BRDM-1
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BRDM-1 補助輪を展開した状態 | |
| 基礎データ | |
|---|---|
| 全長 | 5.66 m[1] |
| 全幅 | 2.17 m[1] |
| 全高 | 1.87 m[1] |
| 重量 | 5.6 t[1] |
| 乗員数 | 5名[1] |
| 装甲・武装 | |
| 装甲 | 最大10 mm[1] |
| 主武装 | SGMT 7.62mm機関銃[2] |
| 機動力 | |
| 速度 |
80 km/h(整地上)[1] 9 km/h(水上)[1] |
| エンジン |
GAZ-40P ガソリン[2] 90hp[2] |
| 懸架・駆動 | リーフスプリング式[3] |
| 行動距離 | 500km[2] |
| 出力重量比 | 16hp/t |
BRDM-1(ロシア語: БРДМ-1)は、ソビエト連邦製の水陸両用型装甲偵察車両である[2]。
(БРДМ)とは「装甲偵察哨戒車」(Бронированная разведывательно-дозорная машина)の略である[注釈 1]。
概要
[編集]1954年よりゴーリキー自動車工場(GAZ)によって開発され[1]、1957年に制式採用された[2]。1966年までに約10,000両が生産され、ソビエト連邦軍では後継のBRDM-2に更新されたが、1970年代末までは現役で用いられた[2]。現在でも軍用として現役の国がある[4]。
なお、制式名称が"BRDM-1"とされたのは後継のBRDM-2が採用されたためで、BRDM-2の制式化までは単にBRDM(БРДМ)と呼ばれており、BRDMといえばこの車両のことであった。また、BRDMの基本構造の一部はBTR-40の車体構造をもとに開発されているため、当初はBTR-40Pと呼称されていた。
構造
[編集]舟体形の車体を持ち、車体前部の収納式波切板と後部のウォータージェット式推進装置により水上航行が可能である。特徴的な構造としては、前後主輪の間に必要に応じて下ろして使用する4つの補助輪がある[1][3]。普段は収納されているが、軟弱な地盤など悪路を走行する際に下ろしてチェーンで駆動する事により走破能力を向上できる[1]。初期生産型ではオープントップ型であったが、のちに核戦争に対応するため密閉型車体とした改良型が登場した[2]。
他のソ連製の装輪装甲車と同じく、タイヤの空気圧を車内から調節できる[3]。オプションに夜間暗視装置がある。
バリエーション
[編集]- BRDM-1 1957
- 初期生産型。オープントップ式の戦闘室を持ち、屋根がない[3]。ごく少数が配備された。当初の名称はBTR-40P。
- BRDM-1 1958
- 1957型の改良型。密閉式戦闘室に変更された[3]。当初の名称はBTR-40PA。
- BRDM-1 1959
- 1958型の改良型。機関銃用の単装銃架が戦闘室前部に装備された[3]。銃架は1958型にも追加で装備されている。
- BRDM-1 1960
- 1959型の改良型。単装銃架が前面1基に加え戦闘室の左右にも装備された[3]。1958/1959型の大半も同様の改装を受けており、BRDM-1としては最も一般的な形式である。
- BRDM-1U
- 無線装備が強化された戦闘指揮車両[3]。
- BRDM-RKh
- NBC検出車[3]。全ての作業を車内で行うことができる。車外にある2つの箱形構造物(マーキング用旗の投下機)が特徴[3]。
- 2P27
- 3連装の3M6 シュメーリ(AT-1 スナッパー)対戦車ミサイル発射機2K16を搭載した対戦車車両[3]。発射機は昇降式で収納が可能。
- 2P32
- 2P27と同じく、昇降式で収納可能な4連装9M17 ファラーンガ(AT-2 スワッター)対戦車ミサイル発射機2K8を搭載した対戦車車両[3]。発展型に、2K8 ファラーンガ-M発射機を搭載した2P32Mがある。
- 9P110
- 2P27/2P32と同じく、昇降式で収納可能な6連装9M14 マリュートカ(AT-3 サガー)対戦車ミサイル発射機9K14Mを搭載した対戦車車両[3]。
- 車外上部にDShKM 12.7mm重機関銃を搭載したものもある。
※2P27/2P32/9P110の各車は、いずれも西側では「BRDM-1 ATGW」と呼称された。
-
2P27
-
9P110
採用国
[編集]
青は現役運用国、赤は以前運用していた国
アフガニスタン
アルバニア
アルジェリア
アンゴラ
ベラルーシ
ベナン
カーボベルデ
中央アフリカ
チャド
キューバ
コンゴ民主共和国(旧ザイール)
ジブチ
エジプト
赤道ギニア
エリトリア
エチオピア
ギニア - 2024年時点で、ギニア陸軍がBRDM-1およびBRDM-2を計25両保有[5]。
ハンガリー
インドネシア
イスラエル(エジプトやシリアから鹵獲)
リビア
マダガスカル
マラウイ
マリ
モーリタニア
モンゴル
モロッコ
モザンビーク
ニカラグア
ペルー
ルーマニア
サントメ・プリンシペ
セーシェル
ソマリア
スーダン
シリア
タンザニア
ウクライナ
ウガンダ
ベトナム
イエメン
ザンビア
ジンバブエ
退役国
[編集]脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 「戦闘偵察哨戒車」(Боевая Разведывательная Дозорная Машина)の略とする資料もある
出典
[編集]参考文献
[編集]- The International Institute for Strategic Studies (IISS) (2025) (英語). The Military Balance 2025. Routledge. ISBN 978-1-041-04967-8
- 大久保義信ほか『ソ連・ロシア軍装甲戦闘車両クロニクル』株式会社ホビージャパン、2017年10月20日。ISBN 978-4-7986-1554-7。