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名探偵コナン 14番目の標的

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名探偵コナン 14番目の標的
Detective Conan The Fourteenth Target
監督 こだま兼嗣
脚本 古内一成
原作 青山剛昌
製作 相賀昌宏
土井共成
石坂敬一
石田敏彦
製作総指揮 相賀徹夫
出演者 高山みなみ
山崎和佳奈
神谷明
音楽 大野克夫
主題歌 ZARD
少女の頃に戻ったみたいに
撮影 野村隆
編集 岡田輝満
配給 東宝
公開 日本の旗 1998年4月18日
上映時間 99分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
興行収入 18億5000万円
前作 名探偵コナン 時計じかけの摩天楼
次作 名探偵コナン 世紀末の魔術師
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名探偵コナン 14番目の標的』(めいたんていコナン 14ばんめのターゲット)は1998年4月18日に公開された、劇場版『名探偵コナン』シリーズの第2作目である。興行収入は18億5000万円、配給収入は10億4000万円。上映時間は99分。


注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。


あらすじ

湖のほとりで、母の妃英理を見つける毛利蘭。思わず駆け寄ろうとする蘭だが、英理は大声で蘭を止める。どこからともなく銃声が聞こえたかと思うと、英理が地面に倒れこんでしまう。そんな夢の中から焦るように抜け出した蘭は不安になり、英理に電話をかける。それを笑う英理だが、蘭が「夢で見た母は今より少し若く見えた」ということを伝えると、なぜか英理は表情を曇らせる。

一方、江戸川コナンは少年探偵団とともに航空博物館に向かうことになり、阿笠博士を待つ間、歩美は占いのゲーム機でコナンとの恋を占うが、表示された結果は「Aの予感」。古い隠語で"A"はキスを意味する。

1週間後、公園をジョギングしていた目暮警部が何者かにボウガンで狙撃される。現場には西洋の短剣らしきものが残されていた。その後、今度は英理がチョコレートを食べた途端に苦しみだし倒れるが、すぐに胃の洗浄をしたため命に別状はなかった。そして今度は事務所の郵便受けに紙製の花が入っていた。阿笠博士の家で、今回の事件について考えるコナンだが、突然、玄関のガラスが割れ、外を見に行った阿笠博士はバイクに乗った何者かにボウガンで狙撃される。コナンは犯人を追うが寸前のところで逃げられてしまい、現場からは剣のようなものが発見された。

コナンは、数々の遺留品がトランプの絵札に関連していること、そして犯行の数々がコナンや小五郎を取り巻く人物を狙ったものだということを突き止める。一方で目暮警部も、犯人は仮出所したばかりの村上丈であることを突き止めていた。帰りの車中、コナンと蘭は白鳥刑事から、村上丈の取り調べの際トラブルが起きて、小五郎が英理を拳銃で打ったという事実を語られる。

目暮警部は、「十」のつく辻弘樹に事件のことを知らせ忠告するが、辻はヘリコプターのフライトをやめようとしない。小五郎と目暮警部も同乗することを条件にフライトに許可を出し、コナンも潜入に成功する。その後、飛び立ってまもなく辻が目の不調を訴え墜落の危機を迎えるが、コナンの助けを借りて不時着を決行し惨事を免れた。

次に狙われるのは「八」のつく人物ということで、沢木公平を尋ねたコナン一行。沢木はこれから海洋娯楽施設「アクアクリスタル」に行くのだと語り、コナンたちはそこで「九」のつく旭勝義の名前を目にする。そして、コナンたちも「アクアクリスタル」に向かうことになり、到着後、そこで同じく招待されていた小山内奈々、仁科稔、宍戸永明、ピーター・フォードと会することになる。しかし彼らもまた名前に数字を持っていた。

