名取市
なとりし 名取市 | |||
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国 | 日本 | ||
地方 | 東北地方 | ||
都道府県 | 宮城県 | ||
市町村コード | 04207-2 | ||
法人番号 | 8000020042072 | ||
面積 |
98.18km2 | ||
総人口 |
78,855人 [編集] (推計人口、2024年4月1日) | ||
人口密度 | 803人/km2 | ||
隣接自治体 | 仙台市、岩沼市、柴田郡村田町 | ||
市の木 | クロマツ | ||
市の花 | ハナモモ | ||
名取市役所 | |||
市長 | 山田司郎 | ||
所在地 |
〒981-1292 宮城県名取市増田字柳田80 | ||
外部リンク | 名取市役所 | ||
ウィキプロジェクト |
名取市(なとりし)は、宮城県の中央南部の太平洋沿岸に位置する都市である。仙台市の南東に隣接しており、市内には仙台空港がある。
地理
宮城県の南部に位置し、太平洋に面する。市の西部は陸前丘陵の一部を成す高舘丘陵、東部は仙台平野(名取平野)である。北に接する仙台市との境に名取川が流れ、河口部に閖上港がある。また、東北自動車道、国道4号線、東北新幹線、東北本線が縦貫している。市の中心部は愛島丘陵北側の名取駅周辺に広がる。
名取市北部の下余田字原田が、仙台市太白区内に浮かぶ飛び地のように存在しているが、太白区袋原字定野を突っ切って名取市・原田地区に至る名取市道門ノ目線(北端で仙台市道定野街道線[1]と接続)が幅員数m、長さ280mの細長い名取市域として接続しているため、原田地区は飛び地とはなっていない。
西が高く東が低い地勢にそって、市内の河川は西から東に下る。奥羽山脈から流れるのは名取川だけで、あとは丘陵に源を持つ小河川である。増田川と川内沢川は名取市内から、志賀沢川は岩沼市内の丘陵から流れ出る。平野部にはこれら河川から水を引いた水路が縦横に巡らされ、海岸線に沿って掘削された貞山堀に流れこむ。
歴史
名取市から仙台市南部にかけては、4世紀後半の古墳時代前期から多数の古墳が造営された。中でも最大のものが東北地方最大の雷神山古墳である。大型前方後円墳はこれ一つだが、多数の中小古墳が作られ、7、8世紀の横穴墓に続いた。
名取に国造は置かれなかったようだが、評(後の郡)は7世紀から建てられたと推定される。名取郡は現在の仙台市南部と名取市・岩沼市にまたがり、文献史料に名取郡とだけあるものから場所を現在の名取市域に絞り込めることはあまりない。
平安時代に市の北部に紀伊国の熊野神社の本宮・新宮・那智社が勧請され、名取熊野三山を形成した。熊野社の分社は多いが、三社を合祀せず別々に設けて三山を引き写したのは全国的にみても珍しい[2]。名取の熊野別当は奥州合戦で敗れた藤原氏にくみしたが、降って赦された。
中世の名取郡は細分され、郡全体を支配する荘園も武士も生まれなかった。戦国時代には14世紀後半に相馬氏の影響が及び、15世紀には伊達氏の覇権に服し、最終的に伊達領に組み込まれた。以後、近世を通じて仙台藩に属した。仙台藩は新しく奥州街道を開き、増田宿を置いた。後に名取市にまとまる地域には、増田村など22の村と1つの浜(閖上浜)があり、藩の行政区分では南郡の郡奉行の下に置かれた。大部分が名取郡南方の代官に、一部(高柳村・大曲村・牛野村・小塚原村・閖上浜)が北方の代官に統治された[3]。南方の代官の会所は増田に置かれた。増田には三と七がつく日に市が立った[4]。
明治時代に入ると、藩政時代の村を基本単位として数か村を様々な組み合わせでまとめて行政単位が置かれた。後の名取市やその前身となる町村の境界をまたぐ形で区画されたことも多く、後に名取市となる区域が意識されることはなかった。1889年(明治22年)の町村制施行で、増田村、東多賀村、下増田村、館腰村、愛島村、高舘村が生まれた。これらが1955年(昭和30年)の合併で名取町を作ることになる。人口が多かったのは増田と閖上で、1888年(明治21年)に東北本線開通と同時に増田駅(後の名取駅)が置かれた。港町の閖上は、合併時の人口が9325人で、6519人の増田より多かった[5]。
名取町への合併は1953年(昭和28年)制定の町村合併促進法を受けたものだが、中心となる増田町以外は仙台市との合併に傾きがちで、宮城県の働きかけで一つにまとまった[6]。町役場は増田町のものを継承し、3年後に市になったとき増田に市役所を新築した[7]。
