理想のヒモ生活

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理想のヒモ生活
ジャンル ファンタジー
異世界
なろう系
小説
著者 渡辺恒彦
イラスト 文倉十
出版社 主婦の友社
主婦の友インフォス[1]
掲載サイト 小説家になろう
レーベル ヒーロー文庫
刊行期間 2011年6月25日 -
巻数 既刊13巻(2020年3月現在)
漫画
原作・原案など 渡辺恒彦(原作)
文倉十(キャラクター原案)
作画 日月ネコ
出版社 KADOKAWA
掲載誌 ヤングエース
レーベル 角川コミックス・エース
発表号 2017年3月号 -
発表期間 2017年2月3日 -
巻数 既刊10巻(2020年11月現在)
テンプレート - ノート
プロジェクト ライトノベル漫画
ポータル 文学漫画

理想のヒモ生活』(りそうのヒモせいかつ)は、渡辺恒彦によるオンライン小説ライトノベル。『小説家になろう』にて2011年より掲載を開始。これを原案として、ストーリーなど大幅に改稿・先行した文庫本がヒーロー文庫主婦の友社主婦の友インフォス)より刊行されている。イラストは文倉十

メディアミックスとして、日月ネコの作画による漫画版が『ヤングエース』(KADOKAWA)にて2017年3月号から連載されている[2]

2020年11月時点でシリーズ累計発行部数は230万部を突破している[3]

あらすじ[編集]

ブラック企業に勤める山井善治郎は、休日のある日突然異世界に召喚され、その世界の大国カープァ王国の女王である美女アウラに求婚される。カープァ王国は長い戦乱で直系の王族が女王アウラ唯一人となってしまい国家存亡の危機期に瀕していたが、実は召喚された善治郎は150年前に駆け落ちしたカープァの王族の血統を引いていたのだった。

女王アウラが善治郎に保障した結婚の条件とは、王家の血統を残すための子作り以外何もする必要のない、自堕落な生活をしてくれる婿であった。美人の女王と結婚できなおかつ『ヒモ生活』。あまりにも『おいしすぎる条件』に不信を抱いた善治郎だったが、アウラ側の「子作り以外、特に政治的には何もして欲しくない」という裏の事情を見抜く。身寄りもなく、ただ働き続けるだけの毎日に嫌気が刺していた善治郎はあっさりとアウラの求婚を受け入れ、一か月後には異世界での女王の配偶者・王配としての理想のヒモ生活が始まるのだった。

異世界の文化や環境と現代日本人の感覚に戸惑いながらも後宮で良好な関係を築く善治郎とアウラ。しかし男尊女卑の気風が強いカープァ王国において、女王と王配の微妙な立場、血統のための側室取りの圧力など、周囲が2人を放ってはおかなかった。隙があれば、カープァ王家の血統を守り増やすため善治郎に側室を取らそうとする勢力や善治郎自身を自らの傀儡にしたい勢力の様々な陰謀や思惑もあり、善治郎はアウラと共に否応なくそれらに対処する羽目になっていく。また、150年前に駆け落ちしたカープァの王族と子孫・善治郎の秘密が明らかになると、事態と思惑はカープァ王国を大きく飛び越えていく。そんな中、ついにアウラが妊娠、善治郎も『血統魔法』に目覚めるのだった。

シャロワ・ジルベール双王国との交渉、街道の異変、北大陸からの来訪者など、次々と発生する事件にも自身を顧みずアウラと家族を第一に行動する善治郎だが、図らずもカープァ王国と女王アウラにとって都合がよくまた有能な人間であることを証明してしまう。またアウラは妻として善治郎の望みを喜ぶも、女王として国益のため嫌がる善治郎に側室取りを画策せざるを得なくなる。アウラの政治基盤とカープァ王国の未来のため、善治郎の理想のヒモ生活は徐々に軌道修正が迫られるのだった…。

ウェブ版と書籍版[編集]

本作は『小説家になろう』掲載版(以下ウェブ版)と書籍版ではストーリーの展開や分量が大きく異なる。ウェブ版は4巻相当を超えた分で更新が停止しており、書籍版も4巻までは大幅な書き足しや配役・ストーリーの変更などが行われている。また5巻相当分からは大きく異なる展開となり、特に決定的な分岐として、書籍版では北大陸からフレア王女が来航しストーリーの中心となっていく[4]

登場人物[編集]

カープァ王国[編集]

カープァ王家[編集]

