クランクシャフト

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クランクシャフト(赤色) ピストンの往復運動を回転力に変える。逆の変換も可能。
図は直列4気筒

クランクシャフト (crankshaft) は、エンジンの構成部品の一つ。ピストンの往復運動を回転力に変えるための軸。曲柄軸、クランク軸、エンジンの主軸となる屈曲軸。かつて日本語では曲軸と言われた。

クランクシャフトが文献に現れるのはアル=ジャザリの1206年の著作が最古である[1]

概要

エンジンに保持されている軸の部分をクランク・ジャーナルといい、ピストンのコネクティングロッドとつながっている所をクランクピン、その2つをつなぐ部分をクランクアームと言う。

ピストンおよびコンロッドの運動により生じる慣性力を軽減するためのバランスウェイトがつけられている。近代的なエンジンではクランクアームとバランスウェイトが一体化して板状のクランクウェブを形成している。このバランスウェイトはカウンターウェイトとも呼ばれ、全ての気筒のクランクアームにカウンターウェイトが装着されているものをフルカウンターウェイト、一部の気筒にのみ装着されるものをセミカウンターウェイトと呼ぶ。一般的にはフルカウンターの方がクランクの振動低減と高出力化に有利とされているが、製造コストが掛かり重量も重くなりがちなため、市販車両に採用する場合にはエンジンの気筒数によるエンジンの振動特性の違いや、後述のバランサーシャフトとの併用も考慮しながら用途と出力に応じた形式が採用される。

一般的には前述のバランスウェイトと共にバランサーシャフトが用いられることが多いが、アメリカ車で主流であった90度バンクV型8気筒エンジンでは振動をバランスさせるために4気筒分のクランクピンを90度位相で配置するクロスプレーンと呼ばれるクランクシャフトが用いられてきた。近年[いつ?]では一部のオートバイ用直列4気筒でも不等間隔点火順序と併用してこのクロスプレーンが採用されている。こちらは振動の軽減というよりも、より高出力を得るためにこのような形式が用いられている。

プレス機ミシンではこの変換を逆に利用し、電動機などでクランク軸を回転させ、必要なストロークの往復運動を得ている。

脚注・出典

  1. ^ Sally Ganchy, Sarah Gancher (2009), Islam and Science, Medicine, and Technology, The Rosen Publishing Group, p. 41, ISBN 1435850661 

外部リンク

関連項目