六本木
六本木(ろっぽんぎ)は、東京都港区の地名。現在の町丁名では、六本木一丁目から六本木七丁目がある。当地域の人口は、8,921人[1]。郵便番号は、106-0032。
概要
江戸時代は大半が武家地だった地域で、明治時代以降は東京市麻布区に位置し、六本木一丁目、六本木二丁目、六本木四丁目、六本木五丁目の高台地域は番町、市谷船河原町、市谷砂土原町、そして赤坂の高台地区と並び特に六本木四丁目のフランシスカン・チャペルセンター周辺と六本木五丁目の鳥居坂周辺は1990年代前半頃までは独特の佇まいを残していた。
現在は繁華街というイメージが強い傾向にある。百貨店は存在しないが、1973年(昭和48年)に誕生したロアビルがかつてはショッピングビルとして該当した。また、六本木ヒルズや泉ガーデンといったビジネスエリアや高級マンションエリア、大使館も多くもあり、多面的な顔を見せている。
- 六本木と麻布
六本木は、明治時代-昭和初期にかけて麻布区の一地域で戦後、麻布区から港区になったが、住居表示実施前の六本木五丁目と六本木六丁目、六本木七丁目の一部は「麻布六本木町」という麻布の筆頭町名であった。
行政区分や警察署・郵便局の管轄も、六本木は麻布管内となっている。
歴史
江戸時代の「六本木町」は門前町で、現在の六本木交差点付近の狭い範囲を指していた。明治以降の「六本木町」は、寺院や大久保加賀守の下屋敷跡などを含む範囲になった。武家屋敷跡がお屋敷町になった。湧き水や地下水に恵まれ金魚の養殖が盛んであった。
六本木近辺には日本軍の軍事施設が置かれ、兵隊の町でもあった。龍土町(現・六本木七丁目)には1936年(昭和11年)の二・二六事件にも参加者を出した歩兵第三連隊があり、隣接する赤坂区檜町(現・赤坂九丁目)には歩兵第一連隊があった。
1967年(昭和42年)7月1日に、この六本木町のほか、龍土町・三河台町・今井町・材木町・鳥居坂町・東鳥居坂町・永坂町(約半分)・飯倉片町(の一部)・北日ヶ窪町など麻布地区北部一帯の住居表示が実施され、町名は六本木(六本木一丁目から六本木七丁目まで)に整理再編された。
沿革
- 1878年(明治11年)11月2日 - 大区小区制廃止、郡区町村編制法施行により、東京府麻布区の一部となる。
- 1889年(明治22年)5月1日 - 市制施行により、東京府東京市麻布区の一部となる。
- 1943年(昭和18年)7月1日 - 東京都制施行により、東京都麻布区の一部となる。
- 1947年(昭和22年)3月15日 - 東京都港区の一部となる。
- 1967年(昭和42年)7月1日 - 住居表示を施行し、六本木一丁目から七丁目となる[2]。
- 1978年(昭和53年)9月1日 - 六本木六丁目の町域を拡大する[3]。
地名の由来
地名の由来は、
などがある。
町名の変遷
実施後 | 実施年月日 | 実施前(特記なければ、各町名ともその一部) |
---|---|---|
六本木一丁目 | 1967年7月1日 | 赤坂榎坂町(全域)、赤坂霊南坂町(全域)、麻布市兵衛町一丁目、麻布市兵衛町二丁目、麻布箪笥町、麻布谷町 |
六本木二丁目 | 麻布箪笥町、麻布谷町、麻布今井町 | |
六本木三丁目 | 麻布仲ノ町(全域)、麻布市兵衛町二丁目、麻布箪笥町、麻布谷町、麻布今井町、麻布三河台町 | |
六本木四丁目 | 麻布市兵衛町二丁目、麻布今井町、麻布三河台町 | |
六本木五丁目 | 麻布鳥居坂町(全域)、麻布東鳥居坂町(全域)、麻布飯倉片町、麻布永坂町、麻布南日ケ窪町、麻布北日ケ窪町、麻布六本木町 | |
六本木六丁目 | 麻布桜田町(全域)、麻布宮村町(全域)、麻布南日ケ窪町、麻布北日ケ窪町、麻布材木町、麻布六本木町、麻布霞町 | |
1978年9月1日 | 麻布南日ケ窪町(全域) | |
六本木七丁目 | 1967年7月1日 | 麻布龍土町(全域)、麻布新龍土町(全域)、赤坂青山南町一丁目(全域)、麻布材木町、麻布六本木町、麻布霞町 |
繁華街
六本木近辺の軍事施設は太平洋戦争で、各国の大使館を残し空襲で焼失、終戦に伴い、日本の占領にあたった連合国軍に接収される。そのため、外国人向けの商店や飲食店が少しずつ出来るようになる。また、1950年代後半にはNET(日本教育テレビ、現・テレビ朝日)が開局し、この頃に六本木族が登場する。
1960年代に入ると日本料理の瀬里奈を始めとして中華料理の香妃園や魯山、イタリア料理のアントニオなどが芸能人やファッションモデル、来日した海外のスターらが出入りする店として徐々に知られるようになった。1960年代後半からは高台以外の住宅街へ押し入るように外国人や日本人向けの飲食店、若者向けのサパークラブ、ゴーゴークラブなどのオープンが続き、結果として住宅街から繁華街へと姿を変え、1975年(昭和50年)以降は赤坂に代わる人気プレイスポットとして有名になっていく。