山井善治郎→ゼンジロウ・カープァ
本作の主人公。物語開始時点で24歳。身長172センチメートル[5]
現代日本でブラック企業に就職して疲弊した生活を送っていたが、ある日アウラにより異世界に召喚され、唯一人残された王家の彼女と結婚してカープァ王国初の王配となる。実は5代前のカープァ王国の王子が善治郎の世界に駆け落ちした結果生まれた子孫の一人で、王家の血を持つ者しか使えないとされる「時空魔法」に適性を持つ。また、駆け落ち相手であるシャロワ王家の血も引いており、南大陸の王族としては非常に稀有(≒タブー)な存在である。
現代日本人としての価値観を持ち、異世界では異端として扱われ評価は二分される。アウラやフレアは女性を対等に扱う善治郎を高く評価するが、国内貴族や戦士など特に武力を重んじる人物からは侮られる傾向がある。また、側室をめとることや家族を政争に巻き込むことに強い拒否感を持つ。
王配となる前の社会人の経験から、相手の裏の思惑を推測する洞察力と状況に応じた適切な判断力を兼ね備えており、王族としては不慣れながら、その場に応じた立ち居振る舞いができる。加えて現代日本から持ち込んだ知識と所持品を王国のために役立てており、本人の意図に関わらず功績を挙げ続けている。結婚にあたりパソコン、エアコン、冷蔵庫、テレビ、ゲーム機といった電化製品を持ち込み、自身の生活空間である後宮の侍女たちに徐々に影響を与えてゆく。
アウラ・カープァ
本作のヒロインであり、カープァ王国の女王。物語開始時点で25歳。長身(身長170センチメートルくらい[6])かつ巨乳(を通り越して爆乳と呼ぶに相応しい大きさ[7])で、褐色の肌と紅色の長髪。先の戦乱で軍を率いるなど武人としての身体能力も有するが、カープァ王国では男勝りで女性としての魅力が低いとされる。誠実かつ理性的な人柄で政治家として有能であり、女王として国を治めるだけの決断力・判断力を持つ。
先の長い戦乱で次々と死亡した親族の後を継いで即位し、カープァ王家の唯一の生き残りとして、血統魔法である「時空魔法」を次代に残す王族としての責務を負う。結婚当初、善治郎には子作り以外に何もしないこと(ヒモ生活を送ること)を望んでいたが、アウラを愛し、常にアウラに配慮を心がける善治郎の人柄に感銘を受け、次第に夫として全幅の信頼を寄せるようになる。一方、女王として国益を優先させるために善治郎に不便を強いることがあり、その度に葛藤を抱いている。
カルロス・善吉・カープァ
善治郎とアウラの息子。その身に宿す魔力はアウラよりも多く、善治郎の約2倍。カープァ王家の「時空魔法」とシャロワ王家の「付与魔法」を両方扱える素質を持つ。
善治郎の持ち込んだ電化製品の恩恵を一番受けており、カープァ王国の気温は活動期ですら大泣きで受け付けない。
フアナ・善乃・カープァ
善治郎とアウラの娘。カルロス・善吉と同じくカープァ王家の「時空魔法」とシャロワ王家の「付与魔法」の血統を受け継ぐ。

カープァ王家の従者[編集]

ファビオ・デウバジェ
アウラの筆頭秘書官。秘書官として忠誠心が高く能力も申し分なく、歯に衣着せぬ発言が多いため善治郎やアウラから不満が出ることもあるが、その識見の高さで女王の右腕として重用されている。軍の最高職である元帥、政治の最高職の宰相がカープァ王国にいないときには、ファビオの持つ権力はかなり大きかった。
作者曰く、説明役、影に徹する役のイメージを出すため、書籍化において意図的にイラスト化されておらず、漫画版で初めて容姿が描写された[8]
エスピリディオン
アウラの信頼厚き、王家に次ぐ魔力を持つ凄腕の魔法使いにして賢者。齢70を超えている。通常の四系統魔法はもちろん、血統魔法についても知識を持っている。
ナタリオ・マルドナド
竜弓騎士団の騎士。善治郎からプジョルを通じて竜弓を与えられた縁により、善治郎直属の騎士を務める。

後宮侍女[編集]

