ロード・エルメロイII世の事件簿

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Fate/stay night > ロード・エルメロイII世の事件簿
ロード・エルメロイII世の事件簿
ジャンル 推理小説
小説
著者 三田誠
イラスト 坂本みねぢ
出版社 TYPE-MOON(単行本)
KADOKAWA(文庫版)
レーベル TYPE-MOON BOOKS(単行本)
角川文庫(文庫版)
刊行期間 2014年12月30日 - 2019年5月17日
巻数 全10巻
漫画
原作・原案など 三田誠/TYPE MOON(原作)
作画 東冬
出版社 KADOKAWA
掲載誌 ヤングエース
レーベル 角川コミックス・エース
発表号 2017年11月号 -
巻数 既刊3巻(2019年1月現在)
その他 キャラクター原案:坂本みねぢ
ネーム構成:TENGEN
アニメ:ロード・エルメロイII世の事件簿
-魔眼蒐集列車 Grace note-
原作 三田誠、TYPE-MOON
監督 加藤誠
シリーズ構成 小太刀右京
キャラクターデザイン 中井準
音楽 梶浦由記
アニメーション制作 TROYCA
製作 アニプレックスノーツ
TROYCA
放送局 TOKYO MXほか
放送期間 2019年7月 -
テンプレート - ノート
プロジェクト ライトノベル漫画アニメ
ポータル 文学漫画アニメ

ロード・エルメロイII世の事件簿』(ロード・エルメロイにせいのじけんぼ)は、著者:三田誠、イラスト:坂本みねぢによる日本ライトノベルTYPE-MOON作のビジュアルノベルゲーム『Fate/stay night』シリーズのスピンアウト小説であり、同ブランドのオリジナルレーベル「TYPE-MOON BOOKS」より全10巻が発刊された。2019年からは角川文庫KADOKAWA)より文庫版の刊行が行われている[1]

メディアミックスとして、東冬作画によるコミカライズ作品が『ヤングエース』にて2017年11月号から連載中[2]。またテレビアニメ化もされ、2018年12月31日の『Fate Project 大晦日TVスペシャル2018』内で、EPISODE 0の放送、および翌2019年7月からのシリーズ本編放送の発表が行われた[3]

概要[編集]

虚淵玄によるスピンオフ小説『Fate/Zero』に登場したウェイバー・ベルベットをフィーチャーしたミステリー作品。それ以前に『Character material』で発表されていた「ロード・エルメロイII世」だが、『Fate/Zero Material』でウェイバーの後身であることが明らかにされており、『Fate/Apocrypha』、『Fate/strange Fake』、『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ』などでも脇役として登場していた。

著者の三田誠はTYPE-MOON作品参加は本作が初めてである。2007年頃、『Fate/Zero』が刊行開始されていたTYPE-MOON BOOKSレーベルの発刊趣旨を、TYPE-MOONメインライターにしてFateシリーズの原作者である奈須きのこから聞かされていた三田は、いずれ自分も作品を発行したいという希望を奈須に伝えていた。その後、2012年7月に開催されたTYPE-MOON10周年記念イベント「TYPE-MOON Fes.」で上映された『Fate/Zero』を観覧した三田は、ウェイバーの存在に衝撃を受け、後年のウェイバーを取り扱った作品の製作を企画[4]。イベントから程なくして、三田と交友のある成田良悟から作品の構想を聞いた奈須や虚淵からも好評を得て、執筆する運びとなった[5]

当初は、『Character Material』で言及された冬木市の聖杯戦争の解体に関する物語が考案されたが、エルメロイII世の能力が活かせるミステリー作品となった。これには、TYPE-MOONが『Fate/Apocrypha』および『Fate/Grand Order』といった様々なジャンルの『Fate』シリーズや『月姫』のリメイク版を製作していたことを受け、TYPE-MOON作品の新たな一面を見せたいとする三田の考えがある。また、TYPE-MOONの別作品に登場するキャラクターをゲストとして参加させることで、世界観を共有するTYPE-MOON作品をつなぐ架け橋となるような作品にすることも志向されている[5]

登場人物[編集]

主人公とその関係者[編集]

