環境運動

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環境運動(かんきょううんどう)とは、環境問題の改善・解決を求めて、展開される社会運動の総称。環境保護運動も環境運動の一分野に含まれる。

概要[編集]

環境問題の改善・解決を求めて、展開される運動。

公害など、原因が特定でき、加害被害が中心の時代には、環境運動は責任追及・反対運動が中心であった。問題の本質が国際的・面源的になるにつれ、環境運動は、環境問題の改善・解決を求めて改善策や代替案を提案していく運動に変容を遂げている[要出典]。環境破壊の元凶が人類文明である点から、極論として(大抵はたとえ話であるが)人類が存在しない方が地球の為になるだろうという見解もある[1]

関連年表[編集]

著作・宣言・会議・事件など 著者・開催者・地域
1907 ナショナル・トラスト 英国
1918 鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律 日本
1933 狩猟鳥獣管理 アルド・レオポルド
1962 沈黙の春 レイチェル・カーソン
1966 来るべき宇宙船地球号の経済学 ケネス・ボールディング
1968 人口爆発 ポール・エーリッヒ
1968 共有地の悲劇 雑誌:サイエンス ギャレット・ハーディン
1969 国家環境政策法(NEPA)(環境アセスメント制度 米国
1969 東京都公害防止条例 東京都
1970 大気浄化法マスキー法)(77年改正) 米国
1971 閉鎖サイクル バリー・コモナー
1971 ラムサール条約 水鳥と湿地に関する国際会議
1972 成長の限界 ローマクラブ
1972 人間環境宣言 国連人間環境会議
1972 汚染者負担の原則(PPP) OECD
1972 連邦水質汚濁防止法(77年改正) 米国
1972 ガイア仮説 ジェームズ・E・ラブロック
1973 絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(ワシントン条約) 国際自然保護連合ら
1973 絶滅危惧種保存法 米国
1973 The shallow and the deep, long-range ecology(ディープエコロジー アルネ・ネス
1974 救命ボートの倫理 ギャレット・ハーディン
1974 複合汚染 有吉佐和子
1974 環境政策に関する宣言 OECD
1975 海洋投棄規制条約(ロンドン条約) 国際海事機構
1978 省エネルギー推進委員会発足 日本
1978 省エネルギー法成立 日本
1979 スリーマイル島原発事故 米国
1979 環境に重大な影響を及ぼすプロジェクトのアセスメントに関する勧告 OECD
1979 海洋法に関する国際連合条約 国連
1982 世界自然憲章 国連
1983 マルポール条約 国際海事機関
1984 上関原発反対運動 祝島漁業協同組合
1985 "Large Losses of Total Ozone in Antarctica Reveal Seasonal ClOx/NOx Interaction"    雑誌:ネイチャー ファーマン
1985 OECD 開発援助プロジェクト及びプログラムに係るEIAに関する理事会報告 OECD
1987 ブルントラント報告(我ら共有の未来 国連・ブルントラント委員会
1987 環境アセスメントの目標と原則 UNEP
1988 「地球温暖化による猛暑説」発言を報道 J.ハンセン(NASA)
1989 ヘルシンキ宣言 モントリオール議定書の締約国会議
1991 越境環境アセスメント条約 国連
1991 環境保護に関する南極条約議定書 国連
1992 環境と開発に関するリオ宣言 地球サミット
1992 国連気候変動枠組条約 地球サミット/ベルリン会議(COP1)
1992 生物の多様性に関する条約 国連
1993 環境基本法公害対策基本法は廃止) 日本
1994 拡大生産者責任(EPR) OECD
1994 The Job Through Recycling program 米国環境省
1995 環境リスク論 中西準子
1995 容器包装リサイクル法 日本
1996 奪われし未来 シーア・コルボーン
1997 諫早湾潮受堤防締切 日本
1997 環境アセスメント 日本
1998 メス化する自然 デボラ・キャドバリィー
1998 地球温暖化対策推進法 日本
1999 藤前干潟埋め立て撤回 名古屋市
2000 循環型社会形成推進基本法 日本
2001 三番瀬埋め立て計画白紙撤回 千葉県/堂本暁子知事
2001 Ozone Connections: Expert Networks in Global Environmental Governance ペネロピ・キャナン
2002 エコ・エコノミー レスター・ブラウン
2003 RoHS指令 EU
2004 脱温暖化2050研究プロジェクト発足 国立環境研究所(日本)
2005 クリーン開発と気候に関するアジア太平洋パートナーシップ憲章 クリーン開発と気候に関するアジア太平洋パートナーシップ
2005 Avoiding Dangerous Climate Change 英国環境・食糧・農村地域省
2006 不都合な真実 アル・ゴア
2006 改正容器包装リサイクル法 日本
2006 スターン・レビュー ‐ 気候変動と経済 ニコラス・スターン(英国政府気候変動・開発経済担当政府特別顧問)
2006 REACH規制 EU
2007 Cool Earth 50 G8サミット(安倍晋三
2009 日本の温室効果ガス排出量を1990年比で2020年までに25%削減[2] 国連気候変動首脳会合(鳩山由紀夫
2009 美しく豊かな自然を保護するための海岸における良好な景観及び環境の保全に係る海岸漂着物等の処理等の推進に関する法律(海岸漂着物処理推進法[3] 日本
2011 東日本大震災 日本
2011 東日本大震災復興特別区域法[4] 日本
2016 東日本大震災による洋上漂流物への対応および日本政府の具体的な取組を発表[5][6] 日本

脚注[編集]

  1. ^ “「地球から見れば、人間がいなくなるのが一番優しい」鳩山首相”. MSN産経ニュース (産経デジタル). (2010年1月14日). オリジナルの2010年1月16日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20100116072339/http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100114/plc1001141701010-n1.htm ただし、この記事においても絶滅すべきであるという前提ではなく、滅びたら元も子もないので、あくまでたとえ話である。この極論の例えは『猿の軍団』や『大鉄人17』、『機動武闘伝Gガンダム』、『地球が静止する日』といったSF作品のテーマとして古くから度々取り上げられている。
  2. ^ “鳩山首相が国連で「温室効果ガス25%削減」を表明”. MSN産経ニュース (産経デジタル). (2009年9月22日). オリジナルの2009年9月24日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20090924105520/http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090922/plc0909222334014-n1.htm 
  3. ^ 美しく豊かな自然を保護するための海岸における良好な景観及び環境の保全に係る海岸漂着物等の処理等の推進に関する法律(海岸漂着物処理推進法)”. 環境省 (2009年7月15日). 2016年9月21日閲覧。
  4. ^ 東日本大震災復興特別区域法”. 復興庁 (2016年4月1日). 2016年9月21日閲覧。
  5. ^ 東日本大震災による洋上漂流物への対応について”. 首相官邸総合海洋政策本部 (2009年7月15日). 2016年9月21日閲覧。
  6. ^ 日本政府の具体的な取組について”. 首相官邸総合海洋政策本部. 2016年9月21日閲覧。

関連項目[編集]