アマンダ
後宮侍女長。ガジール辺境伯とは従兄弟の関係にあたる。善治郎が後宮で快適に過ごすために、若い後宮侍女達を指導している。
既婚で既に子供も独り立ちしている年代であるが、漫画版では20代後半程度の姿に描かれている。
イネス
善治郎付の侍女。後宮では清掃担当責任者を務める。
善治郎が現れる以前からカープァ王家に仕えており、アウラから信頼されている。善治郎が遠方に出向かう際には、帯同することが多い。
ドロレス
後宮侍女。フェー、レテと合わせて問題児三人組と呼ばれている。長身でスタイルが良い。
善治郎が「黄金の木の葉号」でウップサーラ王国へと向かう船旅に帯同し、ポモージエ港などの偵察を務めた。
フェー
後宮侍女。ドロレス、レテと合わせて問題児三人組と呼ばれている。小柄で短髪な容姿で、活発な性格。
レテ
後宮侍女。ドロレス、フェーと合わせて問題児三人組と呼ばれている。アウラを超える巨乳が特徴で、おっとりとした性格。料理が得意。
マルグレーテ
アウラ付の侍女。部下が何人かいる。白い肌に金髪、緑色の瞳とカープァ王国人とはかけ離れた容姿をしている。おしゃべり好きで噂好きとされるが、実態はアウラ直属の密偵のような役割を務める。

ギジェン侯爵家[編集]

プジョル・ギジェン
ギジェン家の当主。王国の精鋭である竜弓騎士団の将軍を務める。極めて野心家であり、自身やギジェン家の権力向上に邁進しすぎるため、「餓狼」とも呼ばれている。
アウラ女王の元婚約者候補であったが、その野心が危険視され、カープァ王家の王配としては問題ありとアウラに評価されていた。
小説版ではルシンダ・ガジールと結婚する。ルシンダの影響を受け、行動に強かさが加わった。
ファティマ・ギジェン
プジョル・ギジェンの妹。長身かつ細身でモデルのような体格。プジョルの意向により、善治郎の側室候補として紹介される。

マルケス伯爵家[編集]

マルケス伯爵(マヌエル・マルケス)
マルケス伯爵家の当主。
ラファエロ・マルケス
マルケス伯爵家の息子で次期当主。文官として有能だが、貴族の跡継ぎとしては覇気・積極性に乏しいとされる。
アウラ女王の元婚約者候補であったが、マルケス家当主である父親に従順すぎるため、カープァ王家の王配としては問題ありとアウラに評価されていた。
フレア・ウップサーラを載せた帆船がワレンティア港に停泊した際には、善治郎に帯同し実務責任者を務める。
オクタビア
マルケス伯爵の後妻。マルケス伯爵とは親子以上の年の差があり、ラファエロよりも一回り年下である。控えめで男を立てる人柄であり、理想的な貴族女性とされる。王国内ではやや色素の薄い黒髪の美人であり、かつては「宮廷の名花」と評され、社交界で男性から非常に高い人気があった。
善治郎の家庭教師として、カープァ王家として必要なマナー・常識と魔法の基礎を教える。

ガジール辺境伯家[編集]

ガジール辺境伯(ミゲル・ガジール)
ガジール辺境伯領の領主。初老だが筋骨隆々とした体格、実直な性格で貴族らしい腹芸を苦手とする。
ルシンダ・ガジール
ガジール辺境伯家の長女。地味だが整った容姿を持つ。先の大戦時には領地の政務を一手に引き受けていたため、カープァ王国における結婚適齢期を逃していた。
小説版ではプジョル・ギジェンと婚姻し、ウェブ版では善治郎の側室候補。どちらも思慮深い女性とされている。
チャビエル・ガジール
ガジール辺境伯家の三男。先の大戦で長男と次男が戦死したため、次期当主とされる。塩の街道で群竜討伐に参戦する。
ニルダ・ガジール
ガジール辺境伯家の次女。短いポニーテールに小柄な容姿を持ち、天真爛漫で純粋な性格。
ガジール辺境伯と領民との間に生まれた妾腹の子であり、九歳まで母親と村で暮らしていたが、その後辺境伯家に認知され貴族として教育を受ける。
登場時点で、不備により王家が保管する貴族の名簿に名前がなく、公式には貴族として扱われない状態だった。小説版とウェブ版では展開が異なるが、どちらも不備の発覚が騒動の一因となる。

シャロワ・ジルベール双王国[編集]

