるほか、低層の住宅地が延々と広がる。一方、東側地区の外側には閑静な住宅街(天沼住宅など)があり、さらにその外縁には芝川沿いの広大な見沼田んぼが広がっている。
  • 埼玉県の交通政策で、埼玉スタジアム2002方面と新都心・大宮駅を結ぶ東西輸送機関としてLRT建設が検討されている。
  • 新都心のまちびらき以降、さいたま市中央区を含めた周辺地域において、新都心がわかりやすい目印・シンボル的なものとなったことから、それまで「与野」や所在地区名をとって名づけていた大手企業による近隣の新設店舗や集合住宅では、わかりやすさと注目度から「〜さいたま新都心」「〜新都心」「〜 新都心店」などと名づけられる事が多くなっている。中には新都心に近いとは言えなくても、知名度から「新都心」を名乗っている場合もある。

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脚注

  1. ^ 新タワーの建設地が墨田・台東エリア(押上・業平橋地区)に決定しました” ({{{1}}} (PDF)). 東武鉄道、東武タワースカイツリー (2006年3月31日). 2009年5月25日閲覧。

関連項目

外部リンク