ロード・エルメロイII世 (Lord El-Melloi II)
声 - 浪川大輔[3]
主人公兼探偵役。魔術協会時計塔の現代魔術科学部長にして、時計塔に12家しかない君主(ロード)の系譜であるエルメロイ派の現当主。本名はウェイバー・ベルベットWaver Velvet。汚れるのを嫌う神経質な性格をしているが、自室は散らかっており、魔術師にはそぐわない趣味だがビデオゲームをかなり嗜む。自らは好奇心が強く、他者に対しては解説魔で、横暴なところもあるものの、まめで面倒見がよい。若いころから虚弱体質であるが、体躯はすらりとした長身の筋肉質で、髪型はセンター分けの直毛黒色の長髪である。魔術礼装を兼ねた葉巻を愛用している。神経質さが災いして、眉間には常に深いしわが刻まれている。階位はロードとしては低い第4階位・祭位(フェス)。指導力に対する評価として冠されたもので、他にも特殊性・貴重性のある魔術師に対し、名誉的に冠されることの多い階位である。なお、魔術師としての能力のみを純粋に評した場合の階位は、第5階位・開位(コーズ)の中でも下位とされる。
魔術師は魔術刻印という、魔術を行使するための器官を自らの体に魔術の結晶として作りあげては子孫に伝えていくため、代を経るほど子孫が強大な魔力を持つようになるという因果律が成立しているが、ウェイバー自身は先代・先々代が成り行きで魔術に関わってから3代目と新参のため、魔術師としては二流以下と弟子にも酷評されており、本人も自認している。しかしその知識量と魔術のみに偏らない多様な視点により、魔術と言う神秘の本質を見抜く能力に傑出しており、他の魔術師の能力を正しく見極め教導する超一流の講師であると同時に、秘めることが強さに直結する魔術を暴くことから「魔術の破壊者」とも評される。時計塔における評価は高く、教導を得た者は例外なく典位以上の階位を獲得しており、教えを受けた者すべてを束ねれば時計塔の勢力図が書き換えられるとさえ言われる。そのため、教えを受けられることは一種のステータスとなっている、という逸話がある。ただし、本人は魔術師としての大成を望んでいるため、弟子に追い抜かれる事実と相まって、その評価を疎ましがっている。エルメロイの名も一時的に預かっているだけのものとして、必ず「II世」を付けるよう求める。ロード以外にプロフェッサー・カリスマ、マスター・Vなどとも称される。
日本の冬木市で行われた第四次聖杯戦争にライダー・イスカンダルのマスターとして参加するも、その過程でエルメロイ派の先代当主で自身の師であったケイネスの聖遺物を盗み出したせいもあって、聖杯戦争で彼が死亡したことに責任を感じている。そのため、ライネスと「家中内乱で負ったエルメロイの負債を完済する」、「エルメロイの魔術刻印を修復する」、「ライネスが成人するまで君主の座に就き、それを守る」、「エルメロイの家に入り、自分の義兄兼家庭教師になる」という契約を交わし、ロード・エルメロイII世として縛られることとなる。また、その際に契約の証として自らの「源流刻印物」を担保としている。
当初は契約を早期に果たし、かつて「自分にとってただ一人の王」と認めたイスカンダルを再び召喚して次回の第五次聖杯戦争で勝利することを目指していた。しかし、ドクター・ハートレスの陰謀の蠢動を知り、聖杯戦争参加を自ら辞退する。
グレイ (Gray)
声 - 上田麗奈[3]
エルメロイII世の内弟子で15歳ほどの少女。「拙(せつ)」という一人称を用い、エルメロイII世のことは「師匠」と呼ぶ。辺境の閉鎖的で独特な村の出身で、学がないことを自覚しており、長い話を覚えること、人が多い環境、近代文明が苦手である。
霊園の墓守の一族で、霊体に対する感応性が異常に強いが、幽霊の類が大の苦手である。魔術師ではないので魔術は使用しないものの、卓越した戦闘技術を持っている。本人は顔を晒したがらず、師の指示もあって常に顔を隠すようにフードを深くかぶっている。これは彼女がアーサー王の遠縁の子孫であり、容貌が第四次聖杯戦争におけるセイバー・アルトリアと酷似しているためである。グレイの一族は、聖槍の使い手としてアーサー王を再現するために代々にわたって調整・研究を重ねており、人体改造されてきた。そのうちの一人がグレイで、また唯一の成功例である。物語開始の10年ほど前から顔や全身が変化し始めており、自分が自分以外の人間になっていくことと、当時の周辺人物たちがそのことを喜び、自分に対して崇敬の念をあらわに接するようになってきたことに恐怖を感じて暮らしていたため、顔貌自体は嫌いではないとしながらも、顔を隠し、自分の顔を確認することと鏡を嫌うようになる。またそうした経歴から、聖杯戦争でアルトリアと遭遇したことのある師が自分の今の顔を厭うていることを喜んでいる。
内弟子として接していくうち、エルメロイII世に深い信頼を寄せるようになり、第四次聖杯戦争の関わりを知ってから、彼の願いが叶うことを強く想うようになり、彼のために戦っていくことに誇りを持つようになる。
アッド
声 - 小野大輔[3]
グレイの一族が代々受け継いでいる喋る魔術礼装であり、一行の切り札。匣に目と口がついた形をしており、普段はグレイの右手にある「檻籠」とコートの中に隠されている。戦闘になると大鎌に変形し、周囲の魔力や霊的エネルギーを喰らって自身と所有者を「強化」する能力を持つ。また、「死神の鎌(グリム・リーパー)」と称される大鎌以外にも、吸収した魔力を放射する大盾や魔力ブースト機能がある破城槌に変形可能である。ただし、ひたすら口が悪く、たびたびエルメロイII世やグレイから「お仕置き」を受ける。『case.アトラスの契約』において、疑似人格のモデルは円卓の騎士ケイ卿であることが判明している。
多量のエネルギーを喰らうと封印が開錠され、無機質な口調に変わり、アーサー王の宝具として知られる聖槍「最果てに輝ける槍(ロンゴミニアド)」に変形することができる。円卓の騎士の数と同じ13の拘束封印がかけられており、臨む戦闘の条件・内容により、「円卓議決(デシジョン)」から円卓の騎士の承認意志を汲み取ることで解錠ができ、承認の数によって真の力を発揮できる。グレイが接触したズェピアから、『case.魔眼蒐集列車』において部分解放したことが大きな負担となっているため、もう解錠しない方が良いとアドバイスされている。
ライネス・エルメロイ・アーチゾルテ
声 - 水瀬いのり[3]
エルメロイII世の義妹。血縁としては先代のケイネスは叔父になる。エルメロイの分家筋の出身であり、ケイネスの遺体から回収できたわずかな魔術刻印の最適合者であったことから次期当主候補として幼い身ながらまつりあげられ、暗殺の危機を回避しながらケイネスの死後に内乱状態に陥ったエルメロイ一派をまとめ上げて権力を掌握した。15歳ほどの少女で普段は中性的な喋り方をするも、慣れた相手や心の声だと年相応に蓮っ葉になる。自他ともに認めるほど性格が悪く、相手をいたぶり困惑させて右往左往するさまを見るのが大好きで、エルメロイII世いわく「胃を壊す悪魔」で、ライネス自身もエルメロイの家系は大概性格が悪いと自認している。サディストであるが、責められるのも嫌いではない。