イザベッラ・ジルベール
ジルベール法王家の王女。五指に入る「治癒魔法」の使い手。年齢は40歳過ぎ。
善治郎が病に臥せったときにカープァ王国に来訪し、善治郎の体力を「治癒魔法」により回復させた。アウラが第二子を出産するときには正式にカープァ王国に派遣され、アウラの体調を強化した。
ウェブ/書籍版と漫画版では容姿の設定が異なり、ウェブ/書籍版では年相応の容姿だが、漫画版では年齢の割に若い容姿で描かれている。
フランチェスコ王子
シャロワ王家の王太子であるジュゼッペの長男。五指に入る「付与魔法」の使い手で、細工師としての腕前もトップクラス。
軽薄な性格で、カープァ王国に滞在中も、度々問題のある言動を繰り返していた。そのため人格に問題ありとして、直系の王子であるにも関わらず王位継承権を持っていなかった。
実は「付与魔法」と「治癒魔法」の両方を使うことができ、王位継承権を持たないのも双王国で定められた取り決めによるもの。
ボナ王女
シャロワ王家の血を引く下級貴族の次女の生まれだが、「付与魔法」に目覚めたため王族に迎えられた。
ルクレツィア・ブロイ
ブロイ侯爵家の養女。年齢は多く見積もっても15歳になるが、それ以上に幼く見える。青色の瞳に金髪のサイドテールで幼い体つきをしている。
初登場は8巻で、善治郎が双王国に来訪した際の世話係を務める。王族として生まれたが、シャロワ王家の血統魔法である「付与魔法」が発現しなかったため、ブロイ侯爵家の養女に出された。そのため王族への復権に執着し、善治郎の側室入りを狙う。当初は露骨なアピールを行い善治郎に疎んじがられていたが、侍女やフレアからの助言を受け、献身的な一面を見せるようになる。
ブルーノ三世
シャロワ王家の王。「完全融合派」に属し、フランチェスコ王子を次期王太子に据えようと目論む。
善治郎が双王国を来訪した際の謁見にて、自身が退位し、王位をジュゼッペ王太子に譲ることを宣言した。
ジュゼッペ王太子
シャロワ王家の王太子。ブルーノ王と同じく「完全融合派」に属し、フランチェスコ王子を次期王太子に据えようと目論む。
ラルゴ王子(ラルゴ・シャロワ)
ブルーノ王の末子であり、ジュゼッペとは腹違いの弟。フランチェスコ王子を次期王太子を継承することに反対しているため、ブルーノ三世・ジュゼッペ王太子とは政治的に反目している。

ウップサーラ王国(北大陸)[編集]

フレア・ウップサーラ
ウップサーラ王国の第一王女で本作のヒロインの一人。初登場は5巻から。初登場時の年齢は10代後半。身長は160センチメートル前後。青みがかった銀色の髪をバッサリ切りそろえている。普段は船長として男装している。 北大陸より航海してきたが、予定より南に流され船自体が損傷したこともあり、カープァ王国南端の王族領の港に入港する。結婚までは自由に生きて、それ以後は王族女性として普通に家庭に入るつもりでいたが、貿易という国益と妻であるアウラ女王を束縛しない善治郎の人柄を知り、結婚後も自由に生きられる彼の側室になることを目指し活動する。アウラからの許諾を得つつ、周りからは側室になるのは時間の問題と思われる状態までになる。
スカジ(ヴィクトリア・クロンクヴィスト)
ウップサーラ王国の女戦士でフレアの護衛。20代前半で、身長は185センチメートル以上。フレアの相談役でもあり、フレアが行き過ぎた言動をした際に掣肘する役割も担う。
「スカジ」は古の魔女の名前であり、優れた戦士に与えられる称号として名乗っている。
蹴槍術の達人であり、ワレンティアへの寄港直前に遭遇した海竜、およびワレンティアで迎撃した巨大群竜を蹴槍により仕留めた。

ナバラ王国[編集]

マルティン・ナダル
ナバラ王国の将軍。プジョルとは大戦時に互いの顔に傷をつけた間柄であり、互角の人物と評されている。
プジョルとルシンダの結婚式に出席する。
クリスティアーノ・ピント
ナバラ王国の騎士長。武才に長け、20歳に満たない若さで騎士長を務める。甘い物が好きだが、それを恥じる傾向がある。
プジョルとルシンダの結婚式に出席する。

ズウォタ・ヴォルノシチ貴族制共和国[編集]

アンナ・クラクフ
ズウォタ・ヴォルノシチ貴族制共和国の王女。身長は170センチメートル前後で、ウェーブのかかった藍色の髪を持ち、目鼻立ちがはっきりとした顔立ち。クラクフ王家の血統魔法である飛行魔法の使い手で、有翼騎兵の一員でもある。
共和国の次期国王を目指しており、実績を求めている。

設定・用語[編集]

