パーンツィリ-S1

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KamAZ-6560型8輪トラックに搭載されたパーンツィリ-S1
パーンツィリ-S1の兵装部アップ

96K6 パーンツィリ-S196К6 «Панцирь-С1» パーンツィリ・エース・アヂーン)は、ロシア連邦で開発された近距離対空防御システム(高射ミサイル砲複合:зенитный ракетно-пушечный комплекс)である。NATOコードネームではSA-22 グレイハウンドSA-22 Greyhound)と呼ばれる。「パーンツィリ」とは「」「甲冑」の意。

武装[編集]

車両に搭載された機関砲短距離対空ミサイルという兵装の組み合わせは、2K22 ツングースカ-M1と同様である。2A38M 30mm連装機関砲2基(合計4門)の火力は、射撃速度5,000発/分・射程4kmである。地対空ミサイル57E6は左右に各6発、計12発搭載する。射程は1-20kmである。

有人・無人を問わず固定翼機回転翼機(ヘリコプター)はもちろん、精密誘導爆弾巡航ミサイル弾道ミサイルをも迎撃可能であると言われている。航空目標だけではなく、軽装甲車両などの地上目標も撃破可能である。

火器管制[編集]

兵装の管制には、2基のレーダー赤外線探知機が用いられる。レーダーは索敵用・追跡用に分けられ、索敵範囲はそれぞれ30kmと24kmである。なお、輸出用廉価版は、赤外線探知機のみを搭載することも可能である。

開発・製造[編集]

パーンツィリ-S1は、トゥーラにある連邦統合国家企業「制御システム開発設計局」で開発された。1994年に製作され、1995年に初めて一般公開された。ウリヤノフスク機械工場で製造されている。

運用[編集]

GM-352系列の車体に搭載されるパーンツィリS-1

2005年には改良型が完成した。ロシア連邦軍では2K22 ツングースカ-M1をこれに転換する予定で、2008年よりロシア空軍に配備が始まった。また、ロシア海軍でも、2K22を基にしたコールチクの後継として採用された[1]

シリア騒乱で政府軍を支援するため派遣されたロシア軍により、首都ダマスカスに配備[2]またはシリア政府軍に供与されている。イスラエル国防軍によるシリアへのミサイル攻撃の迎撃で実戦投入された[3]

参考資料[編集]

  1. ^ 「海外艦艇ニュース ロシア海軍が新型近接防御システム採用へ」 『世界の艦船』第748集(2011年10月号) 海人社
  2. ^ 「露 シリア作戦負担重く/軍事介入2年半/戦費4300億円 犠牲者も」「駐留主力 民間い傭兵か」『読売新聞』朝刊2018年4月21日(国際面)。
  3. ^ イラン・イスラム共和国放送(IRIB)系ニュースサイト「Pars Today」、シリアの対空防衛システムにより、イスラエルの最新鋭ミサイルが破壊(2017年12月5日)2018年5月16日閲覧。