ウェイバーの罪悪感と責任感に訴えて交わさせた契約により、彼をロードに仕立てあげたが、先代ケイネスの死については調査の上で、先代は傑出して優秀な魔術師であったが戦闘に長けていたわけでなく、「聖杯戦争の参加者の何人かは、どうしようもないほどの殺し屋だった」ので、「参加を決めた時点で詰んでいた」と考えており、ウェイバーに先代の死に関する責任があったとは思っていないが、都合が良いとして本人にそれを告げていない。
義兄のためと称して無理難題をたびたび持ち込んでおり、そうして彼女が持ち込んだり、巻き込まれた案件から物語が始まることが多い。
「相手の底を視る」「魔力を探知できる」「魔力を調整する」能力を持つ魔眼の持ち主である。エルメロイII世ほどではないが、魔術師としての能力は高くなく、魔眼の制御に苦労している。しかしエルメロイII世いわく、「魔力の精密作業」即ち「魔術の上に魔術を重ねる技術」についてはケイネスに比肩する才があり、魔眼が安定すればそれなりの魔術師になれる、と判定している。
トリムマウ
ライネスが随伴させている、疑似人格が付与された女性型自動人形(オートマタ)の従者で、ケイネスが若いころに編み上げた、エルメロイの至上礼装と評される戦闘用魔術礼装「月霊髄液(ヴォールメン・ハイドラグラム)」を、エルメロイII世の薫陶の下で応用した礼装である。元が水銀のような流体金属状で自由自在に姿を変えられるため、単独で防御・攻撃・索敵するだけでなく、装甲になって人の身を護ったり、長距離移動の際には荷物として運搬されたり車両などに張り付いていることも可能である。
通常はメイド姿でライネスの身の回りの世話と護衛をしている。ライネスの魔力消費が多くなるが、自律行動させることもできる。
また、戦闘用というだけではなく、エルメロイ派有数の魔術式演算機でもある。
フラット・エスカルドス
声 - 松岡禎丞[3]
エルメロイII世の弟子の少年魔術師。現代魔術科古参の一人。魔術属性は「空」。「天才馬鹿」、「天恵の忌み子」と称される。格闘能力はあまりなく、唯一の赤点教科である護身術以外はすべて満点という、魔術師として天賦の素養はあるが、魔術師としての思考回路や感性がなく、躁的で活動的な気質と相まって奇行が目立つ残念な生徒。エルメロイII世の胃痛の原因の一つであり、たびたび彼の怒りを買い、宿題を増やされている。
混沌魔術の使い手で、師に匹敵する魔術の分析・解析能力により、他者の魔術式に介入する能力に長けており、魔術を反転させるカウンターのほか、即興で術式を組み上げて行使する戦法を得意とする。
シリーズとしては『Fate/strange Fake』のメインキャラクターとして初登場する人物だが、本作とは別の世界線の物語になるため、同一存在の別人物ということになる。
スヴィン・グラシュエート
声 - 山下誠一郎[3]
エルメロイII世の弟子の少年魔術師。現代魔術科最古参の学生で、フラットとは双璧と称される。真面目な性格をしているが、彼もまたエルメロイII世の胃痛の原因である。後述の特異な魔術の家系であるため、時計塔に来たばかりのころは常に孤立感に苛まれていた。グレイに自分と共感するものを感じ取り、彼女を「グレイたん」と呼んで追いかけ回すなど、彼女への執心はやや常軌を逸している。グレイも嫌がっており、スヴィンの行動を敵意の表われと勘違いしている。このことから、「グレイに半径5m以上近づかないこと」とエルメロイII世から釘を刺されている。対象の存在や魔力を臭いで感知でき、普段から鼻を利かせていることから、フラットに「ル・シアン(犬)」というあだ名を付けられているが、本人は嫌がっている。
獣に神秘を見出した「獣性魔術」の使い手であり、家系の中では最適格者である。獣の幻体を纏って強靭な爪牙による高速戦法を得意とする。一方で獣性魔術は獣の狂気をもたらすと認識されており、実際に狂気に引きずられてしまう術者がほとんどであることから周囲の魔術師からは忌避されていた。言葉に魔力と「呪い」が帯びている特異体質を持っているが、これは獣の咆哮というものが獣特有の音域と響きをもって、魔性を呼び寄せも祓いもすることのできる一個の「完成された魔術」であるという獣性魔術の特徴によっている。
『case.魔眼蒐集列車』の冒頭では10代で「典位(プライド)」に就任している。
カウレス・フォルヴェッジ
声 - 小林裕介[3]
『case.魔眼蒐集列車』より登場。『Fate/Apocrypha』の登場人物であるカウレス・フォルヴェッジ・ユグドミレニアと同一存在であるが、本作は『Apocrypha』とは違う歴史を辿った世界軸にあるため、別人物という設定である。
フォルヴェッジ家の本来の跡継ぎである姉が突然魔術を捨てて出奔してしまったため、予備でしかなかった彼に家督のお鉢が回ってくることになった。そこで、本格的に魔術を学ぶため時計塔に留学、エルメロイ教室に配属されることとなった。
入学するまでは一族にも大して期待されていない凡庸な魔術師であったが、エルメロイII世に電気系統の魔術の素質を見出され、急速に頭角を現しつつある。
優秀な姉と比べられていること、突然後継者の地位を押し付けられたことから、やや劣等感の強い面はあるが、その分向上心が強く、魔術師として成長できそうな機会は貪欲に捉えに行く。また、姉を呼び戻そうとする一派から刺客を差し向けられたりした経験から、ある程度肝も据わっている。
メルヴィン・ウェインズ
声 - 平川大輔[6]
『case.魔眼蒐集列車』より登場。トランベリオの魔術刻印調律師。白髪で極端な虚弱体質をしており、頻繁に吐血する。性格は面白いものが好きで常にふざけないではいられないという陽性だが、人の悪さではライネスにさえ「このクズ」と面罵されるほどである。
今でもエルメロイII世のことをウェイバーと本名で呼ぶ学生時代からの友人だが、必ずしも味方をするわけでもない。実家は表の社会でも力のある富裕な魔術家系で、第四次聖杯戦争に参加するための費用をウェイバーに頼まれて工面している他、担保を預かった上でエルメロイ教室を買い取る費用も融通している。
ケイネス・エルメロイ・アーチボルト
エルメロイの先代当主。故人。エルメロイII世の恩師で、先代のエルメロイ教室の主任講師。第四次聖杯戦争に参加し、婚約者のソラウ・ヌァザレ・ソフィアリと共に戦死した。
Fate/Zero』に登場した人物。シリーズ原作者の奈須きのこによると『Fate/Zero』は『Fate/stay night』の世界からすると並行世界の第四次聖杯戦争であり、若干の相違が見られるが、第四次のケイネスのランサー陣営とウェイバーのライダー陣営に起こった出来事や事情はほとんど同じであるとしており、その経歴も『Fate/stay night』の世界軸にある同作と一致する。詳細は当該記事「ランサー陣営」を参照。

