京都物語

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京都物語
原由子楽曲
収録アルバムハラッド
リリース2010年6月23日
日本の旗 日本
規格12cmCD[注 1]
デジタル・ダウンロード
ストリーミング
録音2010年4月22日 - [1]
ジャンル歌謡曲[2]
時間3分23秒
レーベルタイシタレーベル
作詞者桑田佳祐
作曲者桑田佳祐
プロデュース桑田佳祐
チャート順位
ハラッド収録順
京都物語
(1)
恋は、ご多忙申し上げます
(2)

京都物語」(きょうとものがたり)は、原由子の楽曲。 2010年6月23日に発売された自身の2作目のベスト・アルバムハラッド』の1曲目に収録されている。作詞・作曲・編曲は桑田佳祐、ストリングス・アレンジは原由子が担当[4]

2016年12月12日からは主要配信サイトにてダウンロード配信、2019年12月20日からはストリーミング配信が開始されている[5][6]

背景[編集]

2010年6月23日に発売された原の2作目のベスト・アルバムハラッド』の1曲目に唯一の新曲として収録されている。作者の桑田佳祐はこの年の夏に食道がんで活動を休止したため、入院前にこの曲を制作できた事に感謝する発言を後にしている[7]

制作・音楽性[編集]

タイトルにある通り舞台はかねてから作者の桑田が「好きなんです」と著書などで述べていた京都であり[8]、悲恋が描かれた楽曲。歌詞の中には京都の名所(鴨川南禅寺嵐山河原町)やそこでの四季を想起させるフレーズ(花灯路の東山祇園囃子送り火紅葉)が随所に出てきている[9][2]。これは桑田が2010年4月上旬に京都を訪れ、同年4月5日・6日には直ぐにそれをテーマに作詞に取り掛かっていたことが影響している[1]。また、四季を取り入れたことについては都をどりの影響があったこともインタビューで語っている[2]。桑田は「京都に久しぶりに行ったときに日本の文化の良さを再認識して、そういうことに触発されてできた」「原さんにぴったりな楽曲」と本楽曲の制作の経緯と出来栄えを自ら簡潔に語っている[10]ミュージック・ビデオが存在しており、タイトル通りすべて京都で撮影されたものになっている。祇園、嵐山、南禅寺などでも撮影され、着物姿の原が歌うシーンが存在したり、舞妓が登場したりと京都の情緒溢れる季節感と日本情緒が漂う美しい映像に仕上がっている。このMVについてCDジャーナルの記事では「さながら短編映画のような出来となっています」といった評価がなされている[11][12]

本楽曲は桑田が得意とする歌謡曲テイストの楽曲で、16ビートのバッキングと生音のギターで鳴らすアルペジオが特徴。これは奥村チヨ[注 2]の「終着駅」がヒントとなっている。また、原の歌謡曲風の曲にフォークギターテイストのものがこれまでなかったこともきっかけの一つとなった[2]。原はビリーバンバンの「さよならをするために」のような歌謡曲を意識してストリングス・アレンジを行った[13]

本楽曲を制作するにあたり桑田は原に「前川清のように直立不動で、ときどきコブシをまわして」といった歌唱指導を行っている[14]。また、原は「歌人が愛でたは」の部分を京都弁を意識して歌ったことを述べている[13]。原はこの曲ではキーボードを弾いていないため、「恋は、ご多忙申し上げます」「じんじん」以来のハンドマイクを持っての歌唱を行った[4]

批評[編集]

原は過去に女友達と共に京都を旅行した経験があったため、歌詞の内容に対してより共感できたという[13]

プロモーション[編集]

テレビ披露

参加ミュージシャン[編集]

収録アルバム[編集]

曲名 作品名
京都物語 ハラッド

ミュージック・ビデオ収録作品[編集]

曲名 作品名 備考
京都物語 Harvest アルバム『婦人の肖像 (Portrait of a Lady)』の初回限定盤A・Bのみ収録[22]