舞台背景[編集]

善治郎が召喚された異世界は、世界そのものの通称は明らかにされていない。北大陸と南大陸に分かれており、南大陸はランドリオン大陸という名称がある。善治郎が召喚される数年前まで、南大陸では大陸全土におよぶ長い戦乱が続いていた。

魔法[編集]

一般人により広く使用されている四大魔法と、王族のみが使用できる血統魔法が存在する。北大陸と南大陸の間柄は「南魔北技」と言われ、南大陸の人間の方が魔力量が多く魔法を扱うことに長けているとされる。
南大陸では王族は血統魔法を使えることが絶対条件であり、血統魔法を使えない者は王族より外され、身分が低い者でも血統魔法が使えれば王族として迎えられる。それ故、他国の王族との結婚は血統魔法を盗むことにつながり、国力に重大な影響を与えるためタブーとされている。一方で北大陸では絶対条件ではなく、血統魔法を使えない王族も多数存在する。
時空魔法
カープァ王家の血統魔法。代表的な魔法として、物体を引き寄せる「引き寄せ」、物体を遮る結界を構築する「空間遮断結界」、一度訪れたことのある場所に人を瞬時に移動させる「瞬間移動」が存在する。「瞬間移動」は特に政治的に有用であり、カープァ王国では国外の賓客の送迎に使用したり、国内の貴族に対して料金を徴収して使用している。
治癒魔法
ジルベール王家の血統魔法。作中では具体的な効果は明言されていないが、「体力回復」「精神疲労除去」「病魔快癒」など効果に応じた魔法が存在する描写がある。
付与魔法
シャロワ王家の血統魔法。物体に魔力を込めることで魔道具を作成することができる。魔道具の作成には、付与魔法の使い手とは別に、魔道具に込める魔法の使い手が必要となる。
飛行魔法
クラクフ王家の血統魔法。最も簡単な魔法は「落下制御」であり、クラクフ王家の有翼騎兵となるためには緊張状態でも「落下制御」を唱えられる必要があるとされる。「落下制御」以外にも、「浮遊」「飛行」「飛翔」といった魔法が存在する。

国家[編集]

カープァ王国
南大陸西部にある大国、気候としては熱帯の高温多湿気候で90%が森林(密林と言うべきか?)。数年前まで続いた戦争の痛手からようやく立ち直りつつある。男尊女卑の風潮が強く、女性であるアウラが王位に就いていることを快く思わない者も多い。
王家の血統魔法は「時空魔法」。王家の紋章は「開かれた扉」と「砂が上に流れる砂時計」。
シャロワ・ジルベール双王国
南大陸中央部の大国で、気候としては高温乾燥気候で砂漠も多い。シャロワ王家とジルベール法王家が並立している。シャロワ王家は23人、ジルベール法王家は19人いる。
シャロワ王家・ジルベール王家は古くは北大陸の移民であり、王家やそれに随伴してきた移民たちと現在の領土の先住民である四部族(現在は四公爵家)が共存する形で建国された経緯がある。
北大陸という出自から王家を始めとする移民たちは南大陸人と違い白い肌をしているものの、長い年月で混血も相応に行われてきたため南大陸人の血もそれなりに混ざっており、南大陸人寄りの見た目をしている者も存在する。
シャロワ王家の血統魔法は「付与魔法」、ジルベール法王家の血統魔法は「治癒魔法」。
ウップサーラ王国
北大陸北部にある国。王族が血統魔法を持たない。
北大陸でも有数の技術先進国とされ、魔法よりも科学技術が旺盛で、4本マストの帆船建造技術や鉄の鋳造などがある。
船や海は女性の人格を持つと考えられており、男性の既婚船長は一時的に本来の妻と離婚してから航海に出る。
ナバラ王国
南大陸中西部に位置する中堅国。カープァ王国とは山脈を挟んだ隣国であり、ガジール辺境伯領と接している。
ズウォタ・ヴォルノシチ貴族制共和国
北大陸西部の大国。ポモージエ港という国際港を有する。国民の大半は教会の信徒だが、国民の信仰の自由を認めている。
国内の全貴族が一票を持つ国王自由選挙を経て、貴族全体の承認を受けて国王が決定される。形式上は王族であれば誰でも立候補が可能だが、現実には王位継承権第一位の者しか立候補しない慣習がある。

教会[編集]

