ミッドエンジン・四輪駆動

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アウディ・R8 V10 Plus (Type 4S)。ミッドエンジン・四輪駆動車の一例。

ミッドエンジン四輪駆動(ミッドエンジンよんりんくどう)とは、自動車駆動列におけるレイアウトの一種である。車両の中央付近に原動機を置き、四輪車の場合、四つの車輪全てを駆動する方式で、ミッドシップ四輪駆動とも呼ばれる。

ミッドエンジン」という用語は、エンジンの重心前車軸と後車軸の間にあれば、どのような位置にもエンジンを置くことができると解釈できるものの、レーシングカースーパーカーでは、大抵がキャビンの後方である。トランスミッションから出力された駆動力は、トランスファーまたはセンターデフによって前後に分配され、4輪を駆動する。

利点[編集]

エンジンは大抵の場合車両重量が最も集中している場所であるため、前車軸と後車軸の間にエンジンを配置することで自動車のハンドリング英語版バランスがより良くなる。エンジンが乗員室の後方にあると仮定すると、エンジンは後輪を押し下げる効果がある。車の重量は全ての車で法則として加速下でリア寄りに移動するため、これは後輪のグリップ量をさらに向上させ、後輪がホイールスピンを起こすまでに供給可能なトルク量を増大させる[1]。エンジンが前方にないため、風に対して垂直な前面面積を最小限にして車を設計することができる。これによって空気力学的効率が著しく増大する。

コンピュータ制御四輪駆動ディファレンシャルシステムは前後輪へのトルク量を変動することができ、車がどの程度前輪駆動のようにあるいは後輪駆動のように振る舞うかを変えることができる。そのため、車はより素早く加速および旋回が可能になる。これは、高速コーナーでは車が「ニュートラル」なハンドリング(オーバーステアならびにアンダーステア傾向が少ない)を示すことができることを意味する。これによって、二輪駆動あるいは従来型の四輪駆動システムよりも速い旋回速度を可能となる[2]

欠点[編集]

ほとんどのミッドエンジン車は、エンジンとトランスミッションの大きさと位置のせいで、乗員空間とトランク空間の両方で大幅に妥協している。

四輪駆動システムはかなり重い傾向にあり、エンジンの出力の一部は様々なディファレンシャルやパワートレインの摩擦損失を通して失われる。

画像集[編集]

出典[編集]

  1. ^ Stop and weight! A 50/50 weight distribution is not optimal | Automotive Thinker - Discussing the finer points of automobiles”. Template:Cite webの呼び出しエラー:引数 accessdate は必須です。
  2. ^ "Series 8 Episode 5". Top Gear. BBC. BBC Two. 2006-06-04.