1980年代後半からのバブル経済期には六本木スクエアビルを中心としてディスコだけで数十軒が立ち並び、大衆化が進むとともに活況を呈したが、その後バブル経済の崩壊とともに1993年(平成5年)以降は多くの店が閉店し、カラオケ店やキャバクラなどに衣替えした。
2010年(平成22年)現在、平日は昼夜を問わずサラリーマンやOLの姿が目立ちオフィス街としてのイメージも強くなった他、六本木一丁目にはスペイン大使館、スウェーデン大使館などの外国公館や、六本木七丁目のアメリカ軍施設(ヘリポート、星条旗新聞社ほか)などもあり外国人の姿も目立つ。
週末の金・土曜夜になるとバーやクラブ、キャバクラなどが林立する繁華街の様相を呈する。クラブ目当ての若者や外国人のほか、キャバクラ嬢や外国人の客引きが街頭に出ている姿が見られる。また、傷害事件やカジノ賭博・麻薬密売等の違法行為も存在し、時折検挙等により明るみに出ることがある[4]。新宿歌舞伎町などと同様に暴力団同士の抗争も垣間見られる[5]。これらの影響で六本木地区はアメリカ国務省、イギリス大使館、オーストラリア大使館によって旅行者向けの危険地域として警告されている[6][7][8]。
六本木ヒルズ
東京ミッドタウン
陸上自衛隊檜町駐屯地(赤坂九丁目)は2000年(平成12年)5月に移転し、跡地には新たな複合施設「東京ミッドタウン」が2007年(平成19年)3月30日にグランドオープン(街開き)した。正式な住所は赤坂九丁目である。
施設
- 六本木一丁目
- アークヒルズ
- サントリーホール
- 泉ガーデン
- 泉屋博古館分館
- 六本木一丁目駅
- ホテルヴィラフォンテーヌ六本木
- キャンティ (イタリア料理店)
- ホテルオークラ別館
- ニコラスピザハウス
- サウジアラビア大使館
- スペイン大使館
- スウェーデン大使館
- ミクロネシア大使館
- ラフォーレミュージアム
- 御組坂
- 農林水産省生活技術研究館
- 道源寺坂
- 六本木二丁目
- 六本木三丁目
- 六本木四丁目
- 六本木五丁目
- 東洋英和女学院中学部・高等部
- 東洋英和女学院小学部
- ゴトウフローリスト(旧ゴトウ花店&ゴトウ・アパートメント)
- チャコ(ステーキ)
- 麻布地区総合支所
- 於多福坂
- 饂飩坂
- 鳥居坂
- フィリピン大使館
- シンガポール大使館
- 港区立麻布図書館
- 六本木六丁目
- 六本木七丁目
交通
- 六本木通り(東京都道412号霞ヶ関渋谷線)
- 外苑東通り(東京都道319号環状三号線)
- テレビ朝日通り
- 首都高速道路・出入口
同町をテーマにしたもの
- 楽曲
- 六本木の雨の中で / ヴィレッジ・シンガーズ
- 六本木心中 / 桃井かおり(アン・ルイスの作品とは、同名異曲)
- 六本木 / 南沙織、アルバム『人恋しくて』(1975年12月5日)に初収録。
- 六本木ララバイ / 内藤やす子
- 六本木心中 / アン・ルイス、後に相川七瀬、デーモン小暮がカバー。
- 六本木十時軍 / 杉浦幸
- 六本木純情派 / 荻野目洋子
- ROPPONGI-雨 / 米米CLUB、アルバム『PUSHED RICE』収録。
- 六本木レイン / 研ナオコ
- 六本木のベンちゃん / 小林克也&ザ・ナンバーワンバンド+嘉門雄三(桑田佳祐)、六本木にちなんだ呼称が多数登場する。
- よくやるね / 和田アキ子、歌詞の中に「飯倉片町」が出てくる。
- 六本木〜GIROPPON〜 / 鼠先輩
- Roppongi Blues / フィリップ・セス
- 映画
脚注
- ^ 2010年12月1日現在、住民基本台帳による
- ^ 同年7月17日、自治省告示第121号「住居表示が実施された件」
- ^ 同年10月6日、自治省告示第177号「住居表示が実施された件」
- ^ 『スポーツ報知』2006年10月12日版 六本木で違法カジノ摘発
- ^ 『朝日新聞』2007年2月13日版 2月5日、西麻布で暴力団幹部射殺事件発生
- ^ アメリカ国務省 Welcome to Travel.State.Gov
- ^ アメリカ国務省「日本への渡航は十分注意してください」と警告 - ロケットニュース24
- ^ 「薬物で意識不明にさせ高額請求」、外国人ねらい六本木で急増 米大使館警告 AFPBB News
関連項目
- 岡田眞澄(六本木族が登場する以前、太陽族の時代より六本木および飯倉界隈を馴らしていた)
- TSK・CCCターミナルビル
- スクエアビル
- 六本木ディスコ照明落下事故
- 大阪アメニティパークタワー(OAPタワー)
- 東京都の観光地
外部リンク
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