1964年(昭和39年)、仙台湾地区が新産業都市に指定されたため、根拠法である新産業都市建設促進法の第23条に基いて、当市や仙台市を含む8市町村での「仙塩合併」が議論されたが不調に終わった。その後、仙台市は泉市等を合併して1989年(平成元年)に政令指定都市となるが、1991年(平成3年)12月24日には仙台空港の滑走路延長や仙台空港アクセス鉄道の整備促進などを理由に、県選出の国会議員から当市と仙台市との合併を促す発言があった[8]。1994年(平成6年)2月27日に当市の住民有志が「仙台名取合併推進協議会」を設立したことで再び当市と仙台市との合併論議が沸き起こったが、1996年(平成8年)7月14日の名取市長選挙で合併反対派の現職候補が勝利し、合併論議は収束した[8]。
年表
- 1869年1月19日(明治元年12月7日) - 陸奥国分割により陸前国に属す。
- 1889年(明治22年)4月1日 - 町村制施行に伴い、名取郡に増田、東多賀、下増田、館腰、愛島、高舘の6村が置かれる。
- 1896年(明治29年)増田村が増田町となる。
- 1928年(昭和3年)4月1日 - 東多賀村が閖上町となる。
- 1955年(昭和30年)4月1日 - 増田町、閖上町、下増田村、館腰村、愛島村、高舘村の2町4村が合併し、名取町となる。
- 1958年(昭和33年)10月1日 - 名取町が市制施行して名取市になる。
- 1959年(昭和34年)10月1日 - 市章を制定する[9]。
- 2011年(平成23年)3月11日 - 東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)により被災
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発生約1ヶ月後でも水が引かない水田(2011年4月6日)
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閖上地区にある日和山(標高6.3m)から見た被災地(2011年4月6日)
行政
歴代町長および市長
- 歴代町長
代 | 氏名 | 就任 | 退任 | 備考 |
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鹿又峯治 | 昭和30年(1955年)4月1日 | 昭和30年(1955年)4月30日 | 元・増田町長。職務代執行者 | |
1 | 高橋秀松 | 昭和30年(1955年)5月1日 | 昭和33年(1958年)9月30日 |
- 歴代市長
代 | 氏名 | 就任 | 退任 | 備考 |
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1~2 | 高橋秀松 | 昭和33年(1958年)10月1日 | 昭和38年(1963年)5月16日 | 町長より留任 |
3~6 | 荘司庄九郎 | 昭和38年(1963年)5月17日 | 昭和51年(1976年) | |
7 | 大友安治 | 昭和51年(1976年)7月 | 昭和55年(1980年)7月 | |
8~13 | 石川次夫 | 昭和55年(1980年)7月 | 平成16年(2004年)7月 | |
14~15 | 佐々木一十郎 | 平成16年(2004年)7月25日 | 現職 |
経済
産業
- 主な海産物
姉妹都市・提携都市
- 上山市(山形県):1978年(昭和53年)5月10日盟約。上山市は名取市と同じ北緯38度線上に位置する。
- 新宮市(和歌山県):2008年(平成20年)10月8日盟約。
- グアララッペス市(ブラジル連邦共和国):1979年(昭和54年)3月31日盟約。
市内にある金融機関
地域
人口
名取市(に相当する地域)の人口の推移 | |||
総務省統計局 国勢調査より |
隣接する自治体・行政区
健康
- 平均年齢
- 41.1歳(2005年国勢調査のデータによる)
- 病院
- 宮城県立精神医療センター
- 宮城県立がんセンター
教育・文化
- 教育施設
- 文化施設
- 図書館
- 文化会館
- 大中小の各ホールと練習室、楽屋、展示ギャラリー等をそなえた文化施設。プロの演奏会、演劇をはじめ、アマチュア演奏家の発表会や地元の学校の卒業式等、様々な用途に使われている。
- 体育施設
- 市民体育館
- 名取市サイクルスポーツセンター
- 閖上海浜プール
- 十三塚公園(市民球場、陸上競技場)
