奈須きのこ

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奈須 きのこ
(なす きのこ)
ペンネーム 奈須 きのこ
(なす きのこ)
誕生 (1973-11-28) 1973年11月28日(46歳)
日本の旗 日本千葉県
職業 小説家
ゲームシナリオライター
言語 日本語
国籍 日本の旗 日本
最終学歴 法政大学大学院人文科学研究科修士課程修了[要出典]
活動期間 1998年 -
ジャンル 伝奇小説
ミステリ
ファンタジー
ジュブナイル
ライトノベル
美少女ゲーム脚本
代表作空の境界
DDD
月姫』など
デビュー作 同人及び商業小説:『空の境界
同人ゲーム脚本:『月姫 (ゲーム)
商業ゲーム脚本:『Fate/stay night
公式サイト 奈須きのこ 公式ホームページ
『 竹箒 』
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奈須 きのこ(なす きのこ、1973年(昭和48年)11月28日 - )は、日本シナリオライター小説家・同人作家。血液型AB型千葉県出身。

人物[編集]

概要
座右の銘は「人類皆強大」。自画像は「化けきのこ」。
中学時代からの同級生武内崇らと共に同人サークルTYPE-MOONを立ち上げ、2000年発表の同人ゲーム月姫』シリーズで人気を博す。現在は同サークルを法人化したゲーム制作会社「ノーツ」(TYPE-MOONはそのブランドに)に所属し、2004年発表のアダルトゲームFate/stay night』などでシナリオを手がける。また、講談社刊『DDD』シリーズ(講談社BOX)などで小説家としても活動中。
SF・ミステリファン
自身が公言するように熱心なSFミステリファンであり、自身の分野である伝奇小説新本格ミステリの手法を取り入れ、講談社の文芸誌「ファウスト」では「新伝綺」と銘打たれた。
なお、本人の口から「影響を受けた作家」として、菊地秀行綾辻行人笠井潔島田荘司竹本健治上遠野浩平京極夏彦永野護らの名前が挙げられている(内、綾辻行人と菊地秀行と笠井潔の三人は講談社文庫の『空の境界』の解説者。笠井潔はその前発売された講談社ノベルスの解説をしている)。小説を書き始めた当初は伝奇やファンタジー一本槍の作風であったが、綾辻行人の『十角館の殺人』や竹本健治の作品と出会い大きな衝撃を受け、以降伝奇と新本格ミステリの融合を目標に執筆活動を続けている。
高校時代に殺人鬼を中心にした物語を書きたいと思っていたが、彼の倫理観が殺人鬼を主人公にした作品を許容できなかった。そこで笠井潔の『哲学者の密室』という死の哲学をテーマにした推理小説を手にし、死生観・倫理観に大きく影響を与えた。その結果、彼はその思想に基づいた新たなパーソナリティとして殺人鬼を描けるのではと執筆したのが『空の境界』である[4]
また、パートナー武内崇と共にアダルトゲームである『ONE 〜輝く季節へ〜』の大ファンであり、「ノベルゲーム」(後の『月姫』)のシナリオライターを志した切っ掛けであると語っている[5]。また、この作品による自作への影響があったという見解を表しており、特に『月姫』の主人公の口調が『ONE』の主人公とよく似ているところを反省点として挙げている[6]
漫画・アニメの影響
中学生時代に山田風太郎原作による石川賢の漫画『魔界転生』を読み多大な影響を受ける[2]。『Fate/stay night』は学生時代に『魔界転生』をやりたくて書いた小説を武内が覚えており、あれをゲーム化しようと提案され出来たものだとしている[7]。10代最後の年には同じく山田風太郎作品の影響下にあるアニメ映画『獣兵衛忍風帖』を劇場で鑑賞し、「自分が目指したいものの一つの到達点を見た」と語っている[8]
アニメ監督の幾原邦彦のファンであり、特に『少女革命ウテナ』から影響を受けている。『Fate/stay night』に登場するキャラクターの間桐慎二のデザインは『ウテナ』の男性キャラの西園寺莢一が好きだったことから、「やっぱり男の友人キャラは髪がウェーブががっていなきゃ!」という思いから生まれたという[9]。また、これまで観てきた映画の中で最高の3本として『少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示録』、『ビッグフィッシュ』、『ガタカ』を選んでいる[10]
ヴィジュアル系音楽の影響
1980年代後半〜1990年代初頭のヴィジュアル系アーティストに造詣が深い。特にLUNA SEA[11]BUCK-TICKSOFT BALLETからは多大な影響を受けており、曲のタイトルや歌詞からの引用が各所に見られる他、キャラクターのイメージソングとしてそれらのアーティストの曲を挙げている。また、『Fate/stay night』の登場人物である言峰綺礼の風貌及び声のイメージは、元SOFT BALLETの遠藤遼一がモデルとなっている[12]
独自の世界観
奈須作品の特徴は、その作品のほとんどに共通する独自の世界設定にある。それは「魔術」を使える「魔術師」と「魔法」を使える「魔法使い」とが存在し、それらを束ねている組織「魔術協会」があることなどである。それらの共通設定は各作品において、時に詳しく、時に断片的に描かれている。
また、「檻髪(おりがみ)」や「復讐騎」、「殺人貴」など、駄洒落を好んで使用することで知られている。
その他
2004年7月22日の『日経新聞夕刊で「奈須氏はパソコンゲームの女性ライターとして、知る人ぞ知る存在」と紹介された。この記事の女性報道については、自身のHPで本人が否定している。
公式写真として後姿ではあるが、講談社の文芸誌『メフィスト2005年1月号における綾辻行人との対談時のものがあり、また数々のインタビュー記事での発言などから、男性であることはほぼ間違いない。しかし、OKSGがとあるインタビューにて「ホントの話、奈須さんは男性ですか、女性ですか?」という質問に「もちろん女性です。本名奈須きの子」と、言っている。
前述の「化けきのこ」のキャラクターを用いた会話では、語尾に「〜でちゅ」と付けて表現されることが多いが、それ以外の対談や解説などによる会話表現では基本的にこの語尾は用いられない。
スタッフ内で嘘を吐くため、「うそつき星人」を自称している。武内が『月姫』のスピンオフ的な同人作品に奈須が語ったキャラクターを登場させたところ、「そんな奴いない」と断言したことがある。このことでは後に奈須自身が『月姫読本Plus Period』の中で「友情が本当に崩れかかった」と語っている(なおこの時に登場したキャラというのが、死徒『カリー・ド・マルシェ』。奈須が武内にカリーの存在を語る様子は同人時代のTYPE-MOONのHPにある座談会で確認でき、存在を疑った武内に「(カリーの存在は)本当だよ」と言っている)。
竜騎士07は『ファウスト』Vol.8のインタビューの中で「奈須きのこが同人界に穴を空けたから、今の自分がいる」と評している。

