THE CIRCLE (B'zのアルバム)

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THE CIRCLE
B'zスタジオ・アルバム
リリース
録音 2004年10月~2005年2月
ジャンル ハードロック
ポップ・パンク
J-POP
時間
レーベル VERMILLION RECORDS
プロデュース 松本孝弘
専門評論家によるレビュー
チャート最高順位
  • 週間1位(オリコン
  • 2005年4月度月間1位(オリコン)
  • 2005年度年間15位(オリコン)
  • ゴールドディスク
  • ダブル・プラチナ(日本レコード協会
  • 第20回ゴールドディスク大賞ロック&ポップ・アルバム・オブ・ザ・イヤー
  • B'z アルバム 年表
    BIG MACHINE
    2003年
    THE CIRCLE
    2005年
    B'z The Best "Pleasure II"
    (2005年)
    『THE CIRCLE』収録のシングル
    1. 愛のバクダン
      リリース: 2005年3月9日
    テンプレートを表示

    THE CIRCLE』(ザ・サークル)は、日本音楽ユニットB'zが、2005年4月6日にリリースした、14作目のオリジナルアルバムである。

    概要

    オリコンアルバムチャートにおいて、900作目の1位獲得作品。

    長期に渡るソロ活動を終えて発表されたオリジナルアルバム。 ジャケット画像はアップル社の製品である初代iPod nanoの公式ホームページやカタログなどの液晶画面に使われていた。

    10thアルバム『Brotherhood』以来となるバンドメンバーを固定し、ジャム・セッションのスタイルをとっている。これは、最初からテーマとして上げたのではなく、自然とそのようにスタートした。B'zのアルバムの中でも極めて素朴な作品。アルバム・タイトルの『CIRCLE』は「輪廻」という意味合いをもたせている。これは、松本孝弘稲葉浩志の長いソロ活動の後に再集結し、作業を進める中で「バンドは破滅を繰り返しながらも再生していく」と輪廻を感じたことに由来する。

    シングル曲は、本作の先行シングル「愛のバクダン」のみで、前年のシングル「BANZAI」と「ARIGATO」は、本作には合わないということで収録されなかった。その一方で、3rdアルバム『BREAK THROUGH』以来15年ぶりに2nd beatが収録された(後述)。

    同年に行われたアルバム・ツアー「B'z LIVE-GYM 2005 "CIRCLE OF ROCK"」の「CIRCLE」は、そのまま「円、輪」などを意味しており、B'z史上初の360度円形センターステージで行われた。なお、ツアー・タイトルはアルバム・タイトル決定前にすでに決まっており、B'zとしてはかなり異例のことだった。これは、「Pleasureシリーズ」が封印されたことで、「アルバムツアー」という概念も曖昧になってきていることが影響している。メンバーは、本作が近年のB'zを聴いていく上での「入門編」となるのではないか、と語った。

