1968年のワールドシリーズ
1968年のワールドシリーズ | |||||||
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シリーズ情報 | |||||||
試合日程 | 10月2日 - 10月10日 | ||||||
MVP | ミッキー・ロリッチ(DET) | ||||||
殿堂表彰者 | アル・ケーライン(DET) エディ・マシューズ(DET) レッド・ショーエンディーンスト (STL/監督) ルー・ブロック(STL) スティーブ・カールトン(STL) オーランド・セペダ(STL) ボブ・ギブソン(STL) | ||||||
チーム情報 | |||||||
デトロイト・タイガース(DET) | |||||||
監督 | メヨ・スミス | ||||||
シーズン成績 | 97勝65敗 | ||||||
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セントルイス・カージナルス(STL) | |||||||
監督 | レッド・ショーエンディーンスト | ||||||
シーズン成績 | 103勝59敗 | ||||||
ワールドシリーズ
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1968年のワールドシリーズは、1968年10月2日から10月10日まで行われたメジャーリーグのワールドシリーズである。
概要
第65回ワールドシリーズ。アメリカンリーグが1945年以来23年ぶりの出場を果たしたデトロイト・タイガースと、ナショナルリーグが前年の覇者セントルイス・カージナルスとの対戦となった。結果は4勝3敗でデトロイト・タイガースが23年ぶり3回目の優勝。
MVPは3試合で先発して3勝0敗、防御率1.67、21奪三振の成績をあげたミッキー・ロリッチが初選出。
試合結果
第1戦 10月2日
- カージナルスがこの年22勝、防御率1.12のギブソン、一方のタイガースが31勝のマクレインと、両軍のエース同士の先発で始まったが、4回にカージナルス打線がマクレインを捕らえ、シャノンとフリアン・ハビエルの連続適時打で3点を先制。一方のギブソンは6回に2死2、3塁のピンチを迎えるも4番キャッシュを三振に打ち取るとその後は三振の山を築き、最後は3者連続三振で締めくくり、1963年第1戦のサンディー・コーファックスの1試合15奪三振を塗り替える17奪三振のシリーズ新記録を樹立した。
第2戦 10月3日
- 前日はギブソンの前に沈黙したタイガース打線が爆発。2回にホートンのソロで先制すると、3回には公式戦本塁打ゼロの投手ロリッチにソロ本塁打が出て2-0。6回には前日3三振のキャッシュがソロを放ちカージナルス先発ブライルズをKO、さらに2死満塁と攻め立てると1番マコーリフが中前打を放ち2者が生還し5点差。カージナルスはその裏、セペダの適時打で1点を返すが、直後の7回に1点を加えたタイガースは、9回にも2死満塁から2者連続押し出しで8-1とし試合を決めた。大量の援護に恵まれたロリッチは悠々完投し、タイガースが1勝1敗とした。
第3戦 10月5日
- 舞台をデトロイトに移して行われた第3戦は、3回にタイガースがケーラインの2ランで先制するが、カージナルスは5回にカート・フラッドの適時打で1点を返すと、なおも1死1、2塁からマカーバーが右翼に3ランを放ち逆転。タイガースはその裏にマコーリフのソロで1点差とするが、カージナルスは7回に無死2,3塁からセペダに3ランが飛び出し勝負あり。カージナルスは6回途中からウォッシュバーンをリリーフしたホーナーがタイガース打線を抑え、カージナルスが2勝目。
第4戦 10月6日
- 第1戦に続きギブソンとマクレインの先発で始まったが、マクレインは初回に先頭打者のブロックにいきなりソロ本塁打を浴び、さらにシャノンの適時打で2点目を失う。マクレインはさらに3回にマカーバーとシャノンに連続適時打を打たれ、3回持たずKO。カージナルスは続く4回にもギブソンの2年連続のシリーズでの本塁打となるソロなどで2点を追加すると、8回には無死満塁から押し出しの後ブロックに走者一掃の2塁打が出て2桁得点。ギブソンは4回にノースラップのソロで1点を失うが後は危なげなく10奪三振で完投し、カージナルスが敵地で王手。
第5戦 10月7日
- 後がないタイガースはロリッチを先発に立てるが、初回にフラッドの適時打で先制されると、さらにセペダに2ランを打たれいきなり3点を追う苦しい展開。タイガースは4回に先発ブライルズを捕らえキャッシュの犠飛とノースラップの適時打で1点差とする。5回表、カージナルスは1死2塁からハビエルの左前打でブロックが本塁を突くが捕手フリーハンが巧妙なプロックでアウトにすると、7回裏タイガースはブライルズをリリーフしたホーナーを攻め1死満塁からケーラインの中前打で2者が生還し逆転、さらに続くキャッシュにも適時打が出て5-3とする。ロリッチは9回に1死1、2塁のピンチを迎えるが、代打ロジャー・マリスを三振に打ち取ると、最後はブロックを投ゴロに仕留め完投、タイガースが踏みとどまった。
第6戦 10月9日
- 先に王手をかけてホームに戻ってきたカージナルスだが先発のウォッシュバーンが大誤算、2回にホートンとビル・フリーハンの適時打で2点を失うと、続く3回に無死1、2塁からケーラインに適時打を浴びたところで早くも降板。代わったラリー・ジャスターも1点を失い、なおも無死満塁とピンチを広げると、この年公式戦で満塁本塁打4本のノースラップに満塁弾を浴び、さらに後続も打ち込まれこの回10失点となり、序盤で勝敗が決してしまった。一方過去2試合いいところがなかったマクレインは9回にハビエルの適時打で完封こそ逃したが楽々完投し、タイガースが連勝で3勝3敗のタイに持ち込んだ。
第7戦 10月10日
- ここまで共に2勝を挙げたギブソンとロリッチの先発で始まった第7戦は、6回までわずか内野安打1本とほぼ完璧な投球を続けるギブソンに対し、中2日で登板のロリッチは毎回のように走者を出し、6回裏にはブロックとフラッドに安打で出塁を許すもいずれも牽制で刺し無失点で切り抜ける。すると直後の7回表、タイガースは2死からキャッシュとホートンの連打で1、2塁とし、続くノースラップの打球はセンターへ。ところが中堅手フラッドが一瞬打球を見失い、頭上を越され2者が生還(記録は三塁打)、さらに続くフリーハンの2塁打で3点差。タイガースは9回にもギブソンからドン・ワートが適時打を放ち4-0。その裏、カージナルスは2死からシャノンのソロで一矢報いたが、ロリッチは続くマカーバーを捕邪飛に打ち取りゲームセット。最後にギブソンを攻略したタイガースが逆転で23年ぶりにワールドチャンピオンに輝いた。
参考文献
- “1968 World Series DET vs. STL”. Baseball-Reference. 2008年7月3日閲覧。
- “The 1968 Post-Season Games”. Retrosheet. 2008年7月3日閲覧。