みどりの券売機

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みどりの券売機(みどりのけんばいき)は、西日本旅客鉄道(JR西日本)が導入している、指定席特急券類が発券可能な自動券売機愛称である。JR各社にあるみどりの窓口と同じ緑色を基調としたデザインである。

導入当初からしばらく愛称がなかったが、2001年(平成13年)10月頃にこの愛称が付いた。

なお、本稿では2010年(平成22年)1月30日より運用を開始したみどりの券売機プラスについても述べる。

概要[編集]

みどりの券売機[編集]

MV30型「みどりの券売機」(八本松駅)
みどりの券売機で発行された乗車券

主にJR西日本管内を運行する特急急行列車と新幹線寝台列車は不可)を取り扱うが、設置駅により取り扱い列車は変わる。ただし、路線や駅名などを指定するとJR他社の特急・急行列車の指定券・自由席券も購入することが可能である。指定席では、購入客自身で座席表から席を自由に選択する事が可能である。これは特急だけでなく、指定席が連結されている快速列車などの在来線列車も対象となる。東海道新幹線区間を含む列車の座席位置指定は2014年10月1日から可能となった。

なお、東日本旅客鉄道(JR東日本)の同等機種(指定席券売機)は、東北上越山形秋田北陸新幹線についても可能。また、九州旅客鉄道(JR九州)(博多駅と小倉駅に設置)の同等機種も可能である。以前はJR西日本でも福山駅に東北・上越新幹線系統の購入・座席位置指定が可能なものが1台あったが、機能改修で一時消滅した。西日本管内全体で「時刻検索から購入」機能を追加した後は、その機能を使えば購入が可能となっている。また2013年頃からJR西日本の新幹線停車駅とその周辺駅に設置されているものでは、新幹線特急券の購入画面から東海道・山陽・九州新幹線から東北・上越・北陸新幹線系統への乗継の特急券・乗車券の購入が可能となっている。

この券売機は鉄道情報システム(JRシステム)が開発したもので、MV10型から始まり、その改良型で発売できる券種を拡充したMV30型、MV30型の一部を改良し、処理を高速化したMV35型、MV35型をインクリボン転写印字から2色印刷対応感熱紙を使用した感熱印字に変更したMV35D型、さらに改良が加えられ、QRコード読み取り(JR西日本では2017年開始のe5489のコンビニエンスストア・銀行ATMなどでの現金決済サービスの受け取りコードとして使用)[1]や、従来の英語に加えて中国語・韓国語の画面表示に対応したMV50型、クレジットカード専用のMV40型、MV40型にQRコード対応などMV50型に準じた改良を加えたMV60型の7種類があるが、MV10型については、既にMV30型以降の機種に置き換えられている。なお、MV40・60型については、インターネット予約や電話予約の受取専用機として使われる事が多く、JR西日本では「みどりの受取機」の愛称を使用している。また、支社によっては別の愛称があり、福知山支社では「みどりくん」と呼ばれている。

ICOCAエリア内に設置されている駅では、ICOCA定期券を購入する事が可能である(但し、通学定期は同一年度における継続のみ、夏休み、冬休みは、使用開始日が選べる)。また、近距離の乗車券類購入でも領収書の発行が可能である。

クレジットカードは、自社ブランドカードであるJ-WESTカード(JCB・MUFG/VISA・MUFG/MasterCard)やJRグループ6社共同提携のJRカード(2015年現在個人用はSMCC=VJA/OMNICARD・UCのみ新規発行)の他、JCB(後述のブランドとの重複を含む)・VISA(後述のブランドとの重複を含む)・MasterCard(後述のブランドとの重複を含む)・AMERICAN EXPRESS(後述のブランドとの重複を含む)・DinersClub InternationalUC[2]DCUFJcard/MUFG[3](以上5489サービス可)・CedynaCFCardJR東海エクスプレスカード(5489サービスはJCB・VISA・MasterCard各ブランド付のみ利用可)[4]が利用可能である。しかし、一部の法人用クレジットカードは暗証番号が設定されていないため、MV10型・MV30型・MV35型・MV35D型・MV50型では乗車券類の発券ができない(但し、予約分の乗車券の受取は可能)。

他の鉄道事業者の指定席券が購入可能な券売機については自動券売機#指定席券売機を参照[5]

旅行センター「Tis」がJR西日本直営だった時代には、新大阪駅構内のTis新大阪支店にもMV10型が設置されていた。日本旅行に譲渡された後もしばらくの間唯一旅行会社管理のMV端末として存在したが、JR西日本直営時代と異なりクレジットカードが使用できなくなり、2010年頃に撤去された。

みどりの券売機プラス[編集]

須磨駅に設置されたみどりの券売機プラス(MV30型)、カメラときっぷなどの読み取り機が増設されている。
モニター・受話器付機種(曽根駅・MV35型)

