阿智村
あちむら ![]() 阿智村 | |||||
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昼神温泉街の遠景 | |||||
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国 |
![]() | ||||
地方 | 中部地方、甲信越地方、信越地方 | ||||
都道府県 | 長野県 | ||||
郡 | 下伊那郡 | ||||
市町村コード | 20407-2 | ||||
法人番号 | 4000020204072 | ||||
面積 |
214.43km2 | ||||
総人口 |
5,856人 [編集] (推計人口、2023年1月1日) | ||||
人口密度 | 27.3人/km2 | ||||
隣接自治体 |
飯田市、木曽郡南木曽町、下伊那郡阿南町、平谷村、下條村 岐阜県中津川市 | ||||
村の木 | トチノキ | ||||
村の花 | フクジュソウ | ||||
他のシンボル | - | ||||
阿智村役場 | |||||
村長 | 熊谷秀樹 | ||||
所在地 |
〒395-0303 長野県下伊那郡阿智村大字駒場483番地 北緯35度26分38秒 東経137度44分51秒 / 北緯35.44381度 東経137.74753度座標: 北緯35度26分38秒 東経137度44分51秒 / 北緯35.44381度 東経137.74753度 ![]() | ||||
外部リンク | 公式ウェブサイト | ||||
特記事項 | 標高:557m | ||||
ウィキプロジェクト |
概要[編集]
星空の村[編集]
2006年、浪合地区もみじ平天文村で撮影された星空写真が、星の見え具合を報告する環境省主催の「全国星空継続観察」の2006年度夏期「一般参加団体による写真撮影結果において夜空の明るさが星の観測に適していた場所」において、夜空の明るさの等級23.7を記録し(数値が高いほど夜空が暗いことを示し、星の観測に適しているとされる)、観測した参加団体416団体のうちの最高点となった[1](同年冬期は20.98で4位[2]、2010年度夏期は23.3で7位[3])。参加は任意であり、全国の星空を網羅的に調査したものではないが、阿智村では「星がもっとも輝いて見える場所」[4][5] を謳い文句に「日本一の星空ナイトツアー」の実施[6] や地域通貨「スターコイン」の発行[7]、天体などの知識を問う「阿智村スターマイスター認定試験」の創設など[8]、観光事業に役立てている。2015年には「日本一の星空」を商標登録した[4]。
2012年に始まった「日本一の星空ナイトツアー」は、初日の一般参加者は3名であったがその後は口コミで広がり初年度は6500人が訪れた。2015年には6万人が訪れ、地域活性化の一翼を担っている[9]。
地理[編集]
1973年に、旧国鉄中津川線のボーリング調査中、突如お湯が湧きだし発見された昼神温泉がある。また、岐阜県と長野県の県境に位置する神坂峠の長野県側の入口に当たる園原地区には、日本天台宗の祖・伝教大師こと最澄が、東山道の神坂峠の急峻さに驚き、広拯院というお助け小屋を作った。この縁で2005年に広拯院の跡地とされる「月見堂」が「信濃比叡根本中堂」として整備され、本山の根本中堂から「不滅の法灯」が分霊されることとなった。因みに、この広拯院の近くには、『源氏物語』の第2巻のタイトルにもなっている「帚木」の実物がある。
南北朝時代には、後醍醐天皇の孫と言われる尹良親王が浪合地区で戦死したとされる。
村の南部、平谷村との村境にある治部坂峠(じぶざかとうげ)の周辺は、古くから観光地化されており、東海地方からの観光客が多い。
地形[編集]
山地[編集]
- 主な山
- 主な峠
河川[編集]
- 主な川
気候[編集]
観測点がある浪合は標高が940mと高いこともあり最暖月の平均気温が22℃に満たないため、ケッペンの気候区分では西岸海洋性気候に属する。全般に冷涼な気候で、真夏日は見られるものの、猛暑日および熱帯夜の観測記録はない。観測史上の最低気温は2016年1月25日に記録された-17.4℃で、これは当日の全国観測点での最低気温記録でもある。浪合観測点ではその前日に-16.9℃と観測史上の最低気温を記録したばかりで、連日の記録更新となった[11]。
平年の年間降水量は2644.2mmであり、豊富な降水に恵まれるが、これは長野県内の観測点ではトップの値である。日照時間は1908.8時間であり、長野県内の他観測地点と比較するとやや短い[12]。
人口[編集]
![]() | |
阿智村と全国の年齢別人口分布(2005年) | 阿智村の年齢・男女別人口分布(2005年) |
