ダーティ・ワーク

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ダーティ・ワーク
ローリング・ストーンズスタジオ・アルバム
リリース 1986年3月24日
録音 1985年4月8日 - 6月17日,
1985年7月16日 - 8月17日
ジャンル ロック
時間 40:03
レーベル Rolling Stones
イギリスの旗CBS UK(オリジナル盤)
VirginPolydor(リイシュー盤)
アメリカ合衆国の旗Columbia(オリジナル盤)
Virgin→Interscope(リイシュー盤)
日本の旗CBS/SONY→Sony Records(オリジナル盤)
EMIJ/Virgin→Universal Int'l(リイシュー盤)
プロデュース スティーヴ・リリーホワイト
グリマー・ツインズ
専門評論家によるレビュー
ローリング・ストーンズ 年表
リワインド 1971-1984
(1984年)
ダーティ・ワーク
(1986年)
スティール・ホイールズ
(1989年)
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ダーティ・ワーク』(Dirty Work)は、1986年にリリースされたローリング・ストーンズのアルバム。本作はミック・ジャガーキース・リチャーズの関係が相当に悪化していた時期(作者クレジットにジャガー=リチャーズ以外の第三者の名前が付加されることが、本作では格段に多くなっている)に創り出された作品であり、前作『アンダーカヴァー』と共に、本作はストーンズがその音楽スタイルを時代の流行に合わせようとした努力の結果と見なされる。また、結成当初のメンバーでピアニスト、メンバーから削除されてからはロードマネージャーとしても活動を支えてきたイアン・スチュワートが参加した最後の作品でもあり、バンド史上重要な作品として位置づけられる。

概要[編集]

『ダーティ・ワーク』はストーンズと新たに契約を結んだCBSの配給下での初の作品であった。本作セッションは1985年4月にパリで始まり、2ヶ月間続けられた。セッション直前にミックは初のソロアルバム『シーズ・ザ・ボス』をリリースし、キースはそれに憤慨していた。キースの最優先事項はストーンズであり、それを無視してポップスターとしてのキャリアのためにソロアルバムをリリースしたミックに対する感情的摩擦は高まりつつあった。ミックはソロ・アルバムのプロモーションのためセッションを多く欠席し、キース、ロン・ウッドビル・ワイマンチャーリー・ワッツによる録音後にミックのボーカル・トラックが録音された。バンドの分裂は1985年7月13日に明白になった。同日行われたライブ・エイドでミックはソロ・ナンバーを演じ、キースはロンと共にボブ・ディランのステージでアコースティック・ギターを演奏した。

チャーリーはアルコール中毒のリハビリのためセッション当初は参加していなかったとされる。ミックは『ダーティ・ワーク』リリース後1986年にワールド・ツアーを行わなかった理由としてチャーリーの状態を挙げ、続くソロ2作目『プリミティヴ・クール』の制作に取りかかった。それはキースのさらなる怒りを誘うこととなる。レコーディングの終盤に共同プロデューサーのスティーヴ・リリーホワイトはミキシングと、12インチリミックス盤の監修を行いそれはストーンズが突然の悲しい出来事に遭遇する12月初旬まで続けられた。アルバムジャケットはアーニー・リーボヴィッツが撮影したポートレイトが採用されたが、当時のバンドの勢力関係を表すように、キースが中心の写真が用いられた。こうした一連の状況から、本作は「キースのアルバム」と称されることが多い。

中でもバンド結成時からピアニストとロード・マネージャーを務めたイアン・スチュアートが心臓発作で12月12日に47歳で死去。スチュワートはロード・マネージャーとしてバンド内の人間関係に軋轢が生まれるとその仲を取り持ったりするなどメンバーからの信頼は厚く、そうした立ち位置にいた彼の死は後にメンバー間の軋轢をより一層激しくさせる一因になったという。バンドは長年の友人の思い出として、スチュアートの弾く「キー・トゥ・ハイウェイ」を「スリープ・トゥナイト」の後に隠しトラックとして収録した。こうした状況下でレコーディングされた本作からは、1986年3月に「ハーレム・シャッフル」(シングルとしてストーンズ初のスタジオ・アルバムからのカヴァー曲)が先行シングルとしてリリースされ、イギリスでは13位、アメリカでは5位を記録した。第二弾シングル「ワン・ヒット」はトップ30ヒットを記録し、プロモーション・ビデオではミックとキースが戦う様子が映し出され、当時の人間関係が反映した物であった。本作は「ハーレム・シャッフル」の一週間後にリリースされ、イギリスでは3位、アメリカでは4位を記録しプラチナ・アルバムを獲得した。しかしながら評論家の批評は芳しい物ではなかった。現在も『ダーティ・ワーク』はバンドが完全に機能しないまま生み出され、成功作とは言い難いアルバムであると見なされる。2002年に発売された、ストーンズの集大成とも言えるベスト盤である『フォーティ・リックス』に、ローリング・ストーンズ・レコードの作品中唯一曲が収録されなかったアルバムでもある。

1994年に本作はヴァージン・レコードによってリマスターの上再発売され、2009年にはユニヴァーサル・ミュージック・グループによって更なるリマスターで再々発売された。

収録曲[編集]

特筆無い限りジャガーリチャーズ作詞作曲。

  1. ワン・ヒット - One Hit (to the Body) (Mick Jagger/Keith Richards/ Ron Wood) 4:44
  2. ファイト - Fight (Mick Jagger/Keith Richards/Ron Wood) 3:09
  3. ハーレム・シャッフル - Harlem Shuffle (Bob Relf/Ernest Nelson) 3:24
  4. ホールド・バック - Hold Back 3:53
  5. トゥー・ルード - Too Rude (Lydon Roberts) 3:11
  6. ウイニング・アグリー - Winning Ugly 4:32
  7. バック・トゥ・ゼロ - Back to Zero (Mick Jagger/Keith Richards/Chuck Leavell) 4:00
    • ボビー・ウーマックがギターで参加。
  8. ダーティ・ワーク - Dirty Work (Mick Jagger/Keith Richards/Ron Wood) 3:53
  9. ハド・イット・ウィズ・ユー - Had It with You (Mick Jagger/Keith Richards/Ron Wood) 3:19
  10. スリープ・トゥナイト - Sleep Tonight 5:11
  11. (hidden track) (Big Bill Broonzy/Charles Segar) 0:33
    • イアン・スチュアートによる「キー・トゥ・ハイウェイ(Key To The Highway)

関連項目[編集]

  • 糸山秋子:ストーンズを題材に、同タイトルの小説を書いた。