    収録曲

    曲の解説やタイアップなどはB'zで解説しているため、一部簡潔に解説する。

    1. THE CIRCLE (1:57)
      エスニック調のアレンジがなされているが、これは松本がプーケットに旅行に行った際にガムラン風の音楽を聴いたことが影響しているらしい。
      パーカッションSEは、打ち込みではなく、全て生音。レコーディングの際、ドラマーのシェーンがカバン一杯にパーカッションの道具を持ち込み、録音した。松本曰く、「L.A.のスタジオの横のキッチンでアコギを弾いてて、日に日に出来ていったという感じ」。
      ここでの「CIRCLE」は、アルバムタイトルとは異なり「太陽」という意味。仮タイトルは、「surya」(ヒンズー語で「太陽」を意味する)だった。
      演奏時間は2分未満で、アルバムのイントロダクション的な扱いを受けており、「B'z LIVE-GYM 2005 "CIECLE OF ROCK"」ではオープニングSEとして別バージョンで使用された。
      PVも存在しており、内容は、稲葉が崖の上で歌い、松本が古びた灯台の窓辺でアコギを弾くというもの。
    2. X (3:55)
      日本でサビだけを作り、それをロサンゼルスのスタジオでのジャム・セッションで完成させていった。
      この曲での「X」は未知数を意味し、歌詞はアルバムのテーマでもある「破滅と再生」について書いたという。
      前曲「THE CIRCLE」の余韻がこの曲の冒頭に含まれている(iTunesでの配信の際には修正されている)が、元々「THE CIRCLE」と続けて配置するつもりはなく、レコーディングも別々だった。ただ、並べてみたところしっくりと来たので、この並びになった。ライブでは、ドーム公演のみで披露された。
    3. パルス (2:45)
      稲葉によると、「パルス」というのは最初にテーマとしてあって、そのテーマが新潟中越地震で崩落した岩石の中から救出された男の子の話と結びついたとのこと。
      なお、NHKドラマ『生き残れ』テーマソングとなった。また、この曲が『B'z LIVE-GYM 2005 "CIRCLE OF ROCK"』で演奏された際の映像が、42ndシングル「SPLASH!」の初回限定盤(ブルー)の特典DVDで発売された。サビのPVも制作され公開されている。
    4. 愛のバクダン (4:24)
      38thシングル。本作の制作過程では最後に制作された。
      この曲が『B'z LIVE-GYM 2005 "CIRCLE OF ROCK"』で演奏された際の映像が、42ndシングル「SPLASH!」の初回限定盤(グリーン)の特典DVDで発売された。
      アルバム発売に当たり、新たなバージョンのビデオクリップが制作され、倉庫の中で火花や爆弾が爆発する中演奏し歌う様子を収録したクリップとなっている。
    5. Fly The Flag (3:45)
      松本によると、当初はそれほどヘヴィーではなく、昔っぽいディスコサウンドにするつもりだったらしい。
      稲葉曰く「Bメロに影響を受けて詞は寂しげな感じにした。“寂しいけど勇気はあるぞ”という世界を思い描いて書きました」。
      稲葉のお気に入りであったが、ライブでは未演奏。
    6. アクアブルー (3:20)
      いくつかのデモテープの曲を組み合わせて出来た曲。「愛のバクダン」が出来るまでは、シングル曲候補だった。
      稲葉によると、アクアブルーとは携帯電話の着信ランプのことで、複雑な男女の恋愛関係を女性視点で表した歌詞となっている。
      楽曲の一部は『BIG MACHINE』の頃からあったもので、そこに新しいメロディを加えて作ったらしい。松本は、間奏のギターに、ゲイリー・ムーアのシグネチュア・レスポールを使用している。本作では数少ない、長調の楽曲。
    7. 睡蓮 (4:11)
      メロディは、松本がTMGでのツアーの後に1人で作っており、ロサンゼルスでアレンジが行われた。
      稲葉曰く「音のイメージで睡蓮という言葉が出てきた。それで実際に睡蓮の絵を書きながらストーリーを考えた。自分の知っている場面を掘り起こして」。
      ヴォーカルの出だしは、最初はファルセットではなかったが、本作完成後に、少し変えたいと思い、ファルセットで歌い直したという。
    8. Sanctuary (3:43)
      本作の制作において最初に作り始めた曲。タイトルはすぐに浮かんだが、作詞には苦労したらしい。
      当初、サビにシンセの音が入っていたが、松本曰く「シンプルにというか生音にこだわっているアルバムなのでカットした」。
    9. Fever (4:17)
      38thシングル「愛のバクダン」2nd beat。
      本来B'zは、初期の3つのシングルを除いて、2nd beatはアルバムには収録しない、というスタンスだったが、このアルバムで初めてそれが崩れた。また、この曲が「B'z LIVE-GYM 2005 "CIRCLE OF ROCK"」で演奏された際の映像が、42ndシングル「SPLASH!」の初回限定盤(イエロー)の特典DVDで発売された。PVも制作されており、砂浜の上で二人でサビを歌う様子が収録されている。
    10. 白い火花 (3:59)
      B'zにしては珍しく、ベースソロが存在する曲。松本曰く、「少し普段のB'zとは趣を異にしている」。
      最初に歌入れを初めて、最後まで歌入れを続けたという、本作において稲葉が最も作詞や歌入れに苦労した曲。
      仮タイトルは「ええじゃないか」で、Treasure Landで展示されていた小さな写真で確認できる。
      ライブでは未演奏。
    11. イカロス (3:32)
      三連系の曲。A・Bメロはゆったりしていてサビから突然激しくなる、少し変わった構成の曲である。36thシングル「BANZAI」の頃に作ってあり、本作のために再レコーディングされている。その際に、シェーンによってリズム・パターンも少し変えられている。
      タイトルのイカロスについて稲葉は、「アテネオリンピックの時に本屋さんでギリシャ神話を買ってきて、まぁオリンピックとどんどん関係なくなったったけどいいなぁと思った。」と語っている。
    12. BLACK AND WHITE (4:24)
      本来なら前作『BIG MACHINE』に収録されるはずだったが、アルバムのイメージに合わないということでアウトテイクとなり、今作に収録されることとなった。ドラマーがこの曲だけシェーン・ガラースでないのはこのため。
      リフ先行で作られ、松本曰く「ギター・ソロではワーミー・ペダルを使って、またそれに重ねている。この曲も今作にうまくハマったと思う」。「白黒つけるのは大切なことなんだけれど、すべてのことでそれは必要なのか、それで誰が幸せになるのか」と稲葉は考えて作詞した。「Brighter Day」ができるまではラストナンバーになる予定だった。
      こちらも「THE CIRCLE」同様PVが制作されており、稲葉と松本がコンテナの前で演奏し、画面半分が彼らの鏡の世界になっている。
    13. Brighter Day (3:57)
      DEVIL」以来の全英詞の曲で、B'zとしては初の全英詞バラード。「愛のバクダン」より後に制作された曲で本来は収録予定はなかったが、急遽追加された。レコーディングは2月(つまりアルバム発売2ヶ月前)に行われた。
      歌詞は最初から英語で書こうと思い、「シェーンとかに協力してもらって、歌詞のフレージングと、歌になったときの英語の音の感じとかを試してみた」とのこと。そのため、メロディにあまり言葉を詰め込まずに緩やかに表情豊かに、韻を踏むというよりもストーリーを重視したらしい。歌詞カードには、歌詞の日本語訳が公開されている。
      B'z LIVE-GYM 2005 "CIRCLE OF ROCK"」では演奏されなかったが、2006年9月1日に行われた、dwango提供の完全招待制のプレミアムライブにて初披露された。2012年PEPSI NEX提供のプレミアムライブ、「B'z LIVE-GYM 2012 -Into Free-」でも演奏され、主に国外向けのライブでの演奏となっている。
      2007年に海外のiTunes Storeで配信されたミニアルバム『B'z』にリミックスバージョンで収録されている。

    参加ミュージシャン

    関連項目

    外部リンク