性機能障害

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。Yatobi (会話 | 投稿記録) による 2012年3月30日 (金) 12:52個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (Rv.関連項目への乱雑な挿入(Wikipedia:レイアウトの指針#関連項目WP:TRIVIA):180.5.51.243 (会話) による ID:41855769 の版を[[H:RV|取り消...)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

性機能障害(せいきのうしょうがい、Sexual Dysfunction:SD)とは、主に男性において、生殖や性行為に支障を来す症状のこと。大きくは勃起不全射精障害に分けられる。また、広義には男性不妊症の一種でもあるが、不妊症の定義は「正常な性交渉を継続しているにも関わらず妊娠に至らないもの」であるため、勃起不全など、正常な性交渉を継続していないかし得ない一部の性機能障害は男性不妊症ではない。

本項の現行版では特記無き場合男性の性機能障害について述べる。

定義

性欲勃起性交射精極致感のいずれか一つ以上欠けるかもしくは不十分なもの[1]

未完成婚と女性器

結婚後一定の年月[2]を経過しているにも関わらず一度もへの陰茎の挿入が達成されない場合、これを指して未完成婚と総称する。男性側の新婚性勃起障害によるものも多いが、女性側が原因とされる事例も多数みられる[3]。この場合、処女膜強靱、膣の狭小、時としてそれぞれ若干の奇形や閉塞などのほか、膣痙攣、膣内の異物などが挙げられる。その他膣炎子宮内膜症などの病変、及びそれらに付随する性交痛、また性交に対する恐怖心などの心因性のものもあり、その原因は多岐に渡る。なお、前掲の文献によれば、未完成婚88例のうち、女性に原因があるものは50例とむしろ女性側の問題である例が多く、性交痛および性交恐怖を主訴とするものは45例である。

性交渉は結婚生活において重要なものとされるが、未完成婚における離婚率は男性側が原因である例で21%[4]とされているのに対し、女性側に原因がある例では6%にとどまっている。

処女膜強靱または膣口狭小の場合には、処女膜輪状切除術により、良好な結果が得られている。また、手術自体が妻本人にとっての自信となり、これが予後に良い影響を及ぼすともみられている。

なお、膣への挿入を経ずとも、膣前庭への射精で妊娠に至った例も報告されている[5]

脚注

  1. ^ 『泌尿器科学ハンドブック』p.168、『内分泌疾患 精機能障害』p.250
  2. ^ 『性機能障害と未完成婚』によれば、3ヵ月程度。
  3. ^ なお、男女共通に見られる理由として過度の肥満がある。
  4. ^ 『内分泌疾患 精機能障害』によれば、男性側に原因があるもののデータのみであるが、離婚率は27.6%である。
  5. ^ 『性機能障害と未完成婚』p.85

参考文献

  • 田中啓幹 森岡政明 編 『The Handbook of Urology 泌尿器科学ハンドブック』 (第11章 「性機能障害」、第12章「男性不妊症」) 大学教育出版 2001年6月 ISBN 4-88730-449-8
  • 永田尚夫、齋藤宗吾、山崎高明 『性機能障害と未完成婚』 フリープレス 1997年11月 ISBN 4-4952-3038-2
  • 吉田修 監修 『新 図説泌尿器科学講座 4 内分泌疾患 精機能障害』メジカルビュー 1999年12月 「勃起障害」(p.241 -)

関連項目