主な著作[編集]

小説[編集]

  • 同人発表
  • 商業作品
    • tale」(『真月譚 月姫 prologue』収録 2003年、宙出版 ファンブック『月姫読本Plus Period』再収録 2004年)
    • DDD」(講談社BOX 2007年 - )
    • 月の珊瑚」(『坂本真綾の満月朗読館』 2010年、星海社FICTIONS 2010年)
    • 宙の外」(『漫画BOX AMASIA』収録 2010年、『3/16事件』収録 講談社BOX 2011年)
    • 「MAGNITUNING」(原作:榎本俊二 『漫画BOX AMASIA』収録 2010年、『3/16事件』収録 講談社BOX 2011年)
    • 「はちみつを巡る冒険」(『魔法使いの夜』初回版特典『魔法使いの基礎音律』収録 2012年)
    • 「空の境界 終末録音」(劇場版『空の境界 未来福音』劇場限定配布 2013年、星海社 2018年[13]
    • 2015年の時計塔」(モバイルサイト『まほうつかいの箱』掲載 2014年、『TYPE-MOONエース Fate/Grand Order』掲載 KADOKAWA 2015年)
    • 「Garden of Avalon」(TVアニメ『Fate/stay night [Unlimited Blade Works]』Blu-ray Disc Box I 収録 2015年)
  • 未公開作品
    • 「スクリーマー」
    • 「百鬼夜行」
    • 「Fate」
    • 「魔法使いの夜」
    • 「氷の花」

ゲームシナリオ[編集]

ゲームシナリオ監修[編集]

  • 『Fate/EXTELLA LINK』(TYPE-MOON / マーベラスAQL 2018年)

