恋におちたら (ビートルズの曲)

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恋におちたら
ビートルズ楽曲
収録アルバムハード・デイズ・ナイト
英語名If I Fell
リリース
  • 1964年7月10日 (LP "A Hard Day's Night")
  • 1964年7月20日 (US Single)
  • 1964年10月5日 (Japan Single)
A面アメリカ合衆国の旗日本の旗 アンド・アイ・ラヴ・ハー
録音
ジャンルポップ[1]
時間2分22秒
レーベル
作詞者レノン=マッカートニー
作曲者レノン=マッカートニー
プロデュースジョージ・マーティン
チャート順位
後述を参照
ビートルズ シングル U.S. 年表
ビートルズ シングル 日本 年表
ハード・デイズ・ナイト 収録曲
恋する二人
(A-2)
恋におちたら
(A-3)
すてきなダンス
(A-4)

恋におちたら」(こいにおちたら、原題 : If I Fell)は、ビートルズの楽曲である。1964年に発売された3作目のイギリス盤公式オリジナル・アルバム『ハード・デイズ・ナイト』や、同年にアメリカで発売されたキャピトル編集盤『サムシング・ニュー』に収録された。レノン=マッカートニー名義となっているが、ジョン・レノンによって書かれた楽曲[2][3]

1964年に公開されたビートルズ主演の映画『ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!』では、リハーサルのシーンとラストのコンサートのシーンで演奏された。

背景・曲の構成[編集]

「恋におちたら」は、愛とそれによって生じるジレンマを題材とした楽曲で、3つのヴァースとコーラスを通して、貴気持ちの告白、拒絶されることへの恐れなどが歌われている[4]。楽曲について、レノンは1980年の『プレイボーイ』誌のインタビューで「初めてバラードに挑戦した曲。感傷的なバラード…まぁ、馬鹿げたラブソングを書いたというわけさ」と語っている[5]

曲のキーは基本Dメジャーだが、イントロではキーがD♭メジャーで、4分の4拍子で演奏される[6]。イントロではレノンがソロで歌っているが、それ以外のセクションではマッカートニーがリードを歌い、レノンが下の音域でハーモニーを歌っている[6]。ブリッジやリフレインのセクションがない代わりに、2つのヴァースから直接つながる拡張部分により、形式的なコントラストが与えられている[6]

レコーディングやライブでの演奏[編集]

「恋におちたら」のレコーディングは、1964年2月27日にEMIレコーディング・スタジオで行われた。レノンとマッカートニーは、ボーカルのレコーディングに際してエヴァリー・ブラザースのような密集和声を作り出すために1本のマイクを分け合った[7]

モノラル・ミックスとステレオ・ミックスで差異が生じており、モノラル・ミックスでは冒頭のレノンのボーカルがシングルトラックであるのに対し、ステレオ・ミックスではダブルトラックになっている[8][9]。曲の1分44秒のあたりでマッカートニーの「vain」と歌う声がかすれているが、2009年に発売されたモノラル・ミックスではリマスタリングを担当したエンジニアによって修正されている[9]

1964年のアメリカツアーで演奏された[10]。なお、ライブでの演奏時に、レノンが「If I Fell Over」と紹介したことがある[11]

リリース[編集]

「恋におちたら」は、イギリスで1964年7月10日にパーロフォンから発売されたオリジナル・アルバム『ハード・デイズ・ナイト』のA面3曲目に収録された。アメリカでは1964年6月26日にユナイテッド・アーティスツ・レコードから発売されたサウンドトラック盤『A Hard Day's Night (United Artists)』に収録されたのち、7月20日に発売されたシングル盤『アンド・アイ・ラヴ・ハー』のB面や同日に発売されたキャピトル編集盤『サムシング・ニュー』にも収録された。その後、『ラヴ・ソングス』や『リヴァプールより愛を込めて ザ・ビートルズ・ボックス』などのコンピレーション・アルバムにも収録された。

アメリカのBillboard Hot 100では最高位53位を記録し[12]、カナダのシングルチャートでは最高位28位を記録した[13]。ノルウェーでもシングル・カットされ、同国のシングルチャートで第1位を獲得した[14]

オールミュージック』のリッチー・アンターバーガー英語版は、本作について「アルバムおよび映画で最高の楽曲の1つで、初期の最高のバラードの1つ」と評している[15]

クレジット[編集]

※出典[3]

チャート成績[編集]

チャート (1964年) 最高位
Canada Top Singles (RPM)[13] 28
オランダ (Single Top 100)[16] 3
ドイツ (GfK Entertainment charts)[17] 2
ノルウェー (VG-lista)[14] 1
US Billboard Hot 100[12] 53

カバー・バージョン[編集]

脚注[編集]

出典[編集]

  1. ^ Ingham, Chris (2003). The Rough Guide to the Beatles. Rough Guides. p. 32. ISBN 1-84353-140-2 
  2. ^ Miles 1997, pp. 162–163.
  3. ^ a b MacDonald 2005, p. 112.
  4. ^ Stevens 2002, p. 27.
  5. ^ Sheff 2020, p. 213.
  6. ^ a b c Pollack 1992.
  7. ^ 26 -- 'If I Fell'”. Rolling Stone. 2019年3月21日閲覧。
  8. ^ Wiener 1986, p. 510.
  9. ^ a b Montgomery 2014, p. 147.
  10. ^ Miles, Barry (2009). The British Invasion. Sterling. p. 106. ISBN 1-4027-6976-8 
  11. ^ Stevens 2002, p. 38.
  12. ^ a b The Hot 100 Chart”. Billboard (1964年9月5日). 2020年10月11日閲覧。
  13. ^ a b Top RPM Singles: Issue 9282”. RPM. Library and Archives Canada. 2022年1月11日閲覧。
  14. ^ a b "Norwegiancharts.com – The Beatles – If I Fell". VG-lista. 2020年10月11日閲覧。
  15. ^ Unterberger, Richie. If I Fell - The Beatles | Song Info - オールミュージック. 2020年10月11日閲覧。
  16. ^ "Dutchcharts.nl – The Beatles – If I Fell" (in Dutch). Single Top 100. 2020年10月11日閲覧。
  17. ^ "Offiziellecharts.de – The Beatles – If I Fell". GfK Entertainment Charts. 2020年10月11日閲覧。
  18. ^ Viglione, Joe. Lightnin' Strikes - Lou Christie | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック. 2020年10月11日閲覧。
  19. ^ Erlewine, Stephen Thomas. 1.22.03.Acoustic - Maroon 5 | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック. 2020年10月11日閲覧。
  20. ^ Live at the Royal Festival Hall, 1972 - Mary Hopkin | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック. 2020年10月11日閲覧。
  21. ^ (インタビュー)「宮本浩次は濃密で多岐にわたるソロワークで何を示すのか」『SPICE』、イープラス、2019年10月22日https://spice.eplus.jp/articles/2584462020年10月11日閲覧 
  22. ^ 竹内まりや「Turntable」”. Warner Music Japan. 2021年10月11日閲覧。

参考文献[編集]

外部リンク[編集]