時計塔関係者[編集]

化野菱理(あだしの ひしり)
時計塔法政科に所属する魔術師。魔眼を有しており、魔眼殺しの眼鏡をかけた振り袖姿の女性。「case.剥離城アドラ」「case.魔眼蒐集列車」「case.冠位決議」に登場。
魔術の才能を持ちながらも家柄に恵まれない多くの若者を支援・養育していたという現代魔術科の通称の元になっているノーリッジ卿の養子であったが、法政科に所属するにあたり縁を切っている。
イノライ・バリュエレータ・アトロホルム
声 - 一城みゆ希
時計塔12学科の一つ・創造科学部長にして、三大貴族の一角バリュエレータ派の貴族(ロード)を務め上げる老齢の女性魔術師。民主主義派の重鎮でもある。一人称は「オレ」で、iPodを使用してロックを聴くなど性格は若々しく活動的で、現代科学にも理解を持っている。魔術界の権力者として「case.双貌塔イゼルマ」・「case.冠位決議」に登場している。
蒼崎橙子は時計塔での教え子である。腰に小袋を携帯しており、中に入った砂を操る魔術は相当の戦闘力を有する。
イヴェット・L・レーマン
「case.魔眼蒐集列車」より登場。現代魔術科の生徒で、ピンク系の髪色のツインテールにロリータ・ファッションをまとったハイテンションの少女。魔眼・加工を得意とする魔術家系の出身で、眼帯をしている右目には眼球がなく、宝石などで編まれた人工の魔眼をはめ込んで行使する魔術が使える。自称「近頃流行りの魔眼女子」。もともとは鉱石科だったが、申請して現代魔術科に移籍した。「メルアステア派からエルメロイ教室に送り込まれたスパイ」・「ロード・エルメロイII世の愛人志望」を公言している。
どんな不利な状況にあっても変わらずエルメロイII世の信頼できる味方であり、チームの一員ともいうべきフラットやスヴィンと違い、好意的ではあるものの自分や実家の利益を優先するため、そのときどきの状況により、エルメロイII世に対する立ち位置が変わっている。
ドクター・ハートレス
時計塔現代魔術科の先代学部長を務めていた魔術師。赤い髪をした長身の男性で、妖精に心臓を盗まれたという噂から「ドクター・ハートレス」の通称で呼ばれる。君主でないにも関わらず学部長の地位を得ており、今でも時計塔では畏怖をもたれている魔術師であることから、物語開始時からたびたび言及されていたが、本人の登場は「case.魔眼蒐集列車」からである。後述の事情からエルメロイII世には「敵」として認定される。元はノーリッジの養子であり、化野菱理とは義理の兄妹になる。
過去にマリスビリー・アニムスフィアから冬木の第四次聖杯戦争の調査を依頼されており、その時に得た情報から、冬木の英霊召喚システムに魔術的なハッキングを行い、「アインナッシュの仔」と「魔眼蒐集列車」の2つの死徒に関わる神秘の力を利用し、エルメロイII世から盗み出したイスカンダルの聖遺物を触媒にして、イレギュラーなクラスである「フェイカー」のサーヴァント「ヘファイスティオン」を召喚している。
「case.冠位決議」では同時期に開始されている第五次聖杯戦争と冠位決議、さらに極東の封印指定を受けた「エミヤ」の時間制御に関する魔術を利用して、サーヴァントの器に依存せず、英霊を超えた「神霊イスカンダル」の召喚を目論んでいると推測されている。
ヘファイスティオン
ドクター・ハートレスの女性サーヴァント。クラスはエクストラ・クラスでドクター・ハートレスが独自に名付けた「フェイカー」。ドクター・ハートレスがエルメロイII世の元から盗み出した「イスカンダル」の聖遺物を触媒に、冬木の聖杯戦争の英霊召喚システムを利用して召喚されている。「ヘファイスティオン」と名乗るが、その名は双子の兄のもので生前から自分自身の名前はない。ときにはイスカンダルの軍に戦士としても加わっていたため戦闘に強いだけではなく、魔術戦にも通じている。
生前はイスカンダルの母親から魔術の手ほどきを受けた魔術師。この場合の「フェイカー」とは「影武者」という意味で、イスカンダルの身体的な影武者であった兄とは違い、呪いなどの魔術的な攻撃からイスカンダルを護るための影武者で、その身代わりとしての精度をあげるために名付けられておらず、長じたイスカンダルからの命名の申し出も固辞していた。イスカンダルに先んじて死去したために、イスカンダルの死後に起こった後継者争いである「ディアドコイ戦争」に参加してはおらず、その争いでイスカンダルの帝国を分裂させ滅亡に導いた臣下たちを恨み憎んでおり、その連中がのうのうと加わっているとしてサーヴァント・イスカンダルの宝具である「王の軍勢」の参集には応じていない。