2010年1月29日限りで須磨駅甲南山手駅のみどりの窓口が廃止され、それに代替するものとして、翌30日より従来からあったみどりの券売機に小型カメラとオペレーターとの通話機能を追加した『みどりの券売機プラス』の運用を開始した。

この券売機は、JR東日本がかつて導入していた「もしもし券売機Kaeruくん」と同様にオペレーターによる対応が可能となった事で、検索にかからない複雑な経路の乗車券や学割乗車券などみどりの券売機では取り扱えなかった乗車券の購入、通学定期券の新規購入と年度跨ぎの継続購入、各種乗車券の払い戻しなどが可能となっている。払い戻し時のきっぷ類や証明書の提示は、カメラ読み取り部に乗車券や証明書などを置き、オペレーターとの対話によって処理を行う。

ただ、「レール&レンタカー」など一部のトクトクきっぷ、イベント券や団体乗車券などはみどりの券売機と同様に取り扱いはできない。また、一葉化券の部分払い戻し(特急券と乗車券が1枚で発行されたきっぷの乗車券のみを払い戻すなど)のような特殊な場合も取り扱いができないことがあり、この場合はオペレーターが近隣の窓口設置駅までの無料乗車票(乗車時は有人改札利用)を発券して、利用者が乗車票で指定された駅で処理や発行を依頼することになる。

「もしもし券売機Kaeruくん」ではすべての操作においてオペレーターとのやりとりが必要であったが、みどりの券売機プラスではオペレーターを通さずに従来のタッチパネルのみで乗車券類の購入も可能で、これが「もしもし券売機Kaeruくん」と大きく違う点である。従来のみどりの券売機の機能で買えない券種(寝台券や普通回数券[6]など)は画面右下の「呼び出し」(当初は「きっぷの購入に関するお問合せ」)を押してオペレーターを呼び出して購入するので、この点からも名前の通り「プラス」の機能といえる。

2012年(平成24年)3月31日には能登川駅(滋賀県東近江市)、4月15日には津久野駅(大阪府堺市西区)でもみどりの窓口が廃止され、それぞれ翌日の4月1日、4月16日よりみどりの券売機プラスに移行した[7]。その後もこれを導入する駅は増えており、はりま勝原駅(兵庫県姫路市)、高井田駅(大阪府柏原市)、百舌鳥駅(大阪府堺市堺区)、富木駅(大阪府高石市)、比叡山坂本駅(滋賀県大津市)などの中小規模の駅だけでなく、京都駅地下東口、京橋駅西口など大規模駅の一部の窓口においてもみどりの窓口を代替する形でみどりの券売機プラスに移行している。

また、三国ヶ丘駅(大阪府堺市堺区)[8][9]のように、元々みどりの窓口のない駅に新規に設置された例もある。2016年3月26日に新規開業した摩耶駅(兵庫県神戸市灘区)や東姫路駅(兵庫県姫路市)、2018年3月17日に新規開業したJR総持寺駅(大阪府茨木市)や衣摺加美北駅(大阪府東大阪市)は開業時よりみどりの窓口を整備せず、この券売機で対応している。

導入時期により、MV30型、MV35型、MV35D型、MV50型の4種があり、途中から、操作パネル右に、モニターと受話器が付いた機種も登場し、より購入しやすいものとなっている。

設置駅では、直営・業務委託を問わず改札・精算などの係員が引き続き配置される例が多いが、2018年3月25日に設置された庭瀬駅(岡山県岡山市北区)は、常駐する係員は原則として接客を行わず(券売機・改札機の管理・集計業務などのみ)、営業上は無人駅扱いとしている。

利用できるサービス[編集]

  • 特急券急行券乗車券の購入
  • ICOCA定期券(ICOCAエリアのみ)・磁気定期券(フレックスも可)の購入(通学定期は継続購入のみ可能)
  • 乗車券類の受取(エクスプレス予約・JR西日本5489サービス・JR九州インターネット列車予約・電話予約〔但し、受取可能なものは「eきっぷ」・「e早特」・「スーパー早特きっぷ」と無割引の特急券・乗車券類のみ〕・サイバーステーション。過去には、プッシュホン予約の受取もサービス廃止まで可能だった。また北陸地域の新幹線停車駅と福井など一部の駅では、えきねっと予約で購入した切符〔JR東海区間やJR西日本との連絡運輸がない社線区間を含む切符など一部を除く〕も受け取りが可能となっている)
  • 指定席の予約・変更
  • トクトクきっぷの購入(一部駅を除く。2007年冬からは「青春18きっぷ」〔当初は京阪神エリア等一部駅のみ。その後他地域に波及〕、2012年夏からは「関西1デイパス」、2012年3月1日からは設定駅のみ「昼間特割きっぷ」の購入が可能に。その他に「新幹線回数券」、「のぞみ早特往復きっぷ」、「広島シティ☆カジュアルきっぷ」、「松山 / 高知観光きっぷ」など、支社・駅ごとに様々な設定がある)
  • 入場券の購入(京都支社を中心とした一部の駅や、新幹線停車駅の改札内〔岡山駅など一部の駅は改札外も〕のみ。購入できない駅もある)