■紫色 ― 阿智村
■緑色 ― 日本全国 |
■青色 ― 男性
■赤色 ― 女性 |
阿智村(に相当する地域)の人口の推移 | |
総務省統計局 国勢調査より |
隣接する自治体[編集]
歴史[編集]
- 古代には八意思兼命後裔の阿智祝部が当地を開発し、阿智神社を祭祀した。
- 村域には古代官道東山道の道筋で、美濃と信濃間にある、難所「神坂峠」、信濃側最初の阿知駅が所在していた[13]。
- 難所の神坂峠を越えた、東国の山里、園原は奈良時代より和歌等の歌枕になり、歌人に詠まれた。[13]
- 1573年(元亀4年) - 武田信玄が、三河攻めからの帰路、駒場で没したといわれる(異説として浪合説、根羽村説がある)。
- 1575年(天正3年) - 武田勝頼が、長篠の戦いで敗北して退いて来た所を、海津城代であった高坂弾正(春日虎綱)が駒場で出迎えた、とされる。
- 1582年4月6日(天正10年3月14日) - 天目山の戦いで戦死した武田勝頼・信勝父子の首級が、浪合で織田信長により首検分される。
沿革[編集]
政治[編集]
行政[編集]
- 村長
- 村長:熊谷秀樹(2014年2月就任 2期目)
議会[編集]
- 村議会
- 村議会:定数12(2012年11月現在)
財政[編集]
- 2006年度
- 財政力指数 0.246 長野県市町村平均 0.40
- 経常収支比率 78.9%
- 標準財政規模 31億0795万円
- 歳入合計 56億9538万円
- 主な内訳 地方交付税 25億0280万円(43.9%) 地方税 7億5427万円(13.2%) 地方債 6億1690万円(10.8%)
- 実質公債費比率 16.0%
- 人口一人当たりの地方債現在高 94万4112円(普通会計分のみ)
- 人口一人当たり人件費物件費等決算額 19万4523円 長野県市町村平均 12万1172円
- 人口1000人当たり職員数 12.61人 長野県市町村平均 8.17人
- 内訳 一般職員82人(うち技能労務職 11人)
- 職員一人当たり平均給料月額 31万3900円 (すべての職員手当を含まない数字)
- 職員一人当たり職員給(年額) 583万6341円 (民間のボーナスに当たる期末・勤勉手当などすべての職員手当を含まない)
- ラスパイレス指数 93.6 全国町村平均 93.9
地方債の残高
- 1 普通会計分の債務 61億3860万円
- 2 特別会計分の債務 47億5990万円
- 主な内訳 下水道事業分 26億9180万円 水道事業分 13億9680万円 農業集落排水事業分 5億3050万円
- 3 関係する一部事務組合分 6億8200万円 (債務×負担割合の合計 主に下伊那郡西部衛生施設組合分)
地方債等の合計 115億8050万円
- 阿智村民一人当たりの地方債残高 178万1067円 (連結会計)
施設[編集]
警察[編集]
- 本部
- 交番
- 阿智村交番
- 駐在所
- 阿智村浪合駐在所
消防[編集]
- 本部
郵便局[編集]
電話番号[編集]
文化施設[編集]
- 阿智村中央公民館
- 阿智村図書館
- 満蒙開拓平和記念館
姉妹都市・提携都市[編集]
国内[編集]
- 提携都市
経済[編集]
工業[編集]
- 主な工場
- 東海化工 飯田工場
- 盟和産業 長野工場
- 南信州菓子工房
- 化成工業株式会社
商業[編集]
- 主な商業施設
- Aコープラック あち店
- ショッピングタウン ピア
マスメディア[編集]
テレビ局[編集]
- ケーブルテレビ
教育[編集]
過疎化の問題から、2011年度から平谷村の中学生を阿智村立阿智中学校に受け入れている。学校組合(一部事務組合)は設置せず、平谷村が中学校事務を当村に委託する形をとる。
高等学校[編集]
- 公立
中学校[編集]
- 村立
- 阿智村立阿智中学校
- 阿智村立清内路中学校(2010年度から阿智中学校へ統合され廃校)
- 阿智村立浪合中学校(2011年度から阿智中学校へ統合され廃校)
小学校[編集]
- 村立
- 阿智村立阿智第一小学校
- 阿智村立阿智第二小学校
- 阿智村立阿智第三小学校
- 阿智村立浪合小学校
- 阿智村立清内路小学校
- 私立
交通[編集]
鉄道[編集]
村内を通る鉄道路線は無い。鉄道を利用する場合の最寄り駅は、JR東海飯田線飯田駅。
バス[編集]
- 路線バス
- 信南交通
- 駒場線
- 駒場線(市立病院経由)
- 西部コミュニティバス
- 高速バス
高速バスの「阿智」停留所は路線バスの「こまんば」停留所と同一地点。また高速バスの「中央道昼神温泉」と「駒場BS」も同一地点である。「こまんば」と「駒場BS」は徒歩10分ほどの距離である。
一方、中央道昼神温泉から昼神温泉は4km程度離れている。