- 青少年教育団体
- ボーイスカウト名取第1団
- 名取市はボーイスカウト活動が活発で、宮城県で最大の団である。
- ボーイスカウト名取第1団
学校一覧
- 大学
- 私立 尚絅学院大学
- 高等専門学校
- 国立 仙台高等専門学校名取キャンパス(旧・宮城工業高等専門学校)
- 専修学校
- 高等学校
- 中学校
- 小学校
- 名取市立増田小学校
- 名取市立閖上小学校
- 名取市立下増田(しもますだ)小学校
- 名取市立館腰(たてこし)小学校
- 名取市立愛島(めでしま)小学校
- 名取市立高舘(たかだて)小学校
- 名取市立不二が丘(ふじがおか)小学校
- 名取市立増田西小学校
- 名取市立ゆりが丘小学校
- 名取市立相互台小学校
- 名取市立那智が丘小学校
- 那智が丘小学校は、文部科学省が推進する「学力向上フロンティア」指定校(フロンティアスクール)である。
- 特別支援学校
郵便
郵便番号は大半の地域で981-12xxであるが、仙台空港関係施設(下増田字南原)および南部の本郷、堀内地区は郵便事業岩沼支店が担当することを示す989-24xxである。
交通
空港
- 市内に県内唯一の国際空港である仙台空港がある。
東北本線名取駅から分岐する仙台空港線(仙台空港アクセス線)が2007年(平成19年)3月18日開業した。これにより、仙台空港 - 仙台駅間が、最速で17分で移動する事が可能になり利便性が格段に向上した。以前は、仙台駅まで直通バスで約40分かかり、更には交通渋滞等の影響を受けやすいため、鉄道開通を懇願していた経緯がある。
鉄道路線
路線バス
道路
中世までの街道は、丘陵寄りで仙台平野の縁を通っていた。おおよそ現在の宮城県道39号仙台岩沼線にあたる道である。江戸時代に奥州街道が設定されたとき、平野を南北にまっすぐ縦貫する道が開かれた。現在の国道4号(陸羽街道)で、街道に置かれた増田宿は現在の市街中心部にあたる。
- 高速道路
- 一般国道
- 都道府県道
名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事
- 実方中将の墓(さねかたちゅうじょうのはか)
- ゆりあげ港朝市(ゆりあげみなとあさいち)
- 毎週日曜・祝日に閖上港近くで行なわれる朝市。閖上港で水揚げされた新鮮な魚介類が豊富。
- ゆりあげビーチ
- 東北電力名取スポーツパーク
- 貞山運河(ていざんうんが)
- あんどん松
- 名取川の堤防に沿った松並木。樹齢は300年を超えており、伊達政宗が植えたものであるといわれる。
- 名取夏まつり
- 毎年8月上旬に催される。名取川河口での花火大会など。
- サッポロビールまつり
文化財
名取市は文化財が豊富である。国および宮城県指定の文化財は以下のとおり。
- 雷神山古墳(らいじんやまこふん)
- 飯野坂古墳群
- 国の記念物(史跡)に指定。前方後方墳5基と方墳2基からなる。
- 旧中澤家住宅
- 国の重要文化財に指定。江戸時代の農家。十三塚公園に移築されている。
- 国の重要文化財に指定。江戸時代の農家。農家レストランとして利用されている。
- 熊野那智神社
- 熊野新宮寺
- 所蔵の一切経(2,568巻)が国の重要文化財に指定。
- 熊野神社
- 道祖神神楽
- 県指定の無形民俗文化財。
名産・特産品、お土産
- 市内のビール工場のビール酵母を使ったカステラ。ビールの香りがする。
- その昔、閖上で採れた鰈に塩をふって焼き、日持ちのする状態にして仙台方面へ出荷したという。
出身有名人
- 相澤一成 - 俳優
- 吉川団十郎 - シンガーソングライター、陶芸家、ラジオパーソナリティ
- 星孝典 - 野球選手
- 佐々木主浩 - 野球解説者、元野球選手
- 柩 - ミュージシャン(ナイトメア)
- 伊藤真一 - レーシングライダー
- 姫宮なぎさ - タレント
- 真山明大 - 俳優
- 橋浦方人 - 映画監督
- 荒川秀之助 - 元 競輪選手
電話番号
名取市で利用されている市内局番は次のとおり。
- 増田収容局…381-1~3、382~384、784
- 閖上収容局…381-9、385-2
- 高舘第2収容局…381-6、386
- 岩沼桜収容局…(0223)22~25(岩沼MA)
- ひかり電話(仙台MA)…仙台市と同一
- ひかり電話(岩沼MA)…(0223)36
岩沼MAは、市南端の堀内地区などが該当する。
脚注
参考文献
- 名取市史編纂委員会『名取市史』、宮城県名取市、1977年。