関連項目[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ ベスト・アルバムハラッド』Disc-1の1曲目として収録。
  2. ^ 原が当時朝日新聞夕刊で連載していたコラム「あじわい夕日新聞」の中にも奥村やいしだあゆみが歌謡曲を歌っている姿が桑田のイメージとしてある旨が記述されている[4]
  3. ^ これはこの回のゲストだった神木隆之介から「3人(原・神木・大泉洋)で歌いたい」というリクエストを受け原が選曲し、スタジオトークコーナーで同じくゲストだった大泉と共に3人で歌ったもの。途中からは司会の赤坂泰彦も歌唱に参加した[18]

出典[編集]

  1. ^ a b 「BRUTUS」2011年3月1日号に記載された楽曲制作に関する記録より。
  2. ^ a b c d 「ハラッド」特設サイト 桑田佳祐が“原 由子”を語るひととき”. sas-fan.net(サザンオールスターズ旧公式サイト). 2021年5月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年10月8日閲覧。
  3. ^ Billboard Japan Hot 100 2010年6月30日公開 ランキング Billboard JAPAN 2021年6月4日閲覧。
  4. ^ a b c 原由子『あじわい夕日新聞~夢をアリガトウ~』P76 - 77、朝日新聞出版、2013年
  5. ^ 原由子、ソロ曲136曲が一挙配信開始 BARKS 2016年12月12日配信 2021年1月26日閲覧
  6. ^ サザン関連全972曲 サブスク一斉解禁 メンバーソロ曲も対象に オリコン 2019年12月20日配信, 2021年1月26日閲覧
  7. ^ 原由子『あじわい夕日新聞~夢をアリガトウ~』P212、朝日新聞出版、2013年
  8. ^ 桑田佳祐「ただの歌詩じゃねえかこんなもん」(1984年、新潮社、p213)
  9. ^ a b c d e f g h i 京都物語 - SOUTHERN ALL STARS OFFICIAL SITE 2021年1月27日閲覧
  10. ^ とあるレコーディングスタジオにてsas-fan.net 2023年5月18日閲覧。
  11. ^ 原由子「京都物語」ミュージック・ビデオ完成!CDJournal 2010年6月14日配信 2023年5月29日閲覧
  12. ^ 原 由子 - 初の映像作品集「Harvest」をアルバム『婦人の肖像 (Portrait of a Lady)』に同梱!MV全11曲に加えライブ映像収録決定!!YouTube 2022年10月14日配信 2023年5月29日閲覧
  13. ^ a b c ハラッド』の発売を記念して制作されたフリーペーパー「HARA-BOEXPRESS 2010 初夏の号 拝啓 ハラッド美味しく出来ました。」より。
  14. ^ 【エンタがビタミン♪】原由子、「夫(桑田佳祐)は同志」。夫婦の絆を語る。テックインサイト 2010年7月12日配信 2021年1月18日閲覧
  15. ^ 原 由子、6月11日『ミュージックステーション』出演 BARCS 2010年6月11日配信 2021年5月23日閲覧。
  16. ^ 「A-Studio」 2010年6月18日(金)放送内容価格.com 2010年6月18日配信 2021年1月27日閲覧
  17. ^ 2010年6月18日放送 23:00 - 23:30 TBS A-StudioTVでた蔵 2010年6月18日配信 2021年1月27日閲覧
  18. ^ 原由子『あじわい夕日新聞~夢をアリガトウ~』P81、朝日新聞出版、2013年
  19. ^ 「ヒロシ」からサブちゃん「与作」まで!? 原由子Mラバ登場音楽ナタリー 2010年6月24日配信 2021年1月27日閲覧
  20. ^ 「Music Lovers」 2010年6月27日(日)放送内容価格.com 2010年6月27日配信 2021年1月27日閲覧
  21. ^ 僕らの音楽フジテレビ 2010年配信 2021年6月5日閲覧。
  22. ^ 原 由子、最新アルバム完全生産限定盤特典プレミアムディスク詳細発表 MV11曲を収録した初映像作品集『Harvest』に Real Sound 2022年9月21日配信, 2022年9月22日閲覧。
  23. ^ サザン桑田佳祐は歌謡曲をどう吸収してきたか セルフライナーノーツ『葡萄白書』でルーツ明かす real sound 2015年3月28日配信, 2021年1月28日閲覧

外部リンク[編集]