道路[編集]
- 高速道路
- 国道
- 都道府県道
観光[編集]
名所・旧跡[編集]
- 主な城郭
- 駒場城 - (信玄のろし台)
- 主な寺院
- 主な神社
- 宿場町
- 主な史跡
観光スポット[編集]
- 主なスノーリゾート
- ヘブンスそのはらSNOW WORLD - 2012年より「日本一の星空ナイトツアー」を開催している。
- あららぎ高原スキー場
- 治部坂高原スキー場 - 「100万本のコスモスガーデン」を開催している。
- 富士見台高原
文化[編集]
特産物[編集]
出身著名人[編集]
- 熊谷元一(農村写真家、童画家)
- 阿智太郎(ライトノベル作家)
- 清水学(経済学者)
- 鈴木照雄(プロ野球選手)
- 園原健弘(陸上選手、バルセロナ五輪50km競歩代表[15]、30000m競歩日本記録保持者[16])
- 田中秀雄(陸上選手、ベルリン五輪出場[17])
- 濱島哲也(バレーボール選手)
- 山本慈昭(福祉活動家、長岳寺元住職、「中国残留孤児の父」として知られ、映画『望郷の鐘-満豪開拓団の落日』の主人公)
ゆかりの人物[編集]
- 念阿弥慈恩 - 浪合に長福寺を建立。
脚注[編集]
注釈[編集]
出典[編集]
- ^ 一般参加団体による写真撮影結果において夜空の明るさが星の観測に適していた場所(平成18年度夏期) 環境省
- ^ 一般参加団体による写真撮影結果において夜空の明るさが星の観測に適していた場所(平成18年度冬期) 環境省
- ^ 一般参加団体による写真撮影結果において夜空が暗かった場所(平成22年度夏期) 環境省
- ^ a b 「日本一の星空」商標登録 スタービレッジ阿智、2015年3月27日
- ^ asoview!NEWS (2016年4月26日). “日本一の星空と大塚愛が歌のコラボ!「ai otsuka AIO PIANO」が長野で開催”. 2016年5月10日閲覧。
- ^ スタービレッジ阿智. “ナイトツアー|スタービレッジ阿智”. 2016年5月10日閲覧。
- ^ スタービレッジ阿智. “スターコインのお店”. 2016年5月10日閲覧。
- ^ スタービレッジ阿智. “スターマイスター|スタービレッジ阿智”. 2016年5月10日閲覧。
- ^ 東洋経済オンライン (2016年4月19日). “日本一地味な村、阿智村に人が殺到するワケ”. 2016年5月10日閲覧。
- ^ “地域の橋の完成祝う 阿智の中之橋が開通 | ミナミシンシュウ.jp”. 2018年7月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年7月31日閲覧。
- ^ 気象庁 観測史上1~10位の値(年間を通じての値)長野県浪合
- ^ 気象庁 平年値(年・月ごとの値)長野県浪合
- ^ a b 『下伊那史4巻』 下伊那史編纂会 代表 市村咸人. 信濃教育会出版部発行. (1961)
- ^ “長野県 > 下伊那郡阿智村の郵便番号一覧”. 日本郵便. 2020年1月31日閲覧。
- ^ “県勢・決戦のロンドンへ(3)=競歩・藤沢勇 勝負強く、攻める初舞台”. 信濃毎日新聞. (2012年6月29日) 2013年6月20日閲覧。
- ^ “日本記録”. 公益財団法人日本陸上競技連盟. 2013年6月22日閲覧。
- ^ “未来へつなぐたすき(5)-2=大町北安曇 若手育成、地元で大会”. 信濃毎日新聞. (2011年11月2日) 2013年6月23日閲覧。
関連項目[編集]
- 全国市町村一覧
- 阿智村情報化事業サービス
- 中津川線 - 本村を通る予定だった国鉄の路線(未成線)
- 武田信玄(当地・駒場で没したとされる)
- 武田信豊 (甲斐武田氏)(大平神社に祀られている)
- 藤原陳忠
- 世良田有親
- 世良田政義
- 世良田親季
- 小笠原信貴
- 小笠原信嶺
- 森田草平(疎開で長岳寺の離れに住まい、同所で没した)
- リトルツインスターズ -双子のきょうだい星という設定のサンリオのキャラクター。2015年より阿智村の親善大使に就任した。
外部リンク[編集]
- 公式ウェブサイト
- 阿智家族チャンネル(長野県阿智村公式) - YouTubeチャンネル
- 天空の楽園 日本一の星空 ナイトツアー - スタービレッジ阿智 (achimura0265) - Facebook
- 【公式】スタービレッジ阿智 (@tar_achimura) - Twitter
- 【公式】日本一の星空スタービレッジ阿智 (@star_achimura) - Instagram
- まちむらナガノ。jp 信州の情報
- 西部コミュニティーバス時刻表 (PDF) 根羽村役場
- 長野県阿智村浪合地区の公式サイト