「case.剥離城アドラ」の登場人物[編集]

ゲリュオン・アッシュボーン
剥離城アドラの主。故人。「修復師」という、欠損した魔術刻印を修復するという稀有な魔術を扱う。
遺産を譲るために城に招待客を集めるとした遺言を残し、法政科に託す。
ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルト
フィンランド出身の宝石魔術師。エーデルフェルト派の現当主を務める10代後半ほどの女性。愛称はルヴィア。他の魔術の秘奥や神秘を簒奪して成り上がったことから「地上でもっとも優美なハイエナ」と評される。『case.冠位決議』にも登場しており、エルメロイII世に協力してアルビオンに降りる。
エルメロイII世に対しては当初、魔術を理解しすぎているが故に、魔術の本義たる神秘を解体する「魔術の破壊者」と糾弾し、失脚さえ目論むが、ルヴィアを魔術的危機から脱する道筋をつけたことから「指導者」に名指しし、後に時計塔に入学することになる。
Fate/stay night』『Fate/hollow ataraxia』に登場する人物。詳細は当該記事を参照。
オルロック・シザームンド
時計塔の重鎮を担う魔術師。白髪を蓄え、少年従者の押す車椅子に乗る老人男性。蝶の成長の神秘を起源とした蝶魔術(パピリオ・マギア)を得意とする。ゲリュオン・アッシュボーンの友人で、協同して研究していた時期もある。
ハイネ・イスタリ (Heine Istari)
魔術協会に所属する名門錬金術師。20代半ばほどの実直で礼儀正しい好青年。火と水の二重属性を持ち、「生きている石」を操る。魔術師社会と相いれず、一度教会に出家しているが、妹に関わる魔術回路の異変を理由に舞い戻った。
ロザリンド・イスタリ
ハイリの妹。8歳ほどの幼い少女で兄を慕っている。
フリューガー
傭兵を務める、占星術師(アストロロジャー)の魔術使い。「師父殺し」の異名を持つ、屈強な体格をした中年男性。フリューという愛称を好んで用いる。瓢軽で人懐こい性格。ナイフを使った魔術・占いを得意とする。『case.冠位決議』にも登場しており、かつて「師父殺し」後に「霊基アルビオン」に隠れていた時期があり、エルメロイII世に協力してアルビオンでの案内役を務める。
時任次郎坊清玄(ときとう じろうぼう せいげん)
修験道を修める魔術師。訛りの入った口調の20歳半ばほどの青年。「飛鉢法」や「烏とび」などの修験道の験力を使う。フリューと同じく瓢軽な言動をする。『case.冠位決議』にも登場し、エルメロイII世に協力してアルビオンに降りる。
過去に魔術師としての兄弟間の後継者争いにて焼殺された兄の今わの際の願いで彼の魔術刻印を受け継いだが、炎で損傷した魔術刻印の修復をアッシュボーンに依頼した際に細工されてしまい、今回の事件で己の人格を侵食された状態でグレイと戦闘する羽目に陥り右腕を失っている。
クラウン
ルヴィアの第二従僕。モヒカン刈りをした身長2メートルほどの巨躯の男性。
グラニド・アッシュボーン
ゲリュオンの子息。故人。父に先んじて、母と同じ遺伝病で亡くなっている。

「case.双貌塔イゼルマ」の登場人物[編集]

バイロン・バリュエレータ・イゼルマ
バリュエレータ派の一つ、イゼルマ家の現当主。双貌塔イゼルマの領主であり、黄金姫・白銀姫の究極の美の成就を目指す魔術師。
ミック・グラジリエ
時計塔呪詛科に籍を置く男性魔術師。我流のタントラ・ヨーガを用いる。とある人物からスパイの依頼を受け、イゼルマに現れる。
ディアドラ・バリュエレータ・イゼルマ
バイロンの娘。黄金姫を襲名する。本人の魔術師としての特性はないが、その調整され尽くした美貌は多くの魔術師たちを放心させる。
エステラ・バリュエレータ・イゼルマ
バイロンの娘で、ディアドラの妹。白銀姫を襲名する。ディアドラに比肩する美を有する。
マイオ・ブリシサン・クライネルス
時計塔伝承科の君主・ブリシサン派の末席に籍を置く青年魔術師。薬学をもってバイロンに協力している。
イスロー・セブナン
服飾を扱う魔術師。バイロンの要請で黄金姫・白銀姫のドレスを製作する。
カリーナとレジーナ
カリーナがディアドラ付きのメイド、レジーナがエステラ付きのメイドをしている姉妹で、一見して区別が付けづらいほどに外見が似ている。
アトラム・ガリアスタ
中東系の褐色肌をした青年魔術師。魔術師としては新興の家系であるが、石油資産を背景に持つ財産家。イゼルマがオークションで手に入れたと噂されている神秘の品を虎視眈々を狙っており、一時は第五次聖杯戦争参加枠をエルメロイII世と争うことになるが、この事件で彼に対して興味を持ってたびたび接触してくるようになる。
その後、エルメロイII世が参加枠を辞退したことにより第五次聖杯戦争に参加するが、開始後間もなく死亡。「case.冠位決議」において、生前の手配によって訃報と共に情報がエルメロイII世に届けられた。
テレビアニメ『Fate/stay night [Unlimited Blade Works]』に登場する人物。詳細は当該記事の「聖杯戦争に参戦したマスター」を参照。
蒼崎橙子(あおざき とうこ)
最高階位・王冠(グランド)を持つ、20代後半ほどの外見をした魔術師。かつて魔術協会から魔術の希少性・唯一性を保護する名目で強制的に監禁や監視下におかれる「封印指定」を受けていたが、追手を返り討ちにしながら逃亡をし続けたのち、数年前の時計塔での騒動の折に解除されている。時計塔の学生時代にはイノライに師事していた。第四次聖杯戦争の際に重傷を負ったケイネスに、義手を提供した人物でもある。
魔法使いの夜』『空の境界』に登場する人物と同一人物だが別存在である。詳細は当該記事を参照。

