アミロイドーシス
アミロイドーシス(Amyloidosis)とは「アミロイド」と呼ばれる蛋白が全身の臓器の細胞外に沈着する疾患。日本では特定疾患(難病)に指定されている。
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概念 [編集]
アミロイド蛋白が全身に沈着する予後不良の疾患である。アミロイドは各種溶媒に難溶性であり、マクロファージの食作用にも抵抗性を示すため、沈着が減少することなく少しずつ増加していき、やがて組織を破壊していくことで症状が出る。
分類 [編集]
- 全身性アミロイドーシス
- 限局性アミロイドーシス
- 脳アミロイドーシス
- 内分泌アミロイドーシス
- 心アミロイドーシス
- 不整脈を引き起こすことがある。
- 皮膚アミロイドーシス
- アミロイド苔癬、結節性アミロイドーシス、斑状アミロイドーシスの3つに分類される。
- アミロイド苔癬
- アミロイド原線維は皮膚のケラチン
- 下腿に斑状の非常にそう痒のある紅褐色調の丘疹を呈する。
- 結節性アミロイドーシス
- アミロイド原線維は単クローン性免疫グロブリン
- 四肢、顔面または体幹に単発ないし多発性の平滑な、結節性病変を呈する。紫斑の有無は問わない。
- 斑状アミロイドーシス
- アミロイド原線維は皮膚のケラチン
- 上背部に好発し、そう痒を伴う。灰色褐色、網様の黄斑病変で、しばしば特徴的なさざなみ型のパターンを呈する
疫学 [編集]
平成10年の推定患者数は免疫グロブリン性アミロイドーシスが510人、反応性アミロイドーシスが1800人、透析アミロイドーシスが4500人である。反応性アミロイドーシスの90%は関節リウマチが基礎疾患であった。
病理 [編集]
アミロイドはコンゴーレッド染色で橙赤色に染まり、偏光フィルターで観察すると緑色偏光を示すという特徴がある。AA型では、過マンガン酸カリウム処理でコンゴーレッド染色性が消失する。
症状 [編集]
以上の症候は病型を問わず高頻度に見られる。他に消化器症状や神経症状も見られるが、やはり病型による差異はほとんど見られない。
- 反応性アミロイドーシスでは基礎疾患に腎不全や心不全が加わる。
- 全身性アミロイドーシスや心アミロイドーシスでは心電図で低電位となる。
- 透析アミロイドーシスでは長期の透析歴の後、骨、軟骨、滑膜など骨関節組織にβ2ミクログロブリンを前駆物質とするアミロイド線維が沈着することにより、手根管症候群、破壊性脊椎関節症、および嚢胞性骨病変などの骨関節障害を発症する。
- アミロイド腎症は、ALアミロイドーシスとAAアミロイドーシスによって発症し、しばしばネフローゼ症候群を伴う蛋白尿が見られ、進行性に腎機能が低下する。
- 皮膚病変
- 原発性アミロイドーシス
- 顔面、特に眼周囲に平滑な、光沢を帯びた(ろう様)丘疹ないし結節を呈する。紫斑性病変がみられ、好発部位は眼周囲、顔面中央部、四肢、皺襞部、腋窩、臍部、肛門性器領域である。巨舌症は全体的に増大し、硬い。
- 反応性アミロイドーシス
- 巨舌症、時に丘疹、出血性病変、色素性沈着以外に特徴的な皮膚病変はない。
- 原発性アミロイドーシス
検査所見 [編集]
- 時に500,000/μl以上の血小板増加症を認める。
- タンパク尿と血清クレアチニン値の上昇。
- 高カルシウム血症
- IgG値の上昇。
- 原発性または多発性骨髄腫合併のアミロイドーシス患者の2/3に単クローン系蛋白を認める。
- 骨髄穿刺にて骨髄腫の所見。
診断 [編集]
- 紫斑性皮膚病変、ろう様丘疹、巨舌症、手根管症候群と心臓疾患の併発などから診断される。
- 症候から診断や治療が困難な患者にアミロイドーシスを疑い、生検を行って確定診断する。
- 35歳以上で診断未確定のネフローゼ症候群アミロイド腎症を疑って、一度は血清および尿の蛋白免疫電気泳動を行い、腎生検によって確定診断を行う。
- 123I標識SAPによるシンチグラフィで病変範囲の程度が評価でき、基礎疾患の治療の評価として役立つ。
予後 [編集]
進行性である。AAアミロイドーシスの生存期間中央値は133ヶ月と報告され、死亡率はSAAタンパク濃度と相関する[2]。
AAアミロイドーシスでは、原因疾患の治療によってアミロイドーシスの進行を遅らせたり、一部改善を期待できる。ALアミロイドーシスでは、多発性骨髄腫併発の有無にかかわらず、予後は悪い。特に、心アミロイドーシスやアミロイド腎を合併した場合、予後は極めて不良となる。
治療 [編集]
根治治療は今のところない。反応性AAアミロイドーシスなどの続発性アミロイドーシスでは、基礎疾患の治療により改善を期待できるが、他の病型では予後を変える治療法はなく対症療法に限られる。近年、原発性アミロイドーシス(AL型)に対して、形質細胞の腫瘍である多発性骨髄腫と同様、メルファラン前処置による自家造血幹細胞移植が有効であることが報告され、本邦でも一部施設で行われている。
各国において [編集]
日本 [編集]
- 社会的影響
- 病気の認知と、病態の理解、治療、等が与えらて来た社会的影響
- 日本においては特定疾患(難病)に指定されている。
- 病気の認知と、病態の理解、治療、等が与えらて来た社会的影響
脚注 [編集]
- ^ 脊山秀徳・塩川芳昭・柴田健雄・小林祥泰「脳出血の原因別・部位別・年代別・性別頻度」小林祥泰編『脳卒中データバンク2009』p.130、2009年、中山書店
- ^ Lachmann HJ et al. Natural History and Outcome in Systemic AA Amyloidosis. NEJM 2007;356:2361-71.
関連項目 [編集]
外部リンク [編集]
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