前立腺肥大症

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前立腺肥大症(ぜんりつせんひだいしょう)は加齢とともに前立腺(内腺)が肥大化する疾患。

目次

[編集] 概要

前立腺は解剖学的には膀胱の下で尿道を取り囲むようにして存在する臓器である。

前立腺から分泌される前立腺液は精液の構成成分で、体外に射精された精液中の精子を保護しエネルギーを補充する働きがある。年齢とともに生殖能力が必要でなくなるために、前立腺は萎縮するか肥大するかの二者択一の道を選ぶ。

昭和30年代(1955年代)ごろまでは、日本人男性のほとんどが前立腺は萎縮の経過をたどっていた。ところが、食生活の向上・欧米化により、現在では80歳までに日本人男性の80%が前立腺肥大症になるといわれている。

[編集] 症状

肥大した前立腺によってもたらされる症状には、主に排尿障害があり、それに付随して様々な排尿に関する症状が出現する。

  1. 排尿開始遅延:出るまでの息み時間が長いこと。
  2. 尿線細小:尿線が細く、チョロチョロしか出ない状態。
  3. 尿線分裂:尿が散るために便器を汚してしまう状態。
  4. 排尿終末時滴下:尿の最後の方がポタポタしか出ない状態。
  5. 残尿感:排尿直後にまだ出し足りない感じがすること。
  6. 尿意頻拍:常に尿意が襲ってくる状態。
  7. 頻尿:頻繁な尿意のために足繁くトイレで排尿すること。
  8. 夜間頻尿:就寝してから排尿のために、何度もトイレに足を運ぶこと。
  9. 尿混濁:黄色透明の正常な尿が混濁し汚れた状態。
  10. 尿閉:尿がほとんど出なくなる。

[編集] 検査

診断のためには、排尿障害の程度、前立腺の大きさ、前立腺癌との区別が必要になる。

  1. 尿検査
  2. 超音波エコー検査
    断面のサイズとしては、左右径35mm、前後径20mm、上下径25mm程度が正常上限とされる。
    前立腺容積としては20mL未満が正常とされる。
  3. 尿流量測定ウロフロメトリー検査
  4. 残尿量測定検査
    正常ではほぼ0mLであるが、残尿量50mL未満が許容範囲とされる。
  5. PSA血液検査前立腺癌腫瘍マーカー
  6. 内視鏡検査

[編集] 治療法

症状があっても日常生活に不便を感じていなければ治療は不要。 患者の体力や社会的適応などにより、様々な治療法が選択される。日帰り手術(3~5)を選ぶ患者も多い。

  1. 内服薬:
  2. 注射薬
  3. 高温度治療
  4. レーザー光線治療
  5. 電気メス治療
  6. 開腹手術
  7. 民間療法:ノコギリヤシ

[編集] 獣医学領域での前立腺肥大症

5歳以上の犬で見られることが多い。原因として加齢に伴うアンドロゲンとエストロゲン分泌の不均衡が考えられ、食欲不振、体重減少、血尿、排便困難を示す。治療には精巣摘出術や抗アンドロゲン製剤の投与が行われる。

[編集] 関連項目

[編集] 脚注

  1. ^ アビショット®は、2010年3月31日販売中止見込み。

[編集] 参考文献

[編集] 外部リンク