「case.魔眼蒐集列車」の登場人物[編集]

オルガマリー・アースミレイト・アニムスフィア
時計塔天体科の君主・マリスビリーの娘。11歳。家庭教師のトリシュと共に「魔眼蒐集列車」に乗車し、魔眼オークションに参加する。「case.冠位決議」にも登場し、父の代理として冠位決議に参加する。
父が第四次聖杯戦争を調査し、「冬木の聖杯は使いものにならない。」と結論付けたことを、魔眼蒐集列車内での殺人事件の後に、エルメロイII世に教える。
シリーズ初登場は『Fate/Grand Order』で、本作とは歴史の違う世界線という設定の物語のため、同一存在だが別人物となる。
トリシャ・フェローズ
オルガマリーの従者で家庭教師。魔眼の持ち主。
カラボー・フランプトン
「魔眼蒐集列車」の乗客。聖堂教会に所属している。
ジャンマリオ・スピネッラ
「魔眼蒐集列車」の乗客。魔術師でありながら、自身の料理番組をもつテレビタレント。
レアンドラ
魔眼オークショナー。魔眼そのものを愛している。
ロダン
「魔眼蒐集列車」の車掌。「case.冠位決議」にも登場する。

「case.アトラスの契約」の登場人物[編集]

ベルザック
グレイの故郷の「ブラックモアの墓地」の墓守の老人。グレイを次代の墓守に指名した。
フェルディナンド
グレイの故郷の村の教会の司祭。
イルミア
グレイの故郷の村の教会のシスター。
ズェピア・エルトナム・アトラシア
魔術協会の一角である「アトラス院」の院長。古の昔にアトラス院が発行したといわれている7枚の「契約書」の1枚のためにグレイの故郷の村に滞在している。

「case.冠位決議」の登場人物[編集]

ルフレウス・ヌァザレ・ユリフィス
降霊科君主の老人。貴族主義派の重鎮。ケイネスと共に第四次聖杯戦争で亡くなった婚約者ソラウと、その兄である時計塔一級講師のブラム・ヌァザレ・ソフィアリ(声 - 野島裕史)の父。
マグダネル・トランベリオ・エリオット
全体基礎科君主の男性。民主主義派の長。
キャルグ・イスレッド
秘骸解剖局局員の男性。
アシェアラ・ミストラス
秘骸解剖局局員の女性。
クロウ
ドクター・ハートレスの弟子。霊基アルビオン出身者で元はイスレッド兄弟やアシェアラと組んでいた採掘者。
「生還者(サヴァイバー)」と呼ばれているアルビオンから地上に脱出した魔術使いで、脱出した際にドクター・ハートレスに拾われ、採掘者仲間とともに弟子となったが、「冠位決議」直前に弟子たちが殺害される中、行方不明になっている。

用語[編集]

時計塔
Fateシリーズ他、TYPE-MOON作品における魔術協会三大部門の一角で、ロンドンに拠点がある。魔術協会は、魔術の管理・隠匿・発展を使命とし、身を守るために武力を持ち、魔術の発展(衰退)のための研究機関と魔術による犯罪抑止のための法律を持つ。三部門の中では設立は一番新しい西暦元年だが、他の二部門であるアトラス院彷徨海に比べて、時を経るに従って神秘が薄れゆく時代にも適応し、人類史の内にあって魔術を研鑽することを受け入れた魔術師たちが所属し最大勢力になっている。主人公がここで教鞭をとっている他、登場人物の多くが所属しているため、作中で単に「魔術協会」とされた際はに、大抵の場合はこの「時計塔」を指す。
ロンドン郊外に中世と近代を混ぜ合わせたような街としてあり、100以上の学術棟と40以上の学生寮(カレッジ)と、住民を支える商工業で成り立っている巨大な学園都市[7]。主人公たちが在籍する現代魔術科は「スラー」と呼ばれる区画にある。
12の学部があり、それぞれの学部長は「君主(ロード)」の称号をもつ。
12学部
時計塔にある12の学部。多くは丸括弧内に記した学部の創設者や著名な魔術師名、学問内容にちなんだ通称をもつ。
学部番号順に、1:全体基礎科(ミスティール)、2:個体基礎科(ソロネア)、3:降霊科(ユリフィス)、4:鉱石科(キシュア)、5:動物科(キメラ)、6:伝承科(ブリシサン)、7:植物科(ユミナ)、8:天体科(アニムスフィア)、9:創造科(バリュエレータ)、10:呪詛科(ジグマリエ)、11:考古学科(アステア)、12:現代魔術科(ノーリッジ)、で、他に魔術の研鑽ではなく時計塔を護ることを目的とする「法政科/法政局(バルトメロイ)」がある。
三大貴族/三派閥
三大貴族は魔術師を束ねる大貴族の家で主力勢力である。長は「君主(ロード)」と呼ばれており、バルトメロイトランベリオバリュエレータの三家。親族や分家を20家あまり従えており、魔術界以外に表の社会でも名門貴族として通っている。
魔術師の派閥として三大派閥があり、それぞれの長は三大貴族ともかぶるが、貴族主義のバルトメロイ、民主主義のトランベリオ、中立派閥のメルアステアとなっており、日々勢力争いをしている。三大貴族のバリュエレータは民主主義に属す。
階位
時計塔の魔術師の魔術力に対応した序列の標示。下位から「末子(フレーム)」、「長子(カウント)」、「開位(コーズ)」、「祭位(フェス)」、「典位(プライド)」、「色位(ブランド)」、「冠位(グランド)」。最高位の冠位は「幻の冠位」とも呼ばれ任じられる者は希少であり、君主であっても「色位(ブランド)」が実質上の最高位になっている。
冠位決議(グランド・ロール)
時計塔の運営のために、名目上は学科や派閥の枠の別なく、問題・議題をロードやその代理人によって審議する会議。実際には権力闘争の場でもあり、議題によっては旗色を明かすことを避けて欠席・棄権するロードもいる。
近い過去にはケイネスの死後に鉱石科のロードからエルメロイ派を外すことや、現代魔術科にエルメロイ派を据えることなどが決議された。
霊基アルビオン
時計塔の地下の、そのまた地下深くに広がっている巨大迷宮。地上の世界とは魔力やエーテルの濃度が異なっており、地上からは消え失せたはずの幻想種が今だに生息している。また、魔力を帯びた魔術的に貴重な色々な呪体を産出するため、時計塔がこの上にある理由になっている空間である。地上において人理の優位が決定し、神代の魔術と神秘が消え失せていく時代に、他の神秘が退去した先の世界の裏に行きそびれた巨大な竜種の遺骸が迷宮に変じたという伝説がある。
全容は解明しきれていないものの、把握している空間は「採掘都市アギスフェス」・「大魔術回路(静脈回廊オドベナ)」・「古き心臓」・「天文台カリオン」・「妖精域」で、冠位決議は「古き心臓」で執り行われる。入るのは易く出るのは難しいともいわれており、採掘者はアルビオン内で生活し、ここで生まれ育つ者も少なくない。
空間や産出物の採掘の管理は「秘骸解剖局」が行っており、時計塔と結びつきは深いが、完全に独立した組織である。それ故に時計塔の各派閥からの潜入者や工作員も紛れ込んでいる。

