「緑の政治」の版間の差分

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2012年10月21日 (日) 07:47時点における版

みどりの政治英語:Green Politics)とは、1970年代以降、世界的に環境主義エコロジー反原発反核反戦・反軍備拡張軍縮)、人種差別撤廃・少数民族保護、脱物質主義多文化主義消費者保護、参加型民主主義草の根民主主義も参照)、フェミニズム社会的弱者人権擁護といった「新しい社会運動」の風潮が進んでいく中で、1980年代にドイツで緑の党が躍進を遂げ、それに呼応するような形で、世界各地で出てきた経済成長企業の業績本位の考え方よりも、「公正持続可能社会」をより優先させようという政治姿勢である。

このような政治主張を基軸として新しい政党緑の党)を組織する動きは世界各地であるし(グローバルグリーンズも参照)、また既成政党のメンバーの中にも、アメリカ民主党アル・ゴアのように、このような政治観を単独で実現しようとする政治家もいる。

2001年グローバルグリーンズ憲章では、次の6大目標を定めた。

みどりの政治は保守派・左派双方の流れに由来する環境保護環境運動を端緒にして始まったが、その後は主に平和外交人権産業構造の転換(持続可能な開発)、教育社会保障労働食料など幅広い社会問題に関心を持つ左派的な色彩を強め、平和で持続可能で社会正義のある新しいエコロジー社会をめざす総合的な政治理念となった。この思想はグローバルグリーンズ憲章にうたわれている。 営利企業の自由を最優先する新自由主義的改革(およびそのグローバル化)は批判的である。この点で「もう一つの世界は可能だ」を合言葉に世界社会フォーラムを開催するアルテルモンディアリスムとも密接に結びついている。

「新しい社会運動」が主な源流になっていることもあって、みどりの政治は既存の左派右派の軸で分類されることには消極的な場合が多いが、新左翼アナキストからの参加者があったこともあり、ふつう中道左派から左翼の一形態として捉えられる。ただし、みどりの政治のもう一つの流れとして、緑の保守主義というものもある。ドイツ緑の党は初期には保守派を多く含んでいた経緯もあり、保守思想に依拠する環境保護運動の源流は、ナチス・ドイツ以前にさかのぼる。

みどりの政治支持者には、現代文明および消費社会批判・脱物質主義やサブカルチャーカウンターカルチャーへの関心、エコロジー・先住民保護などの文脈から例えば代替医療スピリチュアリティといったもの(主にアメリカの文脈ではニューエイジ)への関心が強い人々を多く含んでいる(ドイツ緑の党の創設期の有力メンバーのひとりで芸術家のヨーゼフ・ボイス人智学に強い関心を持っていた等が具体的な例としてあげられる。いっぽう、いわゆる「スピリチュアル・グリーン」に批判的なみどりの政治支持者もいる)こともあって、無神論的・近代合理主義的な共産主義(特にマルクス主義)とは国家論や民主主義論などにおいて、ふつう一線を画するものと考えられている。また、みどりの政治は社会民主主義と関心が一致する場合が多く、しばしば連立政権を組むが、みどりの政治は国家との関係においては軍事国家主義に否定的傾向があり、反戦的な傾向がある。このため国家の介入による公平を重視し、軍事力には必ずしも否定的ではない社会民主主義政党とは安全保障をめぐって対立する場合がある。