以下はみどりの券売機プラスのみ

  • ジパング倶楽部や学割乗車券など割引証を必要とする乗車券類、その他メニューに表示される機能では購入できない乗車券類の購入
  • 通学定期券の新規購入・年度跨ぎの継続購入[10]
  • 各種乗車券の払い戻し

「みどりの券売機」や「みどりの受取機」でも乗車券のみの購入が可能で(但し、券売機のMV10型と受取機のMV40型は新幹線停車駅とその周辺への駅を目的駅とする乗車券のみ)、現金の他クレジットカードも利用できる(但し、受取機ではクレジット決済のみ)。「普通(快速)列車のみ利用」のメニューの場合は本日分の購入駅発の乗車券に限られているが、乗車経路に新幹線や在来線特急の停車駅を含む場合は「主に新幹線のみ利用」や「在来線特急・新幹線等を利用」のメニューから前売分や他駅発着の乗車券の購入は可能である。また、「時刻検索からきっぷ購入」を利用すれば、普通列車のみでも購入駅発の前売り乗車券が購入可能である[11][12][13]。なお、新幹線停車駅で構内にあるものは、その駅までの乗車券を挿入しないと購入できないようになっている(特急券のみ購入する場合を除く)。

導入駅[編集]

導入駅については、「JRおでかけネット」内のきっぷ受け取り駅一覧で調べる事ができる。なお、サイト内には、みどりの券売機が設置されている駅を四角い「券」アイコンで表示している。

脚注[編集]

  1. ^ JR西日本ネット予約「e5489」がますます便利に! 西日本旅客鉄道ニュースリリース、2016年12月8日。
  2. ^ UCと発行会社が同一(クレディセゾン)の《セゾン》カードについては添付されている国際ブランドの開放扱いとなる。
  3. ^ DC・UFJ→MUFGと発行会社が同一(三菱UFJニコス)のNICOSについては添付されている国際ブランドの開放扱いとなる(国内専用カードはJRカード以外利用不可)。
  4. ^ 前記ブランド以外のVISA・MasterCardもブランド開放扱いで利用可能だが、決済するカードによりVISA(SMCC/VJA/OMNICARD扱い)・UC・DC・MUFGのいずれかが明細に記述される。
  5. ^ なお、2008年10月10日に四国旅客鉄道(JR四国)の高松駅に「みどりの受取機」が設置された。JR九州でも博多駅のMV30型横に「みどりの券売機」と書いた貼り紙があったが、その後撤去された。
  6. ^ JR東日本ではMV型でも単独でマルス券様式で任意の区間の普通回数券を発売している。またJR北海道では鉄道情報システム開発のオプション機能を利用して通常の券売機に準じたエドモンソン券様式の金額式近距離券・普通回数券を現金購入専用で発売している。
  7. ^ 津久野駅では2012年4月1日にみどりの券売機プラスが設置され、15日まで併用運用された。
  8. ^ 2013年9月7日から2014年5月25日までは通常のみどりの券売機が設置されていた。
  9. ^ 2013年9月6日までは駅舎が南海電気鉄道の管理下にあったため設置されなかった。ただし磁気定期券は南海電鉄の様式ではあるが購入可能であった。
  10. ^ 係員が常駐している窓口廃止駅でのJR東日本の同等機種では「係員操作モード」で係員が操作する形で対応しているが、JR西日本を含む他社ではそうした取り扱いを原則として行わず、窓口での購入を案内している。
  11. ^ JR北海道・JR東日本・JR九州・JR四国の同等機種では「普通(快速)列車のみ利用(一部の駅を除く)」「時刻検索からきっぷ購入」で普通列車のみでも他駅発および前売りの乗車券の購入が可能となっている。
  12. ^ JR西日本の近畿統括本部管内は、係員および乗客による不正の抑制を理由に、JR西日本の中国・北陸地区の支社管内およびJR他社と比較しても、他駅発の乗車券の発行に対しては、近隣の無人駅から利用の遠距離券の前売りなどの正当な発行案件や、物理的に利用が不可能で不正の可能性が低い遠隔地相互間の当日分近距離券の趣味・記念目的の購入であっても抑制的な姿勢を取る駅がある(京都駅など)。
  13. ^ みどりの券売機プラスでは、他駅発の乗車券の購入がオペレーターを介して可能な場合がある。

外部リンク[編集]