北大陸で大きな勢力を持つ宗教。古代竜族を神聖なものとして信仰の対象とする一方で、南大陸に住む人間を、古代竜族の怒りに触れ流刑された罪人達の末裔として卑下の対象としている。教えの解釈の違いにより、さらに「爪派」と「牙派」に宗派が分かれている。

竜種[編集]

異世界に広く存在する生物。南大陸では、一部の種類の竜は家畜として運用されている。
走竜
馬の倍以上の体躯を誇る。寿命は五十年前後ある。
鈍竜
速度では劣るが力で勝る。
肉竜
食べられる部分が多い。額から突き出す二本の角がある。
小飛竜
空を飛ぶ。情報伝達に使われる。
群竜
群れをなす肉食竜。

既刊一覧[編集]

  • 著:渡辺恒彦 / イラスト:文倉十 『理想のヒモ生活』主婦の友社主婦の友インフォスヒーロー文庫〉、既刊13巻(2020年3月30日現在)
    1. 2012年9月28日発売、ISBN 978-4-07-284078-8
    2. 2012年11月30日発売、ISBN 978-4-07-284084-9
    3. 2013年3月29日発売、ISBN 978-4-07-288700-4
    4. 2013年8月30日発売、ISBN 978-4-07-292190-6
    5. 2014年4月28日発売、ISBN 978-4-07-296354-8
    6. 2014年11月29日発売、ISBN 978-4-07-410241-9
    7. 2015年9月30日発売、ISBN 978-4-07-403086-6
    8. 2016年6月30日発売、ISBN 978-4-07-417935-0
    9. 2017年5月31日発売、ISBN 978-4-07-424639-7
    10. 2017年12月28日発売、ISBN 978-4-07-429074-1
    11. 2018年7月31日発売、ISBN 978-4-07-433868-9
    12. 2019年4月30日発売、ISBN 978-4-07-437228-7
    13. 2020年3月30日発売、ISBN 978-4-07-442815-1
  • 渡辺恒彦(原作)、日月ネコ(漫画) 『理想のヒモ生活』 KADOKAWA(角川コミックス・エース)、既刊10巻(2020年11月4日現在)
    1. 2017年7月25日発売、ISBN 978-4-04-106001-8
    2. 2017年12月4日発売、ISBN 978-4-04-106393-4
    3. 2018年6月4日発売、ISBN 978-4-04-106841-0
    4. 2018年11月2日発売、ISBN 978-4-04-107482-4
    5. 2019年2月4日発売、ISBN 978-4-04-107829-7
    6. 2019年6月4日発売、ISBN 978-4-04-108233-1
    7. 2019年10月4日発売、ISBN 978-4-04-108704-6
    8. 2020年2月4日発売、ISBN 978-4-04-108705-3
    9. 2020年6月4日発売、ISBN 978-4-04-109476-1
    10. 2020年11月4日発売、ISBN 978-4-04-109463-1

脚注[編集]

[脚注の使い方]
  1. ^ 第11巻までは主婦の友社、それ以降は主婦の友インフォスが発行。
  2. ^ 理想のヒモ生活 コミカライズ開始のお知らせ - ヒーロー文庫
  3. ^ 漫画版第10巻の帯の表記より
  4. ^ プジョル将軍の塩の街道における群竜討伐でも、ウェブ版では善治郎の持ち込んだデジタルカメラを借りて群竜の本隊を突き止めるが、書籍版ではデジタルカメラは貸し出されず、大規模な山狩りをおこなったため群竜に逃げられてしまう。またウェブ版ではガジール辺境伯家との婚姻を狙うプジョル将軍の思惑にアウラが事前に気づいたため牽制を行い、結果として娘のルシンダが善治郎の側室(候補)となるが、書籍版では事前に気づかなかったためプジョル将軍とルシンダの婚姻を認めることになる。いずれも書籍版では善治郎がフレア王女を迎えに行ったために、アウラと群竜討伐の話し合いができなかったことで起こった分岐である。
  5. ^ ウェブ版(第一章4【思い通りにいくことは少ない】)、書籍版(第一章 一時帰還p.75~76)。
  6. ^ Web掲載版(第一章4【思い通りにいくことは少ない】)、書籍版(第一章 一時帰還p.75~76)。“善治郎の方が指一本分程度だが、高い。”
  7. ^ Web掲載版(プロローグ1【半年ぶりの二連休は異世界で】)、書籍版(プロローグ 半年ぶりの二連休は異世界で p.7)
  8. ^ 理想のヒモ生活 漫画版1巻発売”. 小説家になろう (2017年7月25日). 2020年6月10日閲覧。

外部リンク[編集]