パーンツィリ-S1
96K6 パーンツィリ-S1(露:96К6 «Панцирь-С1» パーンツィリ・エース・アヂーン)は、ロシア連邦で開発された近距離対空防御システム(高射ミサイル砲複合:зенитный ракетно-пушечный комплекс)である。NATOコードネームではSA-22 グレイハウンド(SA-22 Greyhound)と呼ばれる。「パーンツィリ」とは「鎧」「甲冑」の意。
開発[編集]
パーンツィリ-S1は、トゥーラにある連邦統合国家企業「制御システム開発設計局」で開発された。1994年に製作され、1995年に初めて一般公開された。
設計[編集]
有人・無人を問わず固定翼機・回転翼機はもちろん、精密誘導爆弾や巡航ミサイル・弾道ミサイルをも迎撃可能であるといわれている。航空目標だけではなく、軽装甲車両などの地上目標も撃破可能である。
武装[編集]
機関砲と短距離対空ミサイルという兵装の組み合わせは、2K22 ツングースカ-M1と同様である。2A38M 30mm連装機関砲2基(合計4門)の火力は、射撃速度5,000発/分・射程4kmである。
地対空ミサイル57E6は左右に6発、計12発搭載する。射程は1-20kmである。
火器管制[編集]
兵装の管制には、2基のレーダーと赤外線探知機が用いられる。レーダーは索敵用・追跡用に分けられ、索敵範囲はそれぞれ30kmと24kmである。なお、輸出用廉価版は、赤外線探知機のみを搭載することも可能である。
運用[編集]

GM-352系列の車体に搭載されるパーンツィリS-1
ウリヤノフスクにあるウリヤノフスク機械工場で製造されている。
2005年には改良型が完成した。ロシア連邦軍では2K22 ツングースカ-M1をこれに転換する予定で、2008年よりロシア空軍に配備が始まった。また、ロシア海軍でも、2K22を基にしたコールチクの後継として採用された[1]。
参考資料[編集]
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