概要

  • 作品タイトルに「日本語で書いて英語で読む語」が初めて用いられた作品であり、『ベイカー街の亡霊』以降定着している(『11人目のストライカー』を除く)。
  • TVシリーズのキャラクターからは、妃英理が初登場。また、栗山緑 (当時は「秘書」とクレジット)が初登場したのも本作からである(後に原作・アニメにも登場)。
  • 本作では、毛利小五郎自身とその知り合いが名前に入っているトランプの数字になぞらえて、数字の13から1まで次々と襲われる。数字の順番は、目暮十三(13)→英理(12)→阿笠博(11)→弘樹(10)→勝義(9)→沢木平(8)→小山内奈々(7)→戸永明(6)→毛利小郎(5)→ピーター・フォード(4)→白鳥任郎(3)→科稔(2)→工藤新(1)。襲撃者は小五郎に恨みを持つとされる村上ジョーカー)とされる。そして、映画のサブタイトルである14番目の標的とは誰なのか、という謎が本作のメインとなっている。なお、名前に数字の付くメインキャラクターが13から次々と番号順に襲われるというストーリーにするにあたり、13の数字の入ったキャラクターがいなかったことから、目暮警部の名前を13=十三(じゅうぞう)とした(公式パンフレットの原作者と監督の対談から)。ちなみに、作中で「一(1)」に該当する人物は工藤新一となっているが、コナンが元の体に戻っていないため、欠席扱いとなった。また、『迷宮の十字路』の劇中において、本作が少し触れられている。
  • 劇場版シリーズでは唯一、「眠りの小五郎」で犯人を追い詰めている。『銀翼の奇術師』でも腕時計型麻酔銃を使用したが、誤って妃英理に命中してしまったため、英理の声で推理を披露している。本作以外の作品では、コナン自身が犯人と対峙し推理を披露するのが中心となっている。
  • 江戸川コナン(工藤新一)と毛利蘭が初めて口付け(人工呼吸)をした作品である。
  • 小五郎の過去にもスポットを当てた作品であり、小五郎が刑事を辞めるきっかけとなった事件と、毛利夫婦が別居した原因の一つを語っている。そのため(それまで詳細に語られることが無かった)小五郎の若い頃が描かれるなど重要なシーンも多数見られる。公式パンフレットの原作者・青山剛昌と監督・こだま兼嗣の対談から、この2つのエピソードを考案したのは青山本人であることが言及されている。
  • 目暮警部は、刑事時代の小五郎を「刑事時代は、数々の難事件を迷宮入りにした」と評していたが、本作で射撃の腕前が本物であることが判明しており、小五郎の有能な部分が垣間見える作品になっている。
  • 本作から『天国へのカウントダウン』まではエピローグシーンで決まった音楽が使用されている。
  • 本編のDVDは2001年3月28日Blu-ray Disc2011年6月24日に発売された。