ドラマCD脚本[編集]

  • アーネンエルベの一日』(TYPE-MOON 2007年)
  • 『Variety Sound Drama Fate/EXTRA CCC ルナティックステーション2013』(HOBiRECORDS 2013年)
  • 『Fate/Grand Order First Take』(『TYPE-MOONエース Fate/Grand Order』付属 2015年)
  • 『あまり者の聖杯戦争』(TVアニメ『Fate/EXTRA Last Encore』BD/DVD第1巻 収録 2018年)
  • 『狐の語るおはなし』(TVアニメ『Fate/EXTRA Last Encore』BD/DVD第5巻 収録 2018年)

ドラマCD脚本監修[編集]

  • 『MELTY BLOOD 路地裏ピラミッドナイト』(『TYPE-MOONエース』Vol.3 付属 2009年)
  • 『MELTY BLOOD Ladies in the water』(『コンプエース』2009年10月号付属 2009年)
  • 『スターダスト・オペレッタ』(『TYPE-MOON Fes. -10th ANNIVERSARY EVENT-』収録 2013年)
  • 『Curtain Call ~LET US DRIVE TOGETHER~』(TVアニメ『Fate/stay night [Unlimited Blade Works]』 Blu-ray Disc Box II 収録 2015年)
  • 『Fate/Grand Order 英霊伝承ドラマCD 英霊伝承異聞 ~巌窟王 エドモン・ダンテス~』(『Fate/Grand Order カルデアエース』付属 2017年)

アニメ脚本・シリーズ構成[編集]

アニメ脚本監修[編集]

漫画監修[編集]

  • 『MELTY BLOOD 路地裏ナイトメア』(KADOKAWA 2015年 - 2016年)

TRPGリプレイ[編集]

関連項目[編集]

参照[編集]

  1. ^ 「漢話月姫」番外編その2 サークル紹介
  2. ^ a b TYPE-MOON 武内崇×奈須きのこ×OKSG スタッフ座談会第二夜
  3. ^ 応援団メッセージ#24 奈須きのこ 『TRIGUN』オフィシャルブログ Archived 2014年2月21日, at the Wayback Machine.
  4. ^ 坂上秋成 (2017-11-24). TYPE-MOONの軌跡. 103. pp. P103–P103. 
  5. ^ ファミ通.com (2019年10月5日). “【FGO】奈須きのこ氏インタビューで迫る過去・現在・未来。第2部完結後の構想は2パターン存在”. Gzブレイン. 2019年10月5日閲覧。
  6. ^ 『同人ゲームマニアックス』キルタイムコミュニケーション、2001年7月、p.27。ISBN 4-906650-96-1
  7. ^ 【寺田P×奈須きのこ:対談】決戦!『スパロボ』VS『Fate』――と思いきや、奈須きのこのスパロボ愛が炸裂して、寺田Pから濃ゆい制作秘話が聞けちゃった!”. 電ファミニコゲーマー (2017年7月28日). 2019年2月7日閲覧。
  8. ^ TYPE-MOON 奈須きのこ. “川尻善昭公式サイト『獣兵衛忍風帖』《監督作品 劇場長編映画 1993年》”. 2019年2月7日閲覧。
  9. ^ 『ユリイカ 2017年9月臨時増刊号 総特集◎幾原邦彦 ―『少女革命ウテナ』『輪るピングドラム』『ユリ熊嵐』…僕たちの革命と生存戦略 インタビュー わが魂を象るもの 奈須きのこ』青土社、2017年。ISBN 978-4791703357
  10. ^ マフィア梶田が切り込む「Fate/Grand Order」。奈須きのこが追求する理想と,やがて迎える終焉のカタルシス”. 4Gamer.net. 2019年2月7日閲覧。
  11. ^ 奈須きのこ. “竹箒日記 : 2013/12 2013/12/27 : 乱。(きのこ)”. TYPE-MOON. 2019年2月7日閲覧。
  12. ^ 『フェイト/ステイナイト プレミアムファンブック』 宙出版、2003年、43頁。
  13. ^ a b 『空の境界 未来福音 the Garden of sinners/recalled out summer 終末録音 /the Garden of oblivion 20周年記念版』として合本

外部リンク[編集]