既刊一覧[編集]

小説[編集]

  • TYPE-MOON版
    1. 『case.剥離城アドラ』2014年12月23日発売:解説 - 虚淵玄
    2. 『case.双貌塔イゼルマ 〈上〉』2015年8月14日発売
    3. 『case.双貌塔イゼルマ 〈下〉』2015年12月4日発売:解説 - 成田良悟
    4. 『case.魔眼蒐集列車(レール・ツェッペリン)〈上〉』2016年8月14日発売
    5. 『case.魔眼蒐集列車 〈下〉』2016年12月30日発売:解説 - 東出祐一郎
    6. 『case.アトラスの契約 〈上〉』2017年8月11日発売
    7. 『case.アトラスの契約 〈下〉』2017年12月31日発売:解説 - 桜井光
    8. 『case.冠位決議 (グランド・ロール) 〈上〉』2018年8月12日発売
    9. 『case.冠位決議 〈中〉』2018年12月31日発売
    10. 『case.冠位決議 〈下〉』2019年5月17日発売:解説 - 奈須きのこ
  • 角川文庫版
    1. 『case.剥離城アドラ』2019年4月24日発売、ISBN 978-4-04-108074-0

漫画版[編集]

テレビアニメ[編集]

ロード・エルメロイII世の事件簿 -魔眼蒐集列車 Grace note-』(ロード・エルメロイにせいのじけんぼ レール・ツェッペリン グレイズ・ノート)のタイトルで、2019年7月よりTOKYO MXほかにて放送開始予定[3]

2018年12月31日放送の特番「Fate Project 大晦日TVスペシャル2018」にてテレビアニメ化が発表され、第1巻冒頭でグレイがルヴィアに話していたエルメロイII世と猫のエピソードを元にしたオリジナルストーリーである第0話「墓守と猫と魔術師」が、同特番内で放映された[8]

シナリオ[編集]

テレビアニメのシナリオは、前半が著者の三田誠監修によるオリジナルエピソード、後半が『魔眼蒐集列車』のストーリーで構成される[9]

原作でロード・エルメロイII世が挑む5つの事件から『魔眼蒐集列車』が選ばれた理由は、アクションや盛り上がる場面が多く、映像化に向いているためである。他の物語の映像化も検討されたが、『剥離城アドラ』や『双貌塔イゼルマ』などはテレビアニメにすると中盤以降まで盛り上がる展開が作りづらく、内容的にも劇場アニメ向きのストーリーであるため、今回の映像化は断念された[10]

『魔眼蒐集列車』のみ映像化する際、グレイの能力やエルメロイII世とライネスの関係など前提となる知識を描くため、テレビアニメの前半はアニメオリジナルストーリーが描かれる。三田は、いつかメディアミックスとして他の作家や脚本家が事件簿の物語を描くかもしれないことを想定し、『剥離城アドラ』と『双貌塔イゼルマ』の間に1か月、『双貌塔イゼルマ』と『魔眼蒐集列車』の間にも1か月、物語の中で空白の時間をつくり、短編を描けるように構想を練っていた。テレビアニメでは、原作でわずかに語られた話や物語の補完を入れつつ、原作では語られていない別の事件や各キャラクターの日常が描かれる[10]

三田はアニメーション制作に各話数の制作の最初と最後の段階で立ち会っており、旧知の仲でもあるシリーズ構成・脚本の小太刀右京と共にオリジナル展開のアイデア出しや脚本監修・修正を務めている[11]

スタッフィング[編集]

魔術考証は原作と同様に三輪清宗が担当している。監督は加藤誠、シリーズ構成は三輪も所属しているチーム・バレルロール代表でFate関連作品にも多数参加している小太刀右京、キャラクターデザインは『Fate/Grand Order』第2部OPアニメで監督・キャラクターデザイン・一人原画などを担当した中井準、アニメーション制作は同OPアニメを制作したTROYCAが務める。

スーパーバイザーはテレビアニメ『Fate/Zero』にて監督を務めたあおきえいが務め、同アニメで音楽を務めた梶浦由記が本作でも劇伴を担当する[12]。あおきは脚本会議にすべて出席し、アドバイザーとしてテレビアニメ『Fate/Zero』との繋がりを強めている[10]。また、第0話では『Fate/Zero』にてアニメーション制作を務めたufotableが原画で参加している。