登場人物

メインキャラクター

※以上の人物については名探偵コナンの登場人物を参照。

オリジナルキャラクター

容疑者

村上 丈(むらかみ じょう) - ジョーカー
- 鈴木英一郎
元トランプ賭博のディーラーで、「ジョーカー」の異名を持つ。35歳。左利き。
殺人容疑で警察に逮捕されて取調中に英理を人質に逃亡を試みたものの、小五郎に肩を撃たれ失敗する。直後、小五郎は人質に構わず発砲した責任を問われて依頼退職したため、小五郎が刑事時代に逮捕した最後の犯人になった。その後、服役し最近刑務所から仮出所した。出所直後、かつて自分を逮捕した小五郎の事務所を訪ねたが、留守で面会できなかった。小五郎に銃撃されたことで遺恨があるとされ、一連の事件の犯人として疑われる。
仁科 稔(にしな みのる) - 2
声 - 鈴置洋孝
エッセイスト。37歳。過去に犯罪ルポライターをしており、村上丈の事件を取り上げた事がある。
旭の秘書を名乗る人物から電話で呼び出されて「アクアクリスタル」に来た。外見は丁寧に繕っているが、本当は味音痴なうえ金槌のため水恐怖症であったりする。奈々は、仁科が本で美味しいと紹介した店がとても不味かったらしく味覚を疑っていた。その後、奈々が土産に持ってきたワインでブラインド・テイスティングの勝負をしたが、普通は土産として持ってくるはずもないような高級ワインであるシャンベルタンの名を挙げてしまい奈々から笑われる結果に終わった(実際はボジョレームーラン・ナ・ヴァンを熟成させたもの)。
ピーター・フォード - 4
声 - アンディ・ホリィフィールド
ニュースキャスター。40歳。村上丈とは面識が無い。
旭の秘書を名乗る人物から電話で呼び出されて「アクアクリスタル」に来た。片言の日本語を話す。女遊びが好きらしく、十和子の店で多数の女性と遊んでいる場面をコナンたちに目撃されている。村上に襲われる立場であっても毅然とした様子を見せていたが、普段は陽気な性格で、子供のコナンを引っ張っていこうとするなど優しい面もある。予告編では彼が苦しむシーンが映し出されていたが、実際には毒を盛られたふりをしただけの冗談であった。
名前のモデルは俳優のピーター・フォークから。
宍戸 永明(ししど えいめい) - 6
声 - 内海賢二
カメラマン。45歳。以前に「殺人犯の肖像」という写真集を著し、村上丈を撮影した事がある。
旭の秘書を名乗る人物から電話で呼び出されて「アクアクリスタル」に来た。やや口が悪く、初対面のコナンを小僧と呼びコナンから嫌がられる。また、村上から襲われそうな立場にいながらも平静でいられるなど、特に動揺した素振りは見せないでいる。だが、泳げない仁科に手を貸して「岸まで連れていく」と発言したり、少年探偵団の写真を撮って探偵団を喜ばすなど、好人物としての面も持ち合わせている。
小山内 奈々(おさない なな) - 7
声 - 岡本麻弥
モデル。21歳。村上丈とは面識が無い。
旭の秘書を名乗る人物から電話で呼び出されて「アクアクリスタル」に来た。その際にフランス製の高級なマニキュアをプレゼントされている。高飛車な性格で、仁科に対して紹介した店が不味かったと文句を言ってブラインド・テイスティングをさせ、失敗した仁科をさらに挑発している。宍戸とは知り合いで、「宍戸先生」と呼んでおり、宍戸からは「奈々ちゃん」と呼ばれている。3ヶ月前に運転中の通話による前方不注意でバイクと接触しそうになった過去を持つ。
沢木 公平(さわき こうへい) - 8
声 - 中尾隆聖
仏料理店「ラ・フルール」勤務のソムリエ。36歳。村上丈とは面識が無い。
小五郎や英理とは古くからの友人。物静かで温和な性格だが、ワインに対する知識と情熱は凄まじく、奈々が持ってきたワインをいとも簡単に当てるなど、ソムリエとしての実力は一流である。いつか自分の店を開くのを目標としている。趣味はワインの収集で、自宅のワインクーラーには宝物のシャトー・ぺトリュスを筆頭に、高級ワインが数多く貯蔵されており、実家にも数百本のワインが貯蔵されている。旭と会う約束をしており、ガードも兼ねてコナンたちを「アクアクリスタル」へ連れて行く。
旭 勝義(あさひ かつよし) - 9
声 - なし
実業家。62歳。
海洋娯楽施設「アクアクリスタル」のオーナー。小五郎とは迷子になったペットの猫探しを依頼したことがあり面識がある。沢木に店を任せたいという話を持ち掛け、沢木のガードも兼ねてコナンたちは「アクアクリスタル」へ向かうことになる。
辻 弘樹(つじ ひろき) - 10
声 - 谷口節
プロゴルファー。36歳。村上丈とは面識が無い。
小五郎とは知り合いで、サインをプレゼントしたことがあり事務所に飾られている。ヘリコプターの操縦免許を取得しており自家用機も所有している。小五郎の関係者が次々に襲撃されているため、目暮警部から今回の飛行は中止するように忠告されるが、それを無視し、小五郎・目暮とともに飛行を開始してしまう。その後、米花町上空を飛行中、突然目の異常を訴えヘリは墜落の危機を迎えるが、こっそり搭乗していたコナンの活躍により全員無事に着陸させることに成功した。その後の検査で何者かが目薬をビタミン剤から紅彩炎用の散瞳剤にすり替えていたことが判明、全米オープンはキャンセルすることになってしまった。

その他のキャラクター

岡野 十和子(おかの とわこ)
声 - 一城みゆ希
クラブ「十和子」のママ。32歳。
小五郎が常連客であるクラブのママ。名前に10(岡野和子)が入っているため犯人に狙われると思われたが、一連の事件とは無関係であった。
レポーター
声 - 永島由子
海洋娯楽施設「アクアクリスタル」がオープンするため旭勝義に取材をしたレポーター。
辻の彼女
声 - 海原やすよ・ともこ
辻がフランス料理店に連れてきた女性2人。
医者
声 - 千葉一伸
毒入りチョコレートを食べて倒れた英理を診察した東都大学病院の医師。

キャッチフレーズ

  • 「次に狙われるのはだれだ!?」

スタッフ

主題歌

「名探偵コナン 14番目の標的」製作委員会

脚注

関連項目