スタッフ[編集]

主題歌[編集]

エンディングテーマ[13]
歌 - ASCA

各話リスト[編集]

話数サブタイトル脚本絵コンテ演出作画監督
EPISODE 0墓守と猫と魔術師
There is no such thing as "truth".[注 1]
小太刀右京あおきえい林宏樹
  • 中井準
  • 松本昌子

放送局[編集]

日本国内 テレビ / 第0話 放送期間および放送時間[14]
放送日 放送時間 放送局 対象地域 [15] 備考
2018年12月31日 月曜 21:00 - 23:55 TOKYO MX 東京都
月曜 21:00 - 火曜 0:00 BS11 日本全域 BS放送 / 『ANIME+』枠
2019年3月27日 水曜 21:30 - 22:00 AT-X 日本全域 CS放送 / リピート放送あり[16]
TOKYO MX、BS11では『Fate Project 大晦日TVスペシャル2018』内にて放送[14]
テレビシリーズ放送開始の前週に、AT-Xを除く全局で再放送される予定[17]
日本国内 テレビ / テレビシリーズ 放送期間および放送時間[18]
放送期間 放送時間 放送局 対象地域 [15] 備考
2019年7月7日 - 日曜 0:00 - 0:30(土曜深夜) TOKYO MX 東京都
BS11 日本全域 BS放送 / 『ANIME+』枠
群馬テレビ 群馬県
とちぎテレビ 栃木県
日曜 3:08 - 3:38(土曜深夜) 毎日放送 近畿広域圏 アニメシャワー』第3部
2019年7月 - 不明  AT-X 日本全域 CS放送[16]

舞台[編集]

2019年冬より公演予定[19]

その他[編集]

「case.双貌塔イゼルマ」の序章、ウェイバー・ベルベットがライネスの配下に拉致されてライネスと対面し、契約を交わしてロード・エルメロイII世となるエピソードは、真じろうの作画による『Fate/Zero』においても漫画化され、単行本第14巻(最終巻)の最後に「Another Epilogue」として収録されている。

脚注[編集]

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注釈 [編集]

  1. ^ 公式サイトでは「A Grave Keeper, a Cat, and a Mage」と表記されている。

出典 [編集]

  1. ^ 「ロード・エルメロイII世の事件簿」特集 三田誠×虚淵玄対談”. コミックナタリー. ナターシャ. 2019年4月28日閲覧。
  2. ^ “Fateスピンオフ「ロード・エルメロイII世の事件簿」東冬がマンガ化、YA新連載”. コミックナタリー (ナターシャ). (2017年10月4日). https://natalie.mu/comic/news/251401 2019年1月1日閲覧。 
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa “Fateスピンオフ「ロード・エルメロイII世の事件簿」アニメ化!7月より放送”. コミックナタリー (ナターシャ). (2018年12月31日). https://natalie.mu/comic/news/314529 2018年12月31日閲覧。 
  4. ^ 『ロード・エルメロイII世の事件簿』小説第1巻あとがき:三田誠、pp412-415、2014年11月。
  5. ^ a b 「ロード・エルメロイII世の事件簿」特集 三田誠×虚淵玄対談 (2/4)”. コミックナタリー. ナターシャ. 2019年4月28日閲覧。
  6. ^ “アニメ「ロード・エルメロイII世の事件簿」新PV公開、平川大輔も出演”. コミックナタリー (ナターシャ). (2019年3月23日). https://natalie.mu/comic/news/325073 2019年3月23日閲覧。 
  7. ^ 奈須きのこ「2015年の時計塔」『TYPE-MOONエース Fate/Grand Order特別号』 KADOKAWA、2015年。
  8. ^ makoto_sandaの2019年1月1日0:13のツイート2019年2月22日閲覧。
  9. ^ アニメ『ロード・エルメロイII世の事件簿』オリジナルエピソードは三田誠さん完全監修で展開”. 電撃オンライン. KADOKAWA (2019年3月29日). 2019年3月29日閲覧。
  10. ^ a b c 「ロード・エルメロイII世の事件簿」特集 三田誠×虚淵玄対談 (3/4)”. 2019年5月4日閲覧。
  11. ^ TVアニメ ロード・エルメロイⅡ世の事件簿 公式HP EL-MELLOI TIMES Vol.1 三田誠インタビュー 2019年5月14日掲載
  12. ^ 「ロード・エルメロイII世」AJイベントで浪川大輔「小野、平川と大輔大渋滞」”. コミックナタリー. ナターシャ (2019年3月29日). 2019年3月29日閲覧。
  13. ^ ASCA初ワンマン熱狂の渦!7月放送TVアニメ『ロード・エルメロイII世の事件簿』ED担当&12月全国ツアーを発表!”. リスアニ!WEB. 2019年4月29日閲覧。
  14. ^ a b elmelloi_animeの2019年1月1日0:00のツイート2019年3月16日閲覧。
  15. ^ a b テレビ放送対象地域の出典:
  16. ^ a b AT-Xでも7月より放送開始決定/第0話も放送決定”. TVアニメ「ロード・エルメロイII世の事件簿 -魔眼蒐集列車 Grace note-」公式サイト (2019年3月15日). 2019年3月16日閲覧。
  17. ^ 最新キービジュアル公開&初回放送日時決定”. TVアニメ「ロード・エルメロイII世の事件簿 -魔眼蒐集列車 Grace note-」公式サイト (2019年5月17日). 2019年5月17日閲覧。
  18. ^ TVアニメ「ロード・エルメロイII世の事件簿 -魔眼蒐集列車 Grace note-」公式サイト”. 2019年5月17日閲覧。
  19. ^ “「ロード・エルメロイII世の事件簿」舞台化決定”. ステージナタリー (ナターシャ). (2019年4月27日). https://natalie.mu/stage/news/329